初めてわかった

小学生と保育園児を持つお母さんが来院されました。

お子さんのアレルギーの薬を取りに来られたのです。

「先生、今年は2人ともスギ花粉症がひどいわー。目も真っ赤やし、鼻水が出るわ、詰るわ、咳もあるし」

気管支喘息とアレルギー性鼻炎をお持ちのお子さんですが、漢方薬は苦手で飲んだことがありません。

「漢方薬飲んでみたいんやけど、出してもらえる?」

珍しいことを言います(いつもはいらんと言っているのに)。

錠剤なら飲めるかも、ということで小青竜湯(しょうせいりゅうとう)と五虎湯(ごことう)の錠剤を処方しました。

1週間後、母のみ来院。

「先生、ビックリした!、よく効いた漢方薬」

鼻水が止まり、目のかゆさもなくなり、咳も出なくなったそうです。

良かったですねー。

漢方薬がうまくはまると、症状がサッと消える感じがあります。

これを一度経験すると、困ったときには使ってみようと思うようになります。

そんな使い方から入ってもらうとありがたいです。

うまくキレイに治ったという経験が大切です。

 

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アレルギー性鼻炎のときの鼻出血

アレルギー性鼻炎(花粉症も含む)のときに鼻出血を起こすことがあります。

鼻の粘膜が充血、浮腫(むくみ)を起こして起こるんでしょうな。

大出血を起こすことはありませんので、アレルギー性鼻炎の治療を続ければ、基本的に良いかと思います。

私も以前は少量の鼻出血を起こしていました。

当時は抗アレルギー薬を飲んでいたので、そのまま内服続行していただけです。

もともと鼻出血を起こしやすい方がいます。

お子さんでも大人でもあります。

出血を起こしやすい病気は持っていない方がまずほとんどです。

出血傾向がある病気をお持ちの方、病気のために血がサラサラになるお薬を続けて飲んでいる方は、主治医の先生の相談してください。

病気や薬のことは問題ないけれど、たまたま今回鼻出血がひどかったならば、止血剤の内服、処置が必要です。

漢方薬なら、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)があります。

昨年の夏は気温が高かったですよね。

のぼせて鼻出血を起こした方が受診されました。

大人で、突然大量の鼻出血を起こして救急搬送されました。

調べても特別な病気は見つからずでした。

同時に高血圧にもなり内科で降圧薬を処方されました。

その後ずっと鼻出血がとまらず、なぜか当院を受診され黄連解毒湯を処方したところ、ピタッと鼻出血が止まり、血圧が下がりました(ビックリ)。

今はすっかりお元気ですが、血圧のコントロールのために降圧薬と黄連解毒湯を飲み続けておられます。

 

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顔面打撲に治打撲一方を使ったら

3週間前に顔面、左眼を打撲した2歳の女の子がいました。

受傷した翌日に当院に来られました。

受傷した日は某病院を受診しています。

左目周囲に皮下出血があり、軽度腫れています。

圧痛はほぼないようで泣きません。

眼の周囲には骨折もないと言われたそうなので、打撲の腫れ・痛みを早く取る目的で、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)と桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を処方しました。

先日再診されました。

1週間以内に腫れは取れましたが、皮下出血が少し残っています。

「先生、実は目の周囲の骨に骨折があったそうです」とお母さん。

後日精査で判明したようです。

骨折があると、症状が長引くことが多いです。

うちに来るお子さんで、モトクロスバイクの選手がいますが、この治打撲一方ファンです。

1週間くらいで腫れと痛みが取れるからです。

大人の方でも、すべってころんでお尻や太ももに皮下出血(青タン)ができることがあるじゃないですか。

そういうときに、この漢方薬を飲みます。

桂枝茯苓丸加ヨクイニンを使うのは、微小循環を良くすることで皮膚が早くキレイに戻るからです。

 

