人は困ったら漢方薬を飲む?

漢方薬を嫌う方がいます。

考え方はいろいろありますから、漢方薬を無理矢理飲ませることはありません。

効かない、と思っている方は存在します。

科学的ではないと頭から信じている方も知っています。

自分に困ったことが起こったときに漢方薬を飲むかどうかです。

足がつった、でも勝手に治っておくからいいか、放置しよう。

こむら返りする回数が増えた、筋肉痛もきつくて困る。

そう困るときに使ってみたらいいんです。

困らないときは使わない。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を1包、あるいは2包を一気に飲むと5分でこむら返りが治ります。

漢方は嫌いだ、という先生も、自分で足がつったら芍薬甘草湯を飲んでいます(外来では処方してくれない)。

でも御本人は、効く、って知っているんです。

それを患者さんに教えてあげてください。

漢方薬ですべてが治るとは思いません。

新薬(西洋薬)でうまく行かないときに使ってみてください。

冷え、微小循環障がい(月経関連、慢性疾患)、水分調節、虚弱などは漢方薬が得意とする分野です。

まず1つ、次にまた1つと試してください。

自分のこの症状にはコレが効く!、という武器を少しずつ増やしていきましょう。

 

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過敏性腸症候群のお子さん

漢方外来に中高生が来るようになりました。

コロナストレスで調子悪かった人は少なく、以前からの悩み事相談が多いです。

意外に多いのは過敏性腸症候群の下痢型です。

授業中、テスト中におなかが痛くなって下痢してしまうことがあり、学校生活で困っています。

新薬(西洋薬)を試したが、今一つと言われます。

ここで治れば大丈夫ですが、今一つなら漢方薬を試してみますか、という話になります。

自分が過敏性腸症候群の下痢型だった(?)ので、よーくわかります。

高校の頃は電車に乗って名古屋まで行けなかったですから。

電車に乗ったら、30分以内におなかが痛くなって下痢してしまいますから。

気が気ではありません。

特急電車なんて乗れませんから(各駅停車か当時の準急というのに乗ってました)。

漢方外来に数十年来過敏性腸症候群の下痢型で困っていた方が、たった1日で治ったなんてことがあります。

これは漢方をやっている先生では『あるある』です。

例えば、おなかがゴロゴロする、下痢するなら、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)です。

腹痛、下痢なら、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)です。

まずは、ここからお試しになってはいかがでしょうか。

 

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この冬に向かってすること

コロナのおかげでカゼもひかず、熱も出ず、皆さん元気です。

鼻カゼ、イネ科花粉症の方は来院されますが、熱が出た、下がらない方はほとんど見かけません。

暖冬傾向も相まって、今年の冬はインフルエンザもそう流行しないだろうなーと思っています。

できることは、元気に過ごすこと。

さらに具体的には免疫を上げることです。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)がお子さんから大人まで使えます。

入院している、入退院を繰り返している、抗がん剤治療中、免疫抑制がかかっている方は十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)が良いでしょう。

肺の病気がある、貧血がある、精神が不安定なら人参養栄湯(にんじんようえいとう)が使えます。

冷えがある方は冷えを改善しましょう。

おなかが冷えて便が緩いなら人参湯(にんじんとう)、四肢の末端が冷える、腰痛、背部痛、頭痛なら当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、腰がピンポイントで冷えるなら苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、上半身はのぼせるが下半身が冷えるなら五積散(ごしゃくさん)など、対応するものがいくつかあります。

後は、抗酸化ストレスをためないようにして、元気に過ごしたいものです。

 

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毎度、五苓散ですが

五苓散(ごれいさん)という漢方薬の話です。

お子さんから大人まで重宝する漢方薬です。

カラダの中の水のバランスを取る漢方薬です。

水分が足らないなら、水のチャンネルを開けて水を入れ、水がパンパンに入っている状態なら、水のチャンネルを開けて水を出します。

特に脳内の水のバランスに関しては、医学的根拠(エビデンス)が出ています。

脳炎、脳内の出血、脳腫瘍などの際には五苓散がバンバン使われています。

夏の熱中症、二日酔い、急性胃腸炎なども同様です。

高熱が出てボーッとしている時は、五苓散をまず飲んでから、葛根湯を追いかけて飲むと、スッと解熱することがあります。

お子さんなら、五苓散→麻黄湯(まおうとう)でしょう。

外来では五苓散坐薬使用、帰宅後麻黄湯2時間おきに内服、という作戦です。

五苓散は、めまい、乗り物酔い、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢にも使えます。

一家に一束(ひとたば)五苓散といったところでしょうか。

是非試してください。

 

