抑肝散をかゆみに使う

抑肝散(よくかんさん)は、もともとお子さんの夜泣きに作られた漢方薬です。

現在は認知症の周辺症状(BPSD)によく使われています。

暴言、徘徊、せん妄、幻覚、多弁などがあります。

これらの症状によって介護する側が疲弊します。

抑肝散を飲むと、これらの症状が改善して扱いやすい人になってきます。

自宅、病棟でも介護側の負担が減ります。

本人さんも機嫌が良いです。

もう1つのトピックスは慢性疼痛に有効だということです。

頸痛生神経症状、帯状疱疹後神経痛、瘢痕部疼痛などの慢性疼痛症例において、抑肝散の疼痛軽効果が認められています。

術後せん妄にも有効です。

さらに皮膚のかゆみにも対応できます。

慢性湿疹、アトピー性皮膚炎などにも使っています。

寝る前に抑肝散を2包頓服で飲むと、睡眠導入剤の代わりになります。

イライラする状況があれば、よく聞くイメージがあります。

 

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インフルエンザに麻黄湯を使うときは

インフルエンザが増えています。

例年より1ヶ月早い流行です。

インフルエンザに麻黄湯(まおうとう)を使う時にはコツがあります。

やはりインフルエンザは別格の感染症ですので、麻黄湯単品では歯が立たないことが多いです。

麻黄湯+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を使います。

ツムラでいうと27番、28番の連番です。

半量ずつでも結構ですが、解熱傾向が見られるまで、汗をかくまで、おしっこが出るまで、どれか1つを認めるまで寝ている時間を除いて2時間おきにガンガン飲みます。

少量ずつしか飲めないなら、それで結構です。

少量ずつ4回、5回と飲んでみます。

37.5℃以下にしっかり解熱しなくても、解熱傾向があれば小柴胡湯(しょうさいことう)に変更します。

咳が気になれば、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)あるいは五虎湯(ごことう)を追加して飲みます。

抗インフルエンザ薬を併用したい方は問題ありません。

保険的にも大丈夫です。

インフルエンザウイルスが増殖する前に、治療して回復期に持っていきたいですね。

 

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ニキビの治療 続き

軽症から中等症で紅斑、丘疹があれば十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)です。

結構赤ら顔で、ニキビの赤味が強い場合は黄連解毒湯(おうれんげどくとう)です。

もともと皮膚が浅黒い方のニキビは荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。

化膿が目立って、発赤もある場合は清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)です。

もともと、皮膚が荒れている、虚弱な場合は、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を併用したりします。

うちでは抗生剤の内服はしていません。

生活習慣の改善と、漢方薬で十分治っています。

ただい、根気はいりますよ。

1ヶ月、2ヶ月と月単位で内服が続きますから。

男子学生さんは意外に続けて飲んでいます。

ビックリ!

肌はキレイになってきますねー。

上記の漢方薬に前回の記事で書いた桂枝茯苓丸は追加可能です。

漢方薬は2つまでなら、サッと同時に飲んでも良いです。

 

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桂枝茯苓丸でニキビを治す

中学1年生の女子です。

もうすでにニキビができています。

色白の肌に赤いブツブツした小さなニキビが目立ちます。

前額部(おでこ)、顔面、背部に多く見られます。

体調は良好で特に病気はありません。

微小循環障がいを改善することで赤いニキビを治してみようと桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を開始しました。

1ヶ月後再診。

「おでこ、顔のニキビはかなり消えてきました。背中にはまだ残ります」

化膿した皮膚はありません。

赤いニキビは炎症を起こし、一部化膿することもあります。

今回は桂枝茯苓丸だけでいけそうです。

あと2ヶ月くらいは内服して終わりにできそうです。

 

