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漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

漢方薬がなかなか効かない感染症

ウイルス感染症なら漢方薬で治りますよ、とは言っていますが、難敵もいます。

小児科領域では、@RSウイルス感染症、Aアデノウイルス感染症、B突発疹、です。

最近はマイコプラズマ感染症も、なかなかコントロールが難しいなあ、と感じています。

@RSウイルスは乳幼児のカゼの原因となります。特に、乳児の細気管支炎は有名です。

鼻水ズルズル、咳でゼコゼコして入院するケースが多いです。

Aアデノウイルスは、1年中悪さをしますが、高熱が5日間出ることはザラです。

熱の上がり下がりが1週間以上続くこともあります。

今年の夏はプール熱(咽頭結膜熱)がほとんど見られなかったですが、冬には注意が必要です。

B突発性発疹症は、ヘルペスウイルスの仲間ですが、抗ウイルス薬は効きません。

熱が3−4日持続して、分利的に解熱して発疹が出るというウイルスのプログラム通り経過が進むことが多いようです。

これらに出会ったら、まずは麻黄湯(まおうとう)を飲んでいただいても結構ですが、普通のカゼのようにサッと解熱するのは難しいことが多いでしょう。

全身状態が悪化しないように管理をすることが大切です。

もちろんウイルスですから、抗生物質は効きませんよ。

 

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やっぱり、冷え、むくみには漢方薬が有効

39歳女性。

今困っている状態:@疲れやすい・足がむくむ、A首から上が重くてフワフワする日がある、B生理日、カラダが重くて血の循環が悪い感じがする

2年前から生理前に調子悪くなったのが始まり。

既往歴は特にありません。

食欲あり、便秘なし、足が冷え、むくみ、首が凝る、頭が揺れる、目の周りにクマあり、疲れやすく寒がり、イライラあり。

脈:浮、歯痕舌、舌には白苔、心窩部に圧痛、右下腹部にも圧痛あり、おへその左上には動悸を触れます。

女性の微小循環障がい、特に冷えを伴う場合なので、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方。

歯痕舌などから、水分バランスもあり、当帰芍薬散だけでは弱いかと判断し、五苓散(ごれいさん)を追加。

1週間後再診。

「漢方薬は飲めそう。続けます。」

1ヶ月後再診。

「調子いい!フワフワしない、生理前にカラダが少し重い程度で日常生活に支障がなくなり、普通に生活できます!」と。

五苓散は不要とのこと。

下肢のむくみ、痛みはすっかりなくなったそうです。

現在も、当帰芍薬散だけはしっかり内服中です。

調子良ければ内服量を減らしてもいいよ、と言ったら、「私は真面目なので、当面1日3回しっかり飲んでおきます」と。

どうぞ、自分のペースで行ってください。

 

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通導散という漢方薬

通導散(つうどうさん)という漢方薬があります。

女性で月経不順、月経痛、更年期障がいがある方に使えます。

下剤が入っているので、頑固な便秘がある方には好評です。

静脈系の微小循環を改善していくと、女性が困っている症状がみるみるうちに良くなるのを見ます。

高血圧で頭痛、めまい、肩こりがある方にも使えます。

あと有名なのは、打撲に有効です。

打撲して皮下出血(いわゆる青タン)ができ、皮膚も腫れあがって、医療機関を受診しても湿布と痛み止めだけ処方されて終わりです。

これを飲むと、あまり下痢には苦労せず、黒っぽい便が出るたびに、皮下出血、腫れが引いていきます。

ウソでしょう、と言っているあなた、打撲して困ったら是非使ってみてください。

1回は、「効くなー」という瞬間に出会えます。

 

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まずは水毒を治す

これは大田黒先生に教えていただいた方法です。

是非試してほしいです。

私は「水毒」という言葉は外来では使っていません。

わかりやすく、「水分バランス」などと簡単な言葉に置き換えて患者さんに話をしています。

さて、「水毒」とは何か?

カラダの中で水分が偏在している状態です。

ある部分には水分が多く、ある部分には水分が少ないので、いろいろなことが起こります。

外的因子(気温、温度・風の影響、打撲、ケガ、手術など)、内的因子(内臓の疾患や変調、自律神経失調による循環状態や血圧などの変調)によって、水毒が引き起こされます。

その結果、診療現場で患者さんが訴えるほとんどの症状(自覚・他覚症状ともに)が見られます。

動悸、めまい、立ちくらみ、耳鳴り、吐き気、嘔吐、むくみ、こわばり、水様性鼻汁、喀痰、唾液分泌異常、下痢、便秘、全身または一部の腫脹(関節を含む)、胸水、腹水、心嚢液、だるさ、高血圧、低血圧、喘息発作、生理傷害など。

実際、これらを見たらどうするか?

簡単です。

五苓散(ごれいさん)をお湯で溶かしてスプーンでチビチビ3分間かけて飲むだけです。

これが大田黒法です。

高熱でボーっとしたお子さんに五苓散をほんの少しずつ飲んでもらうと、早いと2,3分で顔がシャッキとして、輪郭がシャープになり、目が輝き始めます。

横にいるお母さんが、「あれ、元気出てきた」と言います。

これなら帰れそうやね、となります。

帰宅後にすぐ麻黄湯(まおうとう)を2,3時間おきに飲んでもらうと、熱の下がりが早いです。

大人の方も全く同じです。

五苓散を飲んだ後、ゲーッと吐くことがあります。

これは吐いた方が楽になるとカラダが判断した結果です。

吐いた後、また少しずつ五苓散を飲むと嘔吐が止まって楽になります。

口が渇いていたら、五苓散はよく効きます。

一度試してみてください。

 

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桂枝茯苓丸加ヨクイニン

桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)という漢方薬があります。

桂枝茯苓丸という漢方薬にヨクイニンがくっついてできているのですが、桃仁、牡丹皮という生薬が1.3倍入っています。

ということは、静脈系の微小循環系の生薬がパワーアップされているということ。

ですから、ここ一番には、この漢方薬を使っています。

ヨクイニンは、ハトムギ、四石麦と呼ばれ雑穀として食用でした。

もともとは、イネ科のヨクイニンの種子を乾燥させたものです。

漢方では、利尿、消炎、鎮痛、排膿に使われてきました。

最近は、肌を白くする、イボとりで有名になってきた感があります。

確かに、この漢方薬が合う人が長期連用すると、湿疹や肌荒れが軽快するのがわかります。

 

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