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漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

後発医薬品がないのなら

後発医薬品(ジェネリック医薬品)が品薄状態です。

昨年某会社(数社)が業務停止命令をくらってから、各科の後発医薬品が少ない、一時的に欠品が起こりました。

自主点検をして、会社を閉めてしまったところもあります。

クスリによっては命に関わるものもあります。

先発医薬品に戻せる方は、クスリとしては手に入りますが、値段が高くなってしまいます。

骨粗鬆症の後発医薬品が一時的に在庫が減り、在庫ゼロが続いたときに先発医薬品に変更した患者さんがおられます。

単純に月に約3000円の出費が増えました。

これは大きいですね。

メーカーの努力、工夫は続いていますが、まだこの状況は続きそうです。

西洋薬がなくても漢方薬で補えるものがあれば、試してみれば良いです。

スギ花粉症が始まりましたが、自分が飲んでいる抗アレルギー薬が不足している、先発医薬品で値段が高くなってしまった、という方は漢方薬が使えます。

まず、抗ア剤のような眠気や乾燥症状(鼻腔、咽頭)がありませんし、値段はずいぶんお安いです。

エキス剤なら1包数十円の世界です。

現在、こういうケースをみつけては、患者さんに提案しています。

「いらないわ」という方もあれば、「試してみるか」という方もいます。

当面続きそうな状況に柔軟に対応したらどうですか。

 

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冷えて胸が痛い

既往歴なしの健康体の方です。

最近冷えだしてから、時々胸が痛くなります。

内科受診され、特に異常なし。

様子をみてください、と言われました。

様子をみても変わりません。

何かないですか?と相談がありました。

どうやら肋間神経痛のようですが、鎮痛剤を飲んだり、温めても疼痛が時々起こります。

そこで当帰湯(とうきとう)をお出ししました。

虚血性心疾患のない狭心症様症状に使います。

飲んで2-3日目から疼痛が消えてきました。

背部痛にも有効です。

こういう方がある程度いらっしゃると推定します。

一度お試しください。

 

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みんな大好き麦門冬湯

外来で好まれている漢方薬があります。

その1つが麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

この季節は冷えて乾燥がキツイです。

ノドがカサカサになります。

こみ上げるような咳が出て困ります。

咳を止めようとすると、ノドがむずがゆくなり、再び発作性に咳が出ます。

こういうときに麦門冬湯を1包サッと飲むと、ノドの乾燥が潤い、咳が鎮まります。

ただ効果の持続時間が短いので、3-4時間おきに飲むことが可能です。

保険的には1日4回とか書けませんので、咳の程度に合わせて自分で調節してください。

麦門冬湯は甘くて飲みやすいので、お子さんたちにも人気です。

ただ、1週間、2週間と飲み続けても咳が止まらないときは中止です。

高齢の方を中心に滋陰降火湯(じいんこうかとう)などに変更します。

五虎湯(ごことう)、柴陥湯(さいかんとう)なども使います。

 

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冷えます

今年は冷えます。

自分は、老化に伴う冷えも相まって冷えを感じるようです。

外来では、しもやけの相談が多いです。

冷えて頭痛、腹痛、肩こりも多いようです。

足がつるのも関係ありでしょうか。

まだ数ヶ月は冷えます。

何か冷えの漢方薬を使ったらどうですか?

うちのスタッフも何かしら飲んでいるようです。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう)、人参湯(にんじんとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)など、冷える部位、症状によって使い分けています。

加齢に伴う冷えには、六味丸(ろくみがん)、八味丸(はちみがん)、牛車腎気丸(ごしゃきんじがん)です。

私も以前、八味丸(八味地黄丸のこと)を2年間飲んでいました。

飲むと下半身がシャキッとして、夜間頻尿が改善しました。

冷える部位はどこですか?

心が冷えるって?

そういうのに対応する漢方薬もあります。

 

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食欲不振のお子さんの経過

昨年の夏に初めて来られた1歳の女児です。

感冒で受診されました。

解熱し、咳、鼻汁が少し残る程度でしたので、話をして終わりました。

その際に、お母さんから「食べない、体重が増えない」という訴えがありました。

もともと食が細く、体重が7kgでした。

元気もあり、大声も出て動きますが、食に関してだけはずっと変わらないと。

令和3年の8月から、六君子湯(りっくんしうとう)を開始しました。

全量飲めなくて良いので、ほんの一口ずつ飲めたらいいねーと指導しました。

1ヶ月経過した頃、「食事量は増えませんが、体重が増えってきました」と。

美味しくない物は吐く、というポリシーらしいです(頑固な性格かも)。

体重は0.9kg増えました。

そのまま六君子湯を続けました。

初診から2ヶ月後再診。

「自分でスプーンを使って食べる、ミートボール、ハンバーグが好きです」

天気の良い日は外で遊べています、便秘なし。

体重は0.5kg増加。

3ヶ月後再診。

「六君子湯は飲めています。外出先では食べるが、自宅では食べない、朝の食事量が少ないです。」

体重は横ばい。

令和4年1月受診(初診から5ヶ月後)。

「乾燥肌があります。体重は増えました。」

体重は約2kg増加しました。

ゆっくりなペースですが、少しずつ食事量は増え、おかずに興味が出てきました。

彼女のペースで体重が増加すれば良いかなと思っています。

以前より活気が出て、外来でも元気に声が出ています。

六君子湯を飲むと、胃の蠕動運動が良くなり、血流も増え、食欲増進ホルモンが出ます。

飲みやすい漢方薬なので、このまま内服を継続します。

 

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