線を引けない

私は冷え症です。

私は暑がりです。

体質が違います。

冷える人には温める漢方薬を選択します。

暑がりの人には冷やす漢方薬を選択します。

私、基本冷えてますけど、時々のぼせますとか、暑がりですけど、今日は下腹部だけ冷えますとか。

1人の人間のカラダに両方が存在する(共存)することはあります。

キッチリと線を引くことができないですからね。

今困っていることに焦点を当てて、温めた方が良いのか、冷やしたら良いのかを考えます。

場合によっては、温める漢方薬と冷やす漢方薬を同時に飲むこともあります。

そこがまた面白いところです。

 

110147635.thm.jpg

頓服で飲むシリーズ

漢方薬でここ一番1包!と飲むシリーズがあります。

有名なのは、「こむら返り」です。

関西では、「こぶらがえり」と言いますが、これに有効な漢方薬は世界で1つしかありません。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)です。

足がつった!と感じて1包飲むと5分で治まります。

1包で効かない時は、1回に2包までオッケイです。

アレルギー性結膜炎(花粉症を含む)で目が充血してかゆい、イラッとするときは、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を1包飲みます。

低気圧で頭痛、乗り物酔い、熱中症で頭が重い、痛いは、五苓散(ごれいさん)を1包飲みます。

胃が痛い時は、神経質な人は安中散(あんちゅうさん)+芍薬甘草湯を1包ずつ飲みます。

西洋薬の胃薬を併用しても大丈夫です。

胃が丈夫で、熱を持って痛い時は、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)+芍薬甘草湯です。

つわりで気持ち悪い時は、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)です。

妊婦さんでも頓服で飲めます。

まだまだありますが、まずは1つ試してみましょう!

 

1526795818.jpg

お子さんに漢方薬を飲ませてみる

109578538.thm.jpg外来で面白い現象が時々起こります。

第2子の赤ちゃんが鼻水がつまって相談に来られました。

第1子は、漢方薬に限らず薬嫌いです。

お母さんに再度カゼの話をして、「生後1ヶ月からでも漢方薬を舐めさせてみたら」と提案しました。

「はあ」

「上のお子さんみたいに嫌がらないから、一口でも舐めたら声をかけてベタ褒めしておいてー」

「はい」

3日後再診。

「先生、初めて鼻水止まるのを見ました、鼻もつまらずおっぱいもよく飲めるようになりました」

「そうそう」

お母さんは漢方薬を飲ませることによって、初めて鼻カゼが治る、鼻づまりが良くなるのを経験しました。

それからというもの、お母さんは上のお子さんに一口ずつ漢方薬を飲めるようにしました。

最初はめちゃくちゃ嫌がっていましたが、熱が下がったり、鼻水が治ったり、下痢が止まったりすると、上のお子さんは自信がついてきました。

何か得意げな顔をするようになってきました。

こうなったらしめたもんです。

2人ともバンバン治ります。

今の季節からカゼを漢方薬で治す練習をしておくと、冬が楽ですよーー。

 

 

 

麻黄湯を飲む際の注意点

カゼをひいた、高熱が出た、まだ汗をかいていない麻黄湯(まおうとう)の適応だ!

お子さんなら、まさしく正解です。

でも実際麻黄湯を飲んでも熱が下がらない、下がりにくい、経過が長くなる感染症(特にアデノなどのウイルス感染症)もあります。

それは数が少ないです。

これからの季節に流行するヘルパンギーナなどのエンテロウイルス感染症には、ぜひ麻黄湯を試していただきたいです。

注意点は飲み方です。

お子さんですから、飲めれば全部、無理なら一口でも結構です。

発熱してまだ汗をかいていないのが大前提です。

1日3回と処方箋に書いてありますが、寝ている時間を除いて2時間おきに飲みます。

@37.5℃以下になった(カゼが抜けた感じがした)、A汗をかいた、Bおしっこが出た、この3つのうち1つでも認めたら、麻黄湯の内服は中止です。

これ以上飲んではいけません。

もう1つ大事な注意点。

これは必ず1回は皆がやります。

熱が出て麻黄湯を飲んだら熱が下がった(37.5℃以下)、内服を中止した、翌日(24時間以内)にまた熱が出たので麻黄湯を飲んだ。

これが間違いです。

一旦熱が下がった後、再び熱が出たら、カゼがこじれて次のステージに進んでしまったということです。

次のステージは柴胡剤というグループの漢方薬を使うステージです。

熱が上がり下がりして続いても小柴胡湯(しょうさいことう)とか柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を続けます。

