痛みに使える漢方薬ですが

身体疼煩する痛みにはあ、桂枝附子湯(けいしぶしとう)があります。

エキス剤なら桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)+麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)でいくか、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)+ブシ末でいくか、です。

2-3週間試してみて、軽快なければ他を試します。

骨節煩疼(こっせつはんとう)して屈曲するのを得ず、の状態であれば、甘草附子湯(かんぞうぶしとう)です。

さらに麻黄(まおう)の鎮痛効果を期待して追加することも可能です。

 

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小柴胡湯加桔梗石膏を飲む

小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)という漢方薬があります。

小柴胡湯に桔梗石膏がくっついた構成になっています。

一般的によく使われるのは、カゼをひいた、ノドが痛い、扁桃炎がパンパンに腫れている、飲み込むと痛いなどの状況です。

発症してから3日目くらいから使うことが多いです。

ただ、ノドが痛いだけなら桔梗湯(ききょうとう)がありますし、桔梗石膏、甘草湯(かんぞうとう)もあります。

飲んでいても経過がよろしくないとき飲み始めることが多いでしょうか。

私個人的には、カラダがでかい(体重が多い!)ので、1回2包、1日3回飲みます。

だいたい1日で治ります。

一般的には1回1包、1日3回で結構です。

生まれつき扁桃が大きくて、1回カゼをひくと扁桃が腫れて、高熱が持続する方がいます。

こういう方は1回1包、1日で良いので、1週間、2週間、1ヶ月と長期に継続的に飲み続けると、高熱が出にくくなります。

発熱があったも、以前ほどの高熱にならなくなります。

柴胡という生薬が有効です。

 

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大柴胡湯を飲む

肥満、糖尿病に直接有効な漢方薬はありません。

やせ薬もありません。

ただ、肥満でおなかがパンパンに張っている人には大柴胡湯(だいさいことう)という漢方薬があります。

私も10年以上前に試してみました。

お通じがついて、カラダは楽になりました。

柴胡剤(柴胡+黄)の中で、一番おなかの力が強い人に使います。

まあ、私のような体型ですよ。

こういう人が大柴胡湯を飲むと、脂肪肝改善効果があります。

間接的ですが、糖尿病の人、予備軍の耐糖能低下の人に効果があると考えられます。

1回1包(2.5g)、1日3回内服、2週間は試してください。

糖質制限食を併用すると効果が上がります。

 

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新型コロナウイルスによる感染後の後遺症

まだ後遺症の全貌は明らかになっていません。

が、現時点で見聞きする症状に漢方薬を試してみましょう。

疲労感、全身倦怠感、食欲不振には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

疲労感、全身倦怠感に加えてメンタルもやられているわ、となれば人参養栄湯(にんじんようえいとう)です。

発熱は治まった、咳だけが長期に残るが検査では異常なし、という場合があるようです。

桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)が使えます。

呼吸困難、動悸、息切れには炙甘草湯(しゃかんぞうとう)です。

息切れに心臓神経症が加わった場合は、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)です。

胸痛には当帰湯(とうきとう)です。

味覚障害は香蘇散(こうそさん)、嗅覚障害は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。

当帰芍薬散は、嗅覚神経の栄養因子を増加させる働きがあるそうです。

ただ様子をみているくらいなら、漢方薬を試してみたらいかがでしょう。

 

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ものもらい4連発

スタッフとその家族入れて4人が次々にものもらいになりました。

麦粒腫です。

まつ毛の毛包の細菌感染症です。

清潔にしているだけで膿が自然に消えることもありますが、通常は1週間程度皮膚が腫れて痛いです。

化膿した部分がはっきり見えてきて、自壊して膿が出て治ることもあります。

スタッフの間で連続して感染したわけではありませんが、皆疲れていた?

それが目に出た?