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桂枝茯苓丸を皮膚疾患に使う

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は微小循環障がいを治す代表選手の漢方薬です。

これにヨクイニンをくっつけたものがあります。

桂枝茯苓丸加ヨクイニンです。

これを皮膚疾患に使うと、血液の巡りが良くなり、肌がキレイになります。

先月は漢方外来にアトピー性皮膚炎の方が来られました。

もう数十年来アトピー性皮膚炎の治療を受けてきたが、一向に肌は赤く腫れる、かゆい、乾燥もする、、など訴えが多いです。

抗アレルギー薬では、かゆみもコントロールもつかない状態です。

乾燥して分泌物がなく、いくらか赤味を帯びて熱感があり、かゆくて皮膚をかくと粉がこぼれ、引っ掻くことによって出血痕を残している、、、これが温清飲(うんせいいん)の目標です。

今回は温清飲と桂枝茯苓丸加ヨクイニンで治療を開始しました。

2週間で、「首の赤味とかゆみがなくなりました」と。

経験上、温清飲単独よりも、桂枝茯苓丸加ヨクイニンを追加した方が、肌が白くキレイになってきます。

ましてや慢性の経過を辿っている場合、大半が微小循環障がいが起こっているので桂枝茯苓丸は追加の方がベターです。

 

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個別相談会

昨日の午後はクリニックに近い保育園の個別相談会をやりました。

漢方に限った相談ではなかったのですが、漢方に関する相談が多かったです。

お母さんの冷え、凍瘡(しもやけ)、お父さんのチック、おばあちゃんの咳が止まらない等、いろいろな分野の話が出ました。

1人15分で区切ってやったので、話を伺ってポイントを話す、候補の漢方薬をいくつか提示するだけで精一杯でした。

何を聞かれるか事前には全く分からないので、こちらも脳みそフル回転です(よくわからん言葉ですが)。

昨年この相談会が好評で、今回が2回目です。

これは、なかなか面白いです。

こちらも勉強になります。

短い時間で考えて、要領よく話をまとめる訓練になります。

また来期もやるという話になっております。

 

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越婢加朮湯が不足

門前薬局の薬局長から連絡がありました。

「越婢加朮湯が不足しています」

うちだけではなくて、卸業者の段階で不足しているようです。

日頃そう処方されない漢方薬でしょうから、在庫は少なめだった可能性はあります。

なぜ不足しているか?

花粉症で結構使われているからでしょう。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)か水様性鼻汁、くしゃみ、鼻づまり(軽症)、咳に有効ですが、それほど強力に効かないときがあります。

中等症以上の花粉症だと、「効かない」と患者さんに言われます。

くしゃみ、鼻水があり、目がかゆいなんて言われたら、小青竜湯+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)です。

越婢加朮湯は麻黄(まおう)が多く含まれるわりには胃に障ることもなく使いやすいです。

不思議です。

眼球結膜の充血、かゆみには頓服で使っている方が多数います。

越婢加朮湯は、インフルエンザの時に麻黄湯(まおうとう)と併せてよく使います。

高熱でウンウンうなっているときに、2つを併せて2時間おきに5回、6回と飲むと解熱します。

あと、うちでは痛風のオジサンたちが飲んでいます。

飲むと手指の腫れ、痛みが減ります。

原因不明の皮膚の硬い浮腫に有効です。

このような状況で越婢加朮湯が活躍しています。

 

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カゼをひいたら漢方薬を何日飲むか

外来でお子さん中心に漢方薬を処方しています。

お子さんはカゼの症状が途中でよく変わります。

水様性鼻汁が出ていたのに、3日目から鼻がつまりだして呼吸が苦しくなるとか、乾いた軽いっ咳だったのに、痰が絡んだ咳になって夜間、明け方咳込んでいましたとか。

お子さん2人を持つお母さんが、「カゼが治らない」と言われます。

数年うちに通院しているので、いろいろなカゼを漢方薬を使って治してきた実績があります。

お母さんも漢方薬に詳しくなっています。

自分でこの症状がこれだな、と自宅で残っている漢方薬で治してしまうことはよくあります。

今回は治らないので、「なぜ?」と質問です。

ちょく話を聞くと、この症状にはこれだと漢方薬を開始して、1日、2日経って、また違う漢方薬に変更してと、、、やっていました。

ちょっと変更するまでの時間が短いかな、という印象でした。

これと決めたら4日、5日は続けて飲んでみたら良いかなと思っています。

それで、あまりにも症状が改善されないときは漢方薬を変更しましょうか。

発熱に関しては1日、2日で変更はよくありますが、鼻汁、咳に関しては、もう少し長めに飲んでみて効いたかどうかを判定した方が良さそうです。

あまりにも早く薬を変更すると、その漢方薬が有効だったかどうかが、全くわかりません。

そんな感じでチャレンジしてみたらどうですか?

