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漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

高齢者の方の施設で使える漢方薬

この半年で衝撃を受けたのは桃核承気湯(とうかくじょうきとう)です。

施設に入院中で困るのは便秘です。

本人さんも困る、スタッフも困ります。

内服薬は下剤、ダメなら浣腸、それでもダメなら摘便です。

摘便は看護師さんが手袋をはめて肛門から便をほじって出す処置です。

つらいです、共に。

酸化マグネシウムは使えますが、高齢者・虚弱者には刺激性下剤を使用しないのが望ましいです。

そこで漢方薬です。

桃核承気湯は、比較的体力はがある人に使うように書いてありますが、実際は患者さんに強い応答を引き出して排便を促す漢方薬です。

虚弱な人に強い応答を引き出さなければ便は出ません(弱い下剤は無理)。

桃核承気湯を飲むと主に大腸が強い応答を示し快便になります。

うちの母(83歳)にも試してもらいしたが、ほぼ毎日便が出ています。

下痢が続いて困る感じではありません。

これは衝撃的でした。

強い漢方薬という理解ではなくて、患者さんに強い応答を引き出した方が良いときは、それに合った漢方薬を使うという理解です。

インフルエンザにかかった時に麻黄湯(まおうとう)をお出しするのも同様の考え方です。

 

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小柴胡湯で気管支炎を治す

カゼをひいてこじらせて気管支炎になってしまったお子さんです。

ウイルス性の気管支炎がほとんどです。

鎮咳剤、気管支拡張剤、去痰剤を飲みながら対症療法ですね。

名前はつきますが、お子さんが自分で治してね、ということです。

早く治ることもあれば長引くこともあります。

ウイルスとお子さんの力関係もありますから。

細菌感染は稀ですが、細菌性と分かれば抗生剤を内服します。

抗生剤を内服しても細菌の数が減るだけです。

咽頭、気管支に起こった炎症は、やはりお子さんが自分で治すことになります。

そこで小柴胡湯(しょうさいことう)を使います。

1日2回、3回とノンビリ飲んでいてはいけません。

解熱するまでの1日、2日は2時間おきにガンガン飲みます。

解熱したら1日3回にします。

 

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定番の漢方薬をまず使ってみてください

マニアックなところから漢方薬を試そうとする方がいます。

それは1つの手段です。

うまくいけば、ドラマチックに症状が改善するのを体験できるでしょう。

そういう方は多くはありません。

まずは定番と言いますか、常で使いやすい漢方薬をまず試していただき、自分に合う漢方薬を1つずつ増やしていくのはいかがでしょうか?

足がつったら芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を1包飲みます。

5分もすればつった足が治ってきます。

筋肉痛も軽減します。

カゼをひいたかなと自分で感じたら(胃腸が丈夫な方なら)、葛根湯を2包熱いお湯で飲んでください。

3時間もしないうちに、カラダが温まり、ジワッと汗をかきます。

これで終わりです。

3時間経っても汗をかかなければさらに2包飲みます。

たいていは2回(計4包)飲むと汗をかきます。

葛根湯の役割はここまでです。

低気圧の時の頭痛には五苓散(ごれいさん)を2包飲みます。

カラダが冷え気味で水っぽい鼻水が出たら小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を1包飲みます。

熱いお湯で飲むと鼻汁がグッと減ります。

このように定番のいくつかを試してみると、どんどん自分で治していけます。

 

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今日は岐阜大学で講演会やります

今日は岐阜大学で漢方の講演会です。

5,6年前から年に数回シリーズで漢方ファーストレッスンと称して始まりました。

今回は、『急性疾患に使える漢方』という内容です。

まず、岐阜大学の高次救命治療センターの熊田先生が急性期漢方治療のコツについてお話をしてくれます。

次に私が大学に採用されている漢方薬の中から急性期に使えるものを説明することになっています。

岐阜の中核の病院ですから、是非とも各科の先生に急性期に漢方薬を導入していただき、患者さんは早くキレイに治る方向へ向いていただけたらありがたいです。

私ができることを一生懸命やってきます。

若手の先生方も漢方薬を結構使われているいるようです。

少しでもお役に立てる話ができればと思います。

毎回熊田先生に先にお話をお願いしていますが、救急外来で漢方薬を使って患者さんが治っていくのを実践で経験しておられるのが強みです。

救急でこそ漢方薬を使っていただきたいと思います。

ゆっくり治っていては意味がありません。

サッとすぐ治ることが目的です。

 

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麦門冬湯

これからの季節に重宝します。

ノドがカサカサ、イガイガする時に麦門冬湯(ばくもんどうとう)を飲むとノドに潤いが出ます。

これは漢方薬にしかできません。

乾性咳嗽、声がれ(嗄声=させい)に有効です。

急性ウイルス性喉頭炎(仮性クループ)にも有効です。

ボスミン、デカドロン吸入と併用すると効果的です。

麦門冬湯は口腔内、気道の乾燥感に使えますが、これはアクアポリン5の水チャンネルを開けて水分子が流れ込むため気道の乾燥が改善されることがわかってきました。

布団に入ると乾燥して咳が出るときにも使えます。

これは甘い漢方薬なので、大変人気があります。

適応だなと思ったら、是非飲んでみてください。

 

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