よく分かりません。

1週間以上放置してから治療を開始した人は、治るのに2週間かかりました(計3週間の経過)。

発症して数日以内に治療を開始した人は、早いと3日、4日で治っています。

葛根湯+排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)+抗菌剤の点眼薬を使用します。

私もかかりましたので、この治療を開始しました。

当初は、膿がはっきりしませんでしたが3日目にはっきり黄色い小さい膿瘍を見つけました。

顔を洗ったときに、タオルで軽く圧迫したら、あっさり排膿して消えてなくなりました。

4日で治りました。

早く治ったなー、という印象です。

こういう治療はありがたいです。


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中高年の方の頭痛

60歳後半まで会社勤めしていた方が来院されました。

70歳前になって頭痛、嘔吐が起こり病院を受診されました。

脳出血などを疑われましたが、2つめの病院で異常なしと言われました。

血圧は以前の受診時は正常でしたが、頭痛が始まった頃は170/を超えていたそうです。

先日数年ぶりに当院に来られました。

ニコニコして機嫌良く、元気そうです。

血圧は138/70でした。

でも時々上がったりするし、頭痛が起こるようです。

真面目な方なので、家庭血圧はキチンと測っておられます。

それをみると正常範囲内です。

朝になると、頭が痛い感じがするが、ひどくはならないようです。

脳血流を上げて、午前中の頭が重苦しいのを改善するために釣藤散(ちょうとうさん)を開始しました。

この方は降圧薬は飲んでいませんが、併用は可能です。

就職が決まったので、来月からまた働きに出るそうです。

元気に仕事ができると良いですね。

 

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『院長の小窓』を更新します

なかしまこどもクリニックのホームページにある『院長の小窓』を更新します。

毎回2つの漢方薬を紹介しています。

1つの漢方薬を2つ以上の使い方ができるように情報を提供しています。

今回は、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)と茯苓飲(ぶくりょういん)です。

芍薬甘草湯はこむら返りに使われる漢方薬で有名です。

漢方薬は効かないと言っている医師もこれは効く、と言ってしまいます。

筋肉の種類を問わず、筋肉がギューッとなったら使えます。

頓服での使用が多いですが、場合によっては1日2回、あるいは3回投与もあり得ます。

茯苓飲はなじみがない漢方薬かも知れません。

結構いいです、私は使っています。

関連処方の茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)は、もっと使っています。

食道に特異的に作用します。

食道の順蠕動を正常化する応答を引き出します。

逆流性食道炎や胃切除・胃全摘後の食道方向への逆流を容易に改善します。

画面の左下にカーソルを合わせて、画面を停止させつつ観て下さい。

よろしくお願いします。

何かの参考になればありがたいです。

 

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もうそろそろ冷えてきます

昨日の漢方外来では、冷えを訴える方が数人おられました。

暑がりの私でも、さすがに夜のエアコンは不要になりました(爆)。

昨日受診された方は、アトピー性皮膚炎で皮膚が赤く、熱感があるんだけど、カラダは冷えてきたと。

1人の人間の中に、暑く感じる場所と寒く感じる場所が混在することは普通にあるんですね。

ですから、アトピー性皮膚炎に対して温清飲(うんせいいん=黄連解毒湯+四物湯)を飲み、四肢末端の冷え、頭痛に当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を飲んでおられます。

温清飲がそもそも温性と清熱を併せ持った漢方薬ですが。

こういうのもアリなんですね。

高齢の女性で、カラダは冷え切っているんですが、胆嚢炎の部位だけ熱を持っているとか。

こういうことは実際ありますから。

冷えの漢方薬を上手に治療に組み込んでいくと、患者さんの体調は良くなる方向へ動き出します。

 

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元気がなければ人参を

漢方の生薬に、ニンジン、があります。

ウコギ科人参の根を使います。

オタネニンジンの細根を除いた根、または、これを軽く湯通ししたものです。

やや黄色で、太く重いものが良品とされます。

強壮、健胃整腸、鎮吐、止瀉を目的にしています。

薬徴(吉益東洞)には、心下痞堅・痞鞭・支結を主治するなり。旁ら不食・嘔吐・喜唾・心痛・腹痛・煩悸を治す。と書いてあります。

エネルギーのパワーアップと、陰証の心下痞鞭(つかえ感)を治す、というところでしょうか。

 