まあ、ガマンの治療と言いましょうか、淡々と飲み続けることになります。

数日後、1日を通して37.5℃以下になれば解熱したと判断し、柴胡剤の内服を中止とします。

これがポイントです。

 

109909085.thm.jpg

帯状疱疹に使える漢方薬

ごく初期は、茵陳五苓散(いんちんごれいさん)+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)です。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)+越婢加朮湯でも結構です。

抗ウイルス薬+漢方薬で治療しています。

小児でも同じです。

小児には黄連解毒湯が苦くて飲めないことが多いので、茵陳五苓散を使います。

これをまず1週間処方して、赤い丘疹が干からびて、色が消退してきたら内服中止です。

受診時に、すでに急性期を超えていたら、茵陳五苓散+消風散(しょうふうさん)、あるいは桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)でいきます。

神経痛が始まったら、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)+四物湯(しもつとう)で対応します。

3ヶ月以上経過してアロディニアになれば、麦門冬湯(ばくもんどうとう)+六味丸(ろくみがん)です。

病気のステージに合わせて使う漢方薬を変えていきます。

 

20180509_1810493.jpg

長期に飲む

漢方外来での話。

保育園児の湿疹です。

皮膚科で外用薬を処方され、スキンケアを中心に行い、その後抗アレルギー薬を使って調子が良かったようです。

約半年前に漢方薬でも何かできることがないかと相談がありました。

乾燥肌、全身に引っ掻いた傷があり、かゆそうです。

おなかはぺったんこで、くすぐったがります。

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)をお出ししました。

おなかを元気にして皮膚も良くしよう作戦です。

1ヶ月、2ヶ月経過して、カラダが元気になり、皮膚もみるみるうちにキレイになり、かゆみも減ってきました。

調子いいなー、と感じた外来から、パタンと来院されなくなりました。

先日数ヶ月ぶりに来院されました。

「ご無沙汰しております、先生。飲み薬全部止めたままにしていたら、また悪くなっちゃいました」

全身が発赤して、引っ掻いた跡が多数あり、一部膿痂疹(のうかしん=とびひ)状態です。

また抗ア剤+黄耆建中湯の再開です。

慢性の病気を相手に漢方薬を飲むときは、3ヶ月をめどに内服を続けて、中止できそうなら良いですが、症状がまだ安定しないなら、もう少し長期に飲んだ方がベターです。

いきなり内服中止するのが怖いなら、1日2回内服を1日1回に減らして症状の変化がないかを確認してから中止にもっていった方が安全かも知れません。

 

0hS2NnwuZwDB1zFyCBz5ZzSj1KCnIKdBYVGW8bJwZBBjMGexsdG20BPhJCCnkNeRhXNytDcjNtK3Y2Jyw7EzECOB1pKV42VDcsPTdCLytWLX9CJ09ISHRGflIWUS1WckhDSHQGel8.jpg

 

ガサガサの湿疹

もともと乾燥肌があり、汗をかいて引っ掻いてしまった。

これからの季節には多く見られるようになります。

「保湿剤だけで良いでしょうか?」

「無理でしょうね」

「え?」

引っ掻いた傷から化膿して膿痂疹(のうかしん=とびひ)状態になっています。

こんな方は無理ですわ、保湿だけでは。

アレルギー体質があれば抗アレルギー薬があります。

プラス漢方薬を試します。

擦り傷、切り傷、ひっかき傷が多く、やや化膿してるなという箇所が多いなら十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、ジュクジュクといかにもwetなら消風散(しょうふうさん)、膿が多いなら排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を試します。

まずは1週間、良い印象があればさらに1週間使います。

抗ア剤、抗生剤の併用は構いません。

早く皮膚症状を改善して安眠できるようにしたいですね。

 

