麻杏よく甘湯

麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)という漢方薬があります。

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)とは違います。

麻黄湯(まおうとう)の桂皮をヨクイニンに入れ換えたものとも、麻杏甘石湯の石膏をヨクイニンに入れ換えたものとも言えます。

この漢方薬は現代では、筋肉系(筋肉、腱、靭帯など)の急性炎症に使われることが多いようです。

うちでも、もっぱら急性筋肉痛に処方しています。

その他、軽度の関節リウマチ、変形性関節症の関節痛、筋肉痛、あるいは尋常性疣贅(いぼ)、進行性指掌角皮症に有効とされています。

頭部にふけが多いことが目標になるそうです。

1-2日内服すれば有効かどうかがわかります。

筋肉痛用のNSAIDsと思って使用してみましょう。

慢性の筋肉痛はヨクイニン湯(よくいにんとう)があります。

 

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岐阜市の漢方外来は

9月は、7日(土)、14日(土)の予定です。

時間:午後2時から5時半

場所:中島小児科(岐阜市鍵屋東町2-1)

8月は1回しか、ここの外来ができませんでした。

9月以降年内は、月2回(変則の日時ですが)行う予定です。

この外来はすべて、『院外処方箋』となります。

よろしくお願いします。

近隣の大手ドラッグストアの薬局の先生のおかげで同日に漢方薬を手にすることが可能です。

一部の漢方薬だけ取り寄せになっているようです。

それでも1-2日以内に入荷しています。

土曜日の午後の外来ですので、いろいろと皆さんに助けてもらいながら仕事ができています。

感謝致します。

 

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今日は岐阜市で漢方外来やります

今日は岐阜市で漢方外来やります。

時間:午後2時から5時半

場所:中島小児科(岐阜市鍵屋東町2-1)

この外来はすべて『院外処方箋』となります。

お子さんから年配の方まで大丈夫です。

気楽にお越しください。

今月は1回しか、この外来がありません。

よろしくお願いします。

瑞穂市のなかしまこどもクリニックの漢方外来は、8月22日(木)、29日(木)です。

漢方薬は、漢方外来でなくても平日の外来でも処方可能です。

いつでもおっしゃってください。

漢方外来は、年配の方や、カゼのお子さんに接触しないほうが良いと思われる病気の方などのために枠を設けております。

 

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冷房病に当帰四逆加呉茱萸生姜湯

昨日の漢方外来に来られた女性です。

2ヶ月ぶりにお顔を拝見しました。

開口一番、「先生、冷房で冷えたら頭痛が始まるし、だるさも出るし、調子悪くなった」と。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を冬から春まで飲んでいました。

冷えて、手足が痛い、カゼをひきやすい等を訴えていたのが、この漢方薬でコントロールできて調子良かったです。

気温が上がってきたし、調子も良いので一旦内服を中止します、と言われたのが2ヶ月前でした。

先週から岐阜は暑くなり35℃以上の日も出てきたので、室内で冷房が入るようになりました。

それが良くなかった。

彼女のとっては冷えは大敵です。

すぐに足が冷え、腰が痛くなり、頭痛も始まりました。

だるくなり、仕事に支障が出てきました。

ということで、単純に内服を再開しました。

同じ日に、当帰四逆加呉茱萸生姜湯を中止したら月経不順が再開して困った方がおられました。

冷えて良いことはないみたいです。

温める!

 

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老化がハンパない

50歳後半ともなりますと、元気ですがカラダのあちこちが傷んできます。

中古車ですから致し方ありません。

だましだまし乗り続けることになります。

50歳前半で一度あったのですが、またもやここ3週間前から腰の違和感、下肢のしびれが始まりました。

同級生の見立ては腰椎の4番目が傷んでいると。

座位、立位は全然問題ありませんが、臥床(横になる)で症状が発生します。

痛いのではなくビーンとしびれる感じです。

体重を減らして腰の負担を減らすこと、筋肉をつけることも始めました。

整形外科的に何かする程でもなさそうなので、漢方薬を試してみることにしました。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)+ブシ末を開始しました。

八味地黄丸(はちみじおうがん)という漢方薬に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)を足すと牛車腎気丸になります。

