後発医薬品がないのなら

後発医薬品(ジェネリック医薬品)が品薄状態です。

昨年某会社(数社)が業務停止命令をくらってから、各科の後発医薬品が少ない、一時的に欠品が起こりました。

自主点検をして、会社を閉めてしまったところもあります。

クスリによっては命に関わるものもあります。

先発医薬品に戻せる方は、クスリとしては手に入りますが、値段が高くなってしまいます。

骨粗鬆症の後発医薬品が一時的に在庫が減り、在庫ゼロが続いたときに先発医薬品に変更した患者さんがおられます。

単純に月に約3000円の出費が増えました。

これは大きいですね。

メーカーの努力、工夫は続いていますが、まだこの状況は続きそうです。

西洋薬がなくても漢方薬で補えるものがあれば、試してみれば良いです。

スギ花粉症が始まりましたが、自分が飲んでいる抗アレルギー薬が不足している、先発医薬品で値段が高くなってしまった、という方は漢方薬が使えます。

まず、抗ア剤のような眠気や乾燥症状(鼻腔、咽頭)がありませんし、値段はずいぶんお安いです。

エキス剤なら1包数十円の世界です。

現在、こういうケースをみつけては、患者さんに提案しています。

「いらないわ」という方もあれば、「試してみるか」という方もいます。

当面続きそうな状況に柔軟に対応したらどうですか。

 

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冷えて胸が痛い

既往歴なしの健康体の方です。

最近冷えだしてから、時々胸が痛くなります。

内科受診され、特に異常なし。

様子をみてください、と言われました。

様子をみても変わりません。

何かないですか?と相談がありました。

どうやら肋間神経痛のようですが、鎮痛剤を飲んだり、温めても疼痛が時々起こります。

そこで当帰湯(とうきとう)をお出ししました。

虚血性心疾患のない狭心症様症状に使います。

飲んで2-3日目から疼痛が消えてきました。

背部痛にも有効です。

こういう方がある程度いらっしゃると推定します。

一度お試しください。

 

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みんな大好き麦門冬湯

外来で好まれている漢方薬があります。

その1つが麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

この季節は冷えて乾燥がキツイです。

ノドがカサカサになります。

こみ上げるような咳が出て困ります。

咳を止めようとすると、ノドがむずがゆくなり、再び発作性に咳が出ます。

こういうときに麦門冬湯を1包サッと飲むと、ノドの乾燥が潤い、咳が鎮まります。

ただ効果の持続時間が短いので、3-4時間おきに飲むことが可能です。

保険的には1日4回とか書けませんので、咳の程度に合わせて自分で調節してください。

麦門冬湯は甘くて飲みやすいので、お子さんたちにも人気です。

ただ、1週間、2週間と飲み続けても咳が止まらないときは中止です。

高齢の方を中心に滋陰降火湯(じいんこうかとう)などに変更します。

五虎湯(ごことう)、柴陥湯(さいかんとう)なども使います。

 

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冷えます

今年は冷えます。

自分は、老化に伴う冷えも相まって冷えを感じるようです。

外来では、しもやけの相談が多いです。

冷えて頭痛、腹痛、肩こりも多いようです。

足がつるのも関係ありでしょうか。

まだ数ヶ月は冷えます。

何か冷えの漢方薬を使ったらどうですか?

うちのスタッフも何かしら飲んでいるようです。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう)、人参湯(にんじんとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)など、冷える部位、症状によって使い分けています。

加齢に伴う冷えには、六味丸(ろくみがん)、八味丸(はちみがん)、牛車腎気丸(ごしゃきんじがん)です。

私も以前、八味丸(八味地黄丸のこと)を2年間飲んでいました。

飲むと下半身がシャキッとして、夜間頻尿が改善しました。

冷える部位はどこですか?

心が冷えるって?