109635165.thm.jpg

頭の病気とめまい

頭の病気、例えば脳梗塞があります。

脳の血管が詰まるわけです。

血管の詰まりを取るには脳外科的な処置が必要です。

手術ではなくて、注射薬で血栓を溶かすことも可能です。

重症さんは外科的に手術などが必要です。

血管に炎症が起こる、詰まる、、、こういう時に伴うめまいには抗めまい薬が有効です。

それでもうまく行かないときは、釣藤散(ちょうとうさん)という漢方薬があります。

高血圧を伴う場合にも使えます。

のぼせがきついなら黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が良いかも知れません。

最近漢方外来でめまいの相談が多く、中には難渋している方もあります。

何も効かない、うまく行かない、、、。

抗めまい薬は血流に関するめまいには有効ですが、その他のめまいの時はどうなの?効いてるの?っていう印象です。

めまいといっても原因が様々ですので、よく話を聞いて、何度も聞いてもしかしたら漢方薬がはまる可能性が見つかるかも知れません。

かと思って外来をやっていたら、睡眠導入剤を連日飲んでいてめまいが起きた、という70歳代の方がおられました。

飲んでいる西洋薬のチェックも必要です。

当たり前に飲んでいるその薬、本当にそこまで必要ですか?と確認しましょう。

 

109464114.thm.jpg

虫さされに使える漢方薬

蚊に刺されると、大きく腫れる人がいます。

刺されたらグッとガマンして引っ掻かないようにしましょう。

刺された部分を冷やすつつ、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を1包飲みます。

毎回かなり大きく赤く腫れる場合は、ステロイド軟膏を塗ります。

かゆいなら冷やした方がベターです。

1日もしないうちに刺された箇所がスッと消えてなくなってきます。

ウソみたいですが、本当です。

越婢加朮湯は原則1回飲むだけです。

ここ一番に1包って、感じです。

蚊に刺されて困っている方は一度お試しください。

お子さんも同様です。

体重相当に飲む量を減らします。

 

36837724.thm.jpg

 

茵陳五苓散

茵陳五苓散(いんちんごれいさん)という漢方薬があります。

うちでは、慢性蕁麻疹に使うことが多いでしょうか。

もともとは、黄疸を伴う肝疾患に治療に使われていました。

黄疸に茵陳蒿(いんちんんこう)が有効とされています。

キク科のカワラヨモギの頭花です。

その他に消炎、解熱、利尿作用があります。

民間薬として黄疸、蕁麻疹に使われてきたようです。

浮腫とかゆみを伴う皮膚疾患には応用できます。

帯状疱疹には、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)と合わせて飲むと有効です。

抗ウイルス薬も併用します。

皮疹の改善が早くなります。

小児の帯状疱疹にも使いますが、早いと1日、2日で急速に皮疹が消退してきます。

あ、二日酔いにも良いです。

 

109356868.thm.jpg

 

 

ハチミマル

漢方外来の患者さんです。

85歳を越えて、ひ孫の世話、家事、夫の手伝いなどをして、クリニックには自分で運転して来られます。

女性の患者さんでは当院最高齢の方です。

多少の不具合がありますが、大きな病気もなく過ごしておられるようです。

当院には5年以上は通院されています。

自分でできることは自分でやる、動くというのがモットーです。

彼女は5年以上八味地黄丸(はちみじおうがん)を飲んでおられます。

これを飲み始めてから坐骨神経津、腰痛が軽くなり、カゼもひかなくなったとおっしゃいます。

カゼをひいたら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、便秘になったら麻子仁丸(ましにんがん)でバッチリです。

症状は数日で改善します。

先日久しぶりに漢方薬を取りに来られました。

「こんにちは、いつもありがとうございます。漢方薬を取りに来ました、いつものハチミマルをください」

八味地黄丸は、八味丸(はちみがん)とも言います。

彼女は、ずっと「ハチミマル」と呼んでいます。

こちらも、「はい、ハチミマルね」と答えています。

もう5年も続けています。

このままずっと元気でいてくださいね。

 

109320708.thm.jpg

 

