八味地黄丸で体調を治す

63歳女性です。

今、困っている状態:頭がスッキリしない、疲れ、鼻閉が続く

既往歴:気管支喘息があり、夜間に時々気管支拡張薬を使用中。甲状腺腫術後。

孫3人と同居しており、毎日忙しいようです。

食欲普通、不眠なし、便秘あり(2日に1回排便)、尿もれあり、肩が痛い、首・肩が凝る、目が疲れる、耳鳴り、耳閉塞感あり、手足がこわばる。

脈:沈。下腹部(小腹=臍から下)の皮膚の張りがありません(小腹不仁)。

加齢に伴うパワーダウンと考え八味地黄丸(はちみじおうがん)を開始しました。

2週間後再診。

「カラダのだるさがなくなり、目のしょぼしょぼもなくなった!疲れが良くなった気がする」

八味地黄丸は速効性に効く漢方薬には入りませんが、時々急速に症状が改善するのを見ることがあります。

八味地黄丸が自分に合うと分かれば、2-3ヶ月は最低飲み続けてみると良いです。

毎日順調に老化します。

ということは、ずっと飲んでおいたらどうですか?という提案です。

困った症状が軽快すると一旦内服を中止する方が多いです(実際は)。

 

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過敏性腸症候群?に人参湯が有効だった1例

47歳女性。

お子さんと一緒に漢方薬を取りに来られます。

もともとは冷え症で当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を飲んでおられます。

ここ数ヶ月前から、「急におなかがギュルギュルして下痢しました。おなかも痛くなります。」

診察、検査をしても異常ありません。

過敏性腸症候群かと思って、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を試しましたが無効。

腸管の蠕動運動を考慮して半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を出しましたがダメ。

単純に冷えると考えて人参湯(にんじんとう)を処方したら、これが良かった!

改めておなかを触ると一部の皮膚音が低いです。

人参湯を飲むと、おなかのキュルキュル、ギュルギュル鳴る音が止まって、おなかが痛くなくなると。

更年期障害で上半身は暑いのですが、腹部は冷えている、そんな状態です。

勉強になりました。

 

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体調不良に苓桂朮甘湯が有効だった1例

高1の女子です。

今、困っている状態:半年前から朝起きられない、胃腸の調子が悪い、倦怠感あり

既往歴:ブタクサ花粉症

市民病院に内科を受診され診察、検査で異常なく処方なし。

食欲普通、寝つきが悪い、便秘なし、手足、下腹部の冷え、足にむくみあり、頭が重たい、低気圧時に頭痛あり、目の周りにクマができる、食後におなかがゴロゴロ鳴る、張る、精神的にいろいろと心配、不安もある。

受診時は血圧が140/66、脈拍88

朝は起きられず昼から元気になってくるようです。

起立性低血圧に関してはミドドリン塩酸塩(メトリジン)を処方しました。

漢方的には半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)かと思いましたが、精神的なことが気になったので苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を試しました。

2週間後再診。

「だいぶ良くなった、漢方薬は美味しかった」

これでいけそうです。

このまま1ヶ月は継続としました。

次の相談で、「月経時は廃人のようになる、動かない」と母親が心配されていたので、現在当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を試している最中です。

 

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手術後のカラダの重さに十全大補湯が有効だった1例

46歳女性です。

お子さんが当院にかかっています。

今年の2月に子宮頸がんの手術を受けました。

手術後の経過は良好と言われていましたが、本人さんとしては頭痛、吐き気、食欲不振が続いていました。

受診する4日前からカラダが重くなり、背部痛も出てきました。

寝つきが悪く、夜中に目が覚める。食欲はある、便秘があり2日に1回排便、手足、下腹部が冷える、背部が痛い、凝る、めまい・たちくらみあり、視力が落ちた、胸が息苦しい、憂鬱で不安になる。

多くの訴えがあります。

右胸脇苦満あり、右下腹部に圧痛が目立ちます。

どこからアプローチしようかと考えました。

まずは元気を出してご飯が食べられてだるさが取れれば、自ら動くこともできるでしょうと考えて十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を処方しました。

エネルギーの充実と貧血を改善し、組織の修復を進めます。

2週間後再診。

「だいぶ元気になってきました。背部痛は緩和されました。」

今度は胃が痛くなってキリキリしてきたそうです。

おなかは冷えて、胃の動きも悪そうです。

六君子湯(りっくんしとう)とプロトンポンプ阻害薬を追加しました。

さらに2週間後再診。

「胃の痛みは軽くなりました。」

その後、十全大補湯と六君子湯を2ヶ月続けましたが、元気が出てきて十全大補湯は不要になりました。

元気になった証拠だね、ということで内服中止としました。

 

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ビックリしたと

うちの患者さんです。

小学校の低学年の男子です。

先週末サッカーの試合をやっていたときの話です。

クリニックのスタッフのお子さんも近くにいました。

ハーフタイムに入った時に彼の右目がバンバンに腫れて、みるみるうちに目が開けない状態になったそうです。

お母さんが駆け寄り、カバンからクスリを出して飲ませたら、一気に腫れが引き、目が開いて後半戦に間に合いました。

さて、何を飲ませたのでしょう。

スタッフがお母さんに聞いたら、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)と越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を1包ずつ飲ませたそうです。