 

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フレイルに漢方薬を使う

フレイルとは、加齢に伴って、臓器の予備能が低下することにより感染症などの急性のストレスに対して脆弱性を示す状態を言います。

これは要介護に陥るリスクが高い状態です。

同時に転倒・骨折、施設入所、死亡などのリスクも高くなります。

フレイルの特徴は、食欲不振に伴う低栄養や骨格筋の減少を来すサルコペニアを伴いやすく、疲労感、認知機能低下、うつにも陥りやすいのです。

しかし、フレイルとなっても適切な栄養摂取や運動により健常な状態へ回復いうる可逆性を持ちます。

ここに漢方薬が使えないかという提案です。

すでに実際の現場では使われ初めています。

疲労、食欲不振には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、六君子湯(りっくんしとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)です。

精神不安、不眠には加味帰脾湯(かみきひとう)、帰脾湯(きひとう)です。

痛み、脱力感には、八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)です。

まだ候補はありますが、これらが良く使われているようです。

 

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腹診を頼りに処方してみる

40代男性です。

建設関係の現場で勤務しています。

作業中突然呼吸が苦しくなり、手がしびれます。

動悸がする、脈が速いと言われます。

以前現場で倒れて救急搬送を8回やっています。

2つの病院で検査を受けるも異常なし、ホルター心電図をやっても不整脈などは見られなかったと。

結果、内服薬もなく経過観察となっていました。

なぜかうちに受診され、漢方薬で何とかならないかと相談がありました。

真面目な方で、神経が細やかな印象です。

話し方も丁寧です。

食欲もあり、ほぼ毎日アルコールを摂取して元気に見えます。

診察上、大きな異常は特にありませんが、心窩部のみ圧痛が著明です。

足を上げて痛がります。

左右の胸脇苦満(肋骨下端の圧痛)も著明です。

悩んでいる、不安神経症かと思い加味帰脾湯(かみきひとう)、炙甘草湯(しゃかんぞうとう)を処方しましたが著効なし。

全く変わりません。

「今、脈が速いです、動悸がします!」と外来に飛び込んできました。

調べると脈も速くない、不整なし、心臓の音も良い、顔色も良いです。

どうもヒステリーかな、過換気症候群かなとわかってきました。

今回も心窩部の圧痛のみが目立ちます。

腹診に従って、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を処方しました。

どうも、これが良さそうです。

ちょっと症状が落ち着いてきました。

ストレスがかかるところを緩和できているように見えます。

もう少し内服を続けて、うまくいくか様子をみてみます。

どうしても処方が決まらないときに腹診の所見だけを頼りに漢方薬を決定することがあります。

それで何回助けてもらってきたか。

 

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桂枝加葛根湯を使う

昨日は桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)を下さいという方が来られました。

かなり以前に処方したのを、チビチビ使っていたみたいです。

カゼの初期にはもちろん、肩こりに使っていたと。

そうです、肩こりに使う人が多いです。

葛根湯は項部の凝り、肩の凝りに有効ですが、麻黄(まおう)が入っているので飲むと動悸、吐き気などが起こることがあります。

そういう人のために麻黄抜きがあります。

それが桂枝加葛根湯です。

使い勝手は良いです。

ここの会社のエキス剤は粉がサラサラです。

好きな人と苦手な人に分かれます。

好きな人の意見は、差し歯や入れ歯に挟まっても痛くない。

苦手な人の意見は、サッと飲まないとダマになって上顎などにベタッとくっつくのが困る。

こうなると好みの問題です。

お試しください。

 

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肩甲骨の痛み

肩が凝る、首が痛い、肩甲骨が痛いという患者さんがいます。

項部といって、うなじ付近が凝る時は葛根湯が有効です。

肩井(けんせい)というツボが凝る、側頚部が凝るなら柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)です。

