夏に 黄連解毒湯を使う

オッサンは二日酔いに使う人がいます。

苦いけど、二日酔いを吹っ飛ばすらしいです。

解毒って書いてある(!)。

二日酔い、という名前で保険病名も通っています。

黄連解毒湯は、胃炎・消化性潰瘍による喀血、吐血に用います。

止血に有効なのです。

ですから鼻出血にも使えます。

さらに、皮膚が赤くなってかゆい人にも試します。

大人のアトピー性皮膚炎で、赤く腫れあがってかゆい人に使ってもらいます。

後は、透析中の患者さんの皮膚のかゆみにも使います。

1つの漢方薬であれこれと応用範囲が広いです。

ただ、「黄」と名のつく生薬が苦いです。

ですから小児には、事前に伝えておかないと飲めないことが多いです。

大人にも伝えています。

何でも試してみることです。

 

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『院長の小窓』を更新しました

なかしまこどもクリニックのホームページにある『院長の小窓』をl更新しました。

毎回、2つずつ漢方薬を紹介しています。

今回は、「五淋散(ごりんさん)」と「温清飲(うんせいいん)」を紹介しています。

1つの漢方薬を2つ以上のことに使えるように情報を載せています。

最後に鑑別処方もあげてあります。

葛根湯から始まって、かなり多くの漢方薬をアップしてきました。

お時間のあるときに、動画を停止しつつ、ゆっくり読んでみてください。

よろしくお願いします。

 

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肺炎に使う漢方薬

おおまかな治療方針です。

肺炎の第1選択薬は小柴胡湯(しょうさいことう)です。

飲み方にコツがあります。

2-3時間おきに頻回に飲みます。

特に発熱を伴う場合は、解熱するまでこの間隔で飲みます。

解熱したら(37.5℃以下を目標)、1日4回まで回数を減らします。

抗生剤、抗アレルギー薬、ステロイド薬の併用は可能です。

この方法は小児でも試しました。

入院になりそうな肺炎、気管支炎でもこの方法で治り、入院をせずに済んで喜ばれました。

次は、気管支が乾燥が顕著なときの漢方薬です。

飲みやすいのは麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

これは3-4時間おきに飲みます。

咳が和らいだら、1日3回にします。

最初が肝心です。

麦門冬湯を1週間、2週間飲んでも軽快しないのは無効です。

滋陰降火湯(じいんこうかとう)に変更します。

これは1回1包、1日3回で結構です。

遷延性咳嗽には、竹温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。

まだ、他に手があります。

咳止め飲んで、強引に咳を抑え込んでも炎症が鎮まらないと咳は続きます。

 

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咳が出る

咳止めには漢方薬が良いです。

新薬は咳の反射を止めるだけです。

アレルギーに関しては、抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬があります。

乾いた咳、痰がからんだ咳、喘息の咳、すべて鎮咳薬一本ではつらいです。

漢方なら咳の種類によって漢方薬を使い分け、併用して対応します。

人気のある麦門冬湯(ばくもんどうとう)は、乾いた、やや痰がからむ、こみ上げてくる咳に使います。

甘くて飲みやすい、速効性があるので人気があるのです。

ただ、3-4時間で効果が薄れてくるので、1日3回ばかりでなく、4回、5回と頻回に飲みます。

微熱を伴う場合は柴胡剤が良いです。

私が好きなのは小柴胡湯(しょうさいことう)です。

保険適応にも、気管支炎・肺炎と書いてあります。

飲み方にコツがあります。

3-4時間おきに頻回に飲みます。

熱ありの気管支炎・肺炎でも治って行きます。

他にも咳に使えるものが多くあります。

 