さすが、うちの常連さん。

周囲のお母さん方はビックリしていたそうです。

グランドで試合していたのでイネ科の花粉症による影響が大きかったのではないかと推測されます。

相手が何であれ、皮膚の発赤、腫脹には越婢加朮湯が有効です。

もともと花粉症があるので、小青竜湯も正解です。

両者に麻黄(まおう)が含まれますので、急な皮膚の炎症を抑え、浮腫を引かせたのだと思います。

漢方薬は速効性です。

上手に使ってください。

 

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うつ病に加味帰脾湯が有効だった1例

48歳男性。

1ヶ月前に職場の異動がありました。

商品を企画、設計する部署から研究する部署に変わりました。

これをきっかけに気分が落ち込むようになりました。

受診時はご夫婦で来られました。

食欲あり、不眠なし、冷えなし、軟便傾向、頭が重たい、憂鬱、不安になる。

お子さんが当院に受診されており、時々薬を処方した既往があります。

もともとが神経過敏な方で、物音にビクッとするタイプです。

歯痕舌あり、心下痞鞭(心窩部痛)あり、右胸脇苦満あり、両腹直筋の緊張が目立つ。

精神科はすでに受診され、うつ病と診断され抗うつ薬が処方されていました。

2ヶ月は休養が必要と言われたと。

仕事を休んでいることが気になる、お子さんの学校の送り迎えをやっていました。

自分で変に力が入っている感じがしますと。

もともとの性格に合うと思われる桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)とうつ病対策で加味帰脾湯(かみきひとう)を処方しました。

2週間後再診。「薬は飲めたよ」

6週間後再診。「家事をやってます」

10週間後再診。「家事が楽しくなってきた。やることが毎日あって楽しい。気分もいい、睡眠も良い、規則正しい生活ができてる、朝起きられる。」

花粉症が始まったので抗アレルギー薬を追加しました。

13週間後再診。「調子良くて、明日から会社に復帰します。この1ヶ月は楽しかった!前向きになった。料理を作って食べすぎて7キロ体重が増えちゃった。」

え?という印象でしたが、予想より早く社会復帰されました。

漢方薬が1日2回で飲んでいれば調子が良いそうです。

その後、異動先でお仕事をこなされており、特別に問題ないようです。

精神科の薬は、そちらの先生と相談しながら減量、中止予定です。

漢方薬を使って、症状の治りが早かった、精神科の薬の副作用が出にくい状態だったのが印象的でした。

上手に使うと、こういうことも起きます。

 

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冷えを治せばいろいろ治る

37歳女性。

平成31年3月初旬に受診されました。

冷えと月経不順で困っています。

産婦人科で卵巣嚢腫、多胞性卵巣症候群と言われ西洋薬と補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、温経湯(うんけいとう)を処方されています。

受診時、手足、腹部の冷え、下肢のむくみ、頭痛があります。

小柄で肉付きは良い、歯痕舌あり、臍の上部に振水音著明です。

もうすでに漢方薬を2つ飲んでいるので、さらに追加は考えてしまいます。

補中益気湯と温経湯は1日2回しか飲んでいないそうなので、どうしても四肢が冷えるならば、5分間以上間隔を空けて当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を飲んでもらいました。

1週間後再診。

「当帰四逆加呉茱萸生姜湯飲めました(苦いと説明したので)!」

その後、当帰四逆加呉茱萸生姜湯を飲み続けたら、訴えには出ていなかったスギの花粉症が改善してしまいました。

例年、スギ花粉症がひどく、鼻水が出て、詰まって、最終的に副鼻腔炎(蓄膿)になってしまうそうです。

今年は全くならないのでうれしい、ビックリと。

当面飲み続けてみたいと希望がありました。

冷えを治すと、思わぬことが改善するいことがあります。

 

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冷え、むくみ、足のだるさに当帰芍薬散が有効だった1例

34歳女性。

妊娠20週です(第3子)。

今困っている状態:冷え(手足、腰、殿部)、足のだるさ

冷え症で以前から当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を飲んでおられました。

漢方薬も薬ですから、できれば飲まない方が良いと話をしました。

漢方エキス剤を飲んで赤ちゃんにトラブルが起こったという報告はありません。

それぐらい安全です。

本人さんに情報はお伝えしたところ、自己責任で飲みますということでした。

当帰芍薬散を出産前から出産後まで飲み続けられました。

特に異常なく、母子ともに元気です。

当初の問題だった、冷え、むくみ、足のだるさは全くなく、調子は良いです。

当帰芍薬散を開始して6ヶ月後。

「先生、体温が上がってきました」と報告に来てくれました。

いつも35.8℃前後だったのが、36.8℃にまで上がってきたそうです。

現在でも、体調管理のため当帰芍薬散を適宜内服しておられます。

 

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怖い夢を見る人に漢方薬を

71歳女性です。

今年2月に入ってから怖い夢を見るようになったそうです。

1月下旬に旦那さんに肝臓のがんが見つかり入院治療を受けました、

旦那さんのお世話をしつつ、自宅の仕事もこなさなければいけない状況だったので、ストレスもたまったと。

もともとスローなペースで生活していた方で、仕事がたまる一方です。

ある日クルマを運転していたら急に怖くなったり、不安が襲ってきたり、字を書く手が震えました。

食欲は普通、便秘気味、冷えが強い。

おなかの張りはないです。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)をお出ししました。

2週間後再診。

「これは良かった。怖い夢を見なくなった、運転の時も怖くなくなってきた。」

これを飲み続けたいと希望があったので、柴胡桂枝乾姜湯を内服続行としました。

女性で、痩せ型、冷え症、神経過敏な方に有効な処方です。

 