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気分が塞ぐときの漢方薬

人間ですから、まさか自分がこうなるとは、ということが起こります。

急に気分が塞ぎ込んでしまう。

コロナだけが原因じゃない、人間関係、家族の問題、仕事・お金の問題、、、3つ、4つが絡まって起こっているみたい。

ご飯は食べられる、不眠はない、でも何か気分が盛り上がらない。

こういうときは、漢方薬を試してみましょう。

精神科領域の薬ではありませんので、飲んで合わないと思えば急に内服を中止しても大丈夫です。

何も起きません。

もし、うまく合ったとしても便秘などの副作用も出ません。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、香蘇散(こうそさん)、帰脾湯(きひとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)などがあります。

半夏厚朴湯は、ノドが詰まった感じがする、香蘇散は、ちょっと暗くなった患児、帰脾湯は、漠然としているが強い不安感、加味帰脾湯は、抑うつ状態を目標にします。

まずは1週間お試しください。

 

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歯科で使える漢方処方

歯根膜下膿瘍、歯性上顎洞炎まではいかなくても、歯科医の先生に、「根っこのところにウミが溜っています」と言われたら使える漢方漢方薬があります。

抗生剤はある期間は必要です。

ダラダラ使っても細菌数が減りますが、根本的にはなかなか治りません。

お薦めは荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。

苦い漢方薬ですが、1週間、2週間と続けてください。

最初の1週間以内に、ウミが減った、腫れ・痛みが減ったら、今回の自分の症状には合っているな、とわかります。

ウミが少ないと排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)で何とかありますが、奥深いところのウミは荊芥連翹湯を使っています。

自分も歯が悪いので、奥歯の根っこに膿瘍ができて苦労しました。

荊芥連翹湯を飲んで数日で口腔内にドッと汚いウミが出てきました。

と、同時に痛みがスッと引きました。

鎮痛剤を飲むのを繰り返すぐらいなら漢方薬をお試しください。

 

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香蘇散をカゼに使う

高齢の方ですぐカゼをひくと言われます。

高熱でもありません、咳込んでもいません。

御本人さんはカゼをひいたと訴えます。

自分で調子が悪いと感じる程度の変調のようです。

新薬(西洋薬)だとPL顆粒を処するのでしょうか?

こういう方に香蘇散(こうそさん)を使います。

飲みやすい漢方薬です。

ちょっとグズグズと小さな声で話をする患者さんに使いやすいです。

胃にもきません。

軽いマイナートランキライザーとしても使えます。

あ、魚を食べて当たった時にも使えます。

 

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おなかがペッタンコ

80代の男性が受診されました。

奥様が先に通院中です。

最近あちこちが調子悪い言うので一緒に来ましたと。

一番気になるのは夜間の頻尿です。

男性は80歳半ばにしては、元気で姿勢もよく大きな声でお話をされます。

ジムにも行き、食事にも気を遣っているとか。

血圧の薬などは何も飲んでいませんと。

既往歴に脊柱管狭窄症があります。

診察では特に大きな異常はありません。

強いて言えば、下腹部の皮膚の張りがなく、ペッタンコ状態です。

漢方でいう「小腹不仁」です。

こちらの手指を立てて、おなかを触っていくと、臍から下方へ離れた所で指がグッと沈む箇所があります。

これは、八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)を処方する目標になります。

この方は脊柱管狭窄症もあるので、下肢のしびれなどにも対応できる牛車腎気丸とコウジン末を追加しました。

コウジン末はカラダが元気になる生薬です。

何らかの漢方薬に追加して処方します。

夜間の頻尿が少しでも良くなればありがたいです。

 