明らかに肩甲骨中心に凝る、痛いなら柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)です。

よくわからない時は順番に試してもらいます(本当)。

あ、これ!と患者さんが言うはず、です。

言わなかったら他のアプローチを考えないといけません。

湿布貼るだけよりも有効な方法を考えます。

少しでも患者さんの痛みが軽減するような方法を考えます。

西洋薬との併用は、基本的に構いませんが、よくわからない時は主治医に相談しましょう。

 

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外来風景

先日外来見学に来られた小児科の先生がおられます。

開業前に漢方を勉強して外来の武器の1つにするそうです。

私のテキトーな外来を見学だなんて恐縮です。

先生が言っておられたことがあります。

「先生とこの患者さんたち、番号で漢方薬を言うんですねー」

そうです、番号で言ってくる人が多いです(エキス剤についている番号)。

自分のお子さんの症状を見て、「今日は2番と29番があればいいです」、「27番だけ多めに」とか言ってきます。

まずはだいたい合っているからスゴイものです。

たまに、「?」と思うことを言う人がいるので、よく話を聞いてその漢方薬で良いのか検証します。

逆に言えば、お子さんのカゼであれば、ある程度の漢方薬を知っていれば治していけるということです。

そう難しいことではありません。

うちの患者さんのお母さんたちはレベルが高いです。

下手な医者より詳しいかも、です。

よく勉強していらっしゃる。

自分のお子さんを治せるようになると、今度は自分の病気を何とかできないかと動き始めます。

ここまでくると面白いように、あれこれと治していけます。

1つ1つの成功体験を積み重ねていくだけです。

知らないうちに使いこなせています。

何をどう治したかをこちらが教えてもらうこともしばしばです。

漢方は奥が深い。

 

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工場見学

今年は漢方エキス剤を作っている工場見学に行きます。

事前に予約をとらないといけないので取りました。

オッケイをもらいましたので、春になったら行ってきます。

生薬園もあちこちありますので、それらも行こうと計画を練っております。

まず、行動だ!

数年前愛知県の生薬園で講演会をやらせてもらいました(薬剤師さん対象で)。

そのときは生薬園をしっかり見学する時間がありませんでした。

京都なら近いし、行こうかなとか、情報を集めています。

あと、日本漢方の歴史に出てくる先生方にまつわる地域に行こうかとも思っています。

何かと結びつけて、ここを脱出する機会をうかがっているだけですが。

実際足を運んだら学ぶことも多いでしょう。

 

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お通じは良いに越したことはない

1週間便が出なくても平気という方がいます。

1日、2日出ないと、おながが痛くなって、食欲まで落ちる方がいます。

治療対象は、「困っている」かどうかです。

困っています、と言われたら治療開始です。

養生は普通にやっていただきます(大前提)。

内科の先生だと、下剤を普通に処方されます。

治ればそれで結構です。

おくすり手帳を見ると、大建中湯(だいけんちゅうとう)が処方されていることが多いようです。

おなかが冷えて痛む人には良いでしょう。

おなかが痛くなる人は、桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくいやくだいおうとう)があります。

これでは効きが今一つなら、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)です。

月経のトラブルがあって、頑固な便秘、腹痛があれば桃核承気湯(とうかくじょうきとう)です。

通導散(つうどうさん)もあります。

コロコロい乾燥した便が出るなら、麻子仁丸(ましにんがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう)です。

まずは、どれか1週間から2週間試してみて、ちょうど合いそうな漢方薬を見つけましょう。

西洋薬の下剤を併用しても構いません。

痛くなく、スッキリ出る!

これが目標です。

 

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初めてですが

葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)という漢方薬があります。

葛根湯の仲間ですが、基本、鼻づまり専門です。

葛根湯がベースですから麻黄(まおう)が含まれます。

麻黄にはエフェドリンが含まれますから交感神経が刺激されます。

動悸、嘔気、手の震えなどがくることがあります。

先日しょっちゅう外来に来られる兄弟の1人が、鼻づまりの漢方薬を飲んだ日だけ夜眠れないと話を聞きました。

それは、やっぱり麻黄の影響でしょうね、とお話をしました。

お母さんが言われるには、飲まない日は寝ている。

小児は麻黄にはめっぽう強いのですが、こういうことは起こりえます。

うちでは初めてのケースでしたが、漢方薬をガンガン飲んでいるお子さんには聞いてあげてください。

葛根湯加川きゅう辛夷ですが、急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎に用います。

花粉症で鼻がつまっているときにも使えます。

抗アレルギー薬+漢方薬です。

抗ヒスタミン薬(ペリアクチン、テルギンGなど)を飲むと、眠気がくるだけでなく、余計に鼻がつまる方向に行きますので御注意を。

うちでは処方していません。

 

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本当に漢方薬が好きなの?