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チックに漢方薬が有効だった1例

14歳の女子です。

1年前から鼻から息をはく感じ、まばたき、鼻の穴を大きくしたり、眉間にシワを寄せる動作が始まりました。

きっかけは不明です。

様子を見ていましたが治らないので当院を受診されました。

診断は、チック症です。

既往歴:副鼻腔炎があり耳鼻科通院中です。

痩せ型、神経過敏な方です。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)を処方しました。

2週間後再診。

「波がある、眼瞼がピクピクする、漢方薬は飲めています」

6週間後、「本当に良いです。疲れたときに目がパチパチする程度で、あとは大丈夫です」

10週間後、「調子いいです」

ほぼチックの症状は取れました。

漢方薬は中止できそうでしたが、自分のペースで飲んでおきたいと希望があったのて追加処方をして終了となりました。

今シーズンも中学生のチック症の相談が多くありました。

受験の前まで症状が強く出ていたお子さんが、受験が終わった日からピタッと止まったケースがありました。

精神的ストレスがきっかけだったと判明しました。

動作チック、音声チックともに漢方薬で対応できます。

ただし、治療には少々時間がかかります。

 

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不安に使える漢方薬

45歳女性です。

既往歴:パニック障害

お子さんがカゼなどでクリニックに来られています。

この方は、お子さんの新学期前になると、「大丈夫かしら」とお子さんのことを心配していると、自分が不安になり眠れなくなったり、不安が強くなって仕事に集中できなくなります。

以前から月経不順、冷え、湿疹で困っており、現在は温経湯(うんけいとう)を1日2回継続的に内服をしています。

新学期は近づくと不眠になるため、酸棗仁湯(さんそうにんとう)と加味帰脾湯(かみきひとう)を併せて飲んでもらいました。

寝ても途中覚醒するので、酸棗仁湯は1日3回、加味帰脾湯は1日2回としました。

2週間後、「これで眠れますし、不安も減った」と。

調子がいいとおっしゃるので、不眠の時は酸棗仁湯を2包頓服で飲んでいただき、不安があれば加味帰脾湯は1日2回あるいは、3回で続けて飲んでもらうことにしました。

以後、お子さんの新学期、行事の前に大きく体調が崩れず、御自身も元気に働いておられます。

 

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10年間悩んでいたアトピー性皮膚炎に漢方薬を使う

34歳男性。

平成31年3月下旬に当院初診。

10年前からアトピー性皮膚炎にて皮膚科通院中です。

肌荒れ、落屑(皮むけ)が多い、皮膚が熱くなる、かゆくなる等、訴えが多いです。

全身の皮膚が乾燥、所々皮膚が赤い、体格は良い、冷えがある(背部)、便秘はないがコロコロ便、下肢がしびれる、時々ほてる、めまい立ちくらみあり、口腔内が乾燥する、食後眠い。

皮膚が乾燥し、所々渋紙様に赤い、かゆいので温清飲(うんせいいん)を開始し、慢性皮膚疾患で微小循環障がいがあると考え桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を追加しました。

さらに、1日1回夜だけですむ抗アレルギー薬を追加です。

2週間後再診。

温清飲はあまり効果がないため中止し、代わりに皮膚の乾燥を目標に当帰飲子(とうきいんし)を開始しました。

1日1回内服の抗ア剤も弱い感じがあると言われるので、1日2回のものに変更しました。

1ヶ月後再診。

「良い感じ、アタリ!」と。

眼の周囲は赤いものの、皮膚全体の乾燥が引き、かゆみも治まってきました。

仕事での疲れもなくなり、肌がツルツルになってきました。

患者さんも笑顔になり、外用薬を塗る機会も減ったようです。

全体的に皮膚の発赤は見られませんが、乾燥は軽く波があるようです。

当面この組み合わせで内服薬を続行です。

 

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カラダのだるさ、むくみ、胃のもたれに漢方薬が有効だった1例

48歳女性、学校の先生です。

平成30年5月からカラダがだるい、足がむくむようになってきました。

また月経中は眠気が強くなり、目の周りにクマができます。

8月下旬に当院を受診されました。

既往歴:バセドウ病(甲状腺機能亢進症)にて総合病院に通院中、メルカゾール内服中

食欲普通、体格は大きく肉付きも良い、寝つき悪い、排便は毎日あるも有形便にならず、全身が冷える、目が疲れる、目がかすむ、胃がもたれる、月経周期は28日、経血量が多い

舌:表面がツルツルしている、苔なし、舌下静脈:怒張あり、両胸脇苦満あり、心下痞鞭著明、おへその両側に圧痛点あり

学校の先生で仕事がハード、お子さんの手がかかり疲れる等にストレスが多いようです。

冷えて胃腸の調子が悪そうなので六君子湯(りっくんしとう)、月経に関するトラブルは冷えて微小循環が悪そうなので当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)をお出ししました。

