交通事故の後遺症に

43歳女性です。

1年前から夜間に目が覚めるようになった、疲れがちれなくなったという訴えで来院されました。

今年の5月に交通事故にあってから、夜間は1時間おきに目が覚めるようになってしまったと。

整形外科、接骨院は通院中です。

左側の下肢痛、股関節痛、膝関節痛があります。

しびれはありません。

足は冷える、首・肩は凝る、いろいろと心配、家から出たくない、おなかがゴロゴロ鳴る、食後眠くなる、食欲は普通、軟便あり。

週3回アルコールを飲んでいる。

訴えが多いですが、どこに焦点を当てて処方をするかです。

舌を出そうとするとブルブルと小刻みに震えます。

心下痞鞭(心窩部痛)著明、両胸脇苦満(肋骨下端のつかえ、疼痛)、特に右側が強い、左下腹部に圧痛あり。

相当ストレスがたまって、イライラしている様子です。

ストレスがらみには抑肝散(よくかんさん)、微小循環障がいには桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を処方しました。

1ヶ月再診。

「よく眠れるようになりました。精神的にも落ち着いてきました。」

表情が全然違います。

パッと明るい表情に変わりました。

当面このまま治療を継続することになりました。

 

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貧血、倦怠感に

44歳女性です。

適応障害で心療内科で治療中、昨年仕事復帰しましたが、現在休業中。

令和4年2月に当院初診。

耳鳴り、頭痛、貧血で困っていると。

食欲普通、夜間に目が覚める、便秘あり、コロコロ便、手足、下腹部の冷えあり、股関節が痛い、頭痛、めまい、立ちくらみ、首・肩の凝り、胸がドキドキする、いろいろと心配、イライラする、疲れやすい等。

訴えは多くありました。

どこに焦点を当てるかという問題です。

頭痛、めまい、たちくらみ、ドキドキする精神症状などを目標に苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を出しましたがダメでした。

冷え、貧血、だるさを目標に当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方しました。

これが良かった。

これを飲んだら、止まっていた月経が再開し、貧血症状(?)も改善し、カラダが楽になり動きやすくなったそうです。

心療内科の薬はそのままに、当帰芍薬散のみを追加して飲んでみることにしました。

当帰芍薬散は、女性の冷え、むくみ、月経不順、月経困難に使われることがあります。

鉄欠乏性貧血の方がこれを飲むと、鉄剤を飲むほどではないですが、血清鉄が下がらなくなります。

これは不思議です。

あと、女性にみられる、月経がらみの特有のけだるい感じが解消します。

 

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おなかの冷え、軟便

38歳男性、会社員。

令和4年6月から外来受診中です。

6月下旬に相談がありました。

毎日、徒歩で駅まで行きますが、電車のエアコンでおなかが冷えて軟便になってしまいます。

自分では元気のつもりですが、何でしょうか?と。

問診、診察でも異常なしです。

おそらくは、「エアコンによる冷え」が原因でしょうね。

もともと花粉症があり、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)がよく効いている方ですから、冷えがありそうです。

麻黄附子細辛湯は1日2回で飲んでいます。

今回は、人参湯(にんじんとう)を追加しました。

1ヶ月後再診。

「人参湯は良かったです」とニコニコ顔です。

おなかは調子がいいですと。

今は1回1包、朝だけ飲んでいるそうです。

それで十分、おなかには効いていると。

腸管に冷えには試す価値があります。

飲みやすいです。

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気分の落ち込み

39歳女性です。

2年ぶりの外来受診です。

「どうしましたか?」

「お久しぶりです。最近急に気分が落ち込んだり、胸を押さえられる感じ、不眠が始まって元気がなくなってしまいました」

2年前も同様の訴えでした。

食欲はあるが食べると胃痛が起こり、すぐもたれる。

ノドが押さえられた感じが時々、憂鬱、疲れやすいと訴えがありました。

ノドの痞えは咽喉頭異常感症を考えて、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を考えました。

腹診で、心窩部を痛がり、上腹部にチャポチャポと水が溜っている音(振水音)が著明でした。

これを頼りに、六君子湯(りっくんしとう)のみを処方しました。

六君子湯を飲んで、何と3日目で症状がすべて消えました。

ノドの押された感じもありません。

「調子が良くなりました」

六君子湯を約2ヶ月間飲んで、内服中止となりました。

今回、2年後の受診ですが、訴えが全く同じです。

腹部所見も同様です。

ならばと、再び六君子湯を2週間処方しました。

今回もバッチリ効きました。

この方には、六君子湯が合うようです。

冷え、胃の動きが悪い、もたれる、検査で明らかな異常はないが胃に関する訴えが治らないときは、一度試してみる価値はあります。

飲みやすい漢方薬の1つです。

西洋薬(ポロトンポンプ阻害薬:PPI)などの併用は大丈夫です。

元気に参りましょう!