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よだれかぶれの赤ちゃん

よだれが多い赤ちゃんがいます。

元気いっぱいです。

ただ、よだれが多く出るため口の周り、あご付近の皮膚が荒れて真っ赤になっています。

本人さんも気になるのか自分の手で皮膚をこすります。

こするためさらに皮膚が荒れて一部出血、化膿しています。

お母さんが保湿剤を塗ってくれていましたが、なかなか良くならないために受診されました。

保湿剤では対応しきれていないので、ステロイド薬+抗生剤の軟膏のミックスに変更しました。

さてここで漢方薬です。

よだれが多いのは、口腔粘膜の炎症でも起こりますし、腸管の冷えでも起こります。

中には原因不明なものもあります。

食欲旺盛な赤ちゃんなので人参湯(にんじんとう)を飲んでもらいました。

パクッと飲んでくれます。

2週間内服したら次第によだれが減って、皮膚がキレイになってきました。

1ヶ月も経たないうちに皮膚の発赤、化膿もなくなり、皮膚にツヤが出てきました。

おなかが冷えていたのかしらん。

こういう作戦は大人の方でも使えます。

 

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小学校高学年の冷えに漢方薬を

お母さんが漢方薬を飲んでおられます。

その娘さんです。

小学校の高学年です。

冷え症でよく鼻水が出ます。

アレルギー性鼻炎がありますので、一旦鼻水が出ると止まりません。

抗アレルギー薬を飲むと症状は軽減しますが、冷えが治まらず何とかならないと相談がありました。

漢方薬は粉薬のエキス剤は苦手で飲めません。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)はカプセルも発売されているので試してもらいました。

これが良かった。

大人は1回2カプセル、1日2回から3回内服です。

1回1カプセル、1日2回で開始しました。

これでちょうど鼻水が止まり、カラダが温まりました。

鼻水が止まらないときは、1回に2カプセル飲むと何とか治っていきます。

軽い咳までならこれで治る、と本人さんが言います。

すべての漢方薬に錠剤、カプセルはありませんが、あるものの関しては上手に利用されると良いです。

 

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虫垂炎を漢方薬で治す

急性虫垂炎になった方がいます。

夕方から胃が痛い感じがしました。

胃薬を飲んで様子をみていたら次第に痛みが増してきました。

夕方5時過ぎには痛みが下方に移動してきました。

熱はありません、吐き気、下痢もなし。

胃痛が夕方には腹痛になり、痛みの場所が右下腹部になりました。

痛み止めを飲んでも治らないので、救急外来を受診しました。

レントゲン写真、腹部超音波検査、血液検査などを受けて急性虫垂炎と診断がつきました。

外科の先生から手術適応にはならないので抗生剤の点滴をすると説明されました。

いわゆる、「痛みを散らす」というやつです。

点滴後は抗生剤の内服を続けて終わりです。

患者さんが救急外来翌日に相談に来られました。

軽度ですが右下腹部痛が残るようです。

飛び上がるほどの痛みではありません。

こういうときは大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)です。

昔はこれで虫垂炎を治していたようです。

右下腹部の痛みには有効です。

なぜ右下腹部によく効くかはまだわかっていません(医学的根拠はなし)。

でも確かにいい。

うちでは以前、大腸憩室炎の方によく使ていました。

発熱、腹痛でのたうち回っていたいた人に頻用していました。

結構良かったです。

 

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耳鼻科と漢方薬

昨日は耳鼻科の先生を講師に招いて漢方勉強会をやりました。

耳鼻科では、鼻炎、副鼻腔炎、めまい、扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍などに漢方薬が頻用されているようです。

めまいは苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)をよく使っていると伺いました。

小児科と耳鼻科はオーバーラップするところが多いですが、鼻炎、副鼻腔炎は漢方薬を是非使ってもらいたいところです。

抗ヒスタミン薬、去痰薬のみでは、鼻腔は通りません。

漢方薬を介入させることで、もっと鼻の炎症が抑制され、鼻腔、副鼻腔が開き、呼吸が楽になり咳も治まります。

特に小児は麻黄(まおう)に強いので、麻黄が含まれる漢方薬を中心にガンガン使ってみていただきたいです。

葛根湯、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻杏甘湯(まきょうかんせきとう)、五虎湯(ごことう)など、です。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)には麻黄が含まれません。

