中耳炎に使える漢方処方

急性中耳炎には葛根湯です。

急に耳が痛いなら葛根湯を1日2回、3回と飲みます。

小児、大人関係なくそうです。

鼓膜が穿孔して水が出てきた、化膿しそうだ、とういう時は桔梗石膏(ききょうせっこう)、桔梗湯(ききょうとう)、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)のいずれか1つを追加します。

ですから、葛根湯+桔梗石膏となります。

結構キレは良いです。

慢性になり、滲出性となったら小柴胡湯を基本とする柴胡剤を使います。

柴胡剤なら柴苓湯(さいれいとう)を使うことが多いでしょうか。

全く別の観点から水はけをよく意味で五苓散(ごれいさん)を使う手もあります。

柴苓湯は、小柴胡湯+五苓散なんですけどね。

基本はこのあたりでしょうか。

うちは、この程度まだはガンガン使っています。

患者さんにはウケが良いです。

 

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漢方外来で多い訴え

漢方外来で多い訴えがいくつかあります。

これはうちのクリニックの場合です。

 

@頭、カラダがフワッとする感じがする

A耳鳴が治らない

Bやる気が出ない

C眠れない

D月経に関する頭痛、イライラ、腹痛、腰痛

Eカラダが冷えて困る

F仕事ですぐ疲れる

G食べると胃がもたれる、胸やけがする、ゲップば治らない

ざっと、こんな感じです。

心療内科、精神科、婦人科外来となっております。

1人1人その人に合う漢方薬を探す作業をやります。

うまく合えば手と手を取り合って喜びます!

あとは、花粉症が治らない、カゼをひいたらどの漢方薬を飲むのか、扁桃炎の繰り返しを治したい、下痢が止まらない等、日常によく見られる症状にもガンガン漢方薬を処方しています。

西洋薬も普通に処方しています。

両者併用もやっています。

患者さんの症状を治すには、保険適応の薬を総動員します。

私の説明も加えて、患者さんが安心して治療ができる環境作りを心がけています(できてる?)。

よろしくお願いします。

 

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逆流性食道炎

73歳の女性です。

疲れたり、つらいことがあると来院されます。

「先生、最近胃に酸っぱいものが上がってくるようになりました、逆流性食道炎と内科で言われました」

特に内服薬は処方されなかったようです(ごく軽症だった?)。

食事の量も多くはないし、たまに胃に酸っぱいものが上がる程度なら様子みましょう、てな感じでしょうか。

本人さんは気になっているようです。

ランソプラゾールと茯苓飲(ぶくりょういん)をお出ししました。

1週間、2週間と続けたら、症状は軽快しました。

それ以降症状が起きないなら、経過を見ることにします。

元に戻るようなら、もう少し内服を続行します。

茯苓飲は食道に特異的に働き、順蠕動を促します。

胃を切除した人に飲んでもらっても調子が良いです。

食道と胃をつないでいる部分がないんですからね(胃酸が逆流しそうなもんですが)

いかにも、食道から胃への流れを良くしているのが理解できます。

茯苓飲は、なかなか良い漢方薬です。

意外に使っています。

 

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これからは両者併用で

西洋薬で病気を治す限界があります。

漢方薬でも同様です。

それぞれ得意分野、不得意分野があります。

得意なところはお任せします。

どうしても症状が動かない、改善しないときにもう一方を単純に追加します。

それで、患者さんが治る方向に動き出せば大丈夫です。

昨日岐阜大学で若手医師を対象に超入門漢方講座をやってきました。

気楽に漢方薬を出してください、とかなり訴えてきました。

患者さんは困っています。

漢方薬を使えば治るかも知れないなら、1週間、2週間だけでもお試ししてもらえば良いです。

うまくいったら患者さんと共に手を取り合って喜んでください(おおげさ?)。

うまくいかなったら、次の漢方薬を一緒に探しましょう!と話をします。

1つの医師免許で西洋薬も漢方薬も両方出せるのはありがたいです。

 

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こんなときどうしますか?