 

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月経前のだるさに

29歳女性です。

中距離のトラックに乗っています。

毎日関西方面まで荷物を届けて帰ってくる仕事だそうです。

5年前から月経前にだるさがひどい、経血量が多い、足が冷える、首・肩・腰が凝る、足がむくむ、憂鬱、イライラする。

週に1回ビールを飲む程度、喫煙なし。

他に大きな病気はありません。

歯痕舌あり、心下痞鞭(心窩部の圧痛、痞え)、両腹直筋の緊張、右下腹部に圧痛あり。

冷え、足のむくみ、倦怠感、血の巡り(微小循環)の悪さに当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、月経前のイライラに加味逍遙散(かみしょうようさん)を処方しました。

2週間後再診。

「あれ、良かったー。漢方薬を飲んだ翌日からだるさが取れた」

「良かったですね」

「イライラも減ったし、性欲も出ました」

「あ、はい、それも良かった」

当帰芍薬散の方が飲みやすかったと言われましたので、こちらをメインに飲んでいただければと思いますが、本人さんは、イライラには加味逍遙散が合ってそうな気がするので、両方とも続けておきますと。

今回はかなり速効性に効いた印象です。

女性は微小循環障がいを改善することが大切ですね。

 

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ゲップが止まらない、ノドがつまる6歳に

6歳の男児です。

カゼをひくと漢方薬を飲んでくれています。

令和3年11月に入って受診されました。

今回は、「ゲップをよくしている、食べるし、お通じもいいし、元気です」と母親。

よく聞くと、ここらへんがおかしいと、ノドを指さします。

診察上、カゼをひいている様子もありません。

発熱もありません、咳、痰も絡んでいません。

まさかと思いましたが、大人でよくある咽喉頭異常感症?と考え、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を処方しました。

3週間かかりましたが、徐々にゲップが治まり、ノドが気にならなくなりました。

「もう飲むのやめる?」と聞いたら、「飲んでおく」と本人さん。

気になるなら1日1包で続けたら、とお話をしておきました。

何かしらの精神的なストレスが、症状を引き起こしたのかなと考えました。

 

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月経前症候群

月経前症候群の女性はある一定の割合でいると思っていましたが、最近は増えている?という印象です。

40歳女性。

3年前から月経前症候群の診断がついています。

3年前にお子さんが生まれ、その後から次第に症状がはっきり出てきたようです。

月経前になるとイライラが頻回になり、不眠、気分の落ち込みもあります。

イライラして、お子さんにあたることもしばしばあると。

市販の命の母ホワイトを飲んでいます。

令和2年8月に当院初診。

寝つきが悪い、足が冷える、首・肩が凝る、立ちくらみ、イライラする。

心下痞鞭(しんかひこう)(心窩部痛)あり、右下腹部に血の圧痛点あり、左上腹部に振水音を認めます。

相当イライラしている様子です。

丁重にお話をして、腹部所見も参考に加味逍遙散(かみしょうようさん)を処方しました。

2週間後再診。

ビックリするくらいイライラが減ったと。

笑顔で報告してくれました。

加味逍遙散は自分には飲みやすかったので、続けて飲んでみたい。

さらに1ヶ月後再診。

1日3回飲むと調子が良く、イライラが少なく、腹痛も軽く解熱鎮痛剤を飲む回数が減りました。

さらに2ヶ月後。

月経痛、腹痛、頭痛が減りました。

これで最初の訴えはほぼ軽快しました。

これは月経前症候群の典型例です。

加味逍遙散以外にも使える漢方薬があります。

問診内容、腹診などを頼りに他の漢方薬を探します。

 

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顔面、頚部の発赤とかゆみに

44歳女性です。

春と秋に顔面と頚部の皮膚が赤くなり、かゆくて仕方がありません、という訴えです。

最近は朝晩の鼻水、くしゃみがあります。

他に特に異常がありません。

小麦粉を扱う仕事に従事しています。

小麦の経皮吸収なども考えましたが、季節性を考慮すると花粉症がベースかと思われました。

市販の抗ヒスタミン薬を内服中でしたが、無効とのことでした。

飲酒は、毎日ビール、缶チューハイを4本飲みます、喫煙なし。

とにかく、顔面が赤く、やや腫れ上がっているのを目標に、抗アレルギー薬と越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を処方しました。

2週間後再診。

「全然ダメ」でした。

原因はアレルギーがらみですが、皮膚の発赤、かゆみを目標に、越婢加朮湯を中止して、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)に変更しました。

これが良かった。

さらに2週間後再診。

「黄連解毒湯は良かった、皮膚の赤味がスッと引いた」

皮膚の発赤が軽快し、かゆみも治まりました。

皮膚の発赤にアルコールも関与していた印象です。

黄連解毒湯は二日酔いにも有効です。

トータルとして患者さんの生活習慣にも合っていたようです。

抗アレルギー薬と黄連解毒湯をもう少し飲み続けることにしました。

 