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肩こりですが

自分の右手で左肩を触ります。

右手の中指が当たる場所をグッと押さえると痛い、凝っている。

その場所から首に近いところが凝っているなら葛根湯です。

凝りが気になる、しんどいときに2包飲んでください。

ただし、葛根湯には麻黄(まおう)が含まれていますので、胃に障ったり、動悸、嘔気が起こることがあります。

そういうときは、葛根湯から麻黄を抜いた桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)を2包ずつ頓服で飲んでみてください。

最近は、オンライン授業が多い高校生が飲んでいます。

時代やなー。

目も疲れる、肩が凝るんですね。

 

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脈が浮いている

手首の橈骨茎状突起に中指を置いて、両隣に人差し指と薬指を添えます。

患者さんの左右どちらでも結構です。

自分の置いた中指に注目です。

そっと皮膚に指を添えただけで、脈がドクドクと触れます。

これを脈が浮いている、と言います。

特に感染症などでは有効に使える所見です。

感染症でなくても、脈が触れる場合、その人は基本元気です。

自分の指をグッと皮膚に沈めていく、爪の色が少し白くなるくらいまでいきます。

そこで、やっと脈が触れるのを脈が沈んでいると言います。

疲れ、寝不足などがあるかも知れません。

これを知っているだけで、自分の元気の良さを見る1つの手がかりとなります。

 

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更年期障害で飲む漢方薬

昨日の漢方外来に更年期障害と思われる女性が多くおられました。

のぼせがハンパないという訴えです。

初めは、“のぼせ”ってわからなかったと。

急に顔がほてって、暑くなって、汗をかいて、、それがすぐに治まらずにあせったそうです。

これが何回も起こったので、もしかしたらこれがのぼせ?と感じたと。

もともと加味逍遙散(かみしょうようさん)を飲んでいた人に、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を追加しました。

のぼせには有効です。

1-2週間試していただいて、うまくいくかどうかを検証します。

ダメなら漢方薬を変更します。

男性でもホットフラッシュは起きますから、桂枝茯苓丸を使ってみてください。

桂枝茯苓丸はニッキが入っており、飲みやすいです。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)+桂枝茯苓丸の方も多いです。

 

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抗がん剤による下痢に半夏瀉心湯を

抗がん剤の塩酸イリノテカンを使うと下痢になります。

患者さんは大変つらいです。

下痢までしても、治療を続けなればとなります。

これには半夏瀉心湯を使います。

文献も出ています。

下痢すると分かっていたら、治療をする数日前から半夏瀉心湯を開始します。

すると、下痢がほどくならずに治療が進みます。

なおかつ次の予定がスムーズに進みます。

こういう感じで使われています。

半夏瀉心湯は、抗がん剤による口内炎にも有効です。

損傷した口腔内粘膜になじませるようにブクブクと口の中で半夏瀉心湯を溶かしながら飲みます。

一気に口内炎は消えませんが、抗炎症作用にて口腔粘膜の炎症が軽快し、痛みが和らぎます。

そうなったら、食べられるものを少しずつ口に入れます。

上手に使ってください。

 

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当帰芍薬散を飲むと

若い女性で当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を飲む方がいます。

中高生以上で、月経困難、月経不順が多いです。

婦人科で診察を一度は受けてもらっています。

アドバイスや内服薬をもらっても、うまくいかない方が相談に来られます。

冷え、むくみ、だるさ(倦怠感)が見られる場合、当帰芍薬散を試してもらっています。

飲み始めたら、気分が悪い、気分不快を訴える方がたまにおられます。

これには、追加で香蘇散(こうそさん)を使うことがあります。

もちろん、当帰芍薬散が合っていなかったということも考えられますから、慎重に判断します。

香蘇散は気剤と呼ばれる漢方薬です。

気剤は駆血剤(くおけつざい)(=微小循環障がい改善薬)の欠点を隠し、長所を伸ばしてくれます。

上手に使うと、飲んですぐに当帰芍薬散を諦めずに、内服を続行できるようになります。

 