腎気丸は八味地黄丸の別名です。

老化が始まると、生まれ持ったエネルギーが落ちてきます。

それが急速になると大変です。

腰から下に力が入らない、冷える、夜間から朝方にトイレにたつ、目がかすむ、腰痛が起こる等。

さらに下肢がしびれる。

こなると牛車腎気丸です。

飲み始めて1週間ですが、飲み始めたら下肢の痛み、しびれは軽快傾向です。

このまま続けてみようと思います。

1ヶ月はまず飲んでみます。

 

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循環器で使える漢方処方

循環器は一番漢方と縁が遠い感じがある科に見えますが、実際はそうではありません。

心臓の疾患で動脈が詰まったら、西洋医学的な処置、内服薬が優先されます。

動脈から先の血流もキレイに流れないと予後(病気の結末)が悪くなります。

胸部外科、心臓外科と言われる科でも手術後に漢方薬が使われ始めています。

微小循環障がいを改善するのは漢方薬でしかできません。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桂枝茯苓丸加ヨクイニンが重宝されています。

西洋薬にプラスして使うだけです。

狭心症や心筋梗塞で血管の狭窄をカテーテル治療で治してもらいます。

その後、患者さんが胸の圧迫感、つかえを訴えます。

内科で検査するも異常はありません。

こういう場合に半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を使うと、訴えがスッと消えていくことがあります。

西洋医学的な治療はそのままに、1つ漢方薬を追加するだけで症状が消えるなら、是非試していただきたいです。

 

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五積散を冷房病に使う

五積散(ごしゃくさん)は整形外科領域での炎症に広く使われます。

ただ使用目標がビシッと決まらないので、他の方剤でうまくいかないときにピンチヒッターで使われることが多いようです。

寒さや湿度の高さが症状の増悪因子になるときがあります。

これを応用してエアコンなどの冷房にあたって腰痛、腹痛、下肢痛が起こる人に使っています。

女性がほとんどです。

1週間飲めば自分に合っているかがわかります。

冷房病で困っている方に試していただきたいです。

 

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釣藤散を頭痛に使う

中高年の方の頭痛は、まず鑑別疾患が必要です。

脳神経疾患があるか、とか問診で探ります。

疑わしいことがあれば、内科あるいは脳外科の先生に紹介しています。

特に問題がなかったとなれば安心して漢方薬を試すことができます。

中高年の慢性頭痛に使ってみます。

1週間も飲めば合うかどうかわかります。

脳内の循環障がいがあるような感じの人に使ってきましたが、必ずこれでないとダメという感じでもありません。

西洋薬に対応する薬が多くありますので、そちらが優先でも良いかと。

併用は可能です。

血管抵抗の増加による血圧上昇にも有効です。

高齢者の早朝の頭痛、中高年の慢性頭痛にまずは使ってみましょう。

 

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それは冷えか、アレルギーか、それともカゼ?

鼻水が止まりません、と訴える保育園児がいます。

ここ1週間前から鼻水が止まらない、鼻が詰まる、呼吸が苦しい、咳が時々出ると言われます。

ここ1週間で増えているのは、外気温が高くなってきたので部屋を閉め切ってエアコンをつけるために冷えて鼻水が出る人です。

冷えるとともに室内のダニ、ハウスダストも空気中でグルグル回すことになるので、アレルギー反応が起きている場合があります。

さらに冷えてカゼをひいて鼻水が止まらないこともあります。

この3つがすべて重なっている場合も見ます。

ですから、よく観察して何が原因かなと考えてみてください。

冷えるなら温めればいい。

例えば、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。

おなかが冷えるなら人参湯(にんじんとう)でおなかを温めると鼻水が改善されることがあります。

アレルギーとわかれば、麻黄附子細辛湯、小青竜湯の他に、単純に抗アレルギー薬を飲めば良いです。

漢方薬+抗ア剤も大丈夫です。

本当に鼻カゼなら、麻黄附子細辛湯、小青竜湯の他に、葛根湯、麻黄湯(まおうとう)なども使えます。

症状を見極めると、サッと治る可能性は高まります。

 

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夏こそ冷える人

モールのお店で勤務している女性です。

この季節になると漢方薬を取りに来られます。

真夏に冷えの漢方薬を!