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頚部痛に葛根湯を

7歳の女児です。

受診の前日の夕方に、大きめのおもちゃが落下して頚部に当たりました。

翌朝には左の頚部痛で首を動かすことができません。

少し動かすと痛くて泣けてきます。

皮膚の発赤、腫脹なし、出血部位もありません。

これに対して、葛根湯を処方しました。

上半身の炎症には葛根湯が有効です。

微小循環障がい(血の巡り)を改善する目的で、桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を追加しました。

果たして、数日で頚部の痛みは消失し、普通に首を曲げることができました。

葛根湯がこういうのに効くんだ、と母親が喜んでいました。

この組み合わせは、“寝違え”にも応用できます。

試してみてください。

1週間処方しておいて、4,5日は飲んでもらいます。

鎮痛剤、湿布は不要でした。

もちろん併用してもらって構いません。

 

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心不全後の不定愁訴に

48歳男性。

屋根の上に上がって作業をする仕事をしておられます。

令和2年(昨年)に喫煙中の呼吸困難を起こして救急搬送されました。

血圧が260/ あり、近医からハートセンターへ紹介入院となりました。

心不全を起こしていることが判明し、治療を受けて退院されました。

退院後3ヶ月してから受けた運動負荷試験で倒れたそうです。

血圧は12/56で、現在は症状、血圧なども安定しています。

しかし、手先のしびれ、こわばり、力が抜ける、めまい、ノドの痞えが止まりません。

西洋薬では対応ができず、当院に紹介受診されました。

お酒、タバコはやめました、4

冷えなし、便秘なし、手がしびれ、こわばります。

色々と心配になります、特に屋根の上で仕事をするので、何か起こったらどうしようかと思ってしまいますと。

歯痕舌あり、舌下静脈の怒張あり、心下痞鞭(心窩部痛)あり、右胸脇苦満あり、左下腹部に圧痛を認めます。

木防已湯(もくぼういとう)と茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)をお出ししました。

木防已湯は慢性心不全の心機能回復により、心不全症状を改善させる応答を引き出します。

茯苓飲合半夏厚朴湯は、抑うつ状態を改善し、ノドから胸(食道から胃)の流れを良くします。

気分も、モノもキレイに流れるというイメージです。

自信なさげな感じで、不安そうに話を聞いておられました。

3週間後再診。

ちょっと明るい表情で入室して来られました。

手のしびればなくなり、ノド、胸の痞えも軽くなりましたと。

仕事もできています。

さらに3週間後。

「調子いいです」

仕事場は忙しいらしく、外来受診後にまた現場に戻りますと。

気分も良いし、表情が明るくなりました。

当面漢方薬は1日2回で飲んでおきますと言われました。

お大事にしてください。

 

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心不全、手先のしびれ、こわばり、ノドの痞えに漢方薬を

48歳男性です。

令和2年に心不全を発症し、近医、ハートセンターで治療を開始しました。

現在、降圧薬などを内服中。

屋根の上に登って仕事をしておられます。

令和3年7月に当院初診。

手先のしびれ、こわばり、力が抜ける、めまい、ふらつき、ノドが痞える、色々と心配、下肢がむくむ。

今回を契機にアルコール、タバコはやめたそうです。

心不全症状と多愁訴です。

歯痕舌あり、舌下静脈怒張、心下痞鞭(心窩部痛)著明、右胸脇苦満あり、左下腹部に血(おけつ)の圧痛点あり。

訴えが多いので、どこから対処しようか迷いました。

心不全症状に木防已湯(もくぼういとう)、ノドの痞え、抑うつ、めまいなどに対して茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)を処方しました。

3週間後再診。

「手のしびれがなくなりました、胸、ノドのつけも軽くなりました」と。

多少ですが、笑顔がみられました(前回は深刻な顔をしていました)。

さらに6週間後再診。

「調子いい、仕事もできています」

精神的にも安定しているようです。

このまま続けたい希望があり、追加処方をしておきました。

木防已湯は心不全症状に有効です。

是非、循環器内科の先生に使っていただきたいです。

現在内服中の薬に追加でも結構です。

顔色も良くなり、元気も出てきます。

茯苓飲合半夏厚朴湯は、茯苓飲と半夏厚朴湯を併せたものです。

これは、本朝経験方と言って江戸時代に日本人に合う漢方薬として、日本人が創った漢方薬です。

だから、日本人に合うのよ。

逆流性食道炎で心身症気味になった時に試します。

食道から胃への流れもスムーズになり、気持ちも明るくなります。

 

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6ヶ月前から続く顔面のほてり

48歳女性です。

半年前から突然顔がほてり始めました。

明らかな原因はありません。

ほてりが認められるときは、発汗、口渇を伴います。

既往歴:子宮筋腫の手術、花粉症(現在、抗アレルギー薬を内服中)