「調子はどうですか?」と患者さんに話を聞きます。

「これを飲むとこんな感じで、、、これは1日2回しか飲んでいませんが、何とかなってます。」

「あー、そうならこうしましょう!」と話が続きます。

中には、どの漢方薬をどう飲んでいるのか全然わからない方がいます。

1回目は確かに漢方薬を飲んで病気が改善したのを確認しました。

次はお子さんのカゼもうまく治ったのも診ました。

だんだん自分で漢方薬を選択して飲んでおられるようです。

自分のことは自己責任でお願いしますが、「?」と思うような使い方をしている場合があります。

治っていけばそれで良いのでしょうが、間違った漢方薬を飲み続けるのは大丈夫?と思ってしまいます。

よく話を聞くと、お子さんのカゼの時に使っている漢方薬も怪しい使い方です。

怒るつもりはありませんので、わからなければ聞いてくださいね。

何回でも教えます。

そうでないと治るものも治らないです。

「漢方薬が効かない」と言われるのはイヤですから。

効くものは効く、効かないものは効かない。

上手に使って生かしてください。

 

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スギ花粉症始まりました

自分のスギ花粉症が始まりました。

朝起きるとすでに鼻水が出ています。

ほんの少し鼻がムズムズします。

これはもう花粉症でしょう。

最近は症状が軽いので小青竜湯(しょうせいりゅうとう)なり麻黄(まおう)入りの漢方薬を1包飲んでおけば、すぐ鼻水、かゆみは止まります。

ずいぶん軽くなったものです。

小青竜湯は、もともと冷え気味の方に合います。

もっと冷える方には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が良いでしょう。

私のように冷えない人は、有効ではありません。

麻黄は胃に障る方がいますので注意が必要ですが、胃に障らない人は小青竜湯単独、麻黄附子細辛湯単独よりも、何か1つ追加して強化した方が鼻水、くしゃみ、かゆみが止まります。

例えば、小青竜湯+麻黄附子細辛湯もアリです。

小青竜湯+越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)もアリです。

越婢加朮湯は麻黄が多く含まれますが、この組み合わせでは胃にトラブルが起きません(不思議)。

結構長期に内服を続けておられる方がいます。

花粉症は症状が悪化してからでは大変です。

症状が軽いうちにコントロールして調整を重ねた方が楽です。

抗アレルギー薬単独でも結構、漢方薬単独でも結構、両者併用でも結構、何か早く手を打つことです。

 

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めまいと言っても

めまいの相談は多いです。

抗めまい薬が有効な方は限られていますから。

口喝があって、尿量が少なく、おなかに動悸を触れるなら五苓散(ごれいさん)。

顔が赤くのぼせ、尿量が少なく、めまい、動悸もあるなら苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)。

冷えて、しんどくて起き上がるのも困難なら真武湯(しんぶとう)。

足が冷えて胃腸虚弱なら半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)。

冷えて、胃腸虚弱なら六君子湯(りっくんしとう)。

食欲がなく、四肢に倦怠感あり立ち上がれないなら補中益気湯(ほちゅうえっきとう)。

ざっと、これだけは出ます。

まだ少しありますが。

よく患者さんの話を聞いて、これというのを試してもらいます。

めまい、ふらつきは相談が多いですが、なかなかうまくいかないことも多く、あれこれ試していただいています。

 

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めったに使わない消風散

60代男性です。

慢性の皮膚疾患で通院中です。

先月末から原因不明で皮膚のかゆみが増しました。

かゆいので全身を引っ掻いて、傷だらけになっています。

化膿して黄色い滲出液が下着に付着しています。

どうしましょう?