初めて麻黄湯が効いた日

先日外来に1歳未満の赤ちゃんが受診されました。

第2子です。

3歳のお姉ちゃんが5月連休中にカゼをひいていました。

そのカゼをもらったようで、生まれて初めての発熱で来院です。

咽頭が少し赤い程度、他には異常所見はありませんが、ぐずって泣いています。

熱は最高38.4℃です。

カゼの説明をいつも通りしてから、ウイルス性咽頭炎には麻黄湯(まおうとう)がよく効くことがあるので使ってみます?と提案しました。

お母さんは、漢方薬は初めてのことで熱心に話を聞いておられました。

寝るまでに3回麻黄湯を飲んで、翌日外来を再診されました。

「先生、漢方薬って効くんやね、熱がすぐ下がった」と、お母さんが笑顔です。

漢方薬は飲めるだけを2時間おきに飲ませてくれたようです。

「症状を忘れる、っていうヤツですね」

「何ですか?」

「昨日まで熱があってフーフーしていたのが、今朝は何ともないよって顔をしてるでしょ」

「ホントにそんな感じ」

こういうのを1回経験すると、漢方薬はゆっくり効くのではなくて、「速効性」だと理解できます。

次回も試してくださいね。

 

109589825.thm.jpg

蚊に刺されたら

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を1包飲みます。

なるべく引っ掻かず、冷やして、外用薬を塗ります。

うまくいくと、越婢加朮湯を1回飲んだだけで、スッと赤い皮疹が消えていくのを体験するでしょう。

本当です。

蚊に刺されると、ボンと赤く大きく腫れるのは体質です。

水疱(すいほう=みずぶくれ)がたくさんできるお子さんも見ます。

とにかく掻かないように保護して冷やす、越婢加朮湯を飲む!

これです。

ハチに刺されたら、消風散(しょうふうさん)です。

ガに刺されたら、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)です。

なかなか面白いです。

 

110030885.thm.jpg

 

桂枝茯苓丸加ヨクイニン

桂枝茯苓丸加ヨクイニンという漢方薬があります。

これは皮膚疾患によく使っています。

桂枝茯苓丸は、女性の月経に関するトラブルに使われることが多いです。

それにヨクイニンがくっついた漢方薬です。

皮膚の微小循環障がいをベースに炎症が起こっている皮膚疾患に用います。

ニキビなどにも使えます。

通常は難治性皮膚疾患対策用として試しています。

慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などに有効です。

慢性に皮膚に炎症が起こる、微小循環が悪くなっている状態にステロイド薬を使うことが多いです(通常の西洋医学的アプローチ)。

ステロイド薬を外用で塗る程度では大したことがないかも知れませんが、長期になれば、ましてやステロイド薬を内服すれば微小循環障がいが起こりやすくなるのではないでしょうか。

実際お試しになると、皮膚症状の改善を経験することができる可能性があります。

まずは1週間は飲んでみましょう。

 

109390943.thm.jpg

麻疹に漢方薬は有効か

麻疹に患者さんに漢方薬を使ったことがありません。

私が研修医、大学院の頃は、まだ麻疹の患者さんが入院していました。

気管支炎から重症な肺炎、脳炎、脳炎死亡例まで経験しました。

大変勉強になりました。

当時は、全くといっていいほど漢方薬を知らなかったし、使えなかったですから麻疹の患者さんに試したことがありません。

麻疹ウイルスは感染力が強いので、発熱、咳嗽(必発)、汚い赤い発疹が出たら麻黄湯(まおうとう)単独では対応できないでしょうね。

大青竜湯(だいせいりゅうとう)か柴葛解肌湯(さいかつげきとう)を最初からガンガン使うことになるでしょう。

大青竜湯はエキス剤にないので、麻黄湯+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、あるいは桂枝湯(けいしとう)+麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)です。

柴葛解肌湯は、葛根湯+小柴胡湯(しょうさいことう)、あるいは小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)でいきます。

2時間おきに飲んでみましょう。

使う機会はほとんどないでしょうが、何かの参考になれば幸いです。

 