食欲はありすぎる、便秘なし、足は冷える、腰痛あり、下肢がしびれる、首、肩が凝る。

デスクワークをしているときは冷房でカラダが冷えるが、動けば冷えを感じません。

最近は疲れやすいので、これも気になると。

診察では特に異常もなく、漢方的な診察でも特記することがありません。

顔面のほてり、口渇を目標に白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を処方しました。

2週間後再診。

「全然良かった!」

疲れやすいを目標に出した補中益気湯(ほちゅうえっきとう)も合ったようです。

夏はこれでいきますと。

 

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柔道で足指を痛めたら

7歳の女子です。

最近柔道にはまっています。

受診前日に柔道の練習で左第1趾を打撲しました。

みるみるうちに足指が腫れあがり、痛くなってきました。

歩行は可能です。

外来受診時は、ゆっくり歩いて入室して来ました。

左第1趾の皮膚はやや黒ずんでおり、腫脹が目立ちます。

屈曲は制限されていますが、骨折はなさそうです。

こういうときは、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)と桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)です。

1回1包、1日2回の内服で治療を開始しました。

湿布なし、痛み止めなしでいきます。

翌日から痛みが軽くなり、柔道の軽い練習ができ、母親がビックリしていました。

2週間内服を続けましたが、最初の1週間で足指の腫れが引き、痛みもほぼ消えました。

骨折などがなければ、この漢方薬を飲みながら運動を継続できることが可能です。

膝が痛い、足首が痛い、腰が痛いなど、明らかに打撲でなくても、外傷がらみの疼痛んまら使ってみる価値があります。

桂枝茯苓丸加苡仁を使うのは、微小循環障がいを改善し、いわゆる血の巡りを改善する目的です。

 

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下肢のむくみ、痛みが治った1例

32歳女性。

14年前(!)から下肢がむくんで困っていると相談に来られました。

朝からむくんでいるときみあれば、夕方からむくむこともあります。

足がむくみすぎると、痛みとだるさを伴います。

既往歴:凍瘡(しもやけ)、殿部が冷える、すぐ冷える、特に内服薬はなし

2日に1回の便秘あり、冷えが強い、非常に汗をかく、小柄で中肉中背の方です。

よくお話を伺うと手指もむくみます。

冷えは全身に認められますが、特に殿部、腰部が顕著です。

これに対して苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)を出しました。

下半身が限定的に冷えるときに用います。

もう1つは、むくみ、汗に関して、色白、汗かき、むくみ、というキーワードで防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を考えました。

果たして2週間後再診。

「足のむくみがなくなりました、痛みもありません。顔面もむくみも治りました。便秘も解消しました。」

顔面のむくみと便秘のことは、強く意識して聞いていなかったです。

腰のあたりが温まったら、便秘が解消していた、という話もありました。

大変喜ばれていました。

当面飲んでおきたいという話でしたので、追加処方しました。

一次的に、ある症状が治ると、思わず2次的に、他の事象が解決するという漢方独特の経験でした。

 

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イライラ、便秘に桃核承気湯が有効だった1例

34歳女性。

岐阜市の漢方外来に受診された方です。

数年前から頑固な便秘とイライラでずっと困っていたそうです。

月経に関するトラブルなし、少々言葉もきついです、相当イライラするのですが、自分ではどうしようもなかった。

腹診で左下腹部に圧痛あり、索状物は触れず。

これは桃核承気湯の適応だと判断し、1週間分だけ処方しました。

1週間後再診。

「漢方薬は飲めました。苦くなく甘く感じました。気分が良くなり、3回飲んだら便がスッと出て、便が出たら頭がスッキリしました。肩にも力が入っていたみたいでしたが、力が入らず良い感じです。」

劇的に症状が軽快しました。

桃核承気湯を1日3回飲むと便が出過ぎて困るかも、と言われたので、自分で飲む回数を調節してください、と伝えました。

これは、かなりスムーズに行って良かったです。

桃核承気湯が合う人は、今後もこれしか効きません(不思議)。

1回1包、1日2回、あるいは3回で継続的に飲んでいただいて、自分でコントロールできると思います。

 

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滲出性中耳炎に漢方薬が劇的に奏功した1例

4歳の女児です。

平成30年(昨年)2月から両耳に滲出性中耳炎になってしまいました。

耳鼻科で通院治療中です。

一進一退を繰り返し、ずっと内服薬を続けている状況です。

令和1年(今年)7月の中旬に当院を受診されました。

以前からカゼの時には漢方薬を飲んでくれていたお子さんです。

鼻水がノドに流れ、咳が出る、ご飯も食べにくそうです。

本人さんは元気です。

まずは鼻水をコントロールして、カラダも元気にしていこうと作戦を立てました。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)+黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を処方しました。