大阪の今中先生の処方されているものを勉強して、外来で試しています。

なかなか鋭い効果にある処方に助けられています。

中耳炎にすぐ抗生剤を出すのを控えましょう(程度問題ですが)。

 

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カゼの予防

カゼの予防に効く漢方薬くださいと言われます。

特に決まった漢方薬があるわけではありません。

この時期になると疲れて免疫が下がってカゼをひくなら、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。

インフルエンザの予防効果も証明されています。

と言って、絶対かからないわけではありません。

おなかが冷えて軟便になって困る人は、人参湯(にんじんとう)です。

確かに人参湯を飲んでおると、おなかがポカポカして軟便が改善されます。

カゼもひきにくくなります。

しもやけになる人は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を飲むと手指末端から温まってきます。

冷えからくる頭痛は減ります。

イライラする人は、抑肝散(よくかんさん)を飲むと怒りのピークが下がります。

飲んでいる間は、カゼをひかずニコニコしています。

まだまだ他にも対応策はあります。

一番大事なことは、自分に合う漢方薬を飲んでおくことです。

 

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小児の便秘症

潜在的には患者さんは多いです。

医療機関に相談せず様子をみてたり、自宅で浣腸をやっている方も多いと思います。

特別な病気がなければ、小学校に上がる頃には、毎日でなくても数日に1回排便があるようになります。

1週間に1回しかお通じがなくても、お子さんが困らなければ大丈夫です。

3日に1回排便するたびに、お尻が切れる、おなかが痛い、吐き気が起こる、食欲が低下する等があれば治療対象です。

食事、睡眠、運動などの生活習慣はできる範囲で気をつけます。

西洋薬では下剤、浣腸になります。

うちではこれらは最終手段にしています。

浣腸を連日やるという指示を出している処方箋を時々みます。

お子さんからすれば、かなりストレスですし、保護者も大変です。

軽症から中等症までは小建中湯(しょうけんちゅうとう)が使いやすいです。

体重が10kgなら、1日で2包(5.0g)飲みます。

2週間試せばわかります。

ダメなら量を増やすか、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)などに変更します。

大甘草湯などは10sで、1日1包(2.5g)飲みます。

おなかが冷えるなら大建中湯(だいけんちゅうとう)、大黄甘草湯で強すぎるなら桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)を使います。

まだ他にも手はあります。

あれこれ試して、うちの子にはこれが合う!と思われるヤツに出会いましょう。

酸化マグネシウムを少量追加すると、うまくく例もあります。

漢方薬+酸化マグネシウムです。

毎日便が出なくても3日、4日に1回スッとおなかが痛くなく、お尻も痛くなく出るのが良いです。

 

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慢性腰痛

慢性腰痛症の場合、原因によって漢方薬を使い分けます。

血の巡りが悪い、具体的に言うと微小循環障がいの時には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、通導散(つうどうさん)、疎経活血湯(そけいかっけつとう)などを使います。

整形外科で調べても、明らかな腰痛の原因が見つからないときは多くあります。

あれこれ試してもダメ時は、微小循環障がいがあるかな、と考えてください。

舌が赤黒い、青タンができやすい、毛細血管が皮膚に浮き出ている、目の周りのクマ、女性なら月経に関するトラブルが多いなどなど。

1週間も飲めば効いたかどうかわかります。

原因が分からない腰痛の方に桂枝茯苓丸を飲んでいただいて、ビックリするくらい早く腰痛が軽くなった方を診てきました。

通導散は便秘気味の人には使いやすいです。

お通じが良くなるとともに腰痛が軽快します。

ただただシップを貼って、痛み止めを飲むだけなら、こういう漢方薬を試す価値はあります。

 