胃がもたれる、げっぷが出る、食欲がない。

内科を受診して検査を受けたが異常なし。

一応胃薬をもらって飲んだけれど、症状は全く良くならない。

違う内科でも同じ結果だった。

感じの良い先生だったので数回通院したが、やっぱり症状は治らない。

「先生、胃のもたれが治らないです、まだげっぷも出るし、食べられないままです」

しつこく訴えたら、精神科へ紹介状を書かれてしまった。

こういうケースは普通に見かけます。

患者さんは決して精神科の病気ではありません(まれにありますが)。

このような病態を機能性胃腸疾患と言います。

検査で異常が見つからないと、何ともないと言わずに、「機能性」と言います。

西洋薬では手がありませんと言われれば納得する話かも知れません。

そこで、西洋薬はそのままに(中止でも結構)、漢方薬を試します。

六君子湯(りっくんしとう)人参湯(にんじんとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などを試します。

全員が治るとは言いません。

6-7割は治ります。

あとは違う漢方薬を探します。

西洋薬の良いところはビシッと使っていただき、西洋薬の手が届かない苦手分野を漢方薬に任せれば良いのです。

そのあたりの柔軟性があるかどうかが臨床家として試されます。

気軽に1週間、2週間と試してみれば良いです。

劇的に治る方はまれですが、症状がグッと良くなる方は必ずいらっしゃいます。

 

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気楽に使ってください

漢方の勉強に熱心に通っている先生がおられます。

いつも最前列に座って勉強しています。

でも実際の外来では漢方薬をほとんど使っていないと伺いました。

「え?」って感じです。

私も最初は、この漢方薬を、どれだけの量を、どれだけの日数処方しようか、と悩んでいました。

でも経験しないことにはわかりません。

患者さんには十分漢方薬の説明をして(当時の実力でできる範囲で)、おそるおそる処方したのを覚えています。

5例、10例、50例、100例と処方してきました。

すると、「治った!」と報告に来てくれた患者さんが何人かおられました。

やっと効いたという感触がありました。

さらに小児中心に漢方薬を処方しはじめたので、量をどれくらい出すかも悩んでいました。

最低減量を出したら効かないと言われ、最高量を出したら多すぎて飲めないと言われました。

それも経験を積んだら(数をこなしたら)、何となくこのあたりかなとわかってきました。

うちは漢方薬の処方希望で来院される方が多いので、お子さん、お母さんに処方しやすい状況ではあります。

1人のお子さんが治れば、そのお母さんは自分のお子さんが漢方薬を飲んだ、治った、という事実を確認していますから、自分も飲んでみようとモチベーションは上がります。

そんな感じで、現在は漢方内科ということで、大人も普通に診ています。

毎回勉強になることばかりです。

また、今日も新たな試み、発見があるのでしょう。

漢方薬を気楽に使っていただくと、今までにない展開が起こる可能性があります。

 

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大田黒法 五苓散を使う

兵庫県に太田黒先生に教えていただいた五苓散の飲み方です。

患者さんを診て、「顔のシワがはっきりしない、ボーッとした表情、仮面様顔貌」があれば、それは漢方でいうところの「水毒(水滞)」と言います。

言葉はともかく、患者さんの表情をよく診ます。

高熱の時、患者さんは熱でボーッとした無表情な顔になります。

これが、「水毒」です。

これを診たらまず五苓散(ごれいさん)を1回内服します。

1回、2回と飲み続けると、サッと表情が変わって瞳がキラッと光ります、顔の輪郭もシャープになります。

その次に、患者さんが困っている症状に対応します。

大人なら葛根湯、お子さんは麻黄湯(まおうとう)を使います。

五苓散内服の後、追いかけるように麻黄湯を飲むと、キレが良いです。

早いと1日で解熱するのを経験します。

気管支喘息で呼吸が苦しそうなときに五苓散を飲んでから麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を飲むと咳、喘鳴が軽快しやすいです。