1ヶ月後再診されず、6週間後に来られました。

その間に耳鼻科で大変だったとお母さんが言われます。

滲出性中耳炎がまだ治らないと耳鼻科の先生が言われ、治療を放棄されました(とんでもないことです)。

そのため違う耳鼻科を受診し相談したそうです。

そこでは、両滲出性中耳炎、いびきがひどい、扁桃肥大、アデノイド増殖もあり手術を勧められました。

本人もノドと鼻が詰まり呼吸が苦しくて、横向きにならないと眠れない状態でした。

その頃急に口から大きな痰の塊がゴボッと出ました。

それ以来、鼻がスッキリ通って、呼吸が楽になり、よく眠れるようになりました。

ウソみたいな話ですが、本当です。

その後、耳鼻科の先生からの紹介で市民病院の耳鼻科を受診しました。

両鼓膜は一部石灰化してるものの鼓膜の色も良く、動きも悪くない、聞こえも良い、何と滲出液は全く消えていました!

そのため手術適応はなく、保存的に治療すれば良いでしょうと言われました。

お母さんが感激して当院に報告に来てくれました。

良かったです。

最近外来ではこの処方を使っていますが好評です。

なかなか抜けない鼓膜の水を抜くには漢方薬を試してみてください。

 

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八味地黄丸で体調を治す

63歳女性です。

今、困っている状態:頭がスッキリしない、疲れ、鼻閉が続く

既往歴:気管支喘息があり、夜間に時々気管支拡張薬を使用中。甲状腺腫術後。

孫3人と同居しており、毎日忙しいようです。

食欲普通、不眠なし、便秘あり(2日に1回排便)、尿もれあり、肩が痛い、首・肩が凝る、目が疲れる、耳鳴り、耳閉塞感あり、手足がこわばる。

脈:沈。下腹部(小腹=臍から下)の皮膚の張りがありません(小腹不仁)。

加齢に伴うパワーダウンと考え八味地黄丸(はちみじおうがん)を開始しました。

2週間後再診。

「カラダのだるさがなくなり、目のしょぼしょぼもなくなった!疲れが良くなった気がする」

八味地黄丸は速効性に効く漢方薬には入りませんが、時々急速に症状が改善するのを見ることがあります。

八味地黄丸が自分に合うと分かれば、2-3ヶ月は最低飲み続けてみると良いです。

毎日順調に老化します。

ということは、ずっと飲んでおいたらどうですか?という提案です。

困った症状が軽快すると一旦内服を中止する方が多いです(実際は)。

 

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過敏性腸症候群?に人参湯が有効だった1例

47歳女性。

お子さんと一緒に漢方薬を取りに来られます。

もともとは冷え症で当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を飲んでおられます。

ここ数ヶ月前から、「急におなかがギュルギュルして下痢しました。おなかも痛くなります。」

診察、検査をしても異常ありません。

過敏性腸症候群かと思って、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を試しましたが無効。

腸管の蠕動運動を考慮して半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を出しましたがダメ。

単純に冷えると考えて人参湯(にんじんとう)を処方したら、これが良かった!

改めておなかを触ると一部の皮膚音が低いです。

人参湯を飲むと、おなかのキュルキュル、ギュルギュル鳴る音が止まって、おなかが痛くなくなると。

更年期障害で上半身は暑いのですが、腹部は冷えている、そんな状態です。

勉強になりました。

 

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体調不良に苓桂朮甘湯が有効だった1例

高1の女子です。

今、困っている状態:半年前から朝起きられない、胃腸の調子が悪い、倦怠感あり

既往歴:ブタクサ花粉症

市民病院に内科を受診され診察、検査で異常なく処方なし。

食欲普通、寝つきが悪い、便秘なし、手足、下腹部の冷え、足にむくみあり、頭が重たい、低気圧時に頭痛あり、目の周りにクマができる、食後におなかがゴロゴロ鳴る、張る、精神的にいろいろと心配、不安もある。

受診時は血圧が140/66、脈拍88

朝は起きられず昼から元気になってくるようです。

起立性低血圧に関してはミドドリン塩酸塩(メトリジン)を処方しました。

漢方的には半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)かと思いましたが、精神的なことが気になったので苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を試しました。

2週間後再診。

「だいぶ良くなった、漢方薬は美味しかった」

これでいけそうです。

このまま1ヶ月は継続としました。

次の相談で、「月経時は廃人のようになる、動かない」と母親が心配されていたので、現在当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を試している最中です。

 

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手術後のカラダの重さに十全大補湯が有効だった1例

46歳女性です。

お子さんが当院にかかっています。

今年の2月に子宮頸がんの手術を受けました。

手術後の経過は良好と言われていましたが、本人さんとしては頭痛、吐き気、食欲不振が続いていました。

受診する4日前からカラダが重くなり、背部痛も出てきました。

寝つきが悪く、夜中に目が覚める。食欲はある、便秘があり2日に1回排便、手足、下腹部が冷える、背部が痛い、凝る、めまい・たちくらみあり、視力が落ちた、胸が息苦しい、憂鬱で不安になる。