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下肢静脈瘤に漢方薬を

40代男性の相談が続きました。

両下肢の静脈瘤です。

下肢の静脈がモコモコと盛り上がってきて痛みを感じるようになりました。

1人目の方は、静脈瘤が大きくなってきたので先に専門医に紹介しました。

結果、レーザー治療の対象となり日帰り手術で帰ってきました。

以後、再発を認めていません。

2人目は立ち仕事の男性です。

1日8時間ほぼ立ちっぱなしで作業をされています。

下肢の静脈瘤は軽度ですが、痛みを伴います。

これ以上悪化すると、レーザー治療の対象です。

弾性ストッキングをはいてもらって、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を開始しました。

1ヶ月後は、新たな静脈瘤ができなくなり、以前からある静脈瘤はサイズが小さくなってきました。

2ヶ月後は、ほぼ静脈瘤が目立たなくなりました。

仕事は以前と変わらない状況です。

それでも軽快しているのはありがたいです。

桂枝茯苓丸は、もう少し内服を続けます。

 

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胃腸が弱い人に

胃腸が弱くて困っている人に使える漢方薬があります。

食べると胃がもたれる、痛い、おなかが空かない、ゲップが出る、気分が落ち込むなどなど。

胃カメラを飲んで検査をしても胃炎程度しか見つからず、胃薬で対応されます。

胃薬を飲んでも一向に症状が治らないという状況。

こういうときは六君子湯(りっくんしとう)を飲んでみます。

甘くて飲みやすい漢方薬です。

胃薬を併用しても大丈夫です。

胃が痛いときは安中散(あんちゅうさん)を追加しましょう。

気分も良くなるのでありがたいです。

 

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インフルエンザ出てきました

うちでもインフルエンザの患者さんが出てきました。

流行にはほど遠い状況ですが、一気に感染が広がる可能性がありますから注意です。

インフルエンザにかかったら、タミフル(ドライシロップ、カプセル)の内服、リレンザの吸入、イナビルの吸入、ゾフルーザ(錠剤のみ)の内服のどれかを選択することができます。

軽症なら、抗インフルエンザ薬は使用しなくても治ります(自分で治します)。

漢方薬は、患者さんの状態によって使う漢方薬が異なります。

典型的な高熱、頭痛、全身倦怠感、咳があり、グッタリしていれば麻黄湯(まおうとう)が適応です。

お子さんから高齢の方まで適応があります。

この漢方薬が強い漢方薬なのではなくて、これを飲みと患者さんのカラダに、免疫を立ち上げ、発汗して解熱させるという強い生体側を起こさせます。

生体側に強い反応を起こさせるのが目的です。

ですから、高齢の方でも十分説明をして、37.5℃以下に解熱する、発汗する、おしっこが出る、この3つのうち1つでも認めたら内服中止してもらうようにします。

3回、4回も飲めばよほど強力なウイルスでなければ生体側の反応は見られます。

お子さんは麻黄に強いので、寝ている時間を除いて2時間おきにガンガン飲ませます。

高齢の時と同様に3つの反応のうち1つでも見られたら、サッと内服を中止します。

インフルエンザにかかって、グッタリとしている、元気がない、悶え苦しむ様子があれば、麻黄湯を強力にします。

大青竜湯(だいせいりゅうとう)を使います。

これはエキス剤にないので、麻黄湯+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)で近似処方を作ります。

これは汗をかいていない状況で使います。

少し汗をかいたけど、まだ高熱持続中なら、桂枝湯(けいしとう)+麻杏甘湯(まきょうかんせきとう)で、近似処方を作ります。

4回、5回飲んでも解熱しないなら次の手を打ちます。

抗インフルエンザ薬の併用は可能です。

 

