ストレスと漢方 抑肝散

かなり有名になってきた漢方薬です。

もともとは、お子さんの「夜泣き」に使われてきた漢方薬です。

「怒っている?」と聞いて、「怒っている」と答えが返ってきたら使います。

寝たきり状態の方は、様子をみて、「この人、怒っているんだろうな」と感じたら飲んでもらいます。

「イライラ、カリカリ」に有効です。

最近は認知症の周辺症状の改善に役立っています。

暴言を吐く、暴力をふるう、夜間徘徊など、介護者の手を患わす行動が少なくなり、扱いやすい人になっていきます。

外来、病棟、自宅が平和になります、疲れが軽減されます。

さらに、最近は「慢性疼痛」に利用されることが多くなってきました。

ペインクリニックの注射などと共に疲れる機会が増えてきます。

内科的にも処方されるようになってきています。

こういう場面に出くわしたら、年齢に関係なく1週間試してみましょう。

 

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ストレスと漢方 柴胡加竜骨牡蛎湯

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)という漢方薬があります。

精神興奮状態で、それがこちらに向かってくるタイプの人に用います。

何か怒っているんです、血圧も高いようです。

自分の上司だったらイヤです。

そういう人、いますよね。

他罰的、外因に求める傾向があり、内省する雰囲気はありません。

腹診では両肋骨下の圧痛(胸脇苦満)が著明なことが多いです。

でも本人んさんは、心悸亢進といって、心臓がドキドキしたりして困っている側面もあります。

そのあたりを鑑みて、1週間試してみます。

精神状態が速やかに落ち着き、血圧が下がるようなら合っています。

基本的には、あまりお目にかかりたくないタイプです(言いませんが)。

 

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黄連解毒湯を飲む

まあ、苦い漢方薬です。

一般的にはそう言われます。

私は美味しく(?)サッと飲めます。

梅雨明けで気温が上がってのぼせます、汗をかいて肌が熱を帯び、赤く腫れあがってかゆくなります、鼻血が出ます、イライラします。

こんな時に黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を飲みます。

熱を冷まし、肌の発赤を治め、鼻血が止まり、イライラが解消します。

夏になると鼻出血が止まらない兄弟が来られます(毎年)。

もう高校生以上になりましたが、黄連解毒湯を飲まないと登校途中や学校で鼻血が止まらなくなるそうです。

耳鼻科で特に異常がないことを確認しています。

これが効くとわかっている方は、症状が出た時に頓服で1包飲みます。

だいたい対応できています。

あ、二日酔いにも有効です。

解毒します、と書いてありますね。

 

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サイエンス漢方処方研究会の先生が書いた本

師匠の井齊偉矢(いさいひでや)先生が書かれている本があります。

「西洋医が教える本当は速効で治る漢方」

「西洋医がすすめる、カラダが瞬間でよみがえるサイエンス漢方」

「応急 漢方」

「介護 漢方」他。

一般の方でも十分読めます(活用できます)。

産婦人科の大澤稔(おおさわみのる)先生が書いた本があります。

「よく出る漢方薬 ABC」

「女性のための自分で選べる漢方の本」

前者は、医療者向けの雑誌ですが、漢方薬に関する解説、症例が多く載っており一般の方でも参考になります。

最後は私です。

「子ども漢方診療ノート」

まだまだ続けて出版予定です。

これらは、ありがたいことにAmazonなどで購入可能です。

気になる方は読んでください。

 

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反復性腹痛に小建中湯

昨日の外来に、頻回におなかを痛がる男の子がやってきました。

元気に走って入室です。

1ヶ月前から保育園で頻回に腹痛を訴えるため、近医を受診しました。

「反復性腹痛」と言われ、ストレスなど精神的なものが原因でしょうと経過観察となったそうです。

早速診察をすると、おなかが緊張して腹直筋がピンと張ります、おなかを多少なりともくすぐったがります、睫毛が長い、少食で食べても体重が増えません、やや痩せ型体型、です。