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『院長の小窓』を更新します

なかしまこどもクリニックのホームページにある『院長の小窓』を更新します。

1つの漢方薬を使い切るというテーマでやっています。

漢方薬を2つずつ紹介する形になっております。

漢方薬にイメージ、使えそうな患者さんのイメージが湧けばありがたいです。

最後に鑑別処方をあげてあります。

よく似た症状で使える漢方薬を載せてあります。

今回あげる漢方薬は、「小半夏加茯苓湯」と「消風散」です。

どちらも日常診療では使う頻度が少ない漢方薬ですが、知っておいて損はありません。

画面を停止しながら眺めていただくと嬉しいです。

 

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今日はオンラインセミナーをやります

医師専用ですが、オンラインセミナーをやります。

今日は「咳嗽と漢方」という内容です。

咳に使える漢方薬がいくつかあります。

西洋薬では、咳止めで咳を止めます。

咳の反射を止める薬がほとんどです。

アレルギーが関与する場合は、抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬があります。

患者さんの気道に起こった炎症は基本的に患者さんが自分自身で治します。

そのスイッチを入れるのが漢方薬です。

なおかつ、乾いた咳、痰が絡んだ咳など咳の種類によって漢方薬が細かく分かれています。

担当するところが決まっているんですね。

これを理解して使えるようになれば、咳は面白いように治まることがあります。

ただ反射を抑えているだけより効果的です。

そのあたりのお話をできたらいいなと思っています。

 

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腰背部痛に葛根湯

腰背部痛に葛根湯が使えます。

葛根湯は胸から肩と、首から腰の炎症や筋肉のこわばりに使えます。

さらに作用を強化するなら、麻杏甘湯(まきょうよくかんとう)を使います。

痙攣性の痛みを緩和するなら芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を併用します。

葛根湯は非常に使い勝手が広く、ありがたいです。

カゼの初期は、2包を一気に白湯で飲みます。

汗をかいたら内服を終わります。

腰背部痛、痙攣性の痛みには1回1包、1日3回、7日は飲んでみます。

お!と思える瞬間に出会えたら最高です。

 

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狭心症ではない胸痛

いかにも狭心症のように胸が痛いと訴えます。

しかし、痛み以外に異常がありません。

循環器内科に行って検査を受けても異常がないので、「心配ないです」と言われます。

心配ないと言われても患者さんは、やはり胸が痛い、のです。

また相談に行くと、「精神的な問題ですかね」と言われます。

さらにしつこく訴えると、「精神科へ紹介状を書きますか」と言われる始末です。

こういうときに当帰湯(とうきとう)を飲んでみましょう。

古典的には痛みは背部から胸に抜けるベクトルを持っていると言われるが、必ずしもこれにこだわることはありません。

胸が痛いという症状があれば使ってみましょう。

1回1包、1日3回、7日分試してみます。

 

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年配の方のカゼ薬は

高齢の方がカゼをひいたときに葛根湯を飲むと、吐き気や動悸などが起こることがあります。

麻黄(まおう)という生薬が胃に障るなどの症状を起こします。

必ずではありませんが、ほぼ使えないと考えた方が安全かも知れません。

葛根湯を1日、2日内服するくらいなら大丈夫かも知れません。

香蘇散(こうそさん)をお勧めします。

優しい漢方薬で気分も良くなります。

高熱がバンバン出るような状況は医療機関受診です。

もともと大人しい、虚弱な人が対象です。

「すみません」を連発するような自罰的傾向があり、どう表現してよいかわからないような心の萎れがある、丁寧で律儀な人です。

周囲に1人ぐらい思い当たるでしょ。

そう、そういう方に使っていただきたいです。

飲みやすい漢方薬です。

自宅にストックを持っていただいて、カゼを引いたなと自分で感じた瞬間に飲んでもらいます。

自宅で治ってしまいます。

お試しください。

 

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冷えて腹痛

ここ5年くらいは秋冬はそれほど冷えません。

と、言ってもある程度冷え症の方はいらっしゃいます。

冷えておなかが痛くなる方が来院されました。

おなかの皮膚温が冷たいと感じます。

既往歴は特にありません。

今まで特に薬を使ったことがなかったそうです。

温かい物を摂るとおなかの痛みが緩和されるのは経験済みです。

ならば、おなかを温めればいいんです。

で、今回は大建中湯(だいけんちゅうとう)を処方しました。

現在は、腸閉塞(イレウス)でよく用いられている漢方薬です。

内科では便秘に使うことが多いですが、単なる腸管蠕動促進薬や下剤の一種と勘違いしてはいけません。

大建中湯を飲むと、筋層神経叢のアセチルコリン遊離促進、平滑筋でもモチリン分泌促進、粘膜層でのサブスタンスP遊離促進する応答を引き出します。

飲んで2日もあればレスポンダーかどうか分かります。

 