そういうのに対応する漢方薬もあります。

 

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食欲不振のお子さんの経過

昨年の夏に初めて来られた1歳の女児です。

感冒で受診されました。

解熱し、咳、鼻汁が少し残る程度でしたので、話をして終わりました。

その際に、お母さんから「食べない、体重が増えない」という訴えがありました。

もともと食が細く、体重が7kgでした。

元気もあり、大声も出て動きますが、食に関してだけはずっと変わらないと。

令和3年の8月から、六君子湯(りっくんしうとう)を開始しました。

全量飲めなくて良いので、ほんの一口ずつ飲めたらいいねーと指導しました。

1ヶ月経過した頃、「食事量は増えませんが、体重が増えってきました」と。

美味しくない物は吐く、というポリシーらしいです(頑固な性格かも)。

体重は0.9kg増えました。

そのまま六君子湯を続けました。

初診から2ヶ月後再診。

「自分でスプーンを使って食べる、ミートボール、ハンバーグが好きです」

天気の良い日は外で遊べています、便秘なし。

体重は0.5kg増加。

3ヶ月後再診。

「六君子湯は飲めています。外出先では食べるが、自宅では食べない、朝の食事量が少ないです。」

体重は横ばい。

令和4年1月受診(初診から5ヶ月後)。

「乾燥肌があります。体重は増えました。」

体重は約2kg増加しました。

ゆっくりなペースですが、少しずつ食事量は増え、おかずに興味が出てきました。

彼女のペースで体重が増加すれば良いかなと思っています。

以前より活気が出て、外来でも元気に声が出ています。

六君子湯を飲むと、胃の蠕動運動が良くなり、血流も増え、食欲増進ホルモンが出ます。

飲みやすい漢方薬なので、このまま内服を継続します。

 

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原因不明の右下腹部痛

13歳の女子です。

今年1月に入って、夕方に右下腹部痛が始まりました。

発熱なし、吐き気なし、以前から便秘なし、月経関連なし。

痛みが続くため市民病院を受診し、血液検査、レントゲン写真などを受けましたが、特に異常なし。

市民病院は2回受診したそうです。

右下腹部痛は一旦軽快したかに見えましたが、再び当院受診の前日から痛くなってきました。

当院受診時、37.3℃、食欲あり、嘔気・嘔吐なし、下痢・便秘なし。

右下腹部に長さ20mm程度の索状物を触れますが、圧痛も軽く、虫垂炎などの強い炎症を疑うほどでもありません。

何か炎症が起こっていそうですが、軽度です。

結果、病名としては分かりませんでした。

でも何とかならないかということで大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)を処方しました。

お通じを良くして、腸管の炎症を抑えてくれます。

これを飲み始めてから、微熱が取れ、腹痛が軽快しました。

昔は虫垂炎にも使っていたようです。

病名が確定しなくても漢方薬は処方できますので、ありがたいです。

 

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何でも水毒

外的因子(気温・温度・風の影響・打撲・ケガ、手術など)、内的因子(内臓の疾患や変調、自律神経失調による循環状態や血圧の変動など)により、カラダの水のバランスが崩れます。

実際にどんな症状が起こるのか?

動悸、めまい、立ちくらみ、車酔い、耳鳴り、嘔気、嘔吐、こわばり、水様性鼻汁、唾液分泌異常、ノドの渇き、尿量の異常、下痢、便秘、全身または一部の腫脹(関節を含む)、胸水、腹水、心嚢液、だるさ、高血圧、低血圧、喘息発作、月経の障害など。

診療現場で患者さんが訴えるほとんどの症状があります。

こういう状況になったら、「水のバランスが悪いんだな」と考えて五苓散(ごれいさん)を熱いお湯で溶いて、おさじでチビチビ飲むと良いよー、と兵庫の大田黒義郎先生に教えていただきました。