これはまさしく小建中湯(しょうけんちゅうとう)に適応です。

これは、一目でわかる、ことです。

長々と書きましたが、診察室では、「一瞬」です。

「はい、小建中湯を出しておきます」(秒殺)

検査をやっても異常はありません(異常があれば見つかった病気の治療をします)。

小建中湯の中に、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)がそのまま入っており、膠飴で元気になります。

日頃から1日1回、2回と1ヶ月くらい継続されることをお勧めします。

 

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お子さんには麻黄剤

お子さんは、『麻黄(まおう)』という生薬にめっぽう強いです。

大人は使いづらいところがあります。

胃に障る、吐き気、動悸がするとか、起こります。

こういうことが起きない方は、大人の方でもあれこれ試してほしいです。

話をお子さんに戻します。

鼻水が出た、麻黄湯(まおうとう)を1日2回、あるいは3回チビチビ飲ませる。

痰がゴロゴロする、麻黄湯を1日2回、あるいは3回飲ませる。

急に37.5℃を超える、38-39℃になったら、麻黄湯を寝ている時間を除いて2時間おきに3回、4回は飲みます。

軽いカゼなら、その日に発汗して37.5℃以下に解熱します。

お子さんのカゼによく使う漢方薬は、麻黄湯、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)=五虎湯(ごことう)などがあります。

これらには麻黄が含まれています。

葛根湯にも入っています。

よく使う漢方薬で麦門冬湯(ばくもんどうとう)には、麻黄が含まれません。

胃腸炎に使う漢方薬、五苓散(ごれいさん)、桂枝人参湯(けいしにんじんとう)、柴苓湯(さいれいとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)にも麻黄は含まれません。

カゼに使う漢方薬でいうと、麻黄は上半身の炎症を抑える漢方薬に含まれています。

お子さんには、臆せず麻黄剤をバンバン試してみることです。

うちの子は麻杏甘石湯を飲むと、ゼロゼロの咳、喘息が早く軽くなる、とかわかります。

合う漢方薬を見つけると嬉しくなります。

 

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さあ、連休明け

まだまだ天候不順が続きます。

朝から関節が痛い、カラダが重いです。

休み明けは目が開かない、覚めない。

どうしましょうか。

エアコンかけて寝たら、朝から鼻水がズルズル、ちょっと左の鼻だけつまって苦しい。

ここで飲むのが葛根湯です。

朝、葛根湯を1包お湯で飲んで出かけましょう。

仕事場に到着する頃には、目が冴えて、鼻水がとまって、鼻が通って呼吸が楽になります。

これはアレルギー性鼻炎の方も使っている技です。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)で十分代用できます。

ただし、水様性鼻汁、軽い鼻づまりが主目標です。

是非試してください。

胃腸が弱い方にはお勧めできません。

葛根湯に含まれる麻黄(まおう)が胃に障る可能性があります。

1回試して大丈夫だったらありがたいです。

ちょっとしたコツで楽になります。

 

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軽いギックリ腰

軽いギックリ腰をやります、時々。

殿部に注射(キシロカイン+カピステンなど)をうってもらうことが多いです。

筋膜の炎症なら数日で軽快します。

ここ数週間は疲れや姿勢の悪さも重なって、一進一退を続けています。

長時間ゆっくり椅子でリラックスすると、ずいぶん痛みが軽快します。

が、いかんせん動き回るものですから大変です、すぐ痛くなります。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が有効です。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)を追加する先生もあれば、麻杏甘湯(まきょうよくかんとう)を一緒に処方する先生もおられます。

筋肉の炎症を抑える目的が多いでしょうかね。

シップも結構、痛み止め併用も結構です。

重症化、慢性化しないように養生しましょう。

 

 

 