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秋の花粉症

長雨と共に気温が下がってきました。

それに伴い、先週から花粉症の方が薬を取りに来られています。

イネ科、雑草系の花粉症なのでしょうか。

お子さんから大人まで幅広いです。

抗アレルギー薬だけでいいわー、という方が大半です。

漢方薬だけで、という方もおられます。

冷える方は、人参湯(にんじんとう)や苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)でいいわーと。

水っぽい鼻水が多い人は、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を飲む方が多いです。

ただ味がスッパ苦い(おそらく五味子:ごみし、のせい)ので、嫌がるお子さんはいます。

冷えて、ポタポタと鼻水が垂れる場合は、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)がベターです。

何かしら、自分に合う薬を上手に利用して、アレルギー性鼻炎(花粉症)の症状を軽くして、快適に過ごしてください。

漢方薬は眠気、鼻・喉の乾燥感がないのがありがたいです。

 

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抑肝散と皮膚のかゆみ

抑肝散(よくかんさん)は、もともと夜泣きに使う漢方薬です。

現在では認知症の周辺症状(BPSD)(暴言、暴力、徘徊など)に有効とされ、施設などを中心に外来でも結構処方されています。

さらに、最近はペインクリニックを中心に、慢性疼痛に使われることが多くなってきました。

入院での術後せん妄、ICUせん妄に役立っています。

要は、術後や、救命センターに運ばれて安静臥床、管をつけられている状態がストレスで暴れる、管を引っこ抜く等に有効だということ。

それに、皮膚のかゆみに使います。

これは以前からあった使い方のようです。

女子大生で、ニキビと皮膚のかゆみがなかなか治らない、と相談がありました。

抗アレルギー薬、抗生剤、外用薬などが全く無効だと。

困ったなー、と思い話を聞いていたら、相当イライラしている様子だったので抑肝散をお出ししました。

2週間で、ニキビが消退し始め、全身の皮膚のかゆみがスッと引いたそうです。

こういうケースもあるんですね。

これを応用すれば、難治性のかゆみに対して、1つの対応方法となります。

まずは1週間飲んでみます。

 

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男性不妊

第2子がなかなかできない女性がいます。

産婦人科で不妊治療をしています。

結構、壮絶です。

涙ぐましい努力をされています。

産婦人科からも時々指摘がありますが、男性の方には問題がないですか?と。

一度調べてきてください、と言われます。

泌尿器科で体調チェックされている方もあります。

結果、特に内臓的、泌尿生殖器的には問題はなさそうですと言われました。

果たして、もう何もすることはないでしょうか。

例えば、夜勤続きで体力がへばっている、仕事が終わって帰ったら少し食べてすぐ眠くなる。

こういうときは、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

睾丸(精巣)に対する直接作用があると言われ、間質細胞に直接刺激をして男性ホルモンを分泌させるそうです。

補中益気湯は、倦怠感を取り、ご飯が食べらるようになりますから、元気が出ます。

加齢に伴う疲れ、冷え、足腰の痛みには八味地黄丸(はちみじおがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)があります。

ストレスがらみでイライラ、不眠があれば柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうことうぼれいとう)、神経質になって物事に敏感になっているなら、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。

あせらず、淡々と自分の体調を整えながらいくのが良さそうです。

あまり気合いが入らないほうがいいみたい。

 

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精神的にドロドロ

精神的にストレスがかかって不安定な男性がいます。

イライラ、不眠、抑うつ感があります。

胃潰瘍にもなりました。

小柄でカラダがしまった感じです。

頬はややこけています。

おなかは腹直筋が張っていますが、筋張っていません。

両側の肋骨下の圧痛があります(両胸脇苦満)。

おなかをよく見ると、おなかの上から下までうっすらと腹直筋が張っています。

これは、「竹の字型」と言われる腹診所見です。

精神的にドロドロして、身体症状にも出ている場合は、四逆散(しぎゃくさん)です。

会社から九州へ転勤を命じられ、家族内でもトラブルがあったのが調子を崩したきっかけになったようです。

四逆散を1週間飲んだら、精神的に楽になったと。

その後、彼は当面単身で赴任しました。

数ヶ月飲んでからの消息は不明でしたが、先日突然来院されました。

「九州から帰ってきました」

あれから四逆散を1日1回、2回飲み続けたところ、気分よく、胃の痛くなく生活ができ、仕事もできたそうです。

精神的にドロドロだった表情は見られませんでした。

 