その教えを守っています。

とにかく水毒をみたら、まず五苓散を使って水毒を治す、それから病気の本態の治療にあたります。

例えば、高熱が出たときに患者さんがボーッとした表情をしていたとします。

大人なら五苓散をまず飲んでいただいて、それから葛根湯を飲んでもらう、といった方法です。

確かにこれは有効です。

五苓散は熱いお湯で溶かしておさじでチビチビ飲んでもらうと、ある瞬間に患者さんの表情が変わります。

急に目に輝きが出て、顔の輪郭がシャープになります。

一時期、外来がヒマなときは外来でこれをやっていました。

点滴をやっている患者さんにも試してもらいました。

是非一度お試しください。

 

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ストレス性の高血圧、不安発作

ストレスがかかると血圧が上がる、精神不安が起こる、不眠がある。

こういうときは、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)です。

怒りがこちらに向かってくる人が多いです。

こういう方のパニック発作に柴胡加竜骨牡蛎湯を使っている先生もおられます。

交感神経の過緊張状態といいましょうか、そういう状況にある方が適応です。

腹診で、おなかが張っていて、両肋骨下端を抑えるとウッと痛がります(胸脇苦満)。

腹部に動悸を触れることもしばしば見られます。

まずは1週間試してみます。

レスポンダーかどうかが分かります。

怒っている人が多いので丁重に対応します。

うまく漢方薬が合っていたら、ニコニコされます。

 

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木防已湯を使う

木防已湯(もくぼういとう)という漢方薬があります。

石膏、防已、桂皮、人参の4つの生薬で構成されています。

最近は、循環器内科領域で使われ始めています。

漢方と循環器内科って、あまり縁がなさそうですが、そうでもないです。

心不全パンデミックの現在では、適応のある患者さんは多くいらっしゃいます。

是非、循環器に関わる先生方に試してほしいです。

心不全の標準治療はそのままに、漢方薬を1回1包、1日2回(あるいは3回)追加するだけです。

白湯で飲まれると良いです。

顔色がさえない、咳を伴う呼吸困難があり、心臓の下部に緊張圧重感がある、心臓または腎臓に基づく疾患、浮腫、心臓性喘息に効果があると効能書きに書いてあります。

具体的な目標は、慢性心不全状態で、胸水、肺うっ血、起坐呼吸があれば試します。

まずは1週間は内服します。

これでレスポンダーかどうかが分かります。

心機能の回復により心不全兆候が改善し、浮腫も軽快します。

 

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昨日の漢方外来状況

昨日はありがたく多くの方が来院されました。

ありがとうございます。

相談内容が濃いものが多く、結構時間がかかりました。

話が重くて、サッと話をして終わることができませんでした。

慢性の皮膚疾患が急に悪化した、原因は不明、とか、肺を患い部分的に切除した、現在検査で異常がないが体重が減ってきた、とか、耳鳴が約2年間治らないとか、冬でも汗がとまらず困っているとか。

できる限りの知恵を絞って、話をしました。

漢方薬でいけそうなこともあるし、他科の先生の意見を伺わないといけない内容もありました。

こういう経験は小児科だけをやっていたら、できない経験です。

漢方に出会って良かったーと思いました。

難しい内容以外の方は、ほぼほぼ調子が良さそうだったので、話を伺って処方をしました。

人生の中で漢方が生きる瞬間がある!その時にたまたま立ち会えている、そんな感覚でいます。

これからも精進をして、今自分でできる実力で患者さんに寄り添いたいと思います。

 

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今日はオンラインセミナーをやります

医療関係者が対象です。

そこで、何を話すかというと、高齢者に急増しているい慢性心不全に五苓散(ごれいさん)を使うという話です。

超高齢社会では、高齢者の心不全が増えており、感染症になぞらえて『心不全パンデミック』と呼ばれています。

2030年には130万人の人が入院するであろうという予想も出ています。

慢性心不全で何か問題かというと、心不全の状態で水分調節がうまくいかないときに利尿剤を使うと電解質のバランスが崩れたり、腎機能の悪化を招いたりする恐れがあります。

最近は水利尿薬であるトルバプタンが使われるようになり、劇的に状態が回復する患者さんが増えたそうです。

しかし、トリバプタンに反応しないノンレスポンダーが30%存在します。

そういう方にはどうするか?