赤黒い汚い皮膚もあり、ジュクジュクして湿っています。

消風散(しょうふうさん)を使ってみました。

2週間限定です。

すぐに皮膚が乾くので、ダラダラと使わない方がベターです。

今回は抗生剤を使わず、皮膚の洗浄と消風散のみです。

これだけでも何とかきれいに回復します。

その後は皮膚の様子に合わせて漢方薬を変更します。

 

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腰痛と桂枝茯苓丸

腰痛の原因はさまざまです。

整形外科的な原因が判明することもあれば、原因が不明のこともあります。

結果的には、解熱鎮痛剤、湿布などで対応することが多いでしょうか。

イライラする方が腰痛になりました。

整形外科でも異常なしと言われ、痛み止めに注射をうってもらい内服薬を続けましたが変化ありません。

まさか、腰痛の原因はイライラじゃないよね?と抑肝散(よくかんさん)を飲んだらスッと痛みがな言ったことがあります。

腰痛と言われると腰ばかりに目が行きますが、一旦腰から目を離して、「この人はいったいどんな人なんだろう?」と全体を見ます。

冷えが強い、便秘で困っている、神経質で敏感な反応を繰り返している等。

40代女性で月経不順、冷えのぼせで困っていました。

この方が腰痛を訴えたので、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を飲んでいただいたら、月経は調子良くなるわ、腰痛は消えるわで、大変喜んでいただきました。

こちらも驚きましたが。

原因のよくわからない腰痛があり、男性女性問わず微小循環障がいがありそうな人なら桂枝茯苓丸を試してみましょう。

西洋薬との併用は構いません。

 

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葛根湯さえあれば

葛根湯をください、と患者さん。

「1ヶ月分あれば良いです」

カゼをひいたかなと思ったら2包飲んで、だいたい大丈夫ですと。

それに肩が凝ったなと思ったら1日3回数日飲むと何とかなりますとも。

胃腸に障らないなら、これでオッケイです。

胃に障る方は、桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)がありますので、こちらを使ってください。

何歳まで葛根湯を飲めるでしょうか?

40歳代でも、すでに飲むと胃がムカムカする、動悸がするとおっしゃる方がいます。

ましてや麻黄(まおう)の量が多い麻黄湯(まおうとう)をインフルエンザになったらといって単純に飲んでいると調子が悪くなることがあります。

高齢の方でも、ここ一番強い生体側の反応を起こして解熱を図るときは、麻黄湯を1日とか短期間使うこともあります。

自分にとって葛根湯はこういうふうに効く!とわかっていると楽です。

軽い鼻カゼも治ります。

蕁麻疹、中耳炎、結膜炎、乳腺炎など、1つの漢方薬でいろいろ治せます。

これを体験すると漢方薬を試してみたくなります。

 

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スギ花粉症に漢方薬を試す

私はスギ花粉症持ちです。

静岡県西部地方に勤務中にスギ花粉症を発症しました。

勤務して数年経った頃に急に症状が始まりました。

当時漢方薬の使い方も知らず、抗アレルギー薬を飲み始めました。

とにかく眠い、午前中の外来は油断するとウトウトとしてしまうくらいでした。

飲み続けると眠気が軽くなりましたが、全く消えることはありませんでした。

鼻の中、ノドが乾燥して、鼻クソ(失礼)が常に少し詰まっているような状態で春先は憂鬱でした。

10年くらい抗ア剤を飲んだ後に漢方薬と出会いました。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を飲んでみました。

水っぽい鼻水が止まりました。

眠気、乾燥症状が全くないのがうれしかったですね。

それから、漢方薬を試すようになりました。

以後抗ア剤はほとんど飲んでいません。

岐阜市、瑞穂市に来てからは、スギ花粉症はずいぶん軽くなり、時々困ったときに漢方薬を飲む程度です(スギ花粉の飛散量が当時の勤務先よりも少ないのでしょうか)。

患者さんの憂鬱になる状態は経験していますので、困ったら相談してください。

抗ア剤が合っている人は無理に漢方薬を飲む必要はありません。

水っぽい鼻水が出る、鼻がつまる、咳が出る(喘息発作が出る)、蕁麻疹が出る等、皆さんの症状が違います。

自分に合うものを見つけて飲んでおくと快適に近づきます。

症状がひどくなってからだと、ちときついので、つらくなる前に治療開始がベターかと思います。

 