まずは「先に水分調節を図る!」って、ことです。

 

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肌がツルツルになった

今年の夏は暑かったので、汗疹、湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化などが目立ちました。

皮膚を清潔にする、外用薬を塗る程度では、皮膚の発赤、かゆみが止まりませんでした。

抗アレルギー薬を飲んでいる、あるいは飲み始めたけどあまり効かない、という話も多く聞きました。

お子さん連中は、「掻くな」と言っても、ボリボリと皮膚を引っ掻きますから、どうしても皮膚に傷ができ、そこから細菌感染を起こしていました。

とびひ(伝染性膿痂疹)状態です。

今年は7月、8月、そして9月と続けて内服薬を飲んだお子さんがおられました。

化膿した皮膚に十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を処方する機会が多かったです。

いかにも抗生剤の軟膏を塗った方がいいな、抗生剤を内服した方がいいな、と医師が思うようなときに、十味敗毒湯を使いました。

早いと1週間で傷が修復してきます。

調子がいいからといって内服を中止すると悪化する場合は、1ヶ月、2ヶ月と根気よく飲んでもらいました(飲んでくれました)。

そういうお子さんの皮膚はツルツルです。

アトピー性皮膚炎のお子さんが気管支炎などの熱性疾患で入院して、病棟で抗生剤の点滴を受けていると、退院時に皮膚がキレイになっていることがあります。

皮膚の悪さをしていた細菌感染を抑えたのでしょう。

抗生剤を使わなくても十味敗毒湯で十分皮膚がツルツルになるのを経験できた夏でした。

 

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葛根湯加せん川きゅう辛夷で鼻づまりを治す

葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)という漢方薬があります。

葛根湯に、川きゅう(せんきゅう)と辛夷(しんい)という2つの生薬を追加した漢方薬です。

2つの生薬を追加すると、葛根湯の効果は全くなくなって、ただの鼻づまり専門の漢方薬に変身します。

構成生薬の仲間が変わると、漢方薬全体の性格ががらりと変わるのです。

これを、鼻づまりに使います。

鼻づまりは普通どう治しますか?

鼻かぜ、これはウイルス性鼻炎ですから対症療法です。

西洋薬には治す漢方薬がありません。

患者さんが自分で治します。

漢方薬なら葛根湯、麻黄湯(まおうとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が有効です。

飲めば鼻炎が治ります。

ウイルス性であろうがアレルギー性であろうが、鼻炎が治ります。

鼻づまりには、アレルギーがあれば抗ロイコトリエン薬が有効です。

漢方なら、葛根湯加川きゅう辛夷、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)があります。

4日、5日と飲み続けると、汚い鼻水が出てきて、鼻腔が開いて呼吸が楽になります。

急性の副鼻腔炎(ふくびくうえん=ちくのう)に用いることが多いですが、慢性の副鼻腔炎にも使えます。

抗生剤、抗アレルギー薬との併用は可能です。

 

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飲み方が大事

連日新患さんが来られます。

赤ちゃんから保育園・幼稚園児が多いです。

鼻汁、鼻閉、発熱の相談が多いでしょうか?

一般的なカゼの話をまずして、それから西洋薬の話、漢方薬の話をします。

1人10分から15分かかります。

漢方薬が希望なら漢方薬を処方します。

そこまでは何とか行きますが、問題は飲み方です。

一口でも飲んでもらえれば漢方薬が生体側(患者さん)にカゼを治す反応を起こすようにし、生体側が、例えば発汗して解熱させる、という反応を自分で引き出します。

このあたりをわかりやすく、丁寧に説明しないと、漢方薬を飲ませたのに治らない、と言われてしまいます。

初診の方、特にお子さんのお母さんに話をするのに集中します。

それぐらいの熱量で話して、やっと漢方薬を飲ませてもらえ、お子さんが治ってく感じです。

2回目からの受診では、サッと話をして終わっておきます。

最初が肝腎なのよねー。

 