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お子さんがカゼをひいたら

生後1ヶ月から漢方薬は使えます。

実際使っています。

生後1ヶ月、3ヶ月の鼻水、鼻づまりとか。

使える薬がありません。

鼻汁吸引をしながら麻黄湯(まおうとう)をチビチビ舐めてもらいます。

ゴックンと飲み込む年齢ではありませんから、ごく少量ずつで結構です。

1日2回あるいは3回で、4,5日は続けます。

軽症から中等症であれば一旦症状は軽快します。

麻黄湯はお子さんにとっては便利でありがたい漢方薬です。

手元に麻黄湯があれば、カゼをひいても1日、2日は自宅でやり過ごせます。

常連さんたちは自宅に少なからず麻黄湯のストックを持っています。

急な発熱があれば、麻黄労を寝ている時間を除いて4回、5回飲みます。

発汗する、汗をかく、おしっこが出る、この3つのうちどれか1つを認めたら、麻黄湯の内服は中止です。

鼻水、鼻づまり、咳があれば、1日2回、3回と麻黄湯を飲ませて、急な発熱があれば2時間おきに内服です。

これさえ知っていれば、平日の夜、週間にお子さんが調子悪くなっても、自宅である程度は対応っできますし、安心です。

強いて言えば、麻黄湯はおなかのカゼには全く使えませんので、五苓散(ごれいさん)を持っていると楽です。

嘔気、嘔吐、下痢、頭痛、乗り物酔い等、適応範囲が広いです。

 

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しもやけができた

もうすでにしみやけができた方が来院されました。

3年前から来院されています。

早くない?という感じですが、手指を拝見するとすでに皮膚が赤くなって腫れています。

カルテを見ると昨年より内服開始が遅いです。

昨年は外気温がもう少し冷えていたのでしょうね。

この方は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)が合っています。

が、これだけでは手指の冷えがきつくて困る日もあったと言われます。

そこでこの方にはブシ末を追加しました。

70代の女性ですからブシ末を選択しました。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効果を増強する目的です。

若い人にはブシ末は使いにくいので、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などを追加して冷えの改善を目指します。

やっと冷えの漢方処方希望が増えてきた、という状況です。

 

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治打撲一方を使う

治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)を使っています。

外来で外傷がらみの相談があります。

畑仕事をやっている方も同様の扱いです。

ずっと全身を使って作業をしていますから、外傷がらみと一緒だと考えます。

左手が挙がらない、後方へ曲げられない、膝が痛い、腰が痛い、足底(足の裏)が痛い等、多くの訴えがあります。

明らかな打撲でなくても、外傷がらみ、作業、スポーツで酷使した結果、症状が起こったと判断できるものには、治打撲一方を1週間試してもらいます。

1週間で痛みが和らぐと言われた方は、痛みが3/10以下になるまで飲み続けてもらいます。

かなり痛みがひどい人も軽快することが多いです。

血流を良くする(微小循環障害を改善する)には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を追加します。

 

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腰から下が冷える方へ

冷えてきました。

漢方外来にも冷えに使える漢方薬を希望される方が増えてきました。

昨日はすでに凍瘡(しもやけ)になり始めた70代の女性が来られました。

冷え用の漢方薬は多くありますが、冷える場所によって使い分けます。

先日来られた女性は、「腰から下が冷える」と冷える箇所を限定されました。

そうです、腰から下だけが冷えるのです。

ですから、腰から下熱産生を促す、生体側の応答を引き出す漢方薬を使えば良いわけです。

こういうときは、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)です。

腰から殿部にかけて水に浸かったような冷えを感じます。

まさしく部位限定なのです。

冷えると腰痛を起こし、頻尿になることもあります。

これらも改善してきます。

まずは1週間は飲んでみます。

合うと分かれば冬の間、使ってみましょう。

 

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まずは飲んでみよう、漢方薬

漢方薬は、まずは飲んでみることです。

私が研修医のときにカゼをひいたら、先輩が、「ほい、飲んでみ」と葛根湯をくれました。

水で飲みましたが、全くカゼも治らず、「効かないねー」と思っていました。

今思うと、葛根湯2包をお湯で一気に飲むとカラダが暖まって発汗しますよね、という飲み方を知らなかったから仕方がないよねー、とわかります。

飲み方も大事ですが、まず自分に合う漢方薬かは飲めばわかります。

うちのスタッフも最初は漢方薬を全く飲みませんでした。

外来で患者さんに話をしていても、かなり後方で立っていることが多かったです。

患者さんたちが、「治る!」と言い始めたのを聞いているうちに、スタッフも私のすぐ後ろに立って話を聞くことが多くなりました。

それからは、自分やお子さん、家族に漢方薬を試してくれています。

やはり、患者さんがあれこれが治る!と言われることが大きな影響を与えます。

漢方薬でこの症状が治った、軽快したと思われた方は、周囲の人に教えてあげてください。

簡単な例でいくと、毎晩足がつって困っている高齢の方に芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を頓服で飲む方法を知らせたら、ものすごく喜んでくれます。