109582195.thm.jpg

メニエール病と漢方薬

うちでは経験数が少ないです。

が、しかし苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)がよく効いた例はありました。

耳鼻科で抗めまい薬などを処方してもらったが、今一つという方でした。

利尿薬、抗めまい薬は血流障がいに関する場合は、ある程度期待ができます。

1ヶ月飲んでも効きが悪いなら、漢方薬を試す価値はあります。

メニエール病の本当の原因はまだわかっていませんが、内耳リンパ水腫があることは分かっています。

内耳リンパ水腫のみでめまい発作は生じません。

内耳の水のバランス調節と抗炎症作用を期待して、苓桂朮甘湯を使います。

苓桂朮甘湯は、神経過敏で容易にパニック症に移行するところも治します。

西洋薬を内服中の方は、そのまま継続していただき、苓桂朮甘湯を追加で飲んでいただいて結構です。

まずは1週間お試ししていただきたいです。

 

109580009.thm.jpg

 

 

ヨクイニン

コタローという会社から漢方薬が発売されています。

散剤と錠剤の2種類あります。

使用目標は、@イボ、A肌荒れを治す、キレイにする、の2つです。

最近はAを目標にして来院される40代後半女性が増えています。

イボは、ヒトパピローマウイルスに対する抗体産生を促進する応答を引き出します。

小児では、水イボと言われる、伝染性軟属腫のウイルスに対する抗体産生を促進する応答を期待して処方しています。

外来で見ていると、大人のイボ、尋常性疣贅、や青年性扁平疣贅が消えていきます。

大人は1回6錠、1日3回飲みます。

まずは2週間飲んで、悪化しない、あるいはイボが消えた、増えてこない、となれば3ヶ月飲んでもらっています。

1年がかりですべてのイボが消えた人もいれば、どうしてもこの3個だけ消えないね、というケースもありました。

小児の水イボも同様に3ヶ月は飲んでもらっています。

かなり大きめ水イボも消えていきます。

肌荒れ、肌をキレイにする、白くするという精度の高い研究はないようです。

確かにキレイになる人がいるのは事実ですが、全員そうならないんですね。

一度試してみましょう!

まずは2週間です。

 

M4GT4 5 .jpg

十味敗毒陽

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)という漢方薬があります。

皮膚の急性炎症に使います。

化膿した皮膚にも有効です。

ということは、これからの時期にピッタリだということです。

汗を引っ掻いて化膿した、虫刺されをかいて炎症を起こした等は、これからの季節によく見られます。

1日2回、あるいは3回、1週間は飲んでみましょう。

皮膚の炎症が治り、化膿した皮膚がキレイになるのが確認できたら、この漢方薬が合っています。

アトピー性皮膚炎や乾燥肌のきつい人は、抗アレルギー薬+十味敗毒湯(+抗生剤)とか、使えます!

化膿した皮膚が多い、膿が多く見られる方は、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)などを追加して飲んでも良いです。

名前が強うそうなヤツばかりですね。

効きそうでしょ(笑)。

 

991 GT3RS 後期型7 .png

半夏瀉心湯のこと

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)という漢方薬があります。

急性、慢性胃腸炎、消化不良、神経性胃炎、二日酔い(!)、ゲップ、胸やけ、口内炎、神経症(ノイローゼですな)に効能があるとされています。

患者さんにみぞおちを触ると、痛いというより、痞(つか)える感じがすると言われる方が多いです。

冷えはあまり強くないです。

むしろ暑がりの人が多いです。

ハンゲは、サトイモ科のカラスビシャクの塊根です。

地上部が枯れる時期に掘り出して、外皮を取り、一夜水に浸けた後、十分に陽乾します。

えぐみがあります。

ですから、半夏瀉心湯は苦く感じる方が多いです。

ちなみに、私は苦くなく美味しく飲めます。

自分のカラダに合う漢方薬は、こう感じることが多いです。

カラスビシャクの別名は、ヘソクリ、です。

昔、道端に生えていた、畑にあったカラスビシャクの塊根を集めて売っていました。

これが副収入になったのですね。

お子さんの胃腸炎に処方する機会は少ないですが、大人ではあります。

おなかがゴロゴロします、と言われたら、まずこれを処方します。

抗がん剤の治療後に、口内炎が多数できて食べられない方に使われ始めています。

こういう時は、半夏瀉心湯を口に含んでブクブクうがいをして、患部に当ててからベーッと吐き出します。

患部に当てるだけで口内炎が治っていきます。

神経症と書いてあるように、これを飲むと、「落ち着くわー」と言われる方もいます。

 