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小児で使える漢方処方

明日は東北大学で講演会をやってきます。

ありがたい話です。

漢方をやっていなかったら、こんな話はないです。

皆様に感謝致します。

特別なことはできないので、いつも外来で使っている漢方薬の話をします。

最近のテーマは、『麻黄剤を使いきる』です。

小児の病気といっても、普通はカゼを診ることが一番多いわけですから、必然的に麻黄湯(まおうとう)を中心とする麻黄が入った漢方薬をいかに使うかが課題です。

麻黄湯だけでも使いこなせれば、とりあえずカゼなら対応できます。

そのあたりを中心にお話ができたら最高です。

iphoneを使いこなせなくても、麻黄湯なら使いこなせます。

 

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お子さんの体質改善に漢方薬を

よく高熱を出すお子さんがおられます。

5歳を過ぎてもまだ年間を通して4回以上、扁桃炎を繰り返します。

1回発熱すると3日、4日、5日と続きます。

近医を受診して抗生剤を処方されても、細菌感染症でなければ当然自分で治さなければいけません。

そこで柴胡剤の登場です。

小柴胡湯(しょうさいことう)や柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を使うことが多いですが、柴胡という生薬が入った漢方薬を飲んでいただきます。

麻黄(まおう)とは、また違う抗炎症作用を発揮します。

1日2回、あるいは3回で1ヶ月、2ヶ月と副作用に気をつけながら飲み続けます。

カゼをひきますが、高熱が出なくなってきます。

発熱期間が短くなってきます。

余計な薬を飲まなくて済みます。

これらの漢方薬はわりと飲みやすい方だと思います(個人的主観)。

困っているお子さんは、一度お試しください。

 

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慢性副鼻腔炎が治った1例

49歳女性です。

平成30年6月から鼻づまりが始まりました。

それに伴って頭痛もあります。

既往歴:花粉症、逆流性食道炎

食欲普通、便秘あり、2日に1回、下肢、下腹部に冷えを感じる、首が凝る、顔がむくむ、視力が落ちた、目がかすむ、胸やけがする、足がつる、憂鬱、イライラする、皮膚にしみが増えた

今回は鼻づまりがメインの訴えです。

今まで耳鼻科などで通常の治療は受けて来られてきました。

鼻水がドロドロして鼻の中にとどまっている感じ、熱を持った感じ、という話です。

抗ロイコトリエン薬+辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)をお出ししました。

2週間後再診。

「鼻が通りました!」

良かったですねー。

1か月間苦しんだ鼻づまりが2週間で改善しました。

頭痛も消えてしまったようです。

さらに4週間内服薬を続けたところ、「もう大丈夫そうです」となり一旦内服薬を中止としましたが、その後症状が再発していません。

不思議です。

辛夷清肺湯は急性よりは慢性の副鼻腔炎に有効です。

粘稠な黄色、緑色の鼻水、喀痰が見られるときが適応です。

結構苦い漢方薬ですが、うちの患者さんはよく飲んでくれています。

お子さんでもサッと飲める強者が結構います。

 

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漢方薬の使い方

漢方薬はいつ使うんですか?

必要があれば使います。

必要もないのに使いません。

当たり前ですが、当たり前でない人がたまにいたりします。

西洋薬が絶対優先と思われるものは、西洋薬を使えば良いです。

すぐに治るとわかっているなら、素直に使えば良いです。

西洋薬でうまくいかない点があれば、補完的に漢方薬を使うことが可能です。

漢方薬はいつも補完的かというと、そうではなくて漢方薬が優先でしょうという分野があります。

ウイルス感染症、冷え、月経関連(更年期なども含む)などの微小循環障がい、水分調節障がい等は漢方薬が圧倒的に有利です。

どっちがいい、とかは言わずに両者を使いこなせば、今まで以上に病気ががうまくコントロールできる可能性があります。

柔軟な発想で行きましょう!