時々使う立効散

歯が痛い、抜歯後に痛い。

これはなかなかつらいです。

私も歯が悪いので相当痛い思いをしてきました。

立効散(りっこうさん)という漢方薬があります。

これがなかなか使えます。

昔から歯が痛い時はこれを痛いところになじませて飲んでいたようです。

細辛(さいしん)がキモでしょうか。

これがピリピリして局所麻酔のような作用を発揮します。

根本的な治療は歯科でしっかりやってもらいつつ漢方薬を併用です。

1回1包、1日3回、苦いですが口に中で溶かして患部を意識してなじませて飲みます。

鎮痛剤の併用は構いません。

歯が痛い原因に膿(のう=うみ)が関係しているなら荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を追加する手もあります。

私は荊芥連翹湯を結構使ってきました。

1週間は飲んでいます。

少しでも痛みから早く解放されますように。

 

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危険、連日熱中症の方が

先週末からグンと気温が上がりました。

外来には連日熱中症、熱中症の1歩、2歩手前の状態の患者さんが来られています。

中には、診察室に倒れこむように入ってくる人もいます。

「大丈夫ですか?」

「朝から調子悪かったんです」

「え、今夕方というか夜ですけど」

「午前中からカラダがだるくて、頭が痛くて吐き気がしてました」

「かなりガマンしてましたね」

と話をしながら処置をします。

お子さんも多いです。

お母さんがお子さんを祖母宅に預けて仕事に行かれました。

朝からだるそうで昼間にご飯が食べれず、水分を1口、2口しか飲めないと言って外来終わりに飛び込んで来られました。

日曜日に炎天下で半日遊んでいたと。

もうその段階で疲れて脱水気味だったのでしょうか。

処置して市民病院さんへ紹介しました。

梅雨が明けて気温があと10℃上がったら、もっと重症な方が増えると思われます。

塩分、水分、補中益気湯(あるいは清暑益気湯)+五苓散で乗り切りましょう。

 

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胃のもたれ、いらつきに

胃腸がそんなぶ強くない方が胃がもたれ、食べられなくなって困っています。

市販の胃薬、西洋薬の胃薬を試しましたが今一つです。

なかなか体調が元に戻らないのでイライラし始めました。

しかし、もともと胃腸虚で冷える方で怒ってもそう怖い感じになりません。

力なきいらつき、って感じしょうか(漢方的には肝うつと言います)。

こういうときは六君子湯(りっくんしとう)に四逆散(しぎゃくさん)を追加します。

さらに気付け薬的にブシ末を少量追加します。

実際には、六君子湯1日3包、四逆散1日2包、+ブシ末 1.0g/日を3回に分けて飲んでみます。

六君子湯だけでうまくいかないときにも、こういう手があります。

 

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夏カゼがチラホラ

急な高熱(38-39℃)、ノドの痛み、吐き気、頭痛、下痢を認めます。

もしかしたら、それはエンテロウイルスかも知れません。

極端なことを言うと、水分補給と解熱剤で3日間頑張れば自分で治せます。

実際そういうお子さんもおられます。

ちょっとしんどいな、頭が痛くてガマンができないな、吐き気もあって水分もあまり摂れないし、となれば何か治療をした方が良いでしょう。

汗をかいていないのを確認し、麻黄湯(まおうとう)を寝ている時間を除いて2時間おきに3回、4回飲みます。

うまくいくと、発汗して37.5℃以下に解熱します。

5回、6回飲んでも解熱しないなら処方を変更します。

ちょっとでも汗をかいたなら桂枝湯(けいしとう)、桂麻各半湯(けいまかくはんとう=桂枝湯と麻麻黄湯を半量ずつ併せて飲む)、桂枝湯+麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)(大青竜湯の近似処方の1つ)、このどれかを2時間おきに3回、4回飲みます。

これでも熱がスッキリ下がらないなら、カゼの病期が進行したと考え柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を1日2回で淡々と数日飲みます。

熱が上がったり下がったりしても動じずに飲み続けます。

これでやっと下がります。

あ、熱だ!と気がついたらすぐに麻黄湯を飲み始めるのがコツです。

常連さんはクリニックに来ません(笑)。

自宅で解熱まで持って行っちゃうから。

そこまで使いこなせると楽です。

 