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漢方薬の処方ランキング

当院の前半期の漢方薬の処方ランキング(数量ベース)が出ました。

@補中益気湯

A五苓散

B小建中湯

C小青竜湯

D桂枝茯苓丸加苡仁

4月頃はコロナの話題が盛り上がってきたところ。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)で免疫を上げましょう、ということになりました。

それで現在まで継続的に内服をしている状況です。

補中益気湯は夏バテ防止、治療にも重宝しました。

五苓散(ごれいさん)は、熱中症の嘔気、嘔吐対策で補中益気湯と併用が多かったです。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)はうちの人気処方です。

お子さんの虚弱、過敏体質、便秘、夜泣き、夜尿症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などに用いられています。

飲みやすい漢方薬です。

次に、前年度比較で処方数が伸びた漢方薬のランキングです。

十味敗毒湯

安中散

当帰飲子

四逆散

柴陥湯

珍しい漢方薬ばかりでしょうか。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は暑い夏に湿疹やアトピー性皮膚炎が悪化して化膿した、膿痂疹が増えた等に多用しました。

安中散(あんちゅうさん)はコロナの自粛、ストレスで胃がやられた人(神経性胃炎)に頻用しました。

当帰飲子は処方した人は少ないですが、高齢の方の皮膚の乾燥、かゆみに用いました。

四逆散(しぎゃくさん)はストレスがかかった会社員の方が効く!と言われ処方した覚えがあります。

前半戦はこんな感じでした。

 

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高齢者の腰痛

整形外科的な診断、治療は必要です。

まずは普通にやってもらいます。

湿布や鎮痛剤で限界がある場合は漢方薬をいくつか試します。

西洋薬はそのままに漢方薬を追加していただいて結構です。

あまりにも飲む薬が増えてしまうときは、西洋薬を一旦中止して漢方薬を試す手もあります(無茶をしていけません)。

1つの方法は、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)+疎経活血湯(そけいかっけつとう)をそれぞれ、1回1包、1日2回で飲みます。

最近は、治打撲一方を中心に治す治療を試しています。

なかなか使えます。

加齢に伴う腰痛なら八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)が使えます。

これはなかなか好評です。

長期に飲めば飲むほど、元気でいられます(不老不死ではないですが)。

まだ手はありますが、まずはこの辺りからお試しください。

 

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五苓散坐薬の件

五苓散(ごれいさん)は小児によく使われる漢方薬の1つです。

吐き気、嘔吐、下痢など急性胃腸炎に使う機会が一番多いでしょうか。

ニッキが入っていて、味は飲みやすい方だと思います。

さらに、乗り物酔い、めまい、頭痛、熱中症にも有効です。

ですから1年中使えて重宝します。

お子さんに限らず、大人でも同様に使えます。

人気のある漢方薬です。

オッサン連中には「二日酔い対策」の漢方薬として知られています(!?)。

この五苓散ですが、岐阜市民病院、小児夜間急病センターでは昔から注腸で使われています(詳しい歴史は知りません)。

嘔吐で水分も摂れないときにサッと五苓散を注腸すると20分くらいで効いてきます。

吐かなければいけない場面だと催吐剤として吐かせます。

急性胃腸炎で点滴をした方がいいかなあー、と判断したお子さんに五苓散を注腸すると点滴を回避することが可能です。

五苓散を坐薬にして使うこともあります。

調剤薬局に依頼して坐薬を作ってもらっています。

クリニックで保管しており、軽症から中等度くらいなら坐薬で済むこともあります。

看護師の手間を省けます。

高熱でボーッとしているお子さんに外来で五苓散坐薬を入れ、帰宅後から麻黄湯(まおうとう)を2時間おきに3回、4回飲むと劇的に解熱することがあります。

この連動は使えます。

大人は、五苓散を1包飲んで、すぐさま葛根湯2包を熱いお湯で飲むと発汗、解熱する作戦です(風邪のごく初期)。

無汗であることが条件です。

お試しあれ。

 