 

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お子さんに麻黄附子細辛湯はどう?

この夏の終わりに、鼻水が止まらないお子さんたちに麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を飲んでもらいました。

「どう?」

「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)とかの方が効くー」

よほどお子さんがへばって、しんどい状態なら反応が良いのでしょうね。

自分が思っているほど、お子さんたちはへばっていないことが発覚!

そうか、麻黄附子細辛湯は受験生とかインフルエンザでヘロヘロのお子さんたちに使うのだなーと今更ながら理解しました。

大人の方には大変重宝しているんです。

麻黄の含有量が多いにも関わらず胃に障らない、動悸なども起きません。

これは不思議です。

生薬組み合わせの妙としか言いようがありません。

大人でも男性で麻黄附子細辛湯を飲む方が増えました。

冷え症の方は増加中ですし、カラダがしんどい時に飲むとシャキッとするので飲んでいますという方が結構おられます。

今日の結論、小児には麻黄附子細辛湯の選択は2番目以降(ファーストチョイスではない)、ってことかな。

 

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外来で起こっていること

漢方薬を使って外来をしていると、小児科だけをやっている時と違い、ずいぶん貴重な経験をすることがあります。

@小児科の病気だけでなく、科の枠をはずしてどの科にも詳しくなります(各科の相談が多いから)。

Aお子さん→お母さん→おばあちゃん→お父さんの順に漢方薬を飲み始めることが多いです。

Bお子さんが2人いると、両方とも漢方薬を飲まないこともありますが、どちらか一方が飲めるようになることもあります。片方が飲みだすとカゼが素早く治るのをお母さんが経験するため、もう1人にも飲ませるようになります。すると2人とも漢方薬が飲めて早くカゼが治ります。

Cお父さんが受診されますが、うちは30代、40代の男性が多くバリバリ働いている年齢なので、漢方薬希望で来られて一発で効かないと2回目の受診回数が減ります。

D精神科領域で困っている方が多くおられ、漢方薬希望受診が増えています。

E生後1ヶ月から死ぬ間際の人まで漢方薬が使えますし、有効なことが多いです。

F偽アルドステロン症などの副作用は起こりますが、数は少ないです。

G漢方薬の効果は飲んだ人しかわかりませんから、患者さんの話をよく聞くようになります(得るものは多いです)。

まだまだ修行は続きます。

漢方は奥が深く面白いです。

 

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柴胡桂枝湯をずっと飲んでいるお子さん

中3の男子です。

中学に入ってから原因不明の腹痛、カゼをよくひく、という訴えで来院されました。

内科的な検査では異常なし。

運動部に入ってバリバリ運動していて元気もあります、食べます。

でも腹痛を起こしたり、カゼをよくひきます。

高熱がポンと出たりします。

緊張しやすい体質で、おなかを触ると腹直筋はピンと2本左右に張っています。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)を試しましたがダメでした。

最終的にたどり着いたのは柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)です。

腹痛にもよく効くようですし、これを飲み始めてからカゼ自体をひかなくなりました。

もう大丈夫みたいだから止めてもいいんじゃない?と促しましたが、高校受験までは飲む!と本人さんが宣言したので、副作用に気をつけながら内服続行です。

柴胡剤を飲み続けると、確かに免疫が上がってカゼをひかなくなりますね。

 

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この夏は十味敗毒湯が活躍しました

9月に入りました。

8月がやっと終わりましたね。

異常な高気温、台風などで対応に大変だった方が多かったのでないでしょうか。

暑くて汗をかく、湿疹、汗疹ができる、アトピー性皮膚炎が悪化する、乾燥肌が悪化するなど、皮膚トラブルが目立ちました。

お子さんは、皮膚がかゆいとすぐ引っ掻いてしまいますから化膿するケースが多く、軟膏を塗る、抗生剤を飲むだけでは追っつかないです。

うちでは十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を多用しました。

なかなか好評で、「飲むと肌がキレイになる、化膿しなくなった」と言われました。

そんなに飲みやすい漢方薬とは思いませんが、保育園児でも飲んでくれました。

今月も引き続き処方が続くでしょう。

 