五苓散を併用します。

五苓散は電解質のバランスを保ちつつ、腎機能の悪化を起こさず水の調節をします。

トリバプタン、五苓散も同様に水チャネルであるアクアポリン(AQP)に作用し、水が不足するなら入れる、水が十分あるときは水をブロックする、という相反する対応を一手に引き受けてくれます。

トリバプタンは1錠が非常に高価ですが、五苓散は安価です。

その点も考慮して、臨床に使っていただければありがたい、という話です。

 

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高齢者の下肢のむくみ

高齢の方で時々下肢のむくみが見られます。

腎臓など内臓の病気もありません。

これは加齢に伴って起こる下肢の浮腫です。

利尿剤などは使いません。

もちろん、カラダに異常がないか、飲んでいる薬の確認などを行います。

特に問題がなければ、牛車腎気丸(ごしゃきんじがん)を使います。

牛車腎気丸を1回1包、1日3回、白湯で飲みます。

早いと1週間以内にむくみが改善してきます。

それ以上飲んでも改善がない場合は、他の手を考えます。

 

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冷えておなかが痛い

大人でもお子さんでも時々見られます。

冷えは腹痛も起こします。

白湯を飲んだら治ったりします。

お子さんでも、もともと便秘がちだったり、先天性小腸閉鎖、腸重積、虫垂炎などの手術経験がある場合に見られます。

かなりおなかを痛がり、緊急性を要することもしばしばです。

大人で大建中湯(だいけんちゅうとう)を使うことはあります。

お子さんでも大建中湯を使っています。

もともと便秘があるときは、小建中湯(しょうけんちゅうとう)を併用します。

小建中湯は膠飴(こうい)が含まれており、甘くて飲みやすいです。

大建中湯+小建中湯で中建中湯(ちゅうけんちゅうとう)となります。

冗談みたいな感じですが、中建中湯という漢方薬は存在します。

エキス剤にはないので、大建中湯と小建中湯を併せて作ります。

これで助かっているお子さんも結構います。

1日2回で常用しているケースもあります。

 

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チックの相談

意外に多いのが、チックの相談です。

なぜか男子が多いです。

現在うちでは女子は1人もいません(実際、女子にも起こりますが)。

短時間に無意識に起こす不随意運動を指します。

神経過敏な幼児、学童に時々見られます。

動作チックと音声チックがあります。

両者を同時に認めることもあります。

目をパチパチする、首を傾ける・振る、鼻をクンクン鳴らす・すする、肩を揺らす等。

「ん」、「お」とか声が出る等。

当院で多いのは、ストレス、欲求不満が溜っているのかな、と感じるタイプです。

長期になっている場合は、抑肝散(よくかんさん)よりは、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)が有効かも知れません。

いずれにせよ、長期戦になることが多いので、まず2週間飲んでみて、自分に合いそうか、飲めそうかを確認します。

継続できそうなら1ヶ月単位で通院をしてもらいます。

3ヶ月、半年と長めに飲むことが多いです。

一方、緊張する体質、過緊張が顕著なら、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が良いかも知れません。

抑肝散と同様に、まずは2週間試します。

小児鍼を行う、併用する先生もおられます。

家族、学校などの先生から、指摘が続くとなかなか治りません。

皆のバックアップも必要、大事です。

 