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小児薬用量について

小児は0.1-0.2g/kg/dayで処方しています。

10kgのお子さんなら、1日量が1.0-2.0gです。

これを1日2回あるいは3回に分けて飲みます。

エキス剤の1包が2.5gなら、1回に4分の1量から2分の1量程度です。

ひとつまみずつ1日2回、3回飲めたらいいね、という量です。

キッチリ薬局で分包してもらうのが一番です。

紙の分包だとどうしても湿気を帯びて漢方薬が固まって変色してきます。

これがイヤだと言われる方はエキス剤の袋のままお渡ししています(薬局との連携が大切、処方箋にコメントを記載)。

体重が20kgを超えると、1日量が2-4gとなります。

となれば、1日でだいたいエキス剤1包を飲めばいいな、と感覚的にわかります。;

このあたりでもキッチリした量で飲みたいと言われる方には、調剤薬局でキッチリ分包してもらっております。

 

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オンライン講演会終了

昨日はオンラインで漢方講演会をやりました。

トラブルもなく無事に終わりました。

これに慣れれば、先生方も自宅や勤務先で気楽に参加できますね。

私自身も他の先生の講演会を聞いてみたいなと思いました。

いずれ高名な先生の配信が多くなれば、わざわざ足を運ばなくても学ぶことができます。

時代に合わせてやっていくですな。

喋る側も普段の講演会と変わらずですから、私はありがたかったです。

チャットに慣れていないなら、音声で質疑もできますから、便利なもんです。

 

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院長の小窓更新します

なかしまこどもクリニックのホームページの『院長の小窓』を更新します。

2週間に1回、漢方薬を2つずつ紹介しています。

紹介するだけでなく、1つの漢方薬で2つ以上のことに使えるように情報を載せています。

短い音なしの動画です。

お手数ですが、いちいち静止させながら観ていただくとありがたいです。

サッと流すと、あっという間に終わります(爆)。

内容は濃いので、何かの際にお役に立てればと思います。

2週間に1回、138番まであげ続けます!!

 

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ベースを決める

漢方薬を飲むときに「ベースを決める」という作戦があります。

単発で漢方薬を飲む時にはあまり関係ありません。

カゼで漢方薬を飲む時は1週間以内に飲んで終わりとなります。

足がつったら、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を1包飲んだら決着がつきますよね。

長期に渡って漢方薬を使って体調管理をしている人の話です。

もともと冷えがある方は、冷え用の漢方薬、例えば当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を1日2回でずっと飲み続けます。

これを基本的に変えないで当面は内服を続けます。

さらに困ったことが起これば、その都度新たに起こったことに対する漢方薬、西洋薬を追加します。

漢方薬は2種類までなら同時に飲んでも大丈夫でしょう(胃腸虚弱などがあれば主治医と相談)。

調子が良くなれば、普段飲んでいる当帰四逆加呉茱萸生姜湯だけに戻します。

人によって体調を整える漢方薬が異なります。

すぐに胃がもたれ、つかえて神経質になってしまう方は茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)を1日2回で内服します。

その方が冷えて軟便が起こったので、人参湯(にんじんとう)を1日2回で追加しました。

こういうふうに、その方にとって体調を整えるベースの漢方薬は1日2回程度続けておいた方がベターです。

近い将来、ベースに飲んでいる漢方薬さえも中止したいですね。

クスリは飲まないに越したことはない。

漢方薬だってクスリですから、飲まない方がいい。

今は飲んだ方が自分にメリットがあるから飲んでいるんですよね。

いずれ飲まなくなる日が来るかも知れません。

ちなみに私は、1日2回半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)と補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んでいます。

現時点ではこの2つが自分のベースの漢方薬です。

あなたのベースになる漢方薬は何ですか?