こんな薬があったのか!と言われます。

月経痛、頭痛、胃の調子が悪い、イライラする等、西洋薬を使いつつ漢方薬で何か手はないの?と聞いてください。

知っていることは教えます。

ちょっとした手をうつだけで、カラダが楽になるならありがたいじゃないですか。

そんなスタンスで外来をやっています。

 

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肩こりに使える漢方薬

首の後ろ、項部(うなじ)が張る、凝って肩こりがするならば葛根湯です。

え?でしょ。

葛根湯はカゼクスリではありません。

1回2包を頓服で飲みます。

筋肉痛、凝りがきついなら麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)を追加しましょう。

これは急性筋肉痛の漢方薬です。

葛根湯の中に麻黄(まおう)が含まれますので、胃に障る方は葛根湯の麻黄抜きの桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)があります。

これを使いましょう。

桂枝加葛根湯を1回に2包頓服で飲んでみましょう。

何回か試すと、自分に合うかどうかわかります。

 

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ヘバーデン結節に漢方薬

ヘバーデン結節は中高年の手指のDIP関節の痛み、こわばりを起こします。

私の手指もなっています。

痛いんですな、触ると。

これには特に治療法がないと思っていました。

先日聞いた漢方の講演会で使える漢方薬があると知りました。

原則は、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を基盤にしていくことです。

手指を温めて痛みを取る作戦です。

女性でストレスがらみは、加味逍遙散(かみしょうようさん)を追加します。

1回試してみようと思います。

 

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高血圧と漢方薬

45歳の男性です。

岐阜市の漢方外来通院中です。

動悸、片頭痛で相談に来られました。

現在、動悸は炙甘草湯(しゃかんぞうとう)、片頭痛は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)の頓服で調子が良いです。

先月、高血圧の相談がありました。

会社の健診で高血圧を指摘され、以後自宅で家庭血圧を計っていました。

130後半/90前後が続いています。

降圧薬を飲むかどうか悩むところです。

これ以上血圧が上がるなら降圧薬を飲むという話もしました。

何か血圧を下げる漢方薬がないか、あれば試したいと言われます。

そこで釣藤散(ちょうとうさん)と桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)をお出ししました。

釣藤散は中高年の朝に多い頭痛、脳内の循環障がい、血管抵抗の増加による血圧上昇に使います。

約1ヶ月飲んでもらいました。

「先生、血圧が10くらい下がりました」

120−130前半/80以下で安定しています。

他に症状もありません。

健診の再診でも異常なく終わりました。

この程度の高血圧なら、漢方薬でも下がります。

 

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咳に麻杏甘石湯を使う

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)は乾性・湿性咳嗽どちらにも使えます。

最近までずっと湿性咳嗽のみに有効だと思っていましたが、千葉の秋葉先生の講義ビデオを観たら両方とも有効だとおっしゃってました。

ので、外来で早速試し始めています。

発熱があっても使えます。

私は、麻杏甘石湯に桑白皮(そうはくひ)を追加した五虎湯(ごことう)をもっぱら使っています。

小児には飲みやすいようですし、キレもよく夜間の咳嗽、喘鳴にも有効だと考えています。

浅田宗伯は、五虎湯に二陳湯(にちんとう)を追加して使っていたそうです。

これも試してみようかと思っています。

麻杏甘石湯、五虎湯は、カゼにも気管支喘息にも有効なのでありがたいです。

大正時代に起こったスペインカゼに森道伯が五虎湯を使って治したという話もあります。

一度試してください。

 