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半夏瀉心湯より胃が強い人の胃炎・胃潰瘍には

胃が弱い人が胃炎や胃潰瘍になったとき、機能性ディスペプシアになったときは六君子湯(りっくんすしとう)がいいかなー、という話がありました(前述)。

意外にも、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)も使えるかなという話も出ました。

今回は、もともと胃が強い人、丈夫ば人が胃を痛めたら何を飲むか、という話です。

前回の半夏瀉心湯は適応です。

だいたい同じくらいの胃の強さを持っている人で、胃の炎症が強い場合、潰瘍で出血、穿孔するような激烈な場合は黄連解毒湯(おうれんげどくとう)です。

緊急の胃内視鏡検査の際に、黄連解毒湯を溶かして出血部位に振りかけて止血を図る方法があります。

内服でも、軽症なら止血します。

それくらい強烈です。

鼻出血などにも有効です。

2年前の夏に鼻血が止まらず救急搬送された50代女性は黄連解毒湯2包一気のみで止血しました。

本人さんはビックリしていました。

高血圧も伴っていましたが、2週間内服でじわじわと血圧も下がりました。

他に使える漢方薬は、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)です。

胸脇苦満(きょうきょうくまん)といって、両肋骨下の圧痛、先生の手指が皮膚に入ってほどいかない皮膚が張っている場合は、柴胡桂枝湯が有効と言われています。

柴胡桂枝湯は、こういう場面では飲んだ本人さんに炎症を止めて、痛みを鎮める強烈な応答を引き出します。

膵炎でも使えるんですから。

さらに強烈な応答を引き出すのは、四逆散(しぎゃくさん)です。

十二指腸潰瘍、胃潰瘍などでうつ気味の人に飲ませると、うつが取れて潰瘍が治るということがあります。

 

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消化吸収が弱い人をめぐって

「消化吸収が弱い」のを漢方で、「脾胃の虚」と言います。

一見弱々しい体つき。、顔つきの人は大体そうです。

腹診では、おなかの皮、腹壁が薄く力がないのが特徴です。

心窩部を振動させると振水音(ボチャボチャする音)がします。

大塚敬節先生は、体が弱く養生している人で、胃炎の治療の中心に半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を使っていたようです。

胃はやや強い人に使うと思うのですが、大塚先生は弱い人にも使っていたそうです。

胃弱の人が長期に内服を続けると、胃が丈夫なったと言います。

ですから、半夏瀉心湯の守備範囲は広いんだということでしょうか。

再認識です。

半夏瀉心湯より胃弱には六君子湯(りっくんしとう)、さらに弱い人は四君子湯(しくんしとう)です。

 

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気をつけること

○○で困っています、漢方薬で何か治す方法はありませんか?

漢方外来では、こういう類いの相談は多くあります。

内科的、整形外科的、婦人科的など、専門分野の先生に診てもらって、特に異常がありませんというお墨付きは大切です。

何でも漢方薬で、という訳にはいきません。

例えば、胃がもたれる、胸やけがするという訴えがあったとします。

胃カメラをやっても異常がありません。

「何も異常はないですね」と言われます。

内服薬が処方されて、飲んでみるも症状が変わりません。

こういうときに六君子湯(りっくんしとう)を試したら、症状が改善する。

こんなことがあります。

先日あった話です。

不正出血が止まらない40代女性です。

婦人科に通院中です。

明らかな異常はないと言われ、特に内服薬もなく経過をみていたそうです。

症状が変わらないので漢方薬を試したいと希望があり、うちに来られました。

きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)をお出ししました。

その1ヶ月後です。

子宮体癌が見つかりました。

他院で発見されたそうです。

来月手術だそうです。

本人さんはショックを受けていました。

こういうケースもあります。

何でも漢方薬ではありません。

西洋医学的にできることはビシッと抑えることが大事です。

柔軟な対応が求められます。

 

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腰から下の痛み

漢方薬でも色々と手があります。

新薬の鎮痛剤や血流改善の薬、神経痛の薬はそのままに漢方薬を1日2回追加します。

エキス剤でいくなら、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)+麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)です。

そこに、ブシ末を追加します。

高齢の方なら、エキス剤は1回1包、1日2回で、ブシ末は1日量で1.5gですから、1回0.75gずつ、1日2回です。

1週間、2週間と飲んで自分に合うかどうか判断してください。

合うなら、1ヶ月単位で継続です。

アカン、合わないと思ったら、処方を変更します。

 

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ここ一番は2包

エキス剤の飲み方のコツです。

ここ一番は2包を飲みます。

ポイントはここだけ。

例えば、足をつった、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を1包飲むと5分で治まります。

今日はうまく治まらない!