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)と当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)の2つです。

冷房が朝から帰るまでガンガン入っているお店で勤務しているので、寒くて仕方がありません。

もともと冷え症なんですね。

冷えると鼻汁、くしゃみ、咳が出て、足腰が痛くなって、最終的に頭痛まで起こります。

ですから。、この2つの漢方薬を1日2回で9月頃まで継続的に飲まれています。

岐阜もここ数日38℃の気温ですから、屋外が危険な暑さ。

屋内はキンキンに冷えていますから温度差が半端ないです。

体調管理に気を使ってください。

 

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季節によって漢方薬を使い分ける人

40代女性です。

不安神経症があり精神科の薬を飲んでおられました。

不眠も重なり、漢方薬を求めて当院を受診されました。

加味帰脾湯(かみきひとう)が自分に合っているとのことで、これをずっと飲んでいます。

彼女にはもう1つ悩みがありました。

受診された時期は冬だったので、月経困難、口唇の乾燥、足腰の冷えを強く訴えていました。

温経湯(うんけいとう)が症状の改善に有効でした。

ところが、ここ2ヶ月間で顔面ののぼせ、汗を多くかく、月経痛が目立ってきました。

冬場と全然症状が違います。

同じ人でこうも違うのかと感じます。

これも現実ですので、温経湯を中止して桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)をお出ししたら、「のぼせなくなって調子がいい!」と。

夏場はこれで決定です。

皮膚疾患で、冬と夏で皮膚の様子が違うので漢方薬を変更することはよくありますが、それ以外でも普通に対応すればよいのですね。

勉強になりました。

 

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小建中湯で夏を乗り越える

夏バテには補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、清暑益気湯(せいしょえっきとう)が有効だと思います。

あ、しかしお子さんには小建中湯(しょうけんちゅうとう)の方が合っているな、という場合があります。

暑くなると食べられない、食べても太らない、痩せている、おなかをくすがったがる、腹直筋がピンと緊張する、なぜか睫毛が長い、目の周りにクマができている等。

こういうお子さんを診たら小建中湯です。

2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と淡々と続けてみます。

まず元気が出てきます。

カゼをひかなくなります。

便秘があればお通じが良くなります。

この漢方薬に含まれる膠飴(こうい)という漢方のアメが重要です。

これが腸内細菌のエサになり、腸内細菌の状態が良くなり、次々と体調が良くなる方向に向かいます。

甘い漢方薬なので、是非試してみてください。

 

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高熱のお子さんに五苓散を

五苓散(ごれいさん)って、吐き気、下痢に使うんじゃないの?

そうです。

そういうときに使うと、嘔吐、下痢が改善します。

胃腸カゼもそうですが、高熱の時も顔がボーッとしますよね。

漢方的には、「水毒」とか「水滞」と言います。

カラダの中の水のバランスが悪いんですね。

これを是正するのが五苓散です。

ヘルパンギーナ、手足口病で受診されたお子さんが高熱を出しています。

頭が痛い、気持ち悪い、吐いている、顔がボーッとしています。

これです。

これを見たら五苓散です。

気持ち悪くて飲めないお子さんは、五苓散の坐薬を作ってあるので挿肛するか、お湯で溶かして注腸します。

お尻はイヤというお子さんがいますので、彼らは気持ち悪いながら、ごく少量ずつ、チビチビと五苓散を舐めます。

それでも有効です。

3回、4回と続けるとパッと表情が変わることがあります。

水のバランスが改善された瞬間です。

ここから麻黄湯(まおうとう)を2時間おきに3回、4回、5回と飲むと発汗、解熱することが多いです。

是非試してください。

大人なら葛根湯2包を3時間おきに2回、その間に五苓散を1包ずつ追加します。

時々劇的に治ることもあり、ビックリします。

 

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清暑益気湯を飲むと

梅雨が明けて本格的な暑さがやってきます。

こうなってくると補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の夏バージョンともいうべき清暑益気湯(せいしょえっきとう)を飲んでみます。