2週間後再診。

「今まで出していただいた漢方薬の中で一番良かった!やっと飲み続けられそうな漢方薬に出会えた」

今までの漢方薬には、こういう印象はなかったのね(失礼しました)。

六君子湯を飲み始めたら、胃のもたれが取れ、気分が明るくなったそうです。

当帰芍薬散も飲みやすく、カラダが冷えにくくなったようです。

この2つは当面飲み続けたいと言われます。

当面月1回の受診を続けることになりました。

両者ともカラダを温める方向に向けます。

 

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高血圧に黄連解毒湯が有効だった1例

56歳女性。

以前から近医で高血圧症で降圧薬内服中です。

半年前から漢方外来を受診されています。

漢方外来では頭痛、疲れなどに五苓散(ごれいさん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が著効しました。

平成30年7月28日の夜に左鼻出血が見られました。

鼻出血の量が多かったため救急車で総合病院に搬送されました。

救急外来で止血処置をしてもらい無事止血しました。

搬送時血圧が200/11、血液検査、点滴などを受けて安静後血圧は180台にまで下降したそうです。

週明けに耳鼻科を受診し、特に問題なし。

その後全身倦怠感があり当院を受診されました。

発熱なし、元気なく、しんどい、だるいを連発しています。

血圧は180/93、今回の事件以来ずっと高いようなので、近医の内科を再診し、内服薬の変更の必要性につき相談してもらうことにしました。

この夏の暑さでへばっているのかな、という印象です。

診察上、これといった大きな異常なし。

点滴希望だったので点滴をして安静を保ってもらいました。

その間、顔が暑い、のぼせる、血圧が高いので黄連解毒湯を2包飲んでもらいました。

2時間後、血圧は158/85まで下がりました。

頭痛、吐き気なし、のぼせも軽快したので帰宅可としました。

黄連解毒湯は鼻出血にも良いので、高血圧+鼻出血対策として2週間内服としました。

その間い内科で高血圧に関する治療方針を決めてもらうことにしました。

今年は鼻出血が多いです。

お子さん、大人も来られています。

黄連解毒湯は苦いですが、確かに効きます。

便秘があれば三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)が有効です。

 

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後鼻漏、皮膚のかゆみに漢方薬が有効だった1例

49歳女性。

平成30年5月頃から咳と鼻水が始まり、後鼻漏が止まらず、咳が続いている。

耳鼻科、内科を受診し治療を受けるも鼻汁が止まらない。

3年前から両上肢に湿疹ができてかゆい、皮膚科を受診し内服薬、外用薬を使用するも改善されない。

この2点を相談されました。

食欲普通、毎日軟便、冷えなし、首・肩が凝る、口の中、ノドが渇く、目が疲れる、皮膚はカサカサする、非常に汗をかく、月経不順あり。

診察で歯痕舌、心下痞鞭、右胸脇苦満あり。

抗アレルギー薬、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を処方しました。

2週間後再診。

「漢方薬は飲めました、皮膚がかゆくないです、抗アレルギー薬で後鼻漏もいいみたいです」

喜んでおられました。

後鼻漏に関しては抗アレルギー薬で十分対応できたということです。

カラダが疲れていた、多汗もあったので補中益気湯をお出ししましたが、カラダが元気になったら皮膚も良くなってしまいました。

今年のような蒸し暑い夏には補中益気湯でカラダを持ち上げ、かゆくて引っ掻いて傷ができてしまっている皮膚には十味敗毒湯がバッチリ効きました。

これからまだ暑い時期ですので、夏が終わるまで内服を続けることで納得していただきました。

 

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やる気が出ない、夜間の頻尿に漢方薬が有効だった1例

51歳女性。

5年前から更年期障がいで気分にむらがある、やる気が出ない、婦人科で検査を受けるも異常なし(一般検査、ホルモンも正常)。

朝から昼間で失速している(本人談)。

夜間に排尿で2回、3回と起きてしまう。

今年(平成30年)の6月下旬に初診。

食欲、排便は普通、寝つきが悪い、手足が冷える、右大腿にしびれ、首・肩が凝る、足がむくむ、頭が重たい、疲れるとめまいがする、憂鬱で、色々と心配、不安になる、家から出たくない、疲れやすい。

診察すると、歯痕舌著明、舌下静脈の怒張も著明、心下痞鞭(しんかひこう、心窩部痛に近い)あり、両胸脇苦満(肋骨下の圧痛)あり。右下腹部(臍の右下付近)に圧痛あり、上腹部に振水音(しんすいおん=軽く叩くとボチャボチャと水が貯まっている音が聞こえる)あり。

まずは更年期に関しては、冷え、むくみ、診察所見から当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方しました。

もう1つは、夜間の頻尿は加齢に伴うものと考え、八味地黄丸(はちみじおうがん)を処方しました。

2週間後再診。

「朝の目覚めが良くなり、動き出しが楽です。良くなった!手足も温かくなったし、月経前の腹痛は軽くなり、月経中は全く痛みがなかったです!」

良かったです。

夜間の頻尿はもう少し経過を見ます。

この2つを当面飲み続けてみたいと希望がありました。

 

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皮膚がかゆいときに十味敗毒湯

38歳女性。

今年の夏にアトピー性皮膚炎が悪化して、外来を受診されました。

温清飲(うんせいいん)と桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を開始したところ、絶好調になりました。

皮膚の発赤、かゆみ、イライラが緩和されました。

この9月中旬まで調子が良かったのですが、きっかけが不明ですが皮膚のかゆみが出てきました。

見た目は発赤もほとんどない程度ですが、かゆくて仕方がありません。

抗アレルギー薬は以前からずっと内服をしていますが、効いていません。

で、どうしましょうと相談がありました。

かゆくて引っ掻いて、さらにかゆみが増している感じです。

桂枝茯苓丸加ヨクイニンはそのままにして、温清飲の代わりに十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を開始しました。

すると、どうでしょう?