はい、2包目を飲みます。

自分の感覚で、これは1包では無理だわ、と思ったら最初から2包一気に飲みます。

頓服です。

要は、そのときだけ2包飲んで終わります。

後からダラダラ飲みません。

一気に症状を仕留めるつもりでいきます。

肩が凝った、麻黄が胃に障るので、葛根湯の麻黄抜きである桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)を2包飲む。

低気圧頭痛で困っている、今日もグンと気圧が下がってきた、ちょっと頭が痛くなってきた、はい、五苓散(ごれいさん)2包。

月経が始まるとずっと頭痛がする、特に今朝はひどいわ、川茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)を2包飲む。

こんな感じです。

エキス剤は頓服で飲むなら、短期間なら2包一気に飲んでみます。

そのときにサッと症状が鎮まればありがたいです。

 

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腰椎捻挫に

急性期には、葛根湯+芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使います。

痛み止めの注射をうっても良いです。

漢方薬を飲んでから鍼灸を追加すると効果があるのでしょうが、恵まれた環境にいる方は少ないかも知れません。

芍甘黄辛附湯(しゃっかんおうしんぶとう)=芍薬甘草湯+麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)+大黄(だいおう)も使えます。

大黄がなければ、芍薬甘草湯+麻黄附子細辛湯でいきます。

これならエキス剤で代用できます。

痛いのはつらいですから。

何か手をうちます。

 

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薬剤の副作用に

高齢者の方です。

がっちりした体格で元気良いです。

感冒に罹患して発熱を認めたので、近医を受診しました。

2日で解熱しましたが、尿の出が悪くなり、全身がむくんできました。

非ステロイド性消炎剤(ジクロフェナクナトリウム、商品名:ボルタレン)の副作用を考えました。

こういう場合は、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を1回1包、1日3回で飲みます。

西洋薬はすべて中止して、越婢加朮湯のみを内服したところ、2日目から尿の出が良くなり、3日前から全身のむくみ(浮腫)、口渇などすべてが改善しました。

浮腫(特に顔面、眼瞼など)や胃痛などの副作用は、非ステロイド性消炎剤を投与された患者さんにしばしば認められます。

高齢者は見かけは実証に見えても、潜在性腎障害のある方が結構おられます。

治療に際しては、細心の注意が必要です。

 

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生食(魚、牛刺し、鳥刺し)を山ほど食べて腹痛

生食(魚の刺身、牛刺し、鳥刺し)を山ほど食べたら腹痛が起こった人がいます。

そりゃなるわな。

自宅でアルコールもそれなりに飲んでいた。

数時間後から右下腹部痛が始まり、蕁麻疹も出てきました。

痛み止め、抗アレルギー薬を使っても、症状が治りません。

どうしましょう。

下して一気に症状の改善を図ります。

エキス剤でいくと、茯苓飲(ぶくりょういん)と調胃承気湯(ちょういじょうきとう)をそれぞれ1回1包、1日3回飲みます。

臭い硬い便が大量にドッと出た。腹痛が改善してきました。

蕁麻疹も1日で消退です。

一気に食べてはいけません。

 

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乳がん手術後

60歳女性。

数年前に左乳がんで腋窩リンパ節を含めて切除しました。

その後、次第に左腕が太く腫れ、皮膚も象の皮のように硬くなってしまいました。

さて、何を使うのでしょうか。

これには、葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)+桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を使います。

「類聚方広義」に書いてあります。

服用開始して2週間後から左腕の腫れが引き始めました。

3ヶ月後からは、象皮様の皮膚の硬化も軽快してきました。

なかなか治らなかった症状が改善した1例です。

 

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急性の頭痛と慢性の頭痛

急性の頭痛はカゼに伴うものだったり、肩こりから起こるものがあります。

発熱、悪寒を伴うカゼに伴う頭痛は川茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)です。

1包、あるいは2包をいっぺんに飲みます。

項の凝り、肩こりから来る頭痛は葛根湯です。

今多い、低気圧で起こる頭痛は五苓散(ごれいさん)です。

慢性の頭痛は、冷えからくる、特に足元から冷える場合は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)です。

冷えて、めまい、胃腸虚弱の人の頭痛は半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)です。

冷えて、軟便で頭痛がこれば桂枝人参湯(けいしにんじんとう)です。

今度は暑がり、熱を持っている人です。

のぼせ、めまいがあれば釣藤散(ちょうとうさん)です。

顔面が紅潮している、イラつきが見られれば黄連解毒湯(おうれんげどくとう)です。

神経過敏、イラつきが顕著ならば抑肝散(よくかんさん)です。

頭痛だけでも、あれこれ試すものがあります。

すぐに解熱鎮痛剤を飲まないで漢方薬を試します。

 