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帯状疱疹に使える漢方薬は

急性期:黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、あるいは越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

     +茵陳五苓散(いんちんごれいさん)

かゆみ、かたまりができたら、

     +消風散(しょうふうさん)(実)、桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)(虚)

 

帯状疱疹後神経痛には、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)+四物湯(しもつとう)

3ヶ月以上経過して、アロディニアがあれば、麦門冬湯(ばくもんどうとう)+六味丸(ろくみがん)です。

抗ウイルス薬である、バルトレックス、ゾビラックスの併用は可能です。

ちなみに、保険適応性はないので上手に対応してください。

 

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『院長の小窓』を更新します

なかしまこどもクリニックのホームページにある『院長の小窓』を更新します。

毎回、漢方薬を2つずつ紹介しています。

サッと流れる動画です。

画面左下の停止ボタンにカーソルを合わせて、静止画面にしつつ御覧下さい。

今回は、参蘇飲(じんそいん)と女神散(にょしんさん)です。

参蘇飲はカゼに使う漢方薬です。

咳、痰、熱、頭痛などに使います。

特異度は低いです。

軽いカゼをひいて、症状がいろいろあって、なかなか治らないときに使ってみますか。

女神散は、他人から「しっかり者」と言われる人が、多くの訴えをするときに使います。

女性の骨盤内の微小循環障がい、隠蔽している精神不安状態に有効です。

2週間ほどで症状が軽快してきます。

月経関連症状、神経症、心身症、産前産後の神経症に試してみます。

 

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甘麦大棗湯を使う

象如神霊=かたち神霊の如し、という言葉があります。

ヒステリーの女性がいます。

「めまいがして、息苦しい」と倒れこむようにベッドに寝ます。

眼はじっと見開いたままです。

怖いです。

SPO2(酸素飽和度)、心音・呼吸音は正常です。

何ですかこれ?

以前同様の症状で精神科受診して内服薬を処方されるも、気持ち悪くなって飲んでいないと。

無表情で、人前ではややもするとオーバーに思えるゆっくりとした動作です。

これは、ヒステリーかな。

甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)を飲んでいただきました。

1週間後には、サッと歩いて入室され、ハキハキと話をします。

でも本人さんは、「変わってないですけど」と、ニヤッと笑います。

やっぱ、怖いです。

 

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熱中症になりかけた

昨日は気温35℃越えの中、バスの中で仕事をしていました。

岐阜県も血液不足で困っている状況で、献血バスの仕事にスポット参戦してきました。

1日50検体以上を確保しようと、多くのバスが市内を中心に出動です。

世の中は自粛期間中で、なおかつ真夏日です。

朝から出足が悪かったのですが、午後から次第に数が伸びました。

夕方受付時間を30分延長しましたが、目標達成できませんでした。

しかし、事務方、看護師さんたちも相当頑張っていました。

それよりも何よりも、来ていただいたドナーさんの方々に感謝です。

暑い中、ありがとうございました。

と、思っていたら、自分の頭がボーッとしはじめ、顔がのぼせてきました。

「車内が30℃をこえました」と看護師さん。

献血バス内がサウナ状態で、皆が熱中症になりそうでした。

機械を積んで作業をしている、停車中でエアコンの効きも悪いなど、条件が悪いです。

私は水分補給と五苓散(ごれいさん)を飲みました。

献血の仕事終了後、コンビニの駐車場で水分、ミネラル補給、クーリングをして帰宅しました。

皆様、暑い日がもう少し続きます。

気をつけて下さい。

五苓散が頭の中の水のばらんすを調節してくれました。

顔のほてりがあれば、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を追加します。

帰宅後、だるさが残れば補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

 

