漢方外来をご利用ください 

漢方薬を治療に取り入れてまだ10年程度の駆け出しです。

日常診療で漢方を使う場面は数多くあります。

西洋医学が得意な分野はお任せして、西洋医学の治療でうまくいかないところ、漢方が得意なところに使っていきます(両者併用もあります)。

このホームページでは、なるべく専門用語や難しい言葉を使わないようにして、明日からすぐ飲んでみたくなる漢方薬の情報などを載せていきたいと思います。 

 漢方治療を始めてよかったこと 

 

1 西洋医学の行き詰まりを感じた時に、治療できること

2 全国の漢方を扱う先生と出会えたこと

3 漢方治療で治療経過がうまくいくと必ず喜ばれること

4 患者さんのカラダに触れる機会が増えて、コミュニケーションが良くとれるようになったこと(腹診、触診など)

5 患者さんがいろいろ教えてくれること(漢方薬を飲んでどうなったか、を本人、保護者が熱心に語ってくれる、こうしたら良くなったとかも教えてくれる)

6 合えばすぐ効く!ということ

7 患者さんが余計な抗生剤を飲まなくてすむようになったこと

まだまだ漢方の道では、駆け出しですが前向きに考えて進みます。

 

補中益気湯だけで痔は大丈夫です

78歳男性です。

痔で困っていたところ漢方薬に出会いました。

痔が飛び出て痛い、出血するので乙字湯(おつじとう)を開始しました。

1ヶ月経過したら、痔が飛び出なくなり、さらに出血、痛みもありません。

お通じも良くなりました。

数年経過した頃から、飛び出る回数が増えたため補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を追加しました。

「下がったものを持ち上げる作用」を利用しました。

これでちょうど良かった!

先日外来に漢方薬を取りに来られました。

「あまりにも調子いいので、今は乙字湯を飲んでいません。補中益気湯だけで大丈夫です。」

「え?」

「補中益気湯だけで痔が出ないし、元気も出てありがたいです!」

補中益気湯だけで痔は出ない、元気が出る、お通じも良いそうです。

補中益気湯恐るべし!

いろいろな場面で活躍中です。

私は毎日2包飲んでいます。

全身倦怠感に使っています。

外来やっているとカゼをもらいまくって免疫が下がります。

これに対応して元気の良さを維持しています。

 

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冬は麦門冬湯が大活躍

カゼシーズンが始まると、外来終わりにノドが痛い、乾燥します。

お子さんたちから、大量のウイルスを暴露されますから仕方がありません。

外来中にリレンザを吸入して、インフルエンザウイルスの発症を抑え、麦門冬湯(ばくもんどうとう)でノドの乾燥、炎症に対応します。

ノドが痛くなったら桔梗湯(ききょうとう)でうがいしてからゴックンと飲みます。

寒気が始まったら葛根湯を2包一気に飲みます。

これの繰り返しで、何とか発病に至らずに終わります。

中でも麦門冬湯は重宝します。

ノドがいがらっぽいなと感じたら、外来中でもすぐにお湯で飲みます。

ということは、漢方薬が常に手元に置いてあるということです。

葛根湯、麦門冬湯、桔梗湯はもちろん、五苓散(ごれいさん)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)はストックがあります。

岐阜大学の救急の熊田先生が、「漢方薬をいろいろ集めたくなるよねー」と言っていましたが、あれこれ自分で試してみたくなるんです。

 

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逆流性食道炎で困る

40代女性。

逆流性食道炎で内科通院中です。

ランソプラゾールなどを内服中ですが、胸のあたりが痞(つか)えるような感じがする、気分が良くないと。

ランソプラゾールを飲む前は、胸やけ、ゲップなどがありましたが、これらは内服後ほぼ解消しました。

解消しない症状を何とかしてくれ、という要望です。

以前から加味逍遙散(かみしょうようさん)を飲んでおられます。

結構、精神的にトラブルが多い方です。

ここで茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)の出番です。

食道の蠕動運動が障がいされているため胃液が逆流して、その不快な症状が続くせいで抑うつ状態になった人に、食道の蠕動を回復させて逆流を解消し、その結果気分が爽快になるという応答を引き起こします。

この方は、茯苓飲合半夏厚朴湯を内服して2週間以内に症状が改善しました。

以後、同様の症状が起きたときに、西洋薬に併用して飲んでいます。

気分が良くなるのがいですねー。

なかなか使う機会がないかも知れませんが、これは名方です。

 

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何歳まで麻黄湯を飲めるか

麻黄湯(まおうとう)はインフルエンザのときに使うといい、という情報があります。

発汗して解熱を図る漢方薬です。

葛根湯も同様に、発汗して解熱させるシリーズです。

麻黄にはエフェドリンが含まれますので、飲み続けると吐き気、動悸などが起こることがあります。

お子さんたちは麻黄に強いのでガンガン飲んでも、まず何も起きません。

外来で見ていると、女性は高校生ぐらいから飲みづらい、気持ち悪いという方が増えてきます。

男性は40代までは大丈夫な方がほとんどですが、例外もありますので患者さんに確認しながら処方しています。

大人の方が発汗して解熱を図るなら葛根湯で十分なことが多いです。

相手がインフルエンザなどの強力な感染症の時は、患者さんに強い生体側の反応を起こして解熱に導いて欲しいので、1日、2日のみ麻黄湯を2時間おきに飲んでもらいます。

麻黄湯が強い漢方薬なのではなくて、麻黄湯を飲むと患者さんに強い生体反応を起こさせると考えます。

強い生体反応を起こす必要がなければ、葛根湯や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)で十分