 

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オンラインで講演会

15日(水)に初めてオンラインで漢方の講義をやります。

例年やっている岐阜大学での漢方の講演会を今年からオンラインに切り替えます。

来年以降は全くわかりません。

とりあえず今年はオンラインで挑戦しようと。

某所から岐阜大学へ向けて講義をやります。

手始めに30分から開始です。

お題は、「夏に見られる疾患と漢方」です。

熱中症を診る機会が増える今時にピッタリな内容です。

当面こういう講演会が増えるのでしょうか?

 

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普通に柴陥湯を飲むお子さん

小児科ではそうそう柴陥湯(さいかんとう)という漢方薬を処方する機会がありません。

小柴胡湯(しょうさいことう)と小陥胸湯(しょうかんきょうとう)を合方したものです。

小陥胸湯は、「病、まさに心下にあり、これを按ずれば即ち痛み、脈浮滑なる証」とあります。

エキス剤にはありません。

柴陥湯は「本朝経験方」ですから、日本で創られた漢方薬です。

日本人に合っているわけ。

でも苦いわけ(まずいと言った方が適切か)。

カゼをひいて、熱は下がったけれど乾性、湿性咳嗽が混じっており、一旦咳込み出すと、発作性に咳嗽が続き止まらなくなります。

こういう場面で使います。

昨日は、毎回カゼのときに咳に柴陥湯を使っている兄弟が受診されました。

2人とも保育園児です。

「よく飲むなー」とほめてあげました。

本人さんたちは「え?」という顔をしていましたら、あまりまずい漢方薬だという認識もなく飲んでいるのかも知れません。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)や麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)=五虎湯(ごことう)を飲んでも咳が止まらないので、母親は最初から柴陥湯を飲ませているのです。

で、確かにピタッと咳が止まるので合っているのでしょう。

大人でも、カゼがこじれて発作性の咳が止まらないときに使ってみてください。

抗生剤、抗アレルギー薬などの併用は可能です。

 

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最近の漢方外来状況

コロナ自粛、久しぶりの登園、登校、出勤で調子が悪い人が目立ちます。

何となくカラダがだるい、頭が痛い、おなかが痛い、動悸がする、胸が痛い、微熱が続く等。

問診して診察をして、必要ならば検査も行っています。

専門医にも紹介しています。

重大な病気が見つかることは稀です。

それ以外では、冷房がきつくなってきたので、「冷え」を訴える女性の方が多くなりました。

五積散(ごしゃくさん)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などが活躍しています。

外は暑い、中は涼しい(患者さんは寒い、と言われます)状況が多くなりますから、温度変化が激しいですね。

ここ数年は夏に冷えの漢方薬が多く処方されるようになりました。

熱中症の相談も多く、顔がのぼせる、吐き気、頭痛で困っている方がおられます。

マスクをほどほどにはずし、水分摂取をして、顔が暑いなら白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、吐き気、頭痛は五苓散(ごれいさん)です。

朝から気温が高い、低気圧で頭が痛い、重いときは五苓散を1包飲んでから出かけます。

途中で顔がほてったら白虎加人参湯を1包追加します。

同時に飲んでも大丈夫です。

便秘の方が多く薬を取りに来られました。

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう)、麻子仁丸(ましにんがん)など便の様子で飲む漢方薬が異なります。

漢方薬でだいたい良いけど、あと一歩という方には、最近はモビコールを追加しています。

割と調子がいい方が多いです。

1回1包、2包と量の調整をしてもらっています。

酸化マグネシウムなどを使う場合もあります。

相変わらず、漢方外来は賑やかで楽しいです。

 

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小柴胡湯加桔梗石膏を飲む

カゼをひいて38℃に行かない熱が出ました。

翌日から37.5℃前後で解熱剤を飲むほどでもありません。

ただ、熱がスッキリ下がらず、ノドがやたら痛いときにどうしますか。

いろいろな方法があります。

水でうがいをして、よく食べて早く寝る。

これは正解。

自力で行きましょう作戦です。

漢方薬を飲むなら桔梗湯(ききょうとう)などがありますが、今回は小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)です。