1週間でかゆみが止まった!と来院されました。

最初は飲めていた十味敗毒湯が美味しくなくなってきたと。

漢方ではこういうことがあります。

調子が悪い時には漢方薬を飲んでも何ともない(まれに、美味しい)のに、調子が良くなってくると、味が美味しくない(まずい)と感じることがあります。

それはもう飲まなくてもいいよ、というカラダからのサインのようです。

この方も十味敗毒湯は1週間で中止しました。

その後も数回皮膚のかゆみが増した時がありました。

検証してみたら汗をかいたときにかゆみが増したようです。

不思議なことに、十味敗毒湯は急性期にしか効きません(急性期用の漢方薬のようです)。

お子さんでも、大人でも、季節関係なく使えます。

 

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夜驚症に漢方薬を

9歳の女児です。

漢方薬大好き家族であります。

何かあるとすぐに来院されます。

平成29年3月末から、ほぼ毎日夜中に泣きだして、騒ぐそうです。

本人は全く覚えていません。

走り回ったりはしないそうです。

皮膚の乾燥、かゆみがあり抗アレルギー薬と黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を内服中です。

もともと、細かいことが気になるお子さんのようです。

外来受診時は、全く元気でニコニコと話をしてくれます。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)を試してもらいました。

内服して2週間でピタッと治ってしまい、それきり起こりませんでした。

寝ぼけが目立つ時は、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、キーキーと興奮が目立つ時は、抑肝散(よくかんさん)、さめざめと泣くタイプは、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)があります。

今回は、神経質な点を目標にしてみたら、うまくいきました。

 

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頭痛に漢方薬が有効だった1例

9歳の男児です。

カゼなどで時々外来を受診されます。

もともと早起きが苦手で、夜が元気です。

今回は1日数回起こる頭痛が問題です。

五苓散(ごれいさん)を飲んでもダメだと(吐き気、頭痛があったので自宅で判断して飲んだ)。

3日前から咳嗽、鼻汁、咽頭痛があったそうです。

発熱はなく、カゼに伴う頭痛ではないようです。

早起きが苦手で、朝は低血圧、腹痛、頭痛を訴えるというのは、起立性調節障害(OD)と言われます。

ならば、西洋薬で十分対応できる場合もあります。

もともと虚弱体質で、以前から小建中湯(しょうけんちゅうとう)を飲むと絶好調だったお子さんです。

今回は漢方薬で何かないかと相談に来られました。

もともと虚弱、頭痛、吐き気があります。

体格は中等度、痩せ型です。

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)を試してもらいました。

2週間後再診。

「漢方薬を飲んでから調子がいいです」とお母さん。

食欲が出て、元気もあるそうです。

漢方薬を飲むまでは、滝のような汗をかいていましたが、汗がピタッと止まり、頭痛は全くないそうです。

五苓散、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)が合っているんじゃないの?と思いましたが、これがいいとおっしゃいます。

朝早く起きることだけは治りません、とお母さんが笑って話してくれました。

 

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めまい、吐き気、胃の痞えが治った1例

44歳女性、会社事務員。

平成29年4月下旬に当院初診。

今困っている状態:めまい、吐き気、胃の痞え(つかえ)

既往歴:不整脈(上室性期外収縮)で内科通院中

3年前会社で仕事のことで上司に怒鳴られたときに動悸が始まり、1年前の健診では胃のポリープが見つかり吐き気、胃の痞えが出てきたようです。

他に生理前に頭痛がある。

全身が冷える、肘が痛い、首・肩・背中が凝る、目が疲れる、耳鳴り、色々と心配、不安になる、不安になると下腹部に不快感が出る、寝汗(2−3回/月)をかく

診察上、心窩部に圧痛あり(心下痞鞭)あり、腹部はガスでやや張っており鼓音あり。

冷えて、寝汗、神経症、心下痞鞭をヒントに柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を2週間お出ししました。

2週間後再診。

「めまい、吐き気が減りました。この漢方薬は良かった、うれしいです」

さらに続けて飲んでみることになりました。

取り越し苦労の多い方には、よくイメージがあります。

もっと元気になっていただきたいです。

 