清暑益気湯の適応は、暑気あたり、暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠感、夏やせ、です。

これを飲むと食欲が増えて食べられるようになりますが、汗が少なくなるというか、サラサラになります。

補中益気湯に入っていなくて、清暑益気湯に入っている生薬は、麦門冬(ばくもんどう)、黄柏(おうばく)、五味子(ごみし)です。

このあたりが、暑さ対策、乾燥を潤す、汗を止めにかかるのでしょう。

現場で働くお父さんがたち、サッカー、野球、ラグビーをはじめ汗だくで動き回るスポーツをする方々が対象です。

夏場でもゴルフをする人にも向いています。

くれぐれもこまめな水分補給、塩分摂取はしながらですよ。

よろしくお願いします。

 

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起き上がれないくらいへばったら

数は少ないですが、もうそんなにへばったの?と言いたくなるぐらい元気のないお子さんが夕方に来院されました。

10代に多いです。

部活を週末頑張り、遠征で試合に行き、平日も練習があります。

週に2回、3回と塾に通います。

いつ寝てるんですか、という状況。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んでも元気が出ませんと。

いやいや、もうそういうレベルより下がっていますよ、と。

本当に完全休養していただいて、真武湯(しんぶとう)を飲みます。

どんなカゼでも結構、ぶっ倒れて起き上がれない、大げさに言うと生命の危機に向かうかも知れない状況では真武湯です。

カラダが疲れきり、冷えてしんどい感じがあるなら是非試してください。

インフルエンザにかかって薬を使って解熱したけど、全く起き上がれませんみたいなイメージです。

こういうときに真武湯です。

高齢者の方がかなり危機的な状況になった時に飲んだら、3年生きたという話があります。

そういうシリーズの1つです。

 

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暑くなると食べられなくなる

梅雨明けが近い東海地方です。

気温が上がり湿度が高いです。

先週から、「食べられなくなってきました」、「食欲が出ません」という訴えが少しずつ増えてきました。

食べられない原因はさまざまです。

胃腸の動きが悪くなり消化しない、おなかが空かない、無理に食べるともたれるなら六君子湯(りっくんしとう)です。

手足がだるく、朝起きられず、全身的にパワーダウンして食べられないなら補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

暑さで気持ち悪くて、頭が痛くて食べられないなら五苓散(ごれいさん)です。

病気で療養中、抗ガン剤などを内服中、あるいは注射薬の治療中で食べられないなら十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)です。

食べすぎてもたれて食べられないのは、食べなきゃいいんですが平胃散(へいいさん)です。

暑い環境下で仕事をしていて、ぶっ倒れそうになり食べられないのは清暑益気湯(せいしょえっきとう)です。

何か手をうつことにより、少しでも食べられるようになるといいですね。

 

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尋常性乾癬

尋常性乾癬の患者さんと数年治療を続けています。

1人1人皆飲んでいる漢方薬が違います。

併用してきた、併用している西洋薬も異なります。

定番的にこれ!というのがなくて、四苦八苦しながら治療しています。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が良いとか、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)が効いたとか、柴苓湯(さいれいとう)がいいとか情報はあります。

結局、患者さんの皮膚の状態、患者さんに体質に合わせて漢方薬を考えて試していくという地味な作業の繰り返しをしています。

温清飲(うんせいいん)+桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)で劇的に皮疹が改善した方がいましたが、経過をみていく途中で皮疹が悪化して漢方薬を変更しています。

大柴胡湯(だいさいことう)が著効したり、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)が良かったり、発見が多いです。

途中でリタイアした患者さんもおられます。

慢性の難治性皮膚疾患は根気よく、患者さんとよく話をしてコミュニケーションを取りながら治療を進めることです。

 

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とびひに使える漢方薬

虫さされ、湿疹、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、熱傷、擦過傷などの皮膚を引っ掻いて細菌感染を起こすと、とびひの状態、になります。

皮膚に静かに乗っかっている黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が感染を起こし、皮膚に炎症を起こし膿を作り始めます。

それがまたかゆいのでさらに引っ掻いてしまいます。

これがとびひの状態です。

正式な病名は、伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)です。

軽症は抗生剤の軟膏を塗れば治ります。

中等症以上になると抗生剤の内服で細菌を減らします。

細菌感染そのものに対して漢方薬を使うなら十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)があります。