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外傷がらみの痛みに

秋になりスポーツが盛んになってきました。

野球、サッカーをやっているお子さんが多くいます。

学校の部活ではなく、クラブチームでさらに高度な技術を学んでいる人もいます。

体力強化もかなりハードらしいです。

夕方の外来に、外傷がらみの膝、下肢の痛みを伴った患者さんが来院されます。

オーバーユースによる筋肉や腱組織の過負荷が原因です。

腰椎分離症などの骨性疼痛では競技中止を強く勧めます。

筋肉・腱組織の痛みであれば競技をしながら漢方薬を使っていけます。

飲むのは治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)です。

「打撲」という字に引っ張られずに、『外傷がらみ』をキーワードで使ってください。

1日2回の内服で症状が回復していきます。

湿布、鎮痛剤の併用は構いません。

自分でも試しましたが、1週間ほど治りが早いです。

治打撲一方の、@抗浮腫作用、A抗炎症作用を上手に使いましょう。

いろいろな場面で使えると思います。

 

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カゼには漢方薬をC

おなかが緩いです。

軟便が続きますが、腹痛はありません。

冷えが原因かも知れません。

こういうときは、人参湯(にんじんとう)です。

冷たい物を摂りすぎ、夜中朝方布団から飛び出て冷えてしまった等がきっかけなら有効です。

胃腸カゼで吐き気、嘔吐、下痢が始まりました。

ノドが渇き、水分を摂りたくなります。

こういうときは、五苓散(ごれいさん)です。

お子さんには使いやすいです。

もちろん大人の方も使えます。

ノロウイルス、ロタウイルスで頻回の水様便が止まらない、周囲にも感染拡大してしまっては大変という状況があります。

こういうときは、桂枝人参湯(けいしにんじんとう)を2時間おきに寝る間を惜しんで飲みます。

寝てしまったら、治っているかも。

ガンガン飲むのがコツです。

腹痛を伴う下痢は桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)です。

過敏性腸症候群の下痢型にも使えます。

しぶり腹にも有効です。

冷えて起き上がれないほどの下痢の人は真武湯(しんぶとう)です。

カラダが冷えきって、全身状態が悪いときにはもってこいです。

追加で人参湯(にんじんとう)を飲むとグンと元気になります。

 

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『院長の小窓』を更新しました

なかしまこどもクリニックのホームページにあります『院長の小窓』を更新しました。

今回は、「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」と「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」の2つを紹介する動画です。

短い動画ですが、内容は濃いので、一時停止しながら御覧下さい(めんどくさくてスミマセン)。

葛根湯から始まって約20個の漢方薬を紹介してきました。

まだまだ、新たな動画をあげていきます。

何かの参考になればありがたいです。

 

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カゼには漢方薬をB

冷えて鼻カゼをひきました。

治るかなと様子をみていたら、今度は鼻がつまるようになりました。

夜間、日中も時間帯によっては鼻がつまってl呼吸が苦しくなってきました。

こういうときは、葛根湯加川辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を飲みます。

1日2回、あるいは3回飲んでみます。

1日、2日で鼻が通ってきます。

4,5日飲んでも鼻がつまったままならば、効いていない可能性があります。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)を試します。

これは苦い、まずいという方が多いです。

お子さんでも飲める子は飲めます。

これでないと鼻が通らず苦しいので飲めます(不思議)。

「あれ、苦いんだよな」と言いながら飲んでいます。

抗生剤、抗アレルギー薬は併用可能です。

葛根湯加川辛夷+辛夷清肺湯もアリです。

小柴胡湯(しょうさいことう)+辛夷清肺湯はよく使います。

小柴胡湯の抗炎症作用を使ってパワーアップします。

柴胡剤を使うと免疫も上がります。

この組み合わせを1ヶ月、2ヶ月続けると、鼻の炎症が起きにくくなり、カゼをひく回数が減ります。

是非お試し下さい。

 

