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漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

夜寝ない赤ちゃん

「夜、寝ないんです、この子」と相談です。

夜泣きをして寝ないのかと思いきや、そうではありませんでした。

20時頃一旦寝ますが、2時間で目が覚めてしまい、あとはほとんど寝ないそうです。

2時間おきに授乳で起きても普通はサッと寝ることが多いですよね。

どうもそうではないらしい。

黒目が大きく、しっかりした目つきであったため、まずは抑肝散(よくかんさん)を使いました。

2週間飲んでも全く変わりなし。

次に、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)をお出ししましたがダメ。

抑肝散と甘麦大棗湯の併用もダメ。

音に敏感だと話を伺ったので、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)を試しましたが、今一つ。

寝ぼけている感じはなさそうですので、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)はまだ使っていません。

刺絡もやりましたが、著明な効果が出ていません。

今このお子さんの治療に難渋しております。

 

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気管支喘息に使える漢方処方

お子さんの喘息には、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、五虎湯(ごことう)を使うことが多いです。

この2つは、ほぼ同じ漢方薬です。

麻黄(まおう)が入っています。

大人の方がずっと飲むと、嘔気、動悸などが起こることがありますが、それがなければ大人の方でも使えます。

鼻水がズルズル、水っぽい痰が多いなら、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が使えます。

乾いた咳が中心で、ノドがカサカサするなら麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

まだまだ手があります。

単純に咳を無理矢理止めるだけでなく、気管支の炎症を止めることが大切です。

抗アレルギー薬+吸入ステロイド薬+漢方薬、全然ありです!

+抗生剤、大丈夫です。

患者さんのためなら、総動員で発作のコントロールに努めます。

 

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中学生の鉄欠乏性貧血

先日、貧血のお子さんが来られました。

中2の女子で、部活でバレーボールをバリバリやっています。

しかし、貧血でカラダがしんどい、だるいのだそうです。

今は市販のサプリメントを買ってきて、不定期に使用していると。

小学生の時も鉄欠乏性貧血を指摘され、鉄剤を飲んでいた既往があります。

最近は月経時に経血量が多く、下腹部痛もきついそうです。

診察すると、カラダが冷えており、色白の皮膚、左下腹部に著明な圧痛があります。

これは、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の適応です。

当帰芍薬散だけでも、鉄欠乏性貧血を改善することがあります。

血清鉄が10-20は上がることがあります。

鉄剤の苦手な方は無理しないほうが良いです。

飲むと気持ち悪くなる方がたまにおられます。

当帰芍薬散を飲むとカラダがポッと温まり、むくまなくなります。

月経痛、経血量の改善も期待できます。

 

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桂枝加黄耆湯

うちに出入りしている仕事仲間の20代男性です。

軽いアトピー性皮膚炎があり、皮膚のかゆみで困っていました。

特に内服薬などは使っておらず、皮膚がかゆい時だけ自宅にある軟膏を塗っているそうです。

仕事柄、いつもビシッとスーツを着ているので、昼間は汗をかくし、暑いので皮膚にとっては過酷な状況です。

仕事の打ち合わせで、たまたま漢方入浴剤の話が出て、これに飛びついてきたのでサンプルを差し上げました。

家族全員で使ったら、皮膚のかゆみが軽くなったと(家族内にアトピー性皮膚炎が3人もいた)。

漢方薬を飲んでみたいが、粉薬が苦手でオブラートでやっと飲める程度です。

ですから、漢方薬は飲めないなーと言っていました。

ものは試しにと、桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)をお出ししたら、「これなら何とか飲めそう」と。

現在まで2ヶ月続けて飲んでおられますが、皮膚の調子は良いようです。

抗アレルギー薬は使っていません。

どうやら外用薬もほぼ使わず、皮膚の乾燥、かゆみはコントロールできています。

当面続けてみたいと希望がありました。

 

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市販の漢方胃腸薬

「先生、胃が痛いです、市販の○○漢方胃腸薬を飲んでみました」

40代女性です。

以前にも同様のエピソードがあり、内科で胃カメラを飲んだこともあるそうです。

病名は慢性胃炎で、ピロリ菌がいたので除菌も行ったそうです。

今回は自分の仕事、お子さんの入学の準備などで多忙を極めていたのが原因かとおっしゃいます。

冷えの強い方で、胃腸はそれほど丈夫ではなく、きっかけさえあれば、すぐ胃の症状が起こります。

市販の○○漢方胃腸薬は、安中散(あんちゅうさん)がまず入っています。

これは神経質で、冷えがある方の胃痛に効果的です。

私のような暑がりで胃腸が丈夫で食べ過ぎで胃が痛くなるタイプには効きません。

漢方薬は、よく効く相手を選びます。

相手を間違えると、全く何の反応も起こりません。

この方には、ランソプラゾールと安中散、さらに胃痛がきつい時に使える芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を追加しました。

まずは2週間試してもらうことにしました。

彼女は、来週の清流マラソンに出ると宣言していますので、何とか間に合うかな。

 

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