小柴胡湯に桔梗と石膏を追加した漢方薬です。

この漢方薬は本朝経験方ですから、日本で創られた漢方薬です。

ということは、日本人向きというシリーズです。

保険が通っている漢方薬の中に、本朝経験方の漢方薬がまだあります。

使ってみてください。

調べてみると急性咽頭炎、扁桃炎などはもちろん適応です。

排膿にも有効なので、細菌性の扁桃炎(稀ですが)にも使ってみたいです。

頚部のリンパ節炎などにも使えます。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)にも使った経験がありますが、5日以上飲むと頚部周辺の組織の炎症を抑え、リンパ節、耳下腺の腫れが軽快した経験があります。

扁桃炎に限らず、こういうものにも是非使っていただきたいと思います。

 

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頭痛のダブルパンチ

連日天候が荒れています。

低気圧、予想がつかない雨の降り方が続きます。

昨日の漢方外来に来られた40代女性です。

もともと肩こりがあり葛根湯を飲むと凝りが取れます。

最近は肩こりから頭痛まで起こります。

それも葛根湯1包頓服で解決します。

この方は胃腸が丈夫なので、葛根湯に含まれる麻黄(まおう)が全く気になりません。

気になる方、胃に障る方は桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)の方をお薦めします。

安心して飲めます。

大人は2包頓服が基本です。

この患者さん曰く、「梅雨に入ってから頭痛が治らない」と。

雨が降る前からカラダが重たくなって、頭痛が来るようです。

これは低気圧頭痛です。

西洋薬には該当する薬がありません(頭痛の分類に出てきません)。

五苓散(ごれいさん)を飲むと解決します。

頭の水のバランスをとってくれます。

頭痛が来たと感じたら五苓散を2包頓服で飲みます。

この方は、葛根湯と五苓散を2包ずつ頓服で飲むことになりました。

 

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『院長の小窓』のお知らせ

なかしまこどもクリニックのホームページを今年(令和2年)6月1日にリニューアルしました。

新たに、『院長の小窓』という試みを始めました。

漢方に興味がある方はチラッと観て下さい。

ツムラさんの許可のもと、葛根湯から順番に漢方薬を紹介しています。

短い動画です。

少しスピードが早かったので最近スピードを遅くしました。

深く勉強をしたい方は動画を止めつつ学んで下さい。

不備がたくさん見つかるかも知れませんが、よろしくお願いします。

2週間に1回、2つの漢方薬を紹介していきます。

すでに6個紹介しました。

これが延々続きます(138番まで)。

気になる漢方薬があれば使ってみてください。

 

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補中益気湯で痔を治す

熱中症対策、予防で補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んでいる方が多くおられます。

うちでは補中益気湯、夏バージョンの清暑益気湯(せいしょえっきとう)がバンバン出ています。

飲んでいると倒れません(究極の判断)。

新型コロナウイルス感染症に対してもですが、できることは免疫を上げることです。

インフルエンザ対策で補中益気湯を飲む方は多いですが、今年はコロナ騒動があってから補中益気湯の辞め時が分からずっと内服中という話も聞きます。

で、痔を治すという話です。

適応病名に「痔」と書いてあります。

柴胡、升麻、黄耆が含まれる漢方薬はグッと元気が出て引き締めて持ち上げる作用があります。

イメージが大切。

肛門からダラッと下がって出てくる痔をギュッと引き締めて持ち上げて治しましょう、と。

飲むのをサボったら最近よく痔が出て痛いと言われます。

そういう間は飲んでおいた方がベターかと。

そういう治し方です。

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漢方薬が効かないなと思ったら

漢方薬を飲んでいて効かないなと思ったらどうします?

自分で市販の漢方薬を飲んでいたら、その漢方薬が今の自分の症状に合っているのかな?