多くの訴えがあります。

右胸脇苦満あり、右下腹部に圧痛が目立ちます。

どこからアプローチしようかと考えました。

まずは元気を出してご飯が食べられてだるさが取れれば、自ら動くこともできるでしょうと考えて十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を処方しました。

エネルギーの充実と貧血を改善し、組織の修復を進めます。

2週間後再診。

「だいぶ元気になってきました。背部痛は緩和されました。」

今度は胃が痛くなってキリキリしてきたそうです。

おなかは冷えて、胃の動きも悪そうです。

六君子湯(りっくんしとう)とプロトンポンプ阻害薬を追加しました。

さらに2週間後再診。

「胃の痛みは軽くなりました。」

その後、十全大補湯と六君子湯を2ヶ月続けましたが、元気が出てきて十全大補湯は不要になりました。

元気になった証拠だね、ということで内服中止としました。

 

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ビックリしたと

うちの患者さんです。

小学校の低学年の男子です。

先週末サッカーの試合をやっていたときの話です。

クリニックのスタッフのお子さんも近くにいました。

ハーフタイムに入った時に彼の右目がバンバンに腫れて、みるみるうちに目が開けない状態になったそうです。

お母さんが駆け寄り、カバンからクスリを出して飲ませたら、一気に腫れが引き、目が開いて後半戦に間に合いました。

さて、何を飲ませたのでしょう。

スタッフがお母さんに聞いたら、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)と越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を1包ずつ飲ませたそうです。

さすが、うちの常連さん。

周囲のお母さん方はビックリしていたそうです。

グランドで試合していたのでイネ科の花粉症による影響が大きかったのではないかと推測されます。

相手が何であれ、皮膚の発赤、腫脹には越婢加朮湯が有効です。

もともと花粉症があるので、小青竜湯も正解です。

両者に麻黄(まおう)が含まれますので、急な皮膚の炎症を抑え、浮腫を引かせたのだと思います。

漢方薬は速効性です。

上手に使ってください。

 

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うつ病に加味帰脾湯が有効だった1例

48歳男性。

1ヶ月前に職場の異動がありました。

商品を企画、設計する部署から研究する部署に変わりました。

これをきっかけに気分が落ち込むようになりました。

受診時はご夫婦で来られました。

食欲あり、不眠なし、冷えなし、軟便傾向、頭が重たい、憂鬱、不安になる。

お子さんが当院に受診されており、時々薬を処方した既往があります。

もともとが神経過敏な方で、物音にビクッとするタイプです。

歯痕舌あり、心下痞鞭(心窩部痛)あり、右胸脇苦満あり、両腹直筋の緊張が目立つ。

精神科はすでに受診され、うつ病と診断され抗うつ薬が処方されていました。

2ヶ月は休養が必要と言われたと。

仕事を休んでいることが気になる、お子さんの学校の送り迎えをやっていました。

自分で変に力が入っている感じがしますと。

もともとの性格に合うと思われる桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)とうつ病対策で加味帰脾湯(かみきひとう)を処方しました。

2週間後再診。「薬は飲めたよ」

6週間後再診。「家事をやってます」

10週間後再診。「家事が楽しくなってきた。やることが毎日あって楽しい。気分もいい、睡眠も良い、規則正しい生活ができてる、朝起きられる。」

花粉症が始まったので抗アレルギー薬を追加しました。

13週間後再診。「調子良くて、明日から会社に復帰します。この1ヶ月は楽しかった!前向きになった。料理を作って食べすぎて7キロ体重が増えちゃった。」

え?という印象でしたが、予想より早く社会復帰されました。

漢方薬が1日2回で飲んでいれば調子が良いそうです。

その後、異動先でお仕事をこなされており、特別に問題ないようです。

精神科の薬は、そちらの先生と相談しながら減量、中止予定です。

漢方薬を使って、症状の治りが早かった、精神科の薬の副作用が出にくい状態だったのが印象的でした。

上手に使うと、こういうことも起きます。

 

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冷えを治せばいろいろ治る

37歳女性。

平成31年3月初旬に受診されました。

冷えと月経不順で困っています。

産婦人科で卵巣嚢腫、多胞性卵巣症候群と言われ西洋薬と補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、温経湯(うんけいとう)を処方されています。

受診時、手足、腹部の冷え、下肢のむくみ、頭痛があります。

小柄で肉付きは良い、歯痕舌あり、臍の上部に振水音著明です。

もうすでに漢方薬を2つ飲んでいるので、さらに追加は考えてしまいます。

補中益気湯と温経湯は1日2回しか飲んでいないそうなので、どうしても四肢が冷えるならば、5分間以上間隔を空けて当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を飲んでもらいました。