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しもやけの相談

ここ2週間で3人、しもやけの相談がありました。

お子さんばかりです。

足指が多いですが、昨日のお子さんが両耳でした(耳介)。

赤紫色に皮膚が変化してかゆそうでした。

重症ではないので紫雲膏(しうんこう)を塗ってもらうことにしました。

相談に来られる方の足指が数本しもやけになっていることが多いです。

手足はキンキンに冷えて、いかにも冷えているのがわかります。

漢方薬飲める、飲んでみます、飲ませます、と言われるなら、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を処方する機会が多いでしょうか。

1ヶ月、2ヶ月と飲めるだけ飲み続けると、皮膚の色がキレイになって、もともとの肌色に近づきます。

皮膚の色が多少赤紫色でも、漢方薬で皮膚が温まると痛み、かゆみは少ないと。

患者さんが教えてくれます。

温経湯(うんけいとう)や他の漢方薬を使って冷えを改善することで皮膚が良くなる仕組みです。

 

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抜歯後の痛み

歯科で抜歯をした後、痛いですよね。

抗生剤や鎮痛剤が処方されることがありますが、漢方薬で何かないですか?と聞かれます。

立効散(りっこうさん)があります。

1日3回食前に処方しますが、お湯を口に含んで漢方薬を溶かします。

抜歯して痛い歯に当たるようにして、口の中に漢方薬を少しの時間ためておきます。

それからゴクンと飲みます。

細辛(さいしん)という生薬の苦い味が残ります。

あまりにも痛いときは、少量のお湯などで立効散を固めて、歯の上から詰め込んでみたことがあります。

ジーンとしびれるような感じがして痛みが和らぎます。

抗生剤、鎮痛剤の併用は構いません。

数日の使用で何とかなると思います。

 

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スギ花粉症が始まっています

スギ花粉症の方がパラパラと来院されるようになってきました。

例年よりは多いが、昨年よりは少ないというスギ花粉の飛散予測(この地域)です。

後は、本人さんの反応の違いです。

多く飛んでいても軽い人もあれば、飛散が少なくても重症な方もいらっしゃいます。

抗アレルギー薬だけで大丈夫なら、それはそれでオッケイです。

多少眠気、口・ノドの渇きを感じるかも知れません。

それは抗ア剤の影響もあります。

漢方薬は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに合わせて、あれこれ出します。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は有名になりましたが、水っぽい鼻水が出て、くしゃみもあって、ちょっと冷えるという方には適応です。

これ単独では弱い感じがするなら、何かを追加して強化します。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、五虎湯(ごことう)、ブシ末などを追加します。

抗ア剤+漢方薬がちょうどいい、という方もいます。

自分で試すことです。

この症状なら、これでいける!と。

私はスギ花粉症がありますが、年々軽くなっています。

時々外来中に鼻がムズムズすることがあります。

静岡県の西部地方に勤務中は、抗ア剤をずっと飲んで仕事をしていました。

抗ア剤を飲むと午前中の外来はずっと眠かった覚えがあります。

現在、抗ア剤も改良されつつあるのでずいぶん眠気も少なくなりましたが、構造上ある程度は眠気がきます(気にならない程度なら良いです)。

快適に過ごしたいですね。

 

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がんと漢方薬

1年半ぶりに40代の女性が受診されました。

「ひさしぶりですね。」

「先生、乳がんが見つかって手術してたもんですから、そっちの治療で忙しかったんです。」

健診で初期の乳がんを指摘され、左乳房全摘、乳頭再建術までやっていました。

「それは大変だったですね。」

「ここまで無事に来れて良かったです。今日来たのは、そう言えば漢方薬を飲んでいないから冷えるんだと気がついて漢方薬をもらいにきました。」

冷えると免疫が下がって、がんが再発するのもイヤだから、とおっしゃっていました。

カルテを見ると、2年前に月経トラブルと四肢を中心の冷えが強かったので、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を飲んでおられました。

まずは、それを再開したいという希望でした。

まずは冷えを改善して、免疫が上げていきたいなら補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)あたりを飲んでいきたいところです。

