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漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

高校生の口内炎に漢方薬のうがいを

男子高校生が久しぶりに受診されました。

保育園児の頃から通院してる方です。

今回はアレルギー性鼻炎の症状がまだひどいので来ましたと。

目がかゆい、くしゃみ、鼻水が止まりません。

今年は雑草系、イネ科花粉症が長引いています。

12月まで突入しそうです。

と同時に、口内炎ができて痛いと。

もともと漢方薬が苦手なので、エキス剤の粉が飲めません。

口腔粘膜が荒れており、痛そうです。

部活などの疲れが原因でしょうか?

漢方薬は飲めないので、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を1包ずつうがいして吐き出してもらうことにしました。

不思議そうな顔をして帰っていきました。

うがいをした後、4日目から口腔内の痛みが治まり、普通に食事が摂れるようになったと報告がありました。

飲まなくても患部に当てるだけで、結構早く口内炎の炎症は鎮まります。

抗がん剤でできた口内炎が治っていくくらいですから。

試してください。

こういう時は水で結構です。

 

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なくなるなくなる

外来の引き出しにセットしておいた漢方薬がなくなります。

どんどん飲んでいるから。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)、桔梗湯(ききょうとう)は、あっという間になくなります。

外来でノドがカサカサと乾燥し始めたら、桔梗湯1包をうがいして患部(ノド)に当ててからゴックンと飲み、続けて麦門冬湯を1包飲みます。

外来中に再度ノドが乾燥したら、3時間空いていれば麦門冬湯1包を飲んでいます。

1日3包は当たり前です。

これをやっておくと、熱が出たりせすに済みます。

でも時々、外来中に「カゼひいたかな?」と思う瞬間があります。

ほんの少し寒気がします。

こういう時は葛根湯を2包熱いお湯で飲みます。

3時間後にまだ寒気があれば葛根湯2包を追加します。

だいたいこれで症状は治まります。

ノドんも痛みがきつい時は、小柴胡湯加桔梗石膏を2包ずつ、1日3回飲みます。

これで何とか3月までしのぎます。

 

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おなかがパンパンなおじいちゃん

便秘で来院された高齢の男性です。

中肉中背です。

「お通じが悪くて、おなかが張って苦しい」

近医で下剤などを処方されるも、全然出ないと。

おなかが前面にポコッと出ています。

腹痛はなく、おっしゃる通り腹部は張って苦しそうです。

こういうときは、大承気湯(だいじょうきとう)で突き崩します。

大承気湯を1日3回で3日分処方しました、

飲んで2日目にドッと便が出ておなかがぺったんこになりました。

余りにも一気に便が大量に出たので、トイレが一時つまってしまいましたとさ。

喜んでおられました。

 

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疲れ切っているのに熱が出る

病気の末期か、はたまた疲れ切って倒れそうなときに熱が出ることがあります。

これは感染症ではなくて、極端にへばり過ぎてギブアップ寸前という状態で絞り出すようにポッと熱が出るイメージです。

解熱剤を使うような状況ではありません。

こういうときは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を使います。

1つの手として、補中益気湯でエネルギー注入です。

倦怠感(特に手足)を改善し、ご飯が食べられるようにして元気を出させて、熱を下げます。

真武湯(しんぶとう)や茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)なども使えます。

超緊急的な使い方もします。

 

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熱の下げ方

漢方薬を使って解熱させる方法があります。

@発汗させる

A和解させる

B下す

C清熱する

Dその他

 

よくわからないですね。

@麻黄が入った葛根湯、麻黄湯(まおうとう)を飲むことによって発汗させて解熱を図ります。

ということは、飲む人は汗をかいていない、というのが前提条件です。

少しでも汗をかいていたら桂枝湯(けいしとう)を使います。

A柴胡剤、代表選手は柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)でしょう。

1日、あるいは3回淡々と飲み続けることによって、階段状に解熱していきます。

前日の最高気温を超えない、超えないという下がり方です。

柴胡剤を使う場合は、熱が出てから数日を過ぎていることが多く、朝は平熱なのに、午後、夕方から熱が上がるのを繰り返している状態です。

我慢強く柴胡桂枝湯を飲むことがポイントです。

Bおなかを下す、便を出すことで解熱を図る作戦です。

使うのは大承気湯(だいじょうきとう)です。

常習便秘に使う漢方薬ですが、高齢の男性に有効なことが多いです。

大承気湯を飲んで、下して解熱させるという機会は少ないとは思いますが、1つの手段として覚えておくのも良いと思います。

C白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を使います。

これは口渇と顔のほてりを目標に使う漢方薬です。

石膏(せっこう)と知母(ちも)という2つの清熱瀉下に使う生薬が入っており、強力に熱を冷まします。

熱中症やアトピー性皮膚炎などにも有効です。

解熱する方法は、まだまだ手があります。

 

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