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オンライン診療で漢方薬をもらう

うちのクリニックでは初めて3日間連続でオンライン診療をしました。

コロナの自粛下で、オンライン診療を導入しました。

ポツリポツリと利用していただいています。

現在は、月曜日以外で、外来時間中にオンライン診療枠を設けています。

漢方薬に限らず、一般外来用でもありますので新薬(西洋薬)の希望も対応します。

原則として、再診の方を対象としております。

抗アレルギー薬、漢方薬などは最長1ヶ月分まで、となっています。

急な発熱、腹痛、発疹などに関してはオンライン診療では対応できないため、来院をお願いしています。

仕事場から休憩時間にオンライン診療を利用されている方、クルマで外出時に、駐車場からオンライン診療される方など、いろいろな状況で上手に使っておられます。

処方箋は、御希望の処方箋薬局にFAXします。

同日に送る方がほとんどです。

大半の漢方薬、新薬はその日にもらえているようです。

まずは、なかしまこどもクリニックのホームページにあるオンライン診療の案内から入ってください。

よろしくお願いします。

 

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帯状疱疹の初期治療

帯状疱疹の方がたまに来院されます。

昨年はコロナのストレスで高齢の方で帯状疱疹を発症した方が多くありました。

最近は、お子さんの帯状疱疹を診ることがあります。

ビックリです。

初期治療は抗ウイルス薬(バルトレックスなど)を内服します。

ここで漢方薬を併用します。

ごく初期は、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、あるいは越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)に、茵陳五苓散(いんちんごれいさん)を一緒に飲みます。

1回1包、1日3回、2種類の漢方薬を1週間飲んでみます。

抗ウイルス薬は併用で可能です。

重症な方は、抗ウ剤の点滴です。

五苓散は、神経の炎症、浮腫を治ります。

神経鞘の炎症、むくみが問題なのでしょうね。

黄連解毒湯、越婢加朮湯は炎症を抑えます。

初期治療で漢方薬を併用しておくと、神経痛が残りにくいです。

うまくいくと神経痛が残りません。

 

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膝関節の水が溜ったら

中高年女性に多く見られる変形性膝関節症があります。

関節の隙間がなくなって擦れると激烈な痛みが走ります。

関節包内に炎症が起こると水が溜ります。

これが、なかなか厄介です。

軽症だと歩行などに支障がありませんが、ある程度の量(10-20 ml)も溜れば、関節が曲げにくい、膝周囲も腫れて痛い、背側も皮膚が張ってきて歩きにくい、痛いです。

これには、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)です。

特に、水太りの方、膝が大きい、汗かきの女性にはお勧めです。

先日、自分で自重トレーニングをしたら、右膝を痛めました。

自重が重すぎました(沈)。

初めは筋肉痛かと思っていましたが、5日経過した頃から右膝に限定で痛くなってきて、曲げにくくなってきました。

防已黄耆湯と、炎症を抑える目的で越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を2包ずつ1日3回飲みました。

その夜は膝の腫れが軽快しました。

2日目以降は、防已黄耆湯+越婢加朮湯をそれぞれ1包ずつ、1日3回で内服を続けました。

さすがに、これ以上腫れが引かないので、関節に水が溜まっているな、と判断し同級生に穿刺して抜いてもらいました。

16ml溜まっていました。

ガマンしてはいけません。

早めに診てもられば良かったです。

でも、以後は膝の調子は良く一発で治りました。

こういうケースもあるんです。

変形性膝関節症の方は、継続的に防已黄耆湯を飲んで、ある一定以上の水が溜まらないようにすることが可能です。

一度合うかどうか試してください。

 

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抑肝散を飲む人

抑肝散(よくかんさん)は、もともとお子さんの夜泣きの漢方薬です。

現在でも、使われています。

世の中的には、認知症の周辺症状(BPSD)によく使われています。

イライラ、暴言、暴力、徘徊など、病棟や家庭内で手に負えない人に飲んでもらいます。

これ以外には、手術後のせん妄、ICUせん妄などに使われます。

術前から抑肝散を飲んでもらい、術後に点滴や治療用の管を自分で引っこ抜いたり、ベッドから出ようと暴れたりするのを予防、対応します。

さらに、イライラして夜眠れない人は、寝る前に抑肝散を2包頓服で飲む、ということもやっています。

さらにさらに、慢性疼痛性疾患に用いています。

ペインクリニックで注射と併用して抑肝散を飲むケースが増えています。

血液中のセロトニンを増やし、グルタミン酸を現象させる等の抑肝散に関する実験データも出てきています。

1つの漢方薬で3つ以上の病気、病態に使ってみる試みをしています。

イライラしてる?と聞いて、「イライラしてる」と言ったら、抑肝散を処方します。

聞きにくい人、本人さんが話せない状況なら、こちらが“イライラしてるな”と判断したら、使ってみます。

 