化膿が目立てば排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)です。

後は、カラダの免疫を上げて皮膚を治そうと補中益気湯(ほちゅうえっきとう)もあります。

夏バテ、食欲不振にも有効なので、これが合う方もいますよね。

あまり皮膚ばかりに目を奪われないように、カラダ全体を元気にする作戦で、結果皮膚を改善する方法も面白いかも。

 

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先日の漢方外来で

先週、先々週と2週連続で岐阜市の漢方外来をやりました。

多くの患者さんに来ていただきました。

常連さんも増えましたし、新患さんもあり、ワイワイやっております。

岐阜の遠方から家族で来院される方です。

40代女性、お母さんですが、頭痛で困っておられました。

アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などを治しながら頭痛の漢方薬を試すというバタバタさが続きました。

頭痛は、はっきりと原因がわからないままです。

冷えても痛い、低気圧でも痛い、月経中にも痛くなるそうです。

1つの病態ではなくて、3種類の頭痛が重なっているのかも知れません。

夕方4時を過ぎて外来が空いてきたので、時間を長めにとってお話をしていました。

月経前症候群があり、加味逍遙散(かみしょうようさん)がうまく合ったようでした。

イライラも減り、腹痛もなく機嫌良く過ごせているので、加味逍遙散を続けたいと言われます。

さらに、「最近気がついたんですけど、加味逍遙散を飲み続けていたら、すっかり頭痛がなくなりました」。

不思議です。

微小循環障がいを改善し、精神症状の緩和を図っていたら、頭痛も消えてしまったというわけです。

漢方薬での治療は、こういうのが時々あります。

メインでない症状がサッと良くなるってことが。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んで全身倦怠感を治したら、お通じが良くなるとか。

思わぬおまけがついてきた!というのが。

この方にも、この話をしたらいたく感動しておられました。

漢方にまつわる話をすると、患者さんの目がキラキラしてきます。

時間が取れるときはなるべく小ネタを挟むように心がけています。

 

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動悸に使える漢方薬

内科的に心臓などに異常がないかを先に調べます。

甲状腺に異常があれば治療を開始です。

不整脈があれば循環器の先生にコンサルトした方が良いです。

経過をみてよいものならば西洋薬は処方されません。

期外収縮で起こる動悸には、「竜骨・牡蛎」が入っている漢方薬が有効です。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)があります。

その他には、炙甘草湯(しゃかんぞうとう)があります。

不安、イライラからくる動悸には抑肝散(よくかんさん)です。

イライラ、カリカリだけでなく、不安、焦燥感というのがポイントです。

イライラだけで見ているとよくわからないけれど、不安があるかな、焦燥感があるかなという目で見ると抑肝散が使える場面が増えます。

苓桂朮甘湯(りょうけじゅつかんとう)を追加すると効果が増します。

 

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カゼに白虎加人参湯を使ってみた

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)という漢方薬があります。

口渇と顔面のほてりが使用目標です。

熱中症や皮膚疾患によく使ってきました。

先日の講演会の後で、夏カゼには白虎加人参湯を使った方がいいですよ、と御指摘をいただきました。

カゼには全く使ったことがなかったので、先日試してみました。

ヘルパンギーナでノドが真っ赤で高熱が出て、受診時には解熱傾向がありました。

口渇を訴え、顔がほてり、発熱が遷延している状態だったので白虎加人参湯を3日分処方しました。

ヘルパンギーナは自然経過でみても重症化することが少ない疾患なので、白虎加人参湯が著明に効いたかどうかはわかりませんでした。

口渇、顔面のほてりは1日で軽快したようです。

今後も白虎加人参湯を試して検証を重ねてみます。

ちなみに、熱中症に使う時は五苓散(ごれいさん)と併用することが多いです。

顔がほてらない、頭痛がひどくならない、暑い環境下でも動けるといった印象です。

 

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まだ冷えを感じない?