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カッチカチ

78歳の男性です。

ご夫婦で来院されました。

お子さんの紹介です。

旦那さんはお元気でクルマを運転して来られました。

脊柱管狭窄症、坐骨神経痛など多くの病気を抱えていましが、今一番困っているのが便秘だと。

便がカッチカチ(本人さんの表現)で、出ないそうです。

近医で下剤をもらっていますが、いかんせん出ません、出たら硬い便でお尻が痛くて大変ですと。

皮膚も乾燥、腸管内も乾燥しているのかも知れません。

そこで、麻子仁丸(ましにんがん)を1回1包、1日2回で処方しました。

2週間後再診。

「ビックリしました、あれは効きます」と喜ばれました。

肛門、直腸からの出血なく、痛くなくスッと便が出たので感激したと。

ただ1日2回で飲み続けると、軟便になるとおっしゃるので、便秘ぎみになった時だけ、1回1包ずつ便が出るまで適宜使用としました。

高齢の方も結構便秘で困っておられます。

下剤、浣腸、摘便に頼らず、漢方薬をお試しください。

今回の麻子仁丸以外にも、便秘に使える漢方薬のラインナップがあります。

 

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人参養栄湯を使う

人参養栄湯(にんじんようえいとう)という漢方薬があります。

今後、ますます需要が増える漢方薬だと思います。

現在は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が全国的に多く処方されている、とメーカーさんから聞きました。

カゼをひきたくない、免疫を上げて元気にいきたい。

そういう方が多くおられるということです。

人参養栄湯は、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)と同じく、がんや重病で免疫機構が根こそぎやられて、患者さんはヘロヘロ、ヨレヨレ状態になっている場合に使用されます。

こういう条件をみると、お子さんに使う機会はまずないな、と思っていました。

しかし、昨年末受験生やコロナワクチン接種後の体調不良に使ってみたら、反応が良い人がある程度出ました。

それなりに免疫機構が崩れている状態でカゼをひいたり、喘息が出たり、精神的にストレスがかかっている人に、まずは補中益気湯を処方しましたがイマイチ。

人参養栄湯に変更したら、「これはいい」と反応が良かったです。

適応さえ合えば、お子さんにも使えそうです。

ただし、適応となるケースは少ないと思われます。

コロナワクチン接種後の倦怠感、食欲不振、呼吸困難にも有効でした。

 

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さあ、外来開始です

あけましておめでとうございます。

今日から仕事開始です。

今年も漢方を使って臨床の現場で仕事をしてきます。

よろしくお願いします。

昨年末に「チャイルドヘルス」という雑誌の連載が始まった記事を書きました。

一般の方が読んでいただける内容になっています。

子どもの保健と育児を支援する雑誌、ですから、誰でも読めます。

ネット(アマゾンなど)でも購入可能です。

気になる方、興味のある方は読んでみてください。

雑誌のメインテーマは、「アレルギーを予防しよう!」ですから。

私の雑誌の後ろの方に記事を書いています。

さて、今年は新たな試みを企画します。

ネットで漢方相談みたいなものを始めます。

現在準備を始めております。

さらに、ネットで情報発信を始めます。

ダラダラとゆるい漢方の話をしようかと思います。

これはすでに録音が終わっています。

現在編集中です。

アップできるか、反響はどうか等を検討しながら修正して進む予定です。

何か新たなことに挑戦していきます。

 

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連載が始まりました

「チャイルドヘルス」(診断と治療社)という雑誌で連載が始まりました。

保健と育児を支援する雑誌の後ろの方に、毎月漢方の記事を書きます。

雑誌のメインテーマは、「アレルギーを予防しよう」です。

私は、メインテーマと関係なく、ずっと漢方の話を書き続けます(爆)。

今回は「子どもと漢方薬」というタイトルになっています。

総論ですね。

来月からは、お子さんに使える漢方薬を1つずつ紹介していきます。

興味のある方は読んでみてください。

 