医療用の漢方薬でもあり得ますが、合っていないなら合う漢方薬に変更することです。

合っていたはずなのに、次第に効きが悪くなったとなれば、自分に現在の病状にその漢方薬が合わなくなった可能性があります。

1日3回飲んでいたのに、現在1日1回、2回と内服する回数が減り、内服量が減っているのだとしたら、1日3回しっかり飲んでみることです。

どうやっても漢方薬が有効でなさそうなら、一旦飲むのを中止することもアリです。

飲んでも飲まなくても症状が変わらないと分かることもあります。

漢方薬だってクスリですから、飲まないに越したことはないです。

食前と食後の飲むタイミングではそう大きく症状んも変化はないと考えています。

好きなタイミングで良いです。

保険上は食前と書かないといけませんが、日常生活の中で、「食前」にこだわると飲めない人が結構おられます。

そこまで厳密にならなくても良いと私は思います。

せっかく漢方薬を飲んでいただけるなら、上手に症状が緩和されることを願います。

 

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腹痛を訴える男子学生

学校が始まって腹痛を訴える男子学生が多く来られます。

もともと敏感体質なお子さんが多いですが、そうでない場合もあります。

胃腸カゼをひいている様子ではありません。

朝になるとおなかが痛くなり、トイレにこもって出てきません。

当然遅刻になります。

登校後も腹痛がスッキリ治らず医療機関で調べてもらうも異常なし。

過敏性腸症候群の下痢型と診断がついた場合もあります。

それ以外は、「原因はストレスですかねー」と説明を受けて帰ってきます。

で、漢方薬ならどう?と言われます。

もともと敏感体質なお子さんなら、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)が有効です。

おなかがゴロゴロ、グルグルするなら半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)です。

精神的な不安が強いときに桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)を出したら、おなかまで治っちゃったというケースもあります。

「様子をみてください」では、家族が不安、本人さんも不安です。

何か1つ試しで2週間飲んでもらうと良いかなと考えています。

おなかの訴えが強い、頻回だとおなかに有効な漢方薬を探そうとしますが、訴えを一旦置いといて、1人の人間としてどんな体質の人なのか、とか、腹痛以外で困っていることを目標に漢方薬を出すと、結果的におなかが治ることがあります。

 

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人参養栄湯を飲む人

人参養栄湯(にんじんようえいとう)という漢方薬があります。

これを飲む人は、悪性腫瘍や慢性の消耗性疾患でヘロヘロ、ヨレヨレ状態の人です。

元気な人が飲む漢方薬ではありません。

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)という漢方薬とよく似ていますが、@造血作用がある(骨髄異形成症候群、再生不良性貧血)、A精神安定作用、B肺に臓器特異性がある(肺がんなど)の効能があります。

ここを上手に使います。

うまくいくと抗病反応が出て、元気になってきます。

肺がんの人に使ったことがありますが、亡くなるまでずっと自分でクルマを運転して来院されていました。

がんそのものを治すことは難しいですが、日常生活を元気に過ごせるようなお手伝いができます。

試してみてください。

 