今年は昨年の今頃に比べて気温が上がらないので、冷房がガンガンかかっていません。

そのおかげで冷え症の方の相談が少ないです。

先週の漢方外来から少しずつ冷えの相談が増えつつあります。

事務職で同じところに座ったまま仕事をしている方が冷えてます。

冷房の風が直撃するところでは大変です。

冷えて腰が痛い、背中が痛い、頭が痛い、おなかが緩くなる、、、。

まだ上着を1枚羽織らないと寒いんです。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、五積散(ごしゃくさん)、人参湯(にんじんとう)などがあります。

冷えを感じる方は試してみてください。

意外に温かいじゃん、となればありがたいです。

 

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小児薬用量

決まったものがありません。

漢方薬の本にも書いてありません。

私は0.1-0.2g/kg/日を目安に処方しています。

10キロなら1日量で1.0-2.0gのエキス剤を2回、あるいは3回に分けて飲むことになります。

これを目安に飲まれると良いかも知れません。

1包が2.5gのエキス剤だったら、体重が15-20kgなら、1日でこのエキス剤の袋を飲めば良いなーという感じで結構です。

体重が30kgあれば1日で2包は大丈夫そう、そんな感じです。

エキスの袋のまま自宅で持っている方が湿気なくて長持ちします。

どうしても紙の薬袋では湿気て漢方薬が真っ黒になって固まってきます。

何だこれ!という塊に変化してきます。

それをお湯で溶いたりすれば効果は出ますけどね。

お子さんが漢方薬を口に含んでこばすことを考えれば、そうそう神経質にならずに飲ませても良いとは思っています。

 

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小児漢方懇話会が終わりました

7月14日に東京のオアゾで、小児漢方懇話会フォーラムが開催されました。

朝から夕方まで小児に関する漢方の話が盛りだくさんでした。

参加された先生はゆうに100名を超え大盛況でした。

ありがとうございました。

三谷和男先生、岩田健太郎先生の講演は大変勉強になりました。

耳鼻科の前田稔彦先生の耳からの検体採取、グラム染色を施行して細菌ありなら抗生剤処方、なければ抗生剤なし、あるいは漢方薬で対応されている話を伺いました。

非常に面白かったです。

私は鼻かぜをどう治しますか、という話をしました。

参考になったのでしょうか?わかりません。

1人の先生にも響いたならありがたいです。

御批判もいただきました。

また勉強する課題ができました。

来年は、大阪で開催される予定です。

また、来年お会いしましょう。

 

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酸棗仁湯を使う

酸棗仁湯(さんそうにんとう)という漢方薬があります。

不眠症によく使われています。

高齢者の夜間の奇声にも有効です。

効きすぎると傾眠傾向が出ることがあります。

眠りたいけど、なかなか眠れない方に試していただきたいです。

睡眠導入剤、睡眠薬との併用は可能です。

自分に合うかどうかは1週間飲めばわかります。

合うとわかれば、夜寝る前に2包頓服という手もオッケイです。

うちの患者さんは、夜だけ頓服で2包飲む方が多いでしょうか。

いきなり頓服で飲むのも良いですが、1日2回、3回と飲んでみた方が良いです。

もともと継続的に飲むことになっていますから。

小児には使った経験がありません。

中高年用の漢方薬です。

 

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打撲して困ったら

2週間前に患者さんのお母さんが来院されました。

30代後半です。

「先生、仕事中に転んじゃって足をうったんですけど診て下さい」

右膝から少し下の皮膚が真っ黒になっています。

打撲して皮下出血しています。

日に日に皮膚が黒くなっているようです。

営業の仕事をしていて屋外でお客さんと会うので、この足は恥ずかしい、早く何とか治したいとと希望がありました。

打撲後2日経過した時点から治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)+桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を開始しました。

するとどうでしょう。

1週間で打撲の腫れはみるみるうちに引いていき、2週間以内にほぼ皮下出血は消えていきました。

昨日お子さんの用件で外来に来られて、「あれは良かった」と報告してくれました。

「私よく転んだり、ぶつけたりするので、あの漢方薬を予備で持っておきたい」と。

2週間分を予備に処方しました。

打撲後の腫れ、痛み、皮下出血には漢方薬が有効です。

桂枝茯苓丸加ヨクイニンの代わりに通導散(つうどうさん)を使うこともあります。

これを飲むと真っ黒な便が出ます。

ビックリしますが、黒い便が出るたびに皮下出血が消えていきます。

 