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必死ですよ

赤ちゃんの鼻カゼの相談が続きます。

鼻水がズルズルしておっぱいが飲みにくい、ミルクを飲んだあとにゼロゼロする、突然吐いてしまう等。

生後3ヶ月もすれば鼻カゼはひきます。

生後6ヶ月に急にお母さんの免疫が切れるわけではありませんから。

生まれて徐々に免疫は下がり、生後3ヶ月にもなればウイルス感染が成立する可能性は増えます。

鼻カゼをひいても、機嫌良く、ニコニコ笑っているうちは大丈夫です。

市販で売っている鼻水を吸引するチューブなどで可能な範囲で吸引すれば良いです。

鼻水の量が増えてくると、鼻腔に詰まって呼吸が苦しくなったり、母乳・ミルクが飲みにくい、咳が始まったりします。

西洋薬の抗ヒスタミン薬を飲むと、明らかに鼻水が固まって、余計に呼吸が苦しくなることが多いですから飲まない方がベターです。

これ以上飲む薬はありません。

アレルギー性鼻炎と書いて抗アレルギー薬を処方する人がいますが、生後3ヶ月には無理があるでしょう。

そこで漢方薬を一口飲ませることにします(全部飲めなくて良いよいということです)。

麻黄湯(まおうとう)は乳児の鼻閉という保険適応があります。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は水様性鼻汁なら有効です。

鼻汁吸引をしつつ内服を進めると、4-5日で一旦鼻カゼは治ります。

1-2週間もすれば、また新たな鼻カゼをひきます。

これを来年3月頃まで繰り返します。

3歳までカゼは続きます。

そうやって免疫をつけていきます。

 

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冷えて頭痛

冷えて頭痛が起こることがあります。

冷えは足元から上ってきて頭まで来るという話です。

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呉茱萸湯(ごしゅゆとう)という漢方薬があります。

ミカン科ゴシュユの果実を生薬として用います。

冷えにより悪化する片頭痛によく用います。

使い方は1回に2包を頓服で飲みます。

苦い味がします。

熱いお湯でサッと飲みます。

冷えからくる胃痛、婦人科疾患、神経痛などにも応用します。

今日みたいな寒い日に使うと良いです。

 

高齢者の皮膚の乾燥に

当帰飲子(とうきいんし)という漢方薬があります。

皮膚の乾燥とかゆみを伴う慢性の皮膚疾患の方に試してもらいます。

飲むと、皮膚が潤い、かゆみが軽減する応答を引き出します。

特に高齢者の方にお勧めです。

保湿剤やかゆみ止めを使いつつ、当帰飲子を1週間は飲んでみます。

自分に合うかどうかが分かります。

乾燥が強い皮膚には温清飲(うんせいいん)を併用する方法もあります。

古典的には、「血燥」と書いてあります。

貧血や循環器障害が遷延したときに見られる皮膚粘膜の乾燥萎縮状態(血色がなくてシワが寄っている、弾力がない)と考えられています。

飲子、というのは、湯剤と同様に、煎じる剤型のことです。

唐代長安の記録によると、疲労回復の薬茶をを飲子と呼んで街角で売っていた史実があります。

 

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口腔乾燥に使える漢方薬

「口の中が乾燥する」という訴えがあります。

シェーグレン症候群と診断がついている方もおられます。

たいてい中で麦門冬湯(ばくもんどうとう)が処方されています。

他には、何があるか。

高齢で皮膚も乾燥し、咳も出る、ノドがひどく乾燥するときは、滋陰降火湯(じいんこうかとう)です。

頭痛、浮腫、めまい、口渇、尿量減少があれば、五苓散(ごれいさん)です。

強い口渇、発汗、脱水傾向、顔が真っ赤ならば、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)です。

免疫が下がってヘロヘロ、ヨレヨレで、全身倦怠感、食欲不振、皮膚乾燥があれば、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)です。

疲れて、寝汗も多く、神経が参っている、取りこし苦労が多い状態なら、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)です。

まだあれこれあります。

1つずつ試してみましょう。

 