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慢性筋肉痛で困る

何らかの理由で継続的に筋肉を酷使することがあると、慢性炎症が起こります。

湿布や鎮痛剤を飲んでも限界があり、胃を痛めたり心血管イベントが起こりやすくなります。

そこで試していただきたいのが、よく苡仁湯(よくいにんとう)です。

急性筋肉痛は、麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)があります。

うちの母親が80歳超えで腰痛、下肢痛、背部痛がひどく困っていました。

完全には元に戻るのは困難ですが、よく苡仁湯を飲んで現在2ヶ月目で、腰痛、背部痛は6割方治りました。

ここから先は難しそう。

仕事で重い荷物を持つ、作業で腕や足に負荷がかかる、など避けようのないこともあります。

そういう方には、いくつか手段がありますので、気楽に御相談ください。

 

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お子さんでも六君子湯

兄弟3人で一番下の男の子が受診されました。

元気はありますが、食べない、体重が増えない、1ヶ月前から減ってきた、という訴えです。

上の2人は肉付きもよく元気いっぱいで問題なしです。

3人目だけ、手足が細く、痩せ型、肉付きも悪いです。

おなかは平坦で、ぺったんこではありません。

食事の時は、上の子につられてそれなりに食べようとしますと。

でもたくさんは食べられず、だそうです。

間食はしていません。

六君子湯(りっくんしとう)をお出ししました。

胃の蠕動運動を活発にして、食欲増進ホルモンを出すように促してくれます。

六君子湯は、甘くて飲みやすいです。

1ヶ月、3ヶ月と長期に飲んで行く予定です。

彼なりに食べられるようになり、体重増加を図れたらありがたいです。

 

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おなかが張る

「おなかが張って困っています」と訴えます。

これには大きく2つ原因があります。

腸管など内臓に問題があって、例えば便がつまっているとかガンがあるとか、ガスが多いとか、ガンが見つかったとか、画像診断ではっきりモノが見つかる場合があります。

西洋医学的に処置できるものは、専門の先生にお願いすれば話が済みます。

話が済まない時は、それはそれで相談です。

漢方薬などを駆使して、症状を良い方向に動かせないかと。

問題になるのは、便、ガス、ガンなどがないのに、おなかが張っている場合です。

西洋医学的には問題なし、となると心療内科、精神科へ紹介されることもしばしばあります。

患者さんは、「そうじゃない!」とわかっていますが、対応できない症状はそういう扱いになることが多いでしょう。

漢方薬でそのあたりの症状に介入できて、症状が改善するならばありがたいです。

茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)などは、なかなか面白い漢方薬です。

隠れた名方です。

1週間まず飲んでみてください。

胸、ノド、おなかの張りがなくなり、通過が良い感じがしたら、漢方薬が合っています。

次々に試してみれば良いのです。

 

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疲れて下痢が止まらない

胃腸炎が長引いて下痢がなかなか止まらない大人の方が来られました。

内科で胃腸カゼと言われ、下痢止め、整腸剤を処方されるも変わりなし。

発熱はなし、顔色やや不良、食べられず、元気がありません(当たり前ですが)。

おなかの皮膚は張りがなく、明らかな圧痛点はありません。

啓脾湯(けいひとう)を処方しました。

真武湯(しんぶとう)を使うほど冷え切っていないなーという印象でした。

この2つはよく似た病態のような気がします。

啓脾湯を飲んで3日もすれば便性が改善されてきます。

1週間処方して5日間飲んだ時点で下痢は軽快しました。

今年はこういう方がパラパラ見られます。

 