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とびひには

伝染性膿痂疹(とびひ)のお子さんが来院されました。

ごく軽症は、皮膚を清潔にして外用薬で治ります。

ジュクジュクしていかにも細菌が悪さしてるなー、という皮膚を見たら抗生剤の内服まで必要かも知れません。

その際に、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を一緒に飲んでください。

皮膚の治りが早いですし、皮膚がツルッとキレイに仕上がります。

何度も引っ掻いてしまうことが多いお子さんでは、十味敗毒湯を1週間、2週間と少し長めに飲んでもらいます。

多少引っ掻いたくらいでは化膿しにくくなってくることがあります。

これは不思議です。

ここ1年くらいは6ヶ月、1年と長期に飲んでいるお子さんがいます。

抗アレルギー薬+十味敗毒湯です。

気になる方は、まず2週間お試しください。

大人の方も同様です。

 

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あえて桂枝湯を使う

現在、手足口病が流行中です。

今年は発熱を伴うタイプが多く、解熱してから手足に発疹が出てくるパターンが多いです。

発熱をして、まだ汗をかいていない状況では麻黄湯(まおうとう)が有効です。

アデノ(プール熱)は難しいですが、手足口病を起こすエンテロウイルス系(エコー、コクサッキーA,B、エンテロ71)は麻黄湯に反応が良いです。

3回、4回と2時間おきに飲むと、サッと解熱するケースが多く患者さんに喜ばれます。

発熱をして外来を受診した時点ですでの汗をかいていることがあります。

そういう場合は、桂枝湯(けいしとう)を使ってみてください。

桂枝湯は決して弱い漢方薬ではありません。

1日2回、3回と飲むと解熱します。

麻黄湯と桂枝湯を半量ずつ併せて飲む桂麻各半湯(けいまかくはんとう)があります。

これでも良いです。

エキス剤も存在します。

一度試してみてください。

 

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子ども漢方の本

出版に向け、編集部の人が頑張ってくれています。

私は原稿の直し、追記で追われています。

内容の濃い、初心者を中心にしたものです。

中級クラスの先生にもお役に立てると思います。

装丁は決まっており、先日見せてもらいました。

なかなか可愛い(小児科的)(オッサンが言うな)。

年内には完成する予定であります。

あとは編集の方にお任せです。

仕上がりましたら、御報告します。

楽しみにお待ちください。

 

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鼻カゼはどうしてますか?

どうしてますって?

自分で治しています?

ようわからんうちに治ってるわ、と言われる方もあるでしょう。

そうなんです、実際。

鼻カゼはライノウイルスなどのウイルス感染症ですから、自分で治さないといけません。

自分が治す気がなくてもカラダが勝手に治してくれています。

総合感冒薬の中には抗ヒスタミン薬が含まれています。

総合感冒薬を飲むと眠気が出る人がいるのはこの成分のせいです。

鼻水を止めるというか鼻水を固めておく作用があります。

炎症は止めません。

鼻炎の炎症はあくまでも御自身が止めるのです。

ですから、鼻カゼが治らないのは自分で治せていないということです。

アレルギーがあれば、抗アレルギー薬が有効かも知れません。

アレルギーもなければ自分で治すことになります。

そこで、困ったら漢方薬です。

例えば、葛根湯です。

適応に、「鼻かぜ」と書いてあります。

1日2回、3回と飲むと鼻炎が治ります。

中に含まれる麻黄(まおう)が有効なのだと思います。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)も有名です。

花粉症で有名になりましたが、もともとは水様性鼻汁が出れば使えます。

アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、鼻カゼ、どちらも使えます。

小青竜湯は、「水っぽいものがカラダからプッシャーと出たら」使えます。

プッシャーと出る原因がアレルギーであろうが、カゼであろうか構わないのです。

症状を見て使ってください、ということです。

病名に振り回されないでね、ということ。

他にも手がありますから、鼻カゼが気になったら漢方薬を試してください。

 

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