1週間後再診。

「当帰四逆加呉茱萸生姜湯飲めました(苦いと説明したので)!」

その後、当帰四逆加呉茱萸生姜湯を飲み続けたら、訴えには出ていなかったスギの花粉症が改善してしまいました。

例年、スギ花粉症がひどく、鼻水が出て、詰まって、最終的に副鼻腔炎(蓄膿)になってしまうそうです。

今年は全くならないのでうれしい、ビックリと。

当面飲み続けてみたいと希望がありました。

冷えを治すと、思わぬことが改善することがあります。

 

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冷え、むくみ、足のだるさに当帰芍薬散が有効だった1例

34歳女性。

妊娠20週です(第3子)。

今困っている状態:冷え(手足、腰、殿部)、足のだるさ

冷え症で以前から当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を飲んでおられました。

漢方薬も薬ですから、できれば飲まない方が良いと話をしました。

漢方エキス剤を飲んで赤ちゃんにトラブルが起こったという報告はありません。

それぐらい安全です。

本人さんに情報はお伝えしたところ、自己責任で飲みますということでした。

当帰芍薬散を出産前から出産後まで飲み続けられました。

特に異常なく、母子ともに元気です。

当初の問題だった、冷え、むくみ、足のだるさは全くなく、調子は良いです。

当帰芍薬散を開始して6ヶ月後。

「先生、体温が上がってきました」と報告に来てくれました。

いつも35.8℃前後だったのが、36.8℃にまで上がってきたそうです。

現在でも、体調管理のため当帰芍薬散を適宜内服しておられます。

 

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怖い夢を見る人に漢方薬を

71歳女性です。

今年2月に入ってから怖い夢を見るようになったそうです。

1月下旬に旦那さんに肝臓のがんが見つかり入院治療を受けました、

旦那さんのお世話をしつつ、自宅の仕事もこなさなければいけない状況だったので、ストレスもたまったと。

もともとスローなペースで生活していた方で、仕事がたまる一方です。

ある日クルマを運転していたら急に怖くなったり、不安が襲ってきたり、字を書く手が震えました。

食欲は普通、便秘気味、冷えが強い。

おなかの張りはないです。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)をお出ししました。

2週間後再診。

「これは良かった。怖い夢を見なくなった、運転の時も怖くなくなってきた。」

これを飲み続けたいと希望があったので、柴胡桂枝乾姜湯を内服続行としました。

女性で、痩せ型、冷え症、神経過敏な方に有効な処方です。

 

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チックに漢方薬が有効だった1例

14歳の女子です。

1年前から鼻から息をはく感じ、まばたき、鼻の穴を大きくしたり、眉間にシワを寄せる動作が始まりました。

きっかけは不明です。

様子を見ていましたが治らないので当院を受診されました。

診断は、チック症です。

既往歴:副鼻腔炎があり耳鼻科通院中です。

痩せ型、神経過敏な方です。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)を処方しました。

2週間後再診。

「波がある、眼瞼がピクピクする、漢方薬は飲めています」

6週間後、「本当に良いです。疲れたときに目がパチパチする程度で、あとは大丈夫です」

10週間後、「調子いいです」

ほぼチックの症状は取れました。

漢方薬は中止できそうでしたが、自分のペースで飲んでおきたいと希望があったのて追加処方をして終了となりました。

今シーズンも中学生のチック症の相談が多くありました。

受験の前まで症状が強く出ていたお子さんが、受験が終わった日からピタッと止まったケースがありました。

精神的ストレスがきっかけだったと判明しました。

動作チック、音声チックともに漢方薬で対応できます。

ただし、治療には少々時間がかかります。

 

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不安に使える漢方薬

45歳女性です。

既往歴:パニック障害

お子さんがカゼなどでクリニックに来られています。

この方は、お子さんの新学期前になると、「大丈夫かしら」とお子さんのことを心配していると、自分が不安になり眠れなくなったり、不安が強くなって仕事に集中できなくなります。

以前から月経不順、冷え、湿疹で困っており、現在は温経湯(うんけいとう)を1日2回継続的に内服をしています。

新学期は近づくと不眠になるため、酸棗仁湯(さんそうにんとう)と加味帰脾湯(かみきひとう)を併せて飲んでもらいました。

寝ても途中覚醒するので、酸棗仁湯は1日3回、加味帰脾湯は1日2回としました。

2週間後、「これで眠れますし、不安も減った」と。

調子がいいとおっしゃるので、不眠の時は酸棗仁湯を2包頓服で飲んでいただき、不安があれば加味帰脾湯は1日2回あるいは、3回で続けて飲んでもらうことにしました。

以後、お子さんの新学期、行事の前に大きく体調が崩れず、御自身も元気に働いておられます。

 