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カゼには漢方薬をA

ノドがカサカサしてきた。

痛くはない。

年配の方は滋陰降火湯(じいんこうかとう)もありますが、まずは麦門冬湯(ばくもんどうとう)を試してみましょう。

これは甘い漢方薬です。

お子さんには人気があります。

第1位、2位を争います。

ノドが乾燥した、いがらっぽい、発作性にコンコンと咳が出始めたら飲みます。

咳込みが激しい、連続で咳が出て困るときは、2-3時間おきにガンガン飲みます。

それでも咳が止まらないときは、滋陰降火湯や小柴胡湯(しょうさいことう)あるいは柴陥湯(さいかんとう)などに変更します。

今年はカゼをひいてはいけない、熱を出してはいけない、咳をしてはいけないと体調に気を遣いましたね。

ですから、カゼをひく人、熱が出る人、咳が出て困っている人はめっぽう少ないです。

予防医学の世界です。

やればできるじゃん。

でも万が一、咳が出たら使って、みてください。

1回ぐらいは、ありがたいなー、と思う瞬間があります。

 

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カゼには漢方薬を

カゼの季節に備え、漢方薬の使い方をマスターしましょう。

あれ、カゼをひいたかな?と感じたら、カラダを温める、早く寝る、休養をする等は普通にやります。

これで治れば、薬なんかいりません。

ノドが痛いと感じたら、桔梗湯(ききょうとう)を1包口に含んでガラガラとうがいをして患部に当ててください。

数十秒当てたらゴックンと飲んでください。

ベーッと吐き出してもオッケイです。

甘くて飲みやすい漢方薬をすぐ飲まずに、あえてうがいをして患部に当てるのがコツです。

冷え冷えとして、ノドが痛いなと感じたら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を1包飲みます。

カラダがポッと温まり、シャキッとします。

もともと元気で胃腸も丈夫な方は、カゼをひいたなと感じたら、葛根湯を2包熱いお湯で飲みます。

2包飲むとカラダが温かくなってきます。

じわっと汗をかいたら内服終了です。

3時間経っても変わりがなければ、さらに葛根湯を2包熱いお湯で飲みます。

だいたいこれで発汗します。

これ以上葛根湯は飲んではいけません。

まずは、カゼのごく初期の対応を覚えて、試してみましょう。

 

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補中益気湯か清暑益気湯か

昨日の漢方外来で同じ質問が続きました。

「先生、夏が終わりましたが、このまま清暑益気湯(せいしょえっきとう)を続けます?それか補中益気湯(ほちゅうえっきとう)に戻します?」

外気温が下がり熱中症の危険性は低くなりました。

そういう意味では、もうそろそろ清暑益気湯を飲まなくていいのかな、と思います。

両者とも前者、食欲不振に有効です。

ただ、清暑益気湯を飲むと下痢、軟便が止まるからいい、と訴える方は続けた方がいいかも知れません。

仕事場が暑くて、汗を多くかく状況だと、一年中真夏のようです。

給食センター、介護現場(入浴介助など)、工場内では、1年中暑いそうです。

想像はできますね。

こういう方は年間を通して清暑益気湯を飲んでおられます。

そういうことはないわねー、と感じる方は、これからの季節は補中益気湯で良いのかと思います。

1日2回、あるいは3回で淡々と続けましょう。

 

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慢性の皮膚疾患に漢方薬を

慢性の湿疹などで長期に治療中です。

外用薬を塗れば、一旦は湿疹が軽快し、かゆみが治ります。

抗アレルギー薬を飲まないとかゆみが続き、日常生活に支障が出ます。

こういうときは桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を追加します。

もし手に入れば、桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)をお勧めします。

慢性の皮膚疾患では、微小循環が障害されています。

ここをキレイに通すことで皮膚の状態が良くなります。

黒っぽい皮膚の色が明るい色に変わってきます。

今までやってこられた治療に1つ漢方薬を上乗せするだけです。

まず2週間試して、いい感触があれば1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と少し長めに続けてみてください。

根気が必要です。

1日2回の内服でも十分です。

淡々と長く飲んでいる人は、確かに皮膚がキレイになってきます。

 

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十全大補湯はすぐ効かない?