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やっぱり、冷え、むくみには漢方薬が有効

39歳女性。

今困っている状態:@疲れやすい・足がむくむ、A首から上が重くてフワフワする日がある、B生理日、カラダが重くて血の循環が悪い感じがする

2年前から生理前に調子悪くなったのが始まり。

既往歴は特にありません。

食欲あり、便秘なし、足が冷え、むくみ、首が凝る、頭が揺れる、目の周りにクマあり、疲れやすく寒がり、イライラあり。

脈:浮、歯痕舌、舌には白苔、心窩部に圧痛、右下腹部にも圧痛あり、おへその左上には動悸を触れます。

女性の微小循環障がい、特に冷えを伴う場合なので、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方。

歯痕舌などから、水分バランスもあり、当帰芍薬散だけでは弱いかと判断し、五苓散(ごれいさん)を追加。

1週間後再診。

「漢方薬は飲めそう。続けます。」

1ヶ月後再診。

「調子いい!フワフワしない、生理前にカラダが少し重い程度で日常生活に支障がなくなり、普通に生活できます!」と。

五苓散は不要とのこと。

下肢のむくみ、痛みはすっかりなくなったそうです。

現在も、当帰芍薬散だけはしっかり内服中です。

調子良ければ内服量を減らしてもいいよ、と言ったら、「私は真面目なので、当面1日3回しっかり飲んでおきます」と。

どうぞ、自分のペースで行ってください。

 

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頭部の打撲に漢方薬を

4歳の男児です。

自宅でソファの角に前額部(おでこ)をぶつけました。

大泣きをして、その日は嘔吐もなく寝てしまったのでそのまま自宅にいました。

翌日保育園から帰ってきたら、前額部が腫れて、皮下出血が目立つ状態になっていました。

その翌日、受傷3日目に外来初診。

食欲、元気もあり、嘔吐なし、ですが、前額部に直径20mmの皮下出血、少量に血腫を認めます。

痛くはないようです。

大きな血腫だと、場合によっては処置が必要ですが、今回は外科的な処置は不要と判断しました。

治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)と桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)の2つを処方しました。

いかにも打撲に効きそうな名前の治打撲一方と、微小循環障がいを改善する桂枝茯苓丸加ヨクイニンです。

普通、打撲には特に内服薬はありませんので、自然経過を見ることになりますが、1週間経ってもなかなか皮下出血は引きません。

このお子さんは1週間でほぼ皮下出血、血腫もキレイに治りました。

この程度の外傷なら、漢方薬を使うと迅速に治るので、患者さんに喜ばれます。

 

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不眠症に漢方薬が劇的に効いた1例

48歳女性。

当院にはアトピー性皮膚炎で数年前から通院中です。

現在アトピー性皮膚炎は落ち着いており、桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)のみを内服しています。

今年の5月に弟さんが急に亡くなりました(県外在住で急なことだったようです)。

身内の死はつらいです。

ましてや急なことだったので、亡くなってバタバタが片付いた1ヶ月後に再診されました。

疲れた、眠れない日が続いている、、、。

もともと不眠があり、睡眠導入剤(マイスリー)を時々使用されていました。

今回の一件でますます眠れない、疲れ果てているのに眠れない、すぐに弟さんのことを考えて泣けてくる、、、。

マイスリーは適宜使用で可とし、酸棗仁湯(さんそうにんとう)と加味帰脾湯(かみきひとう)を2週間飲んでもらいました。

「元気が出てきたー。皮膚も調子がいい」

気分の沈みは内服して3日目からなくなったそうです。

2週間飲んだら、もうこの漢方薬はいらない、大丈夫!とのこと。

良かったです。

しかし、その後に妹さんが強迫神経症、抑うつ状態で心療内科に通院となりました。

弟さんの件が引き金になった可能性があります。

自分が立ち直った後、今度は妹さんの世話をすることになり、ふったび調子が悪くなってきました。

不眠と耳鳴りが始まりました。

一旦中止した酸棗仁湯と加味帰脾湯を再開。

この2つを飲むと体調が回復します。

現在は、この2つの漢方薬を体調が悪くなったなと感じた時に頓服で飲んでおられます。

1日2回、3回飲まなくても、大きく体調が崩れることはないそうです。

 

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アトピー性皮膚炎に黄耆建中湯が有効だった1例

4歳の男児です。

数年前からアトピー性皮膚炎の診断で皮膚科通院中で、ジギリオンシロップ(抗アレルギー薬)を内服中です。

お母さんもアトピー性皮膚炎ですが、現在は調子良いです(本人は治ったと言っています)。

主訴は、頭から足まで全身が痒い、です。

カラダが温まると痒みが増します。

昨年(平成27年)7月に当院を初診。

ジギリオンは体重相当から見ると、かなり低用量しか内服しておらず、当院で処方希望があったので、スプデルDS(古典的な抗ア剤ですが)、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を開始しました。

黄耆建中湯は、皮膚を強くする、汗のコントロールする、おなかから元気になる(腸内細菌の餌となる膠飴が入っている)等の理由から使いました。

1週間後再診。

症状は変わらない、黄耆建中湯は飲みにくいと言われたので、黄耆を抜いて小建中湯(しょうけんちゅうとう)に変更しました。

抗ア剤をスプデルからアレロックに変更しました。

4週間後再診。

1ヶ月後再診。

小建中湯では汗をかかないので、再び黄耆建中湯に戻しました。

さらに漢方入浴剤を併用開始。

1ヶ月後再診。

「先生、カラダがキレイになってきました。黄耆建中湯で汗をかくようになりました」

以後、現在まで1年間絶好調です。

先日も来院されましたが、皮膚は色素沈着のため多少黒っぽいですが、触るとツルツルしています。

本人さんも元気です。

当面飲んでおきたいです、という希望があり、不要と言われるまで続行予定です。

 