M4GT4 4 .png

もう熱中症3

熱中症にならないためには、どうしたら良いでしょう。

こまめな水分補給、休息などがあります。

漢方薬で、ぶっ倒れないようにする作戦もあります。

カラダを支えてくれるシリーズを使います。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が有効です。

もともと元気な人なのに、暑い環境下で仕事をしている、現場の仕事が多い、営業で外回りが多い日が重なった等で、カラダのエネルギーが削がれてきます。

ご飯もあまり食べられなくなり、水分のみでおなかがいっぱい、手足がだるい、次第に全身倦怠感が襲ってくる、、、。

こうならないように支えてくれます。

汗も多くかくし、さらにカラダを動かすことが多い人は、清暑益気湯(せいしょえっきとう)が良いかも知れません。

介護職の方で、入浴介助が続く時は、これで頑張れた!とおっしゃっていました。

ラグビー部の高校生も飲んでいます。

ゴルフをするオジサンたちからは、汗が減った、動けたと言われました。

十分な水分補給(こまめに)と休息、そして漢方薬を1日2回、あるいは3回は飲んでみましょう。

バテずに動けると嬉しいものです。

 

38068050.thm.jpg

もう熱中症2

熱中症になったお子さんから、顔がほてって仕方がない、体育館の中が暑くて頭がボーッとする、野球の守備の時間が長いときに頭が痛い、顔が暑くて困る、という訴えがありました。

脳浮腫には五苓散(ごれいさん)が良いです。

水分をしっかり摂りながら五苓散を飲みます。

先ほどの訴えがあった時は、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を追加して飲みます。

これは、「顔のほてりとノドの渇き」が適応です。

いかにも合いそうでしょう。

これを飲むとどうなるか?

患者さんは、「暑いけど動けるようになった」と言っています。

ビニールハウス内で夏場働くおじいちゃん達にも有効でした。

是非2週間試してみてください。

 

20180425_1804202.png

もう熱中症

先週の暑い日に体育館でバスケットボールをやっていた中学生が熱中症になりました。

頭痛と吐き気があり、動けなくなったので運動を中止してカラダを冷やして、水分を摂らせたそうです。

翌朝まだ頭痛が持続したため外来を受診されました。

市販の頭痛薬を飲んだが効かないと。

熱中症の時、カラダは脱水状態ですが、頭は脳浮腫ですから、水が部分的に過剰な状態です。

部分的に水が多いところに利尿薬を使うと、薬が効いている間はカラダに残しておきたい水まで体外に出てしまいます。

そこで、五苓散(ごれいさん)です。

アクアポリンという水を通すチャンネルを開いたり閉じたりすことがわかってきました。

脳に水が多い時に五苓散を飲むと、過剰な水を出して、必要な水を留めておいてくれます。

熱中症の頭痛に五苓散を1包、2包と冷たい水で飲むと頭痛が治ってきます。

これからの季節には、上手に五苓散を使ってください。

 

20180330_1793686.png

 

夜寝ない赤ちゃん

「夜、寝ないんです、この子」と相談です。

夜泣きをして寝ないのかと思いきや、そうではありませんでした。

20時頃一旦寝ますが、2時間で目が覚めてしまい、あとはほとんど寝ないそうです。

2時間おきに授乳で起きても普通はサッと寝ることが多いですよね。

どうもそうではないらしい。

黒目が大きく、しっかりした目つきであったため、まずは抑肝散(よくかんさん)を使いました。

2週間飲んでも全く変わりなし。

次に、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)をお出ししましたがダメ。

抑肝散と甘麦大棗湯の併用もダメ。

音に敏感だと話を伺ったので、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)を試しましたが、今一つ。

寝ぼけている感じはなさそうですので、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)はまだ使っていません。

刺絡もやりましたが、著明な効果が出ていません。

今このお子さんの治療に難渋しております。

 