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香蘇散を使う

香蘇散(こうそさん)という漢方薬です。

胃腸が弱く他の感冒薬で副作用が出て服用できない人のカゼの初期だけでなく、多方面に使用できます。

味は飲みやすいです。

カゼに使うときは、「自分はカゼです」と自分で話す、胃腸の弱い、ちょっと暗い感じの人を目標にします。

@神経衰弱、ヒステリーなど

A魚中毒 魚(刺身など)を食べて蕁麻疹が出た、とかに効きます。

B腹痛、神経性の腹痛で、柴胡剤や建中湯類が奏功しないもの

C血の道症 大人しく気の弱そうな人の気うつ傾向に使えます。

Dアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎 麻黄剤の使えない胃弱の人に使用します。

結構、幅広く使えます。

小児に使う機会はほぼないです。

 

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大人のカゼ薬 参蘇飲

参蘇飲(じんそいん)という漢方薬です。

虚弱者、高齢者の急性上気道炎(咽頭炎・扁桃炎)、気管支炎に使います。

原典は、「和剤局方」です。

胃の弱い人で葛根湯や桂枝湯が胸に痞(つか)えるという感冒に咳嗽を兼ねた者の良い、とされます。

軽いカゼの症状が色々あって、なかなか治らないときに使ってみます。

カゼをひくと長引いてしまうと訴える人に適応があります。

もともと元気いっぱいな人がカゼをひいた時に使ってもあまり効果が出ません。

対象となる患者さんの特徴が大切です。

咳が出て、スッキリしない高齢者、虚弱者に試してもらいます。

 

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滋陰至宝湯を使う

滋陰至宝湯(じいんしほうとう)という漢方薬があります。

虚弱者の慢性気管支炎、気管支拡張症などに用いる漢方薬です。

呼吸器疾患が遷延して咳嗽、喀痰、微熱が続きます。

体力は低下してきます。

イメージが湧いたでしょうか。

こうなると若い人より、高齢の方が適応になる確率は高そうです。

原典は、「万病回春」です。

逍遥散(しょうようさん)の次に出てくることから、この方剤は逍遥散と非常に関連が強いということが理解できます。

日頃から加味逍遙散(かみしょうようさん)を飲んでいる人、投与したくなる人が、例えばカゼをひいていつまでも咳が長引く時に使います。

腹診所見も加味逍遙散と同じです(!)。

これにこだわることもなく、体力を奪う咳が楽になるように、と思ったら使ってみます。

痰はややねっとりです。

 

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竹温胆湯を使う

竹温胆湯(ちくじょうんたんとう)という漢方薬があります。

原典は「万病回春」です。

「傷寒にて日数過多くて其の熱が退かず、夢寝寧からず、心驚恍惚、煩躁して痰多く眠らざる者を治す」

重篤な急性発熱性疾患(インフルエンザか)にかかり、日数を経てもなお余熱があり、安眠できず、神経質になって驚きやすくて、煩躁(苦しくて静かにしていられない)して、痰が多いものには、竹温胆湯を用いる、という意味です。

何だかイメージが湧きますよね。

そういうことです。

そういう時に使います。

感冒後の気管支炎で不眠を伴うときに使ってみます。

カゼをひいていきなり使うことは少ないです。

 

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竹温胆湯を使う

竹温胆湯(ちくじょうんたんとう)という漢方薬があります。

原典は「万病回春」です。

「傷寒にて日数過多くて其の熱が退かず、夢寝寧からず、心驚恍惚、煩躁して痰多く眠らざる者を治す」

重篤な急性発熱性疾患(インフルエンザか)にかかり、日数を経てもなお余熱があり、安眠できず、神経質になって驚きやすくて、煩躁(苦しくて静かにしていられない)して、痰が多いものには、竹温胆湯を用いる、という意味です。

何だかイメージが湧きますよね。

そういうことです。

そういう時に使います。

感冒後の気管支炎で不眠を伴うときに使ってみます。

カゼをひいていきなり使うことは少ないです。

 