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不安発作、パニックに加味帰脾湯が有効だった1例

中1の女子です。

今年の6月に当院初診。

4月に入学してから、気分が滅入る、集中力・思考力がない、夜眠れない、体力がな等の訴えが始まり、6月から学校の相談室に通い、不登校になってしまったと。

きっかけが不明。

既往歴は、アレルギー性鼻炎、反復性耳下腺炎以外に特に異常なし、家族歴も異常なし。

母親と一緒に来院されました。

中肉中背、冷えなし、便秘あり(2日に1回)、手指、足首の関節痛あり、視力が落ちた、みぞおちの痞え時々、息苦しい、ドキドキする、憂鬱で、色々と心配、不安になる、月経は正常。

漢方薬で治せないかという相談です。

まず漢方薬が飲めるかどうかという問題もあったので、便秘の改善も狙って飲みやすい小建中湯(しょうけんちゅうとう)をまず2週間飲んでもらいました。

2週間後母のみ来院。

「気分が少し楽になった、と言ってます」

生理前に気分が滅入る、死にたくなると言う。

これに対して加味帰脾湯(かみきひとう)を2週間追加して飲んでもらいました。

小建中湯は続行です。

2週間後再診。

「加味帰脾湯は飲みやすいと言っています。夜間はこれでよく眠れています」

1日3回飲みたいと本人が希望しているので、加味帰脾湯は1日3包飲むことにしました(小建中湯は1日4包、分2)。

加味帰脾湯を飲みだしたら、1学期の勉強の遅れを取り戻すんだと言って、前向きになり勉強を始めたそうです。

ただ、学校には行けないようなので、転校を考慮中です。

小建中湯は不要だと判断され、加味帰脾湯のみを続けて飲むことにしました。

やっと、うまく進み始めたようです。良かった。

加味帰脾湯を飲むと、『まあ、どうでもいいや』という気分になると患者さんが言われます。

そこまでいくと、症状が軽快する方向に転がり始めます。

 

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15年前からの片頭痛が加味逍遥散で治った1

40歳女性。

15年前から片頭痛で悩んでいます。

以前は安静にしていれば頭痛が軽快することがありましたが、今は頭痛が持続し仕事に影響が出てしまうほどです。

工場で勤務してるのでつらいと。

2年前に交通事故を起こし、エアバッグで頭部を強く打ったこともあり、余計に頭痛がひどくなったような気がすると。

昨年(平成27年)11月に当院初診。

低気圧、生理の後にも頭痛があり、時々吐き気も伴います。

肩先、足、下腹部に冷えあり、目がかすむ、しょぼしょぼする、目の周りにクマができる、月経痛が強い。

腹診で右肋骨付近に強い圧痛り、おへその上部にボチャボチャと音がして冷えあり、右下腹部に圧痛点あり、おへその左上方に動悸を触れます。

これは、女性の月経に関連したもので、頭痛もあり、ストレスが多いようなので加味逍遥散(かいみしょうようさん)を出しました。

低気圧の時に起こる頭痛は、脳浮腫が原因ですから五苓散(ごれいさん)、冷えて頭痛は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)をそれぞれ頓服で飲んでもらうことにしました。

2週間後再診。

「加味逍遥散を2週間飲んだら、全体的に調子が良くなった。前回受診して帰宅後頭痛が少しあるかなーと思ったが、加味逍遥散を飲んだら大丈夫でした。頭痛が起こらず、結局五苓散、呉茱萸湯は全く飲んでいません」と。

素晴らしい!

以後、加味逍遥散の内服回数が減り、現在1日1-2包で調子が良さそうです。

 

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長期間悩んでいた気管支喘息に小建中湯が有効だった1例

9歳の男児です。

岐阜県内の他市から来ていただきました。

保育園児の頃から気管支喘息で近医のアレルギー科に通院していました。

シングレア、アレロックなどを内服していましたが、喘息発作を起こしていたと。

学校生活にも影響が出ており、早退や学校行事を休まざるを得ないこともしばしばだったようです。

少年団に入り野球をやっています。

昨年8月24日当院初診。

「漢方薬で喘息の発作が何とかならないか」と相談を受けました。

中肉中背の体格、元気はあります。

腹部は大変緊張しており、腹直筋がピンと張っています。

なおかつ大変くすぐったがります。

これは、小建中湯(しょうけんちゅうとう)の適応です。

抗アレルギー薬はそのままに、小建中湯を1日10g(4包)を2回に分けて処方しました。

1ヶ月後再診。

「調子いい! 発作が出ません

さらに1ヶ月後再診。

「咳もせず、本人が喜んでいます」とお母さん。

運動誘発の咳もありません。

内供駆開始から6ヶ月経過しました。

「全く咳も出ない、発作もないです。本当に漢方薬に出会って良かった!例年スギ花粉症がひどいんですけど、花粉症の症状も出ません。今は、抗ア剤全く飲んでいません。」

本人の希望もあり、1日4包を2包に減量して、うまくいけば内服を中止できるかも知れません。

小建中湯の最近のトピックスは、腸内細菌叢を整えれば、アレルギー疾患が軽快、治るという話です。

確かに、今回の症例のように喘息発作が出なくなったり、アトピー性皮膚炎が軽快するのを目の当たりにします。

患者さんが大変喜んでくれます。

こちらもうれしくなって拍手をしています。

甘くておいしい漢方薬です。

小児で困ったことがあって、うまくいかない時は、どんな病気でも試す価値はあります。

 