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五苓散の飲み方

漢方で「水毒(水滞)」という言葉があります。

「水のバランスが崩れた状態」です。

原因は何でも良いです、疲れ、カゼ、ストレス、天気など。

昨日受診された30代の女性です。

仕事の疲れ、ストレス、低気圧などが絡まって1ヶ月前から調子が悪かったそうです。

受診の時に顔を見てすぐ気がつきました。

目の周りを中心にボテッと皮膚がむくんでいます。

目に力がなく、顔の輪郭も丸く腫れぼったく見えます。

まさしく「水毒」です。

こういうときはまず水毒を改善します。

吐き気、頭痛、全身倦怠感が顕著です。

諸般の事情でしんどいところに熱中症が重なった様子です。

点滴を用意してもらっている間に、五苓散(ごれいさん)を1包お湯で溶かして、スプーンでチビチビ飲んでもらいました。

この飲み方を兵庫県の大田黒先生に教えてもらった時は、しょっちゅう外来でこれを試していました。

久しぶりに外来で五苓散をチビチビ飲んで飲んでもらって、2分くらいして「あ、これだけで元気出てきた、カラダがポッと温かい」と言われます。

一気に飲まずに少量ずつスプーンで飲むのがコツです。

その後点滴をしました。

1時間後ベッドで起きあがっていた時は顔の腫れぼったさがなく、目がキラッと輝いていました。

あとは胃がもたれて痛いそうなので六君子湯(りっくんしとう)と安中散(あんちゅうさん)をセット飲んでもらうことにしました。

五苓散は温めてチビチビ飲むと良いです。

熱中症で暑くてしんどい時は冷水で飲むと良いです。

 

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女性のストレス

ここ数ヶ月のコロナ自粛で相当ストレスがたまった方が来られます。

できればお相手したくないほどイライラしている方もおられます。

何か手はないかと聞かれます。

本人さんの横で中学生のお子さんが、「何か飲んだ方がいいよー」と言っています。

家族も対応策を期待しています。

自粛で御主人が約3ヶ月自宅で仕事をしている、お子さん2人も家にこもっている、自分は思うように仕事にも行けない、、、。

やや肉付きのよい女性です。

便秘もあり、下剤を飲んでもスッキリ出ないそうです。

やや暑がりで汗をかいています。

左下腹部に圧痛があります。

これは桃核承気湯(とうかくじょうきとう)だなと。

便がスッキリでて、女性として血の巡りもなくなり気分もよくなるだろうと目論見ました。

これが正解。

2週間後、ニコニコして来院されました。

「先生、あれいいわ、お通じがスッと出て頭がスッとしてもやが晴れた感じ」

イライラは受診時の4/10程度だと。

1日2回で当面続けたいと希望がありました。

かなり頑固な便秘、イライラ、女性の微小循環障がい、左下腹部の圧痛が目標です。

 

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肩こり、頭痛の合併

肩こりと頭痛を訴える女性が来られました。

梅雨に入ってから頭痛の回数が多くなったと。

明らかに低気圧のときに頭が痛くなります。

これは五苓散(ごれいさん)を頓服で対応します。

何回か試すと合うかどうかがわかります。

たいてい1包で治りますが、効きが悪いなと感じたら2包を一緒に飲みます。

肩が凝って頭痛なら葛根湯か桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)です。

これらを1包、できれば2包頓服で飲みます。

胃腸が弱い人は桂枝加葛根湯がベターです(麻黄が入っていません)。

肩こりと頭痛が関連しないのならば、桂枝加葛根湯2包+五苓散2包 頓服ってとこですかね。

これを繰り返すと、どの程度の頭痛まで自分で治せるかわかるようになります。

実践あるのみです。

 

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急性虫垂炎と大黄牡丹皮湯

お子さんの急性虫垂炎(=盲腸)は年に1回見るか見ないかの頻度です。

田舎の開業医だとそんなもんです。

大学病院、市民病院に勤務していたときは小児科で虫垂炎と診断したり、疑ったりして外科へ紹介していました。

緊急手術になったり、保存的に治療して帰宅してもらうこともありました。

大学院生の頃に、急性胃腸炎と診断したお子さんが翌朝急性虫垂炎と診断されて緊急入院、手術を受けたことがあります。

当時の先輩医師にひどく怒られたことがありました。

右下腹部痛がはっきりせず、腹痛、下痢があり胃腸炎と判断しました。

おなかの病気は、腸管の捻転で急変したとか、いろいろと経験してきましたが怖いなーという印象があります。

ノドを診るように直接おなかの中が見えませんから、判断に迷うことが多くなります。

怪しいなと感じたら、すぐ外科にコンサルトすることにしました。

お子さんが右下腹部を痛がって、急性虫垂炎を疑った場合は外科に依頼する前に抗生剤と大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)をセットで使うようになりました。

大黄牡丹皮湯は右の下腹部痛に有効です。

大人の大腸憩室炎にも使っていたことがあります。

便秘、痔疾患、月経不順などにも使えます。

 

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