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漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

ウイルス性胃腸炎に桂枝人参湯

先日初診で来られたお子さんです。

まだ保育園にも行っていません。

数日前から水様性の下痢が始まって止まらなくなったt。

発熱、嘔吐なし、腹痛は年齢が低くて不明です。

元気はそこそこあり、水分は摂れそうです。

夏カゼの中の胃腸炎シリーズかな、と話をして桂枝人参湯(けいしにんじんとう)を飲んでもらうことにしました。

ウイルス性胃腸炎で軽症なんだけど、なかなか下痢、軟便が治らず長引くこともあり、今回もどうかなと心配でした。

1日3回と処方箋に書いてありますが、3-4時間おきに一口ずつでいいから飲ませてください、と指示しました。

それから来院されませんでした。

昨日の夕方発熱した、と来院されました。

生まれて初めての発熱でした。

カゼか突発疹かと言う話で麻黄湯(まおうとう)を始めました。

「ところで、前回の下痢どうなりました?」

「先生、ビックリでした。1日でサッと下痢が治まりありがたかったです。だから今回も漢方薬で、と思って来ました!」

ありがたい話です。

小児で見られるウイルス性胃腸炎は、水様性下痢、嘔吐、ノドが渇く(水分を欲しがる)という場合が多いです。

これには、五苓散(ごれいさん)がよく効きますから出番が多いです。

今回はそういう様子ではなかったので、桂枝人参湯を使いました。

コツは3-4時間おきに頻回に飲むことです。

早い人は、今回のケースのように1日でスキッとします(もちろん、難渋することもあります)。

整腸剤だけ飲んでいるくらいなら、積極的に腸管の炎症を止めにかかった方が理にかなってます。

 

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ちくのうに使える漢方薬

副鼻腔炎は、なかなかやっかいです。

耳鼻科で診断がついて治療が開始されても、「はい、終わり」とすぐに治療が終わることは少なでしょう。

専門医が治療しても、副鼻腔に入り込んだ鼻水はネバネバ、ドロドロになってサッと出て来はしません。

そこで、現在の治療に漢方薬を追加します(治療はそのままで大丈夫ですよ)。

急性期(病気が始まってまだ1-2週間以内)なら、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を追加します。

飲んで4日目くらいから、汚い鼻水が鼻腔から出てくるようになります。

どんどん鼻をかんだり、鼻汁吸引してもらって鼻腔のお掃除をしましょう!

スッキリ鼻が通ります。

1-2週間内服して調子良かったら一旦中止です。

これでダメなら、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)などを試します。

どれも苦いですね、おいしくはない(苦笑)。お湯でサッと飲むことですな。

例えば、辛夷清肺湯を飲むと3-4日目くらいから、ネバネバ、ドロドロの鼻水が増えたかのごとく出て来ます。

どんどん出し切ってしまいましょう。

最近は、荊芥連翹湯を試す機会が多いですが、よく効きますねー。

 

 

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ヘルパンギーナに麻黄湯を

お子さんを中心にヘルパンギーナが流行中です。

@突然の高熱(38-39℃)、Aノドの痛み、B頭痛、吐き気が見られたら医療機関を受診しましょう。

「夏カゼやね」、「ヘルパンギーナやね」と診断がついたら、エンテロウイルス系の感染症ですから、抗生剤は不要です、効きませんと言われているのです(ちゃんと説明がないと患者さんはわかりません)。

ウイルス感染だから自分で治しなさいよ、ということです。

坐薬と水分補給で3日間頑張れば治りますが、できれば1日も早く熱を下げたいところです。

胃腸が丈夫なお子さんであれば、麻黄湯(まおうとう)を一口ずつでも構いませんから、2-3時間おきに飲みましょう。

@37.5℃以下になるか、A汗をかくか、Bおしっこが出るか、どれか1つが見られたら麻黄湯の内服は中止です。

この時点でスキッと熱がさがれば、大変ありがたいです。

相手が強いと、熱が下がりかけたのに、また午後から38℃前後まで上がってくるのを繰り返します。

カゼがこじれた、と考えます。

これを見たらもう麻黄湯は飲んではいけません(ここがポイント)。

上がり下がりするカゼには柴胡(さいこ)という生薬が入った漢方薬で対応します。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や小柴胡湯(しょうさいことう)だけを飲みます。

ノドが痛いなら小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)を使います。

1回ぐらいは、ストンと熱が下がる瞬間を見ることができます。

これを経験すると漢方薬が速効性であることをわかってもらえます。

 

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暑くなってきたら便秘になった

暑くなってきたら便が硬くなってきて出なくなってきた方はいませんか?

そういえばここ1ヶ月くらいコロコロ便になってきたという方。

水分を摂取しても、汗や尿で体外に出ていく水分が多いせいでしょうか、腸管内も乾燥気味かも知れません。

年齢を重ねてきたら、次第にコロコロ便になってきた方もおられるでしょう。

潤腸湯(じゅんちょうとう)という漢方薬があります。

いかにも腸を潤して便を出します、という漢方薬です。

皮膚も乾燥気味なら、まずこれを1-2週間飲んでみます。

調子良くなれば、少し続けてみます。

調子がいいと感じたら、患者さんが自分で中止すればよいです。

これで弱いなら、麻子仁丸(ましにんがん)という漢方薬に変更してみましょう。

まだ他にも手はありますよー。

快便でスッキリが一番です!

 

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今飲んでいる漢方薬

「ところで先生は何か漢方薬を飲んでいるんですか?」と外来で聞かれます。

「特に飲んでいません」

何かを継続的に飲んでいるわけではありません。

場面場面で適宜使用ってやつです。

朝クリニックで水をまいていたら蚊に刺された→越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

外来が始まる頃にカラダがだるいなー感じたら→補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

さあ、今から飲むぞー!となれば→半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)+五苓散(ごれいさん)

外来中に肩が凝るし、目が疲れるなー→葛根湯

イラッとしてこいつを殴っちゃいそうだな(怖い)ー→抑肝散2包(ここは2包だな)

てなふうに飲んでいます。

これらは過去にしっかり1-2週間以上試してみて、“合う!”と実感したものばかりです。

まずはあれこれ試してみましょう!

1つでも自分に合う漢方薬を見つけると楽ですよ。

 

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