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胃が調子悪い、気分も悪い

「先生、胃に棒が入った感じがします」

30代女性の訴えです。

もちろん本当に棒が入っているわけではありません。

仕事中に胃に違和感を覚え、あれよあれよと言う間に、「棒が入ったような感じ」になったというのです。

朝は食事が摂れました。

既往歴は特になく、変わったもの、生ものを食べていません。

診察をすると、みぞおちを触ると「ウッ」となります。

「痛いというか、つかえるというか」

そうか、胃が痞えているんですね。

仕事のストレスが溜まっていた、食べる気がしなくなり、食べられない状態がここ1ヶ月くらい続いていたそうです。

冷えがきつい感じではないので、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を1包お湯で飲んでもらいました。

ものの10分くらいで、「あ、治りました!」

周囲の人が、「え?」と驚きました。

「棒が消えた!」

「すごいねー、早いねー」

半夏瀉心湯はこんなケースに有効です。

 

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漢方薬を飲めなくたって

漢方薬を飲めないから、といって特に不条理なことが起きません。

下の子は漢方薬を飲むけど、上の子は漢方薬は嫌がるのでいらないです、と言われます。

上の子は漢方薬を飲まなくたって困っていないんです。

困っていなければ無理に飲む必要はありません。

「ここのクリニックは漢方薬を出すんですよね」と言われると、「漢方薬も出しますけど、西洋薬も出します」と切り替えして言ってしまいます。

漢方薬がすべて、だなんて言っていません。

漢方薬が得意なところを上手に使ってくださいね、西洋薬との併用も構いません、というスタンスで診療をしています。

お子さんのカゼを多く診るので必然的にウイルス感染対策で漢方薬の処方が多くなるのです。

抗アレルギー薬、抗生剤も必要ならきちんと処方しています。

極端な思考で考えずに、目の前の症状は西洋薬だけで治るかね、漢方薬がいいかな、両者併用がいいかな、と3つの選択肢を常に考えています。

ただ、それだけです。

患者さんが早くキレイに治る、のが最終目標です(キッパリ)。

 

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動悸、息切れに加味帰脾湯が有効だった1例

26歳女性、エステティシャン。

平成30年4月から突然動悸、息切れが始まりました。

内科を受診するも異常なし。

きっかけになるような事件は起こっていないと本人さん。

昨年も同様のことがあったそうです。

心療内科を受診され内服薬を処方されるも変化ないため、平成30年6月に当院初診。

元気あり食欲普通、便秘なし、手足が冷える、首・肩・背中が凝る、目が疲れる・かすむ、皮膚は乾燥する、月経不順あり

歯痕舌、両胸脇苦満あり、右下腹部に2か所圧痛点あり

エステの仕事の最中に動悸が起こると仕事に集中できなくなるのが困ると。

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)を処方するも、全くダメでした。

不眠あり、予期不安あり、動悸・息切れが起こったらどうしようかと思ってしまう

加味帰脾湯(かみきひとう)を処方しました。

「これが良かった、飲んだら調子が良くなり動悸・息切れが全く起きなくなりました」

月経不順には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)をお出ししましたが、これも飲めそうと。

加味帰脾湯は1日1回朝飲めば1日調子が良いから大丈夫、とのこと。

エステの仕事に集中できますと、喜ばれました。

 

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へばったときのカゼに

夏の疲れが出てきています。

少し鼻水が出る、咳が出る、ノドが痛い程度です。

熱が出ても37℃台でとどまっています。

何も飲まなくても治りそうです、そんなときは。

何も飲まない!、あるいは、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を試します。

冷えも治しつつ、軽いカゼがスッと治ります。

インフルエンザにかかっても、麻黄附子細辛湯で治す方もおられます。

冷え対策として愛用している男性・女性どちらもいらっしゃいます。

今年は夏で疲れたお子さんの鼻カゼに使っていますが、評判は上々です。

味は、「普通です」(普通って、漢方薬の味)!