110078855.thm.jpg

 

 

気管支喘息に使える漢方処方

お子さんの喘息には、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、五虎湯(ごことう)を使うことが多いです。

この2つは、ほぼ同じ漢方薬です。

麻黄(まおう)が入っています。

大人の方がずっと飲むと、嘔気、動悸などが起こることがありますが、それがなければ大人の方でも使えます。

鼻水がズルズル、水っぽい痰が多いなら、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が使えます。

乾いた咳が中心で、ノドがカサカサするなら麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

まだまだ手があります。

単純に咳を無理矢理止めるだけでなく、気管支の炎症を止めることが大切です。

抗アレルギー薬+吸入ステロイド薬+漢方薬、全然ありです!

+抗生剤、大丈夫です。

患者さんのためなら、総動員で発作のコントロールに努めます。

 

21661716.thm.jpg

 

中学生の鉄欠乏性貧血

先日、貧血のお子さんが来られました。

中2の女子で、部活でバレーボールをバリバリやっています。

しかし、貧血でカラダがしんどい、だるいのだそうです。

今は市販のサプリメントを買ってきて、不定期に使用していると。

小学生の時も鉄欠乏性貧血を指摘され、鉄剤を飲んでいた既往があります。

最近は月経時に経血量が多く、下腹部痛もきついそうです。

診察すると、カラダが冷えており、色白の皮膚、左下腹部に著明な圧痛があります。

これは、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の適応です。

当帰芍薬散だけでも、鉄欠乏性貧血を改善することがあります。

血清鉄が10-20は上がることがあります。

鉄剤の苦手な方は無理しないほうが良いです。

飲むと気持ち悪くなる方がたまにおられます。

当帰芍薬散を飲むとカラダがポッと温まり、むくまなくなります。

月経痛、経血量の改善も期待できます。

 

20180416_1800889.jpg

桂枝加黄耆湯

うちに出入りしている仕事仲間の20代男性です。

軽いアトピー性皮膚炎があり、皮膚のかゆみで困っていました。

特に内服薬などは使っておらず、皮膚がかゆい時だけ自宅にある軟膏を塗っているそうです。

仕事柄、いつもビシッとスーツを着ているので、昼間は汗をかくし、暑いので皮膚にとっては過酷な状況です。

仕事の打ち合わせで、たまたま漢方入浴剤の話が出て、これに飛びついてきたのでサンプルを差し上げました。

家族全員で使ったら、皮膚のかゆみが軽くなったと(家族内にアトピー性皮膚炎が3人もいた)。

漢方薬を飲んでみたいが、粉薬が苦手でオブラートでやっと飲める程度です。

ですから、漢方薬は飲めないなーと言っていました。

ものは試しにと、桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)をお出ししたら、「これなら何とか飲めそう」と。

現在まで2ヶ月続けて飲んでおられますが、皮膚の調子は良いようです。

抗アレルギー薬は使っていません。

どうやら外用薬もほぼ使わず、皮膚の乾燥、かゆみはコントロールできています。

当面続けてみたいと希望がありました。

 

109578403.thm.jpg

市販の漢方胃腸薬

「先生、胃が痛いです、市販の○○漢方胃腸薬を飲んでみました」

40代女性です。

以前にも同様のエピソードがあり、内科で胃カメラを飲んだこともあるそうです。

病名は慢性胃炎で、ピロリ菌がいたので除菌も行ったそうです。

今回は自分の仕事、お子さんの入学の準備などで多忙を極めていたのが原因かとおっしゃいます。

冷えの強い方で、胃腸はそれほど丈夫ではなく、きっかけさえあれば、すぐ胃の症状が起こります。

市販の○○漢方胃腸薬は、安中散(あんちゅうさん)がまず入っています。

これは神経質で、冷えがある方の胃痛に効果的です。

私のような暑がりで胃腸が丈夫で食べ過ぎで胃が痛くなるタイプには効きません。

漢方薬は、よく効く相手を選びます。

相手を間違えると、全く何の反応も起こりません。

この方には、ランソプラゾールと安中散、さらに胃痛がきつい時に使える芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を追加しました。