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うがいで漢方薬を飲む

サッと漢方薬を飲むにはもったいないシリーズがあります。

その代表選手が桔梗湯(ききょうとう)です。

ノドが痛いと感じたら自宅で飲み始めるのが正解です。

私は外来に桔梗湯が置いてあります。

外来中にノドが痛くなったら、桔梗湯を1包飲んでうがいします。

うがいしてから、上を向いてノドに漢方薬を当てて10秒くらいしてからゴックンと飲み込みます

ベーッと吐き出しても良いです。

すると、ノドがツルッとコーティングされた感じになって痛みが治まります。

これは1回やってみないとわかりません。

甘い漢方薬なので、気楽に試してください。

お子さんでも、うがいができるならやってもらっています。

サッと飲まずに患部に当ててから飲む(吐き出す)のがコツです。

ノドが乾燥してイガイガしたら麦門冬湯(ばくもんどうとう)を飲んで、さらに桔梗湯を飲む感じですかかね。

外来で毎日やっています。

感染症を防御しています。

 

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お子さんの鼻づまり

お子さんの鼻づまりはどうしてますか?

耳鼻科、小児科で鼻汁吸引をやってもらうと、鼻はスッキリします。

でも家に帰った頃には、再び鼻がつまり始めています。

乳幼児からは麻黄湯(まおうとう)が使えます。

うちでは生後1ヶ月から漢方薬をなめてもらっています。

軽い鼻づまりなら数日で楽になり哺乳も楽にできます。

麻黄湯で鼻が通らない時には、葛根湯加川辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を使います。

感冒様症状と鼻閉の緩和を図ります。

人によっては悪寒(おかん)がします。

これを併せて飲ませるのは小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が多いでしょうか。

この組み合わせでもダメなら、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)を使います。

鼻腔、副鼻腔にネバネバ、ドロドロの硬い熱を持った鼻水の塊がたまっているイメージです。

辛夷清肺湯を飲むと、症状が悪くなったかと思うくらい、汚い鼻水がドーッと出てきます。

水分を摂って、鼻をかんでもらってください。

鼻がかめないお子さんは医療機関で鼻汁吸引してもらってください。

ちなみにうちは予約なしで鼻汁吸引はやっています。

受付で希望を申し出てください。

状況を確認してから、処置を行います。

話を戻しますが、辛夷清肺湯と排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の組み合わせなどもオッケイです。

まだ他にも手があります。

 

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カゼをひいた後の咳で困ること

カゼをひいて咳が始まりました。

例えば、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を飲んでみました。

高熱も治まり、咳も軽快しましたが、まだ痰がからみスッキリ治り切りません。

1週間以上も咳、痰が続き、夜もぐっすり眠れず次第に不安が出てきました。

「ただのカゼなんだろうか、経過が長くなってきたけど、悪い病気じゃないよな」

こういうときに使えるのが竹温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。

インフルエンザの適応も通っています。

お子さんにも試していますが、大人の方に合いそうな印象です。

抗生剤、抗アレルギー薬、去痰薬などはそのままに、竹温胆湯を1週間追加して経過をみてみます。

うまくいくなら2週間以内の内服で咳が治まってくれる可能性が高いです。

 

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昨日の漢方外来の状況

冷えを訴える方は先週に引き続き、まだ少ないです。

昼間が暖かいですからね。

昼間が20℃を下回るようになると、冷えを訴える方、例年もらっている漢方薬を希望される方が増えてきます。

インフルエンザの予防に使える補中益気湯(ほちゅうえきとう)を希望される方が多かったです。

家族分を持っていかれた人もいました。

家族内で長男さんだけが虚弱体質なので、彼だけ小建中湯(しょうけんちゅうとう)というのもありました。

自分に合う漢方薬を飲む続けるとカゼを引きにくいです。

朝夕の冷えから鼻カゼをひいて副鼻腔炎(蓄膿)になり、耳鼻科で抗アレルギー薬、抗生剤などをもらって飲んでいるがスッキリしないので何とかならないか、という相談がありました。