高齢者における下腿の浮腫

高齢になると下腿の浮腫がみられることがあります。

若い人だと五苓散(ごれいさん)や猪苓湯(ちょれいとう)を使うことが多いでしょうか。

高齢者の場合は、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)が良いでしょう。

年を重ねると下腹部がフニャとなって、下半身が冷えてきます。

夜間は頻尿ぎみになり、目がかすみ、疲れやすくなってきます。

これを改善するのが牛車腎気丸です。

八味地黄丸(はちみじおうがん)がベースになっています。

八味地黄丸の別名が、腎気丸です。

これに、牛膝(ごしつ)、車前子(しゃぜんし)を追加したものが、牛車腎気丸です。

浮腫も取れ、カラダも元気になってきます。

ありがたいです。

ノドが痛いなら

乾燥した空気の影響でしょうか、ノドが痛いと訴える方が増えました。

常連さんは、自宅にある桔梗湯(ききょうとう)を飲んでいます。

1包ずつブクブクとうがいをして、上を向いて患部に当ててからゴックンと飲みます。

桔梗湯は患部に当てて飲むのがコツです。

サッと飲んでしまうのはもったいないです。

漢方薬が苦手な方は、うがいをして患部に当ててからベーッと吐き出します。

それでも有効です。

発熱を伴うなら、大人なら葛根湯2包+桔梗湯1包、お子さんなら麻黄湯(まおうとう)+桔梗湯です。

ノドが痛くて桔梗湯が効かないときは、桔梗石膏(ききょうせっこう)か、小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)に変更します。

小柴胡湯加桔梗石膏は、個人的に好きな漢方薬です。

ノドが痛くて困った時は、1回2包ずつ3回飲みます。

だいたい、それで治まります。

 

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便秘の人が胃腸炎になったら

胃腸炎が流行しています。

2週間前に外気温がグッと下がってから、発熱が目立つカゼと胃腸カゼが増えました。

胃腸炎は発熱を伴うことが少ないのですが、時に38℃を超える場合もあります。

さらに、もともと便秘がちなお子さんが胃腸炎にかかったりします。

左下腹部に明らかに便塊を触れます。

便秘があるのですが、胃腸炎で下痢をしても便秘で溜っている便が出てこないことがあります。

お子さんは、腹痛でのたうち回っています。

便秘は軽い方が、できればないほうがいいよねーと感じます。

例えば、漢方薬が飲めるなら桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)を使ってみます。

腹痛も止まるし、便秘も出します。

面白い漢方薬で、下痢も便秘にも使えます。

便秘でおなかが張っている人には、便を出す方向に働きます。

下痢で困っているときには、下痢を改善します。

便秘で便が固まっている横を下痢便が通過しているややこしい状況を打破できます。

目の前の症状を早く改善することが大切です。

 

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アトピー性皮膚炎に漢方薬を使う

岐阜市の漢方外来の患者さんです。

58歳女性。

数ヶ月前から受診されています。

数十年以上アトピー性皮膚炎で悩んでいます。

あれこれと試してきたそうです。

初診時、皮膚が赤黒くてゴワゴワしていました。

皮膚のかゆみも目立ち、顔面、頚部の皮膚もただれています。

医療関係の仕事でストレスも多いそうです。

心下痞鞭(心窩部痛)あり、腹部の圧痛点も認めたため、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)と桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を処方しました。

この2ヶ月で症状がグッと良くなりました。

ストレスあっても精神的に安定、皮膚の赤黒さが軽快しました。

かゆみも減り、抗ア剤も不要になりました。

先日の外来では、「人生の中で一番調子がいいです」と、喜んでおられました。

桂枝茯苓丸加苡仁は、このまま継続希望でした。

 

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心不全の治療に五苓散を使う

超高齢化社会では、高齢者の心不全が急増しています。

「心不全パンデミック」という言葉もあります。

高齢者の心不全には左室駆出率の保たれた心不全の割合が多いという問題もあります。

2018年に日本循環器学会および日本心不全学会から『急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)』が改訂・発刊されました。

最新の診療ガイドラインに沿った心不全治療が行われることが前提になります。

漢方薬は標準治療を補完する役割を担うものとして考えられています。

心不全の治療で、うっ血に伴う自覚症状軽減目的で利尿薬の投与が行われます。

ループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬は、とりわけ高齢者において電解質異常や腎機能悪化を招きやすく、「高用量ループ利尿薬利用は予後不良」という報告もあります。