アフタ性口内炎に

アフタ性口内炎には、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)が有効です。

飲まなくて良いです。

うがいして幹部に当てて、ベーッと吐き出しても効きます。

口内炎が完全に治らなくても、痛みが和らげば食事を少しずつ摂ることができます、水分が摂れます。

これをさらに、パワーアップするには半夏瀉心湯+甘草湯(かんぞうとう)です。

甘草湯は某社からエキス剤が発売されています。

半夏瀉心湯+甘草湯は、もともとある甘草瀉心湯の近似処方です。

甘草瀉心湯がエキス剤にないので、エキス剤を組み合わせて似た漢方薬を作ります。

甘草瀉心湯は、アフタ性口内炎、吃逆(しゃっくり)、夢遊病に使えます。

吃逆は、昔、吉田茂が食傷によって止まらな吃逆の時に飲んで効いた、というエピソードが残っています。

夢遊病は、中神琴渓(なかがみきんけい)が効くよー、と提唱しました。

 

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そろそろ暑さ対策の準備を

日中の気温がジワジワと上がってきています。

家族によっては、そろそろ暑さ対策の漢方薬を下さーい、と来られています。

希望が多いのは、五苓散(ごれいさん)と補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

介護施設勤務の方は、補中益気湯よりも清暑益気湯(せいしょえっきとう)を希望されます。

汗が少なく、動けるそうです。

おなかも緩くなりません。

暑くて疲れて消化できず、下痢、軟便になることがありません。

補中益気湯は老若男女問わず使えます。

保育園児から高齢の方まで飲んでいます。

だるくなりません。

だるい人はだるさが取れ、食事量が増えます。

寝たきり状態の方でも使えます。

かなりへばっている方は十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)の方がベターかも知れません。

五苓散は熱中症対策です。

頭がボーッとする、痛い、吐き気がするときに有効です。

顔面がほてる、ノドが渇く場合は、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)があります。

自分に合う漢方薬を飲んで、元気に過ごしましょう!

 

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寄せるイス症候群

外来をやっていると、やたら私の近くまでイスを持って近づいてくる患者さんがいます。

距離が近すぎると診察がしにくい、物理的距離と心理的距離は違いますから、軽い嫌悪感が出ます。

そういう患者さんのことを、「寄せるイス症候群」と呼ぶそうです。

なかなかユニークなネーミングです。

精神科領域の漢方の話から、こういう人もいるよねー、という流れで話が出てきました。

私が後ろに下がれば、また前に出てくる(苦笑)。

ちょっと怖くなってきます。

そういう人には治狂一方(ちきょういっぽう)です。

エキス剤にないので、大承気湯(だいじょうきとう)と三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)を併せて飲んでもらいます。

カルテや書類を勝手に覗き見る、「寄せるルーペ症候群」もあります。

ルーペを手に持って近づいてきます(怖い)。

 

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動悸がする

動悸がすると患者さんが訴えます。

先に、循環器内科を受診します。

診察、レントゲン写真、心エコー、心電図などを行います。

異常があれば専門の先生の指示に従って治療です。

発作性心房細動、心室細動、心室性期外収縮などが見つかったことがあります。

何も異常がない、と言われたが、どうも動悸が続きます、というときに漢方薬を試します。

期外収縮の動悸には、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)があります。

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)は、心配ないと言われても心配になる精神不安のある方に有効です。

3週間は内服します。

狭心症のような場合は、当帰湯(とうきとう)です。

不安やイライラで起こる動悸には抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかさんかちんぴはんげ)があります。

パニック発作で動悸を感じる場合は、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)と甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)を1包ずつ一緒に飲みます。

 

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中高年の頭痛、高血圧傾向

中高年の方の頭痛、高血圧傾向に何か使う手がないかと聞かれます。

血圧も恐ろしく高いわけではありません。

自分で養生されています。

ただ、朝にあると頭痛が起こります。

血圧は135ー140/70-80です。

降圧薬を飲むにはちょっと早いかなです。

赤ら顔で、口渇、ノドの渇きを訴えます。

時々めまい、吐き気があります。

こういうときは釣藤散(ちょうとうさん)です。

脳内の循環障がいが改善し、血管抵抗が低下することで頭痛が軽快し、血圧が低下します。

長期に内服すると効果が出ます。

淡々と飲む漢方薬です。

 