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10年間悩んだ片頭痛に呉茱萸湯が有効だった1例

30歳女性。

今、困っている状態:20歳から片頭痛あり、嘔吐を伴う、平成27年からは3ヶ月に1回のペースで起こる

まず視界がまぶしくなる→虹色のようなものが目の前でチカチカする→頭痛、嘔吐が始まる、という症状の出方です。

低気圧でも頭痛がきます。生理時は頭痛なし。

靴屋さんで働いておられますが、接客中などは本当に困ると。

市販薬、漢方薬などを試したが、どれも今一つだった。

昨年12月に当院初診。

足が冷え、肩が凝る、立ちくらみあり、アトピー性皮膚炎あり、憂鬱、イライラもする。

頭痛が起きたら、まず五苓散(ごれいさん)を2包飲んで、ダメなら呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を2包飲んでもらうことにしました。

頓服的に使用しました。

2週間試していただいた結果、五苓散で治る頭痛(微小循環障がい)もあったようです。

後から呉茱萸湯を飲むと、目の前のチカチカがいつもより軽かったかなと感じた。

呉茱萸湯だけで大丈夫そうなんで、呉茱萸湯をベースにして毎日飲むことにしました。

月経前にイライラすると言われたので、加味逍遥散(かみしょうようさん)を追加。

五苓散は、頭痛が治らない時、吐き気が強い時に頓服で追加することにしました。

2週間後、「いいみたい!頭痛なし、吐いてもいません、痛み止めは全く飲んでいません。」

以後、呉茱萸湯と加味逍遥散の2つを2ヶ月飲んだら、症状が全くなくなったそうです。

「安心感が違う、最近は呉茱萸湯を1日3回飲んで、加味逍遥散を1日1回飲めば調子いいです!」

それはスゴイ!!

後は自分のペースで行ってください、と大目に処方しておきました。

 

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胃の不快感と冷えに漢方薬が有効だった1例

45歳女性。

2年前から胃の不快感、腹痛、下痢、倦怠感があり内科受診。

内視鏡で慢性胃炎と診断され、ピロリ菌の除菌を行ったそうです。

しかし症状の改善がなく経過したため、昨年12月中旬に当院初診。

季節の変わりめに蕁麻疹が出る、足、下腹部が冷える、食後にみぞおちのつかえ、痛み、吐き気、食後の眠気あり。

カラダは冷え、特に上腹部の冷えが強い、みぞおち、両肋骨付近に圧痛あり。

右下腹部にも圧痛点あり。

冷え、胃の動きが悪そうなので六君子湯(りっくんしとう)、四肢の冷えが強いので当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を処方しました。

1週間後再診。

「六君子湯はおいしく飲めました。3日目から胃の痛み、つかえがなくなりました。腹痛、下痢もないです。」

当帰四逆加呉茱萸生姜湯も、そんなに苦くなかったと。

手足が温まり、頭痛もなくなった(冷えからくる頭痛)!

「感動しました!」と。

ありがたい言葉をいただきました。

その後、六君子湯のみを続けておられます。

六君子湯は、冷えのある方で胃腸の調子が悪い人に有効ですねー。

 

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下肢の冷えと卵巣の腫れに漢方薬が有効だった1例

39歳女性。

昨年末に当院を受診されました。

今、困っている状態:下肢の冷え、卵巣の腫れ(今後の経過で手術予定)

現在お子さんが1人おられます。

昨年10月に妊娠しましたが流産、婦人科で卵巣の件を指摘されたそうです。

婦人科の先生から、卵巣の腫れは冷えが原因だと言われ漢方薬を希望されたきたというわけです。

食欲もあり元気な方です。

手足、腰、下腹部が冷えます。

診察すると、みぞおちと左肋骨付近に強い圧痛があり、おへその上は冷えて、軽くたたくとボチャボチャ音がします。

右下腹部にも強い圧痛点があります。

精神的にもイライラすることもあるので、加味逍遥散(かみしょうようさん)をお出ししました。

腰から下半身が冷えるので、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)を追加しました。

2週間後(年明け)再診。

「漢方薬は飲めました。腰の冷えが気にならなくなりましたが、もう少しイライラを抑えたい。」

加味逍遥散は効いたのかどうかよくわかりませんが、飲めるというので続行しました。

腰から下の冷えは調子良さそうなので、冷えるなら適宜追加で飲むことにしてもらいました。

その代わりに、抑肝散(よくかんさん)を開始しました。

加味逍遥散、抑肝散に2つをメインで飲むことになりました。

1ヶ月後再診。

「苓姜朮甘湯は飲んでいません。今の2つの漢方薬でイライラがなく、いい感じ。卵巣の腫れが治まりました!婦人科で言われました!!」

良かったですねー。

「手足の冷えが治まり、不眠もなくなりました」

さらに1ヶ月後再診。

「下肢の外側の冷えがなくなった、調子がいい。抑肝散も不要になった」

最終的に、加味逍遥散のみでいけそうです。

どこまで飲むかはあなたの自由です、と告げました。

現在まで加味逍遥散のみを飲んでおられます。

 

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