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)という漢方薬があります。

元気がないときに使われる漢方薬として紹介されます。

ガンの治療中や免疫抑制状態にある方に使って、全身倦怠感、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血を治します。

相手にする病態が結構重症ですから、いきなり明日元気!というわけにはいかないです。

まれに、1週間以内にサッと元気が出る方がいてビックリしますが。

漢方でいう、気虚の四君子湯(しくんしとう)と血虚の四物湯(しもつとう)を併せて、さらに桂皮、黄耆を追加して完成した漢方薬です。

一方、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は気虚がベースです。

元気が出て食べられるならもう大丈夫、という方が相手(対象)ですから、復活までの時間は短いです。

極端な話、お子さんなどは1回内服したら、急にご飯を食べ始めた、という事例を何回も見てきました。

十全大補湯に話を戻します。

四物湯が入っているので組織の修復も得意です。

ケガが治りにくい人で、これを飲むと早く傷が治ると言われます。

入院中や加療中の方は、長期に内服することが多いです。

血液検査で漢方薬による副作用が出ていないことを確認しながら、養生を続けます。

うちのクリニックでは、子宮頸がん、乳がんなどの手術後に免疫を維持するために内服を続けている女性が多いです。

 

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急性胃腸炎でおなかが痛いとき

ウイルス性胃腸炎がまだ見られます。

下痢と腹痛の方が目立ちます。

お子さんも大人もいます。

おなかが痛いのがつらい方が困ります。

ただ痛みを緩和するなら芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)です。

大人なら1包、効きが悪いと感じたら1回に2包までオッケイです。

1日中痛みが止まらない、腹痛が増すなら救急外来を受診します。

急性胃腸炎で良いのか、まさか違う病気の発症なのか等を調べてもらった方が良いです。

以前、「銀杏中毒」なんてこともありました(銀杏を食べ過ぎると猛烈に腹痛が来ることがありますから注意)。

下痢と腹痛が同時にあれば桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)があります。

おなかが張っている、便秘もあれば桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)を用います。

あれこれと手があります。

 

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小青竜湯でも胃に障る人へ

冷えてきて鼻カゼが増えています。

超冷え症なら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が良さそうです。

そこまで冷えない方は、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)でしょうか。

ごくまれに、小青竜湯を飲むと胃がムカムカする、気持ち悪いと言われる方がいます。

小青竜湯に入っている麻黄(まおう)が胃に障(さわ)るんですね。

こういうときは、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)を試します。

小青竜湯の麻黄、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)に代えて、茯苓(ぶくりょう)、杏仁(きょうにん)が入っています。

使用目標は、喘鳴、咳嗽、薄い喀痰、水様性鼻汁です。

小青竜湯とほぼ同じ目標ですが、疲労倦怠感、動悸、息切れ、浮腫などに使われることがあります。

喘息に関しては、吸入ステロイド薬が日常的に使われる今、あまり適応ではない感じはあします。

要は、水様性鼻汁で小青竜湯を飲んで胃に障ったら、苓甘姜味辛夏仁湯を使ってみてね、という話でした。

 

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細菌性腸炎にも漢方薬を

夏カゼの胃腸炎バージョンがパラパラ見られます。

エンテロウイルスが中心でしょうが、時々「細菌性?」と思われる症例にあたります。

どうするか?

血便やゼリー状の粘液混じりの下痢便なら、便培養を実施し、抗生剤を処方します。

培養結果が出るまでに1週間程度かかります。

細菌性を疑うなら、細菌の種類を想定して抗生剤を出します。

漢方薬は、相手がウイルスであろうが細菌であろうが関係ありません。

抗炎症作用を発揮してくれます。

というか、飲んだ人が腸管に起こった炎症を自分で抑える応答を漢方薬が引き出します。

結果、患者さんが自分で治しにかかる、ということです。

桂枝人参湯(けいしにんじんとう)、五苓散(ごれいさん)、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、啓脾湯(けいひとう)、真武湯(しんぶとう)など、多くの漢方薬が使えます。

 

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中耳年の頭痛に釣藤散

釣藤散(ちょうとうさん)という漢方薬があります。

昔は脳内の循環障害にアデホス、アバン、カラン、チトクロームCなどを使っていましたが、今は使いません(懐かしいと思う人はベテランの先生)。

これらを投与したくなるような人に使うのが釣藤散です。

脳内の循環障害が改善する応答を引き出します。

高齢者に多い早朝の頭痛にも有効です。

血管抵抗の増加に伴う血圧上昇にも用います。

釣藤散+桂枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)で血圧が5-10mmHg下がるかなという程度です。

頭痛もなく快調な方がおられます。

なるべく鎮痛剤を使う回数を減らすためにも漢方薬をうまく利用してほしいと思います。

 

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