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大柴胡湯を使う

大柴胡湯(だいさいことう)という漢方薬があります。

まさしく私にピッタリの漢方薬です。

太っていて、おなかが出ていて、脂肪肝があり(私は克服しました)、イライラしがちな、便秘傾向のある男性に有効です。

精神症状に使われることもあります。

発達障がい、中でも、注意欠陥多動性障害の男子に使って有効だった経験があります。

1回1包、1日2回、あるいは3回、2週間は飲んでみます。

ちょっとお通じが良くなって、イライラが減ってきます。

昔、大阪の千福先生の腹診セミナーで、自分が腹診モデルの1人に選ばれ、先生方におなかを触られました。

千福先生が、「大柴胡湯の典型的な腹診モデルやねー」と言われました。

+桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)がピッタリや、と。

一時期、この2つを数ヶ月飲んでいました。

体調は良かったです。

 

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ヘバーデン結節の痛み

年を重ねると手指関節にヘバーデン結節ができることがあります。

特に40歳以降の女性に多く見られます。

原因は不明です。

手指DIP関節が屈曲して固定されてきます。

手指を伸ばそうとすると痛みを感じます。

たまに外来でも相談があります。

血液循環を良くする、手指を温めるのを目標に桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を試します。

女性なら加味逍遙散(かみしょうようさん)を追加します。

1回1包、1日2回の内服で、2週間は試してみましょう。

合うと分かれば月単位で続けます。

 

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難病の原因の1つは

古来から難病の原因の1つは、「おけつ」であることが知られています。

何?おけつ、って?

微小循環障がいのことです。

いろいろな病気が長引く、難病と言われるものの背景には、おけつがあります。

実際、何をみて「おけつ」と判断するのか。

「皮膚が青紫色」、「顔色が赤黒っぽい」、「舌の色が暗紫色あるいは点がある」、「脈:渋」、「腹診で局部の固定した刺痛で按ずるを嫌う、臍から下の圧痛がある」などがあります。

いかにも血の巡りが悪そうな所見ばかりです。

さらに、「重い場合は健忘・驚狂などが見られる」と言われ、現代でいう認知症や精神障害者の症状にも対応できそうです。

外傷がらみの「てんかん」には、時々劇的に効果を表すことがあります。

難病をみたら、とりあえず「おけつがあるな」と考えて、治療に組み込んでみると経過が良くなる可能性が高まります。

桂枝茯苓丸で腰痛が治る

今週の漢方外来で、患者さんが報告してくれました。

「のぼせで使っている桂枝茯苓丸’(けいしびくりょうがん)があるでしょ。あれを飲んでいたら腰痛が治ったよ」

腰痛があり、整形外科的に異常なし、と言われた人が、桂枝茯苓丸が症状が軽快することが時々あります。

体質的に、微小循環障がいがあって、冷え・のぼせを伴っています。

更年期障害を目標に桂枝茯苓丸を使っていました。

そうしたら、途中経過で腰痛が治ってしまった、ということです。

漢方薬での治療では、こういうオマケが時々起こります。

思わず、一番訴えていた症状でない症状が治る、ということがあります。

カゼに葛根湯を処方したが、カゼが治らず、肩こりが治るとか。

メインが治らず、サブが治ることがあります。

こういうときは苦笑いになってしまいます。

 

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防已黄耆湯が効く方

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)と言う漢方薬があります。

膝関節と周囲の炎症と浮腫(むくみ)を軽減する応答を引き出します。

大きな膝をしている、色白で、水太りの女性にピッタリというイメージを持っていました。

が、最近クリニックで、この漢方薬がバチッと合った患者さんが、皆太っておらず、スマートな女性ばかりでした。

確かに、この漢方薬がよく効く患者さんのイメージが大切ですが、すべてではないということです。

患者さんに共通するのは、非常に汗かきだということ。

これは、皆が訴えています。

カエル腹もありませんでしたね、そう言えば。

発汗過多ですが、口渇はありません。

口渇があれば白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)でしょうか。

2週間は飲んでみましょう。

自分に合うかどうか分かります。

 

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学生への授業

某大学で東洋医学の講座を教えています。

専門家でもありませんので、何を教えるのか。

難しいことは分かりません。

ので、臨床に即した漢方の話をしています。

将来、1つでも印象に残る話があればいいのですが、意外に雑談の方が頭に残っていることが多いのかも知れません。

外来診療、病棟診療、介護施設、自宅での漢方にまつわる話をしています。

学生さんも多少は興味を持ってくれているのでしょうか?

この3ヶ月で講義回数が限られますので、精一杯できることはやってみます。

少しでも漢方薬を試してみたい、と思ってもらえたら、こちらはありがたいです。

 

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