冷えを改善するだけでかなり調子良くなる可能性はありますが、経過をみて処方を考えることにしました。

健診の大切さも新たに感じました。

 

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お母さんセミナー

昨日はおひさま保育園でセミナーをやってきました。

熱心な漢方ファンのお母さん方が参加されました。

「身近な病気を漢方薬で防げるか」という課題をいただきました。

麻疹(はしか)は漢方よりも、まず予防接種でしょう。

自分に合う漢方薬を飲んで免疫を上げるのは得策です。

咳に関しては、予防というより咳が始まったら咳の種類によって漢方薬を使い分けて治しましょう。

西洋薬で咳反射を抑えることはできますが、炎症そのものを抑えにかかったり、乾いた気道を潤すなんてことは漢方薬でないとできません。

そのあたりが面白いです。

乾いた咳が出て、ノドがイガイガ、声がかすれるなら麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

インフルエンザの後に咳が残れば、竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。

今年は全然使っていないなー。

熱が下がったら、あまり咳き込んでいない患者さんが多いですよね。

咳喘息には柴陥湯(さいかんとう)です。

便秘、夜尿症についてもお話をしました。

西洋薬でうまくいかないときに漢方薬で何か対応できるものはないかと探してください。

わからないときは相談してください。

意外にあるんですよ、対応できるものが。

 

小児の薬用量

漢方薬は、うちでは0.1-0.2g/kg/dayです。

体重10キロで1日量が1-2gです。

エキス剤の袋が1包2g,2.5g,3gなど微妙に違うので注意してください。

あと、もう1つの方法は、体重でだいたいの目安を決めて飲む方法です。

体重10kgくらいまでは成人1包量の3分の1、10-20kgくらいまでは2分の1、20-30kgくらいまでは3分の2、30kgくらいから上は成人量と同じ、という目安です。

病状によっては、2倍量、3倍量を使うこともあります。

でも、まずは一口飲めるかどうかが問題です。

ゼロより1です。

一口でも飲み続けると、症状がグッと良くなることを経験します。

 

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小児と麻黄附子細辛湯

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)という漢方薬があります。

麻黄、附子、細辛の3つから構成されるシンプルな漢方薬です。

大人の方でカゼの初期、特に冷える方の鼻水、ノドの痛みなどには有効です。

水っぱなが出る、軽い花粉症なら、これだけでも対応できます。

麻黄附子細辛湯は、小児にも使えます。

お子さんで冷えが目立つ場合には良い印象です。

一般的にお子さんで冷えることは少ないので全体の数から行くと、適応が少ないかなと感じています。

ただ、水っぽい鼻水が出る、いわゆる鼻カゼのときに葛根湯、麻黄湯(まおうとう)を使ううまくいくことがあります。

もうちょっと冷えてるな、となれば小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を使います。

小青竜湯単独では効果が弱いなと感じたら、麻黄附子細辛湯を追加します。

2つも飲めないと言われたら、半量ずつ併せて飲んでもらいます。

これは、これから見られるスギ花粉症でも応用できます。

何でもかんでも小青竜湯では効果が出ないことがあります。

そういうときに試してください。

 

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カゼをひかない

先日の岐阜市の漢方外来で患者さんが言っていました。

「先生、漢方薬を飲み始めてからカゼをひかなくなったわ」

そうなんです。

自分に合う漢方薬を飲んでいる人は、カゼをひかなくなります。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んでカゼ予防という方は多いです。

胃腸虚弱で六君子湯(りっくんしとう)、不安が強い人が加味帰脾湯(かみきひとう)、イライラする人が抑肝散(よくかんさん)、月経前症候群で加味逍遙散(かみしょうようさん)等、自分に合う漢方薬を中長期的に続けている方が、そう言われます。

不思議ですが、確かに免疫が上がるんでしょうな。

カゼをひかないか、ひいても軽いのは確かです。

冷えを改善する漢方薬を飲んでいれば、カラダが温まって免疫が上がるのは分かりますが、こういう話は面白いです。

自分でいいわ、と思える時まで続けて飲んでもらっています。

今は冷えて、インフルエンザの流行期ですから、自分に合う漢方薬は1日2回でも続けておいた方が賢明かしら。

 

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