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思慮深き人のうつに

高齢者のうつ、認知症などで使える漢方薬に1つに帰脾湯(きひとう)があります。

もともと神経質で思慮深い人がいます。

こういう方が、たまたま病気になったり、トラブルが起こると、これを契機に意気消沈し、食欲低下、やつれてきます。夜も眠れません。

その後、病状の経過が良好になっても、トラブルが解決しても、本人さんが元気になってきません。

抑うつ状態になり、一向に解決しません。

漢方で「心脾両虚」というのですが、精神的にも、消化吸収機能も調子が悪い状態です。

中には、紫斑が四肢に見られることがあります。

これには帰脾湯です。

食欲が少しずつ戻り、気分が明るくなり、紫斑がスーッと消えていきます。

高齢者のうつの時は、四肢に紫斑がないかすぐ探してしまいます。

もし、紫斑を認めたら帰脾湯を思い出してください。

 

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倦怠感に

80代女性です。

畑仕事、草むしりを暑い中やっていました。

カラダがだるくなって、夕食を作る気がしません。

元気がなく、エネルギー不足なので補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を開始しました。

倦怠感は改善しましたが、不眠傾向が悪化しました。

頬がこけてきて、肌が乾燥してきました。

少し動くだけで息が切れてきます。

気力・体力の低下、食欲低下、肌の乾燥から補中益気湯から人参養栄湯(にんじんようえいとう)に変更しました。

これの方はカラダが楽で、元気が戻ってきたと。

不眠に関しては、就寝前に酸棗仁湯(さんそうにんとう)を2包飲むことで解消されました。

酸棗仁湯は、疲れているのに眠れないときに使います。

夕食前+就寝前の2回に飲む方法もあります。

自分に合っていると思われた方は、就寝前2包でもいいかと思います。

これで夏の後半戦も乗り越えられそうです。

 

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おなかを触る

下痢をしたお子さんが来院されました。

夏カゼの胃腸炎バージョンです。

わりと元気もあります。

下痢は少しずつ出る、腹痛はありません。

水分は少しずつ摂れています。

おなかを触ると、触る前から、おなかがゴロゴロ鳴っています。

手でおなかを触ると、腸管がグルグル動いているのが分かります。

こういうときは半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)です。

腹直筋がピンと張る、おなかをくすぐったがるのは桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)です。

皮膚温が低く、冷たい、心窩部がやや痛がる、ボチャボチャと水が溜まったような音がするときは、人参湯(にんじんとう)です。

五苓散(ごれいさん)では、あまり特徴的な腹部所見はありません。

ただ、ノドが渇く、おしっこの出が悪い?と聞きます。

どちらかが該当したら、五苓散(ごれいさん)です。

お子さんでは、五苓散を使う機会が圧倒的に多いです(保育園・幼稚園児が多いせいか)。

五苓散は飲みやすいです。

嘔吐・下痢の両方に使えるのが便利です。

もちろん大人の方も使えます。

 

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男性更年期

この1週間に男性の更年期と診断がついた人が数人来院されました。

男性ホルモンのテストステロンの低下が原因と言われます。

性欲がない、元気がない、ほてる、関節痛、筋力低下、不眠、不安、抑うつなどが見られます。

他に、病気や、使っている注射薬、内服薬などで、女性の更年期障害と同様の症状が起こることもあります。

いずれにせよ、正しい診断をまずつけてもらうことです。

内科受診が妥当でしょうか。

都会ではメンズヘルス外来などもあるそうです。

漢方薬ですべては治りませんが、お助けできものはあります。

問診、診察をして体質、体調に合わせて漢方薬を決定し、試していただいています。

うまく合えば、当面継続治療という形です。

例えば、元気がない方に補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を試してもらうとか、のぼせに桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を飲んでみるとか、しています。

こういうときはコレ、と決まるとありがたいです。

 

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