鼻水がドロドロでかんでも出てこない、顔面、前額部(おでこ)が痛いと。

粘稠な鼻水が固まっています。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)ダメなら荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を使うと5日目くらいから汚い鼻水がドロドロと出てきます。

出し切ってください、スッキリします。

抗ア剤、抗生剤の併用は可能です。

昨日はチックの相談が多かったです。

保護者の方がチックだとわかっていないケースもあります。

咳チックで、カゼがこじれていると思って咳止めを1ヶ月以上飲ませていた、という話も出ました。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)などを駆使して治します。

寒い季節でも汗が止まらないという相談が2件ありました。

なかなか難しいです。

心理的要素が大きいのでしょうが、汗をかくスイッチがなぜ入ってしまうのか、あれこれ試しています。

60代、70代は牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、六味丸(ろくみがん)で絶好調な方が多いです。

皆さん、元気ですわ。

何でもかんでも漢方で治るわけがありませんが、困ったときに意外に使えるものがあります。

気楽に聞いてください。

 

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女性に限らず血の巡りが悪いなら

病気になる、病気になって経過が長い、要は慢性化している。

こういう場合は、必ず血の巡りが悪いのです。

微小循環障がいと言います。

例えば皮膚疾患があります。

慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬など難治性の疾患として有名です。

西洋医学的にはステロイド軟膏を外用します。

ス剤を使う、ましてや内服するということはどういうことか。

微小循環障がいを作っているのです。

微小循環障がいを治すべきところへ、微小循環障がいを作りに行っていることになります。

ですから、この微小循環障がいを改善するのが一番よろしい。

この状況には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。

桃仁、牡丹皮は1.3倍多く含まれる桂枝茯苓丸加ヨクイニンの方がベターです。

これがなければ桂枝茯苓丸で十分です。

これを2週間、1ヶ月、2ヶ月と続けると皮膚の微小循環が良くなり、皮膚の発赤、かゆみなどが軽快してきます。

桂枝茯苓丸は女性だけの漢方薬ではありません。

男性でも使えます。

お子さんでも大丈夫です。

私はなんやかんやで15年くらい使っています。

私はのぼせに使うことが多いですが、湿疹、しみにも有効でした。

 

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私はこれを飲んでいます3

外来の最中にのぼせることがあります。

ここ5年間くらいで回数が増えてきました。

初めはのぼせに気づきませんでした。

「暑いなー」程度でした。

次第に、上半身がカッカとし始めるようになってきて、「あ、これ、のぼせだ」とわかりました。

夕方の外来の途中で起こることが多いです。

どうするか?

以前は冷たい水で顔を洗って、冷たい飲み物を飲むなんてやっていましたが、のぼせにはあまり有効ではありませんわな。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を飲むことにしました。

1回に1包、治まりがが悪い時は2包を一気に飲みます。

だいたい15分もあれば、のぼせが消えて元気全開になり、外来に集中できます。

オッサン更年期みたい。

桂枝茯苓丸を飲むと、のぼせを冷ましドンドン暑さが下に下がっていくのを体感できます。

日頃から内服しても構いませんが、私は発作的に起こるので、頓服で使用しています。

 

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私はこれを飲んでいます2

カゼを軽くひきます。

何も飲まずに大丈夫だろうと経過を見ていました。

2日目からノドが猛烈に痛くなってきました。

熱もなく咳も出ませんが、ノドの粘膜がヒリヒリします。

ここまでくると桔梗湯(ききょうとう)ではありません。

私は小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)を2包ずつ3回飲みます。

だいたいの場合は1日で治ってしまいます。

小柴胡湯加桔梗石膏はノドの炎症を抑える反応をカラダに起こしてくれます。

それで、私自身が治したのです。

抗生剤は毎回使っていません。

3日間なら抗生剤併用でも良いかなと思います。

細菌感染を疑えば、しっかり使いましょう。

 

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