まずは2週間試してもらうことにしました。

彼女は、来週の清流マラソンに出ると宣言していますので、何とか間に合うかな。

 

109320611.thm.jpg

 

 

漢方薬を処方していますが

漢方薬を処方する機会が多いですが、大半の先生は西洋医学的な頭で考え、必要であれば血液検査などを行います。

先週岐阜市で漢方外来に来られた患者さんの話です。

以前から便の出が悪い、便が細いと言われていました。

外来には奥さん、お子さんが中心に来られ、この患者さん(お父さん)は仕事に行かれており、元気が出る補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を処方するだけが多くなっていました。

「先生、手術してきました」

「え?」

「大腸の内視鏡検査の予約がしてあったんで行ったら、がんが見つかって即入院でした。1週間後に手術で全部取れたので良かったです」

良かったです。

こういうことがあるんですね。

病気が疑われたら、西洋医学的な検査は普通にやりましょう。

この方は早期のがんが大腸に見つかり、がんが腸管を押して狭くなっていたため便が細くなっていたそうです。

抗がん剤の内服も不要とのこと。

漢方好きの方でたまにおられますが、必要な健診、定期的な血液検査ぐらいはやっておいてください。

同じ漢方薬をずっと続けておられる方も血液検査で副作用が出ていないかはチェックしましょう。

 

109536978.thm.jpg

 

高齢者の方に漢方薬を

漢方外来をやっていて思うことは、60歳、70歳以上の方は漢方薬は効かないと思っている方が多い、ということです。

処方される機会がなければ飲むこともなかったでしょう。

「本当に効くの?」と質問されることもしばしばです。

うちの母が友人に、「漢方薬はすぐ効かないから、長く飲まないとねー」と電話で話をしていまし。

あんた、こむら返りの時に芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を1包、2包と飲んで5分以内に治っとるやん。

そうです、足がつったら芍薬甘草湯をサッと1包飲んでください。

5分で効きます。

これを経験すると漢方薬は速効性だとわかってくれます。

ノドが痛いときに桔梗湯(ききょうとう)を1包口に含んでブクブク、ガラガラとうがいして、一旦ノドに当ててからゴックンと飲んでください。

ノドに膜が張ったような感じになり、ノドの痛みが治まります。

慢性の病気には長期に漢方薬を飲むことがあります。

しかし、漢方薬はもともと急性期用の薬です。

速効性と抗炎症反応が売りです。

これを飲まないと生命の危険があったときに使った薬で、未だに生き残っているラインナップなのです。

適応さえ間違えなければ、かなり効率に効きます。

ものは試しで、カゼの初期に葛根湯、桂枝湯(けいしとう)、麻黄附子辛細湯(まおうぶしさいしんとう)などをお湯で飲んでください。

これはいい!と言える漢方薬を1つ見つけるだけで生活が楽になります。

 

109581666.thm.jpg

救急外来で思うこと

月に1回か2回、小児夜間急病センターの外来当番が回ってきます。

自分のクリニックの診療が終わってから、岐阜市民病院まで走っていきます。

最近は、夜間の救急加算料が5000円かかるので、ずいぶん患者さんが減りました。

それでも、困ったときは受診されます。

昨日もノドが真っ赤で咽頭炎で発熱が持続しているお子さん、生まれてから3年間ずっと便秘で困っていて、2日に1回下剤を飲ませ、排便がないときは浣腸をかけているお子さん等。

大丈夫?と言いたくなります。

鼻カゼなのに抗アレルギー薬を処方されているケースも多く見られます。

鼻カゼですから、ウイルス性鼻炎ですよね、アレルギーではないです。

抗ヒスタミン薬を飲ませると、鼻がつまって余計に呼吸が苦しくなったり、眠気が起こったりします。

こんなときには漢方薬が使えます。

15年前は私も困っていたのです。

何か手がないかと。

救急で麻黄湯(まおうとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などを処方すれば意外にサッと症状が治るのを経験できます。

昨日も熱心な研修医の先生に漢方のミニミニ講座をしました。

少しずつでも若い先生方に処方していただきたい、そういう強い思いがあります、ハイ!

 

109581701.thm.jpg