 

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胃がもたれる

20代女性です。

1ヶ月前から徐々に胃がもたれてきました。

市販薬を飲んでいましたが変わらないため内科を受診されました。

診察、血液検査を受けても異常がありません。

胃カメラも問題なし。

胃薬を出しておきましょうと言われ、2週間飲んでも胃のもたれは治りません。

なぜか当院に来られました(紹介された?)。

中肉中背、色白、冷えが強く、冷房は自分からは使いません、軟便、心窩部の圧痛、右下腹部にも圧痛があります。

冷えがベースで胃腸虚弱、胃が動いていない、消化管が動いていないようです。

まずは六君子湯(りっくんしとう)を2週間お出ししました。

2週間後には、「飲みやすいです」

4週間後、「胃がもたれなくなり、おなかが空くようになりました」

良かったです。

六君子湯を飲むと、胃粘膜の血流が増加、蠕動運動も活発になり、食欲増進ホルモンも出ます。

数ヶ月単位で飲むことが多いです。

患者さんが「もういらない」となったら、内服終了です。

内科の薬の併用は可能です。

 

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まだカゼ流行っています

まだ夏カゼが見られます。

もう1ヶ月以上夏カゼが流行していて、数は少ないですが熱が下がらないものが増えてきました。

RSなどの呼吸器系大好きウイルスがいます。

夏カゼのエンテロウイルス系と違うので、麻黄湯(まおうとう)があまり効きません。

発熱に対して麻黄湯を2時間おきに飲んでいるのに、全然下がらないとか、下がったのにまた熱が上がって3日経ったとか、という訴えがあります。

こうなれば柴胡剤(さいこざい)を駆使していきますが、入院すれすれ、入院で治療をお願いするケースもあります。

真夏から引き続き、夏バテで口唇、顔面にヘルペスができるお子さん、大人が見られます。

先週はもともとアトピー性皮膚炎の大人の方が全身に水疱ができて点滴で通院していました。

カポジ水痘様発疹症といいます。

水痘(すいとう=みずぼうそう)ではなくて、単純ヘルペスウイルスの発疹があたかも水痘のように見える発疹が躯幹、四肢を中心に出る病気です。

3日、4日と点滴をしてやっと発疹が治ってくるという次第です。

夏の後半戦に入りました。

だるい、気持ち悪い、食べられない、頭が痛い等があれば夏バテかも、と思って早めに受診してください。

最近は大人の点滴希望が増えてます。

 

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それは夏バテです

下痢が止まらない、未消化便が出る、元気が出ない、だるい、、、こんな訴えが連日あります。

大人の方が多いです。

私もなりました。

下痢が止まらないのは何でだろう?というのは消化管機能が低下して、食べたもの飲んだものがキチンと消化されずに出てしまっているんです。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などで消化管機能低下を治さないとアカンです。

他院で下痢止めと整腸剤をもらって飲んでいるけど何で治らないの?という話を聞きます。

下痢止めと補中益気湯を併用しても構いません。

あとは冷房下で冷たい物を多く摂りすぎて冷えている方も多く見られます。

温かい物を意識して摂ることが大切です。

大人の方の点滴、内服処方(漢方薬に限らず、西洋薬も)も対応していますので相談してください。

昨日も大人が数人点滴して帰られました。

早く元気になってください。

 

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誤嚥予防

同級生の親御さんが調子悪いという話をよく聞くようになりました。

80歳を超える方が多いですから。

先日も友人のお父さんが誤嚥性肺炎を起こし入院となりました。

ちょっとした誤飲でもこうなります。

発熱もなく、次第に呼吸がおかしくなり発見されました。

誤飲予防に使える漢方薬はないの?と聞かれます。

「あるよ」

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)です。

嚥下反射の改善に良いとされています。

エビデンスも出ているようです。

内科、脳外科で使えるので、何回も試していただきたいです。

1回1包、1日2回、あるいは3回内服です。

口から入れにくい時は、鼻腔チューブなどからお湯で溶かしたものを入れれば良いです。

1週間、2週間と試せば、うまくいくかわかります。

もちろん自分の口で飲める方は、お湯で溶かしてゆっくりと飲んでください。

 

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