また、入院で使用されるトルバプタン(商品名:サムスカ)は強力な水利尿作用を持ちますが、急激な高ナトリウム血症を来たすことがありますし、かつ非常に高価です。

そこで、漢方薬の登場です。

電解質バランスを崩さず、余計な水だけを移動させます。

なおかつ腎機能の悪化を起こすことはほぼないと考えられます。

心不全治療では再入院も多いのですが、五苓散を導入することによって、再入院の回数も減り、予後も良好(病気の結末が良い)となります。

漢方薬おそるべし、です。

漢方薬は非常に安価です。

 

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男性の冷え症

昨日来院されたお子さんのお父さんは冷え症です。

胃腸も強くなく、ナヨッとした風貌です。

お母さんは体格ががっしりして、暑がりで胃腸が丈夫、話す声も大きいです。

お子さんが発熱して麻黄湯(まおうとう)を飲んだけど、熱がスッキリ下がらないので来たと。

お父さんは、「ちょっとノドが痛くなって、寒気まではいかないけど、やばいと思って麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を飲んできました」と。

お父さんは、カゼの初期に麻黄附子細辛湯を飲むと、カラダがポッと温まって、ノドの痛み、軽い鼻水は治ってしまうそうです。

冷えたら、すぐに1包飲むと言っています。

一方、お母さんは胃腸も丈夫で、もともと体力もあり元気なからですから、カゼの初期には葛根湯を2包、熱いお湯で飲むと言われます。

だいたい1回2包飲めば、カゼは進行せず治ってしまうと。

大半の大人の男性はこのタイプなのでしょうから、葛根湯1回に2包、熱いお湯で、が原則です。

冷える男性は、麻黄附子細辛湯を1回1包、1日3回飲むと、ジワジワとカラダが温まってカゼを自分で治せてしまいます。

 

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『院長の小窓』を更新します

なかしまこどもクリニックのホームページにある『院長の小窓』を更新します。

今回は、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)と二陳湯(にちんとう)です。

柴胡清肝湯は、まだ自分でこなせていない漢方薬です。

カン(疳)の強いお子さんの精神安定、食物アレルギーに使います。

急性炎症にも使えそうです。

食物アレルギーに対しては、アレルギー反応を抑制する効果があります。

臨床的には、アレルギー体質を持つお子さん、特にアトピー性皮膚炎、食物アレルギーを持つお子さんに使えそうです。

二陳湯(にちんとう)は、胃内の水分停滞を解消し、吐き気を改善します。

悪心、嘔吐を目標に使うと良いでしょう。

最近、外来では、五虎二陳湯を使うようになりました。

 

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利尿剤と利水剤

カラダのむくみを取るのに、排尿を促して取る方法があります。

利尿剤を飲むと尿が出てむくみが改善されます。

もうむくみが改善された状態になっても、利尿剤が効いている間は尿は出続けます。

場合によってはカラダの電解質のバランスが崩れます。

足のむくみを取る、頭のむくみを取る、というように病気によってはカラダのある特定の部分だけのむくみを取りたいことがあります。

利尿剤は部分を特定できません。

目的の部位以外のむくみも取ろうとします。

例えば、頭のむくみだけ取りたいのに、どうしたらいいの?というリクエストには五苓散(ごれいさん)を使います。

頭の水だけを移動させます。

五苓散が脳組織にあるアクアポリンチャネルという水チャネル(AQP4)に作用して、水分子のみを移動させ、むくみ(浮腫)を改善することが分かっています。

五苓散は利尿剤より効果は劣るかも知れませんが、多く服用しても基本的に脱水にならず、腎機能も悪化させない、またナトリウムやカリウムなどの電解質に与える影響もほとんどありません。

そうなると安心して使えます。

臨床の場でお試しください。

 

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