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10年間悩んでいたアトピー性皮膚炎に漢方薬を使う

34歳男性。

平成31年3月下旬に当院初診。

10年前からアトピー性皮膚炎にて皮膚科通院中です。

肌荒れ、落屑(皮むけ)が多い、皮膚が熱くなる、かゆくなる等、訴えが多いです。

全身の皮膚が乾燥、所々皮膚が赤い、体格は良い、冷えがある(背部)、便秘はないがコロコロ便、下肢がしびれる、時々ほてる、めまい立ちくらみあり、口腔内が乾燥する、食後眠い。

皮膚が乾燥し、所々渋紙様に赤い、かゆいので温清飲(うんせいいん)を開始し、慢性皮膚疾患で微小循環障がいがあると考え桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を追加しました。

さらに、1日1回夜だけですむ抗アレルギー薬を追加です。

2週間後再診。

温清飲はあまり効果がないため中止し、代わりに皮膚の乾燥を目標に当帰飲子(とうきいんし)を開始しました。

1日1回内服の抗ア剤も弱い感じがあると言われるので、1日2回のものに変更しました。

1ヶ月後再診。

「良い感じ、アタリ!」と。

眼の周囲は赤いものの、皮膚全体の乾燥が引き、かゆみも治まってきました。

仕事での疲れもなくなり、肌がツルツルになってきました。

患者さんも笑顔になり、外用薬を塗る機会も減ったようです。

全体的に皮膚の発赤は見られませんが、乾燥は軽く波があるようです。

当面この組み合わせで内服薬を続行です。

 

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カラダのだるさ、むくみ、胃のもたれに漢方薬が有効だった1例

48歳女性、学校の先生です。

平成30年5月からカラダがだるい、足がむくむようになってきました。

また月経中は眠気が強くなり、目の周りにクマができます。

8月下旬に当院を受診されました。

既往歴:バセドウ病(甲状腺機能亢進症)にて総合病院に通院中、メルカゾール内服中

食欲普通、体格は大きく肉付きも良い、寝つき悪い、排便は毎日あるも有形便にならず、全身が冷える、目が疲れる、目がかすむ、胃がもたれる、月経周期は28日、経血量が多い

舌:表面がツルツルしている、苔なし、舌下静脈:怒張あり、両胸脇苦満あり、心下痞鞭著明、おへその両側に圧痛点あり

学校の先生で仕事がハード、お子さんの手がかかり疲れる等にストレスが多いようです。

冷えて胃腸の調子が悪そうなので六君子湯(りっくんしとう)、月経に関するトラブルは冷えて微小循環が悪そうなので当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)をお出ししました。

2週間後再診。

「今まで出していただいた漢方薬の中で一番良かった!やっと飲み続けられそうな漢方薬に出会えた」

今までの漢方薬には、こういう印象はなかったのね(失礼しました)。

六君子湯を飲み始めたら、胃のもたれが取れ、気分が明るくなったそうです。

当帰芍薬散も飲みやすく、カラダが冷えにくくなったようです。

この2つは当面飲み続けたいと言われます。

当面月1回の受診を続けることになりました。

両者ともカラダを温める方向に向けます。

 

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高血圧に黄連解毒湯が有効だった1例

56歳女性。

以前から近医で高血圧症で降圧薬内服中です。

半年前から漢方外来を受診されています。

漢方外来では頭痛、疲れなどに五苓散(ごれいさん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が著効しました。

平成30年7月28日の夜に左鼻出血が見られました。

鼻出血の量が多かったため救急車で総合病院に搬送されました。

救急外来で止血処置をしてもらい無事止血しました。

搬送時血圧が200/11、血液検査、点滴などを受けて安静後血圧は180台にまで下降したそうです。

週明けに耳鼻科を受診し、特に問題なし。

その後全身倦怠感があり当院を受診されました。

発熱なし、元気なく、しんどい、だるいを連発しています。

血圧は180/93、今回の事件以来ずっと高いようなので、近医の内科を再診し、内服薬の変更の必要性につき相談してもらうことにしました。

この夏の暑さでへばっているのかな、という印象です。

診察上、これといった大きな異常なし。

点滴希望だったので点滴をして安静を保ってもらいました。

その間、顔が暑い、のぼせる、血圧が高いので黄連解毒湯を2包飲んでもらいました。

2時間後、血圧は158/85まで下がりました。

頭痛、吐き気なし、のぼせも軽快したので帰宅可としました。

黄連解毒湯は鼻出血にも良いので、高血圧+鼻出血対策として2週間内服としました。

その間い内科で高血圧に関する治療方針を決めてもらうことにしました。

今年は鼻出血が多いです。

お子さん、大人も来られています。

黄連解毒湯は苦いですが、確かに効きます。

便秘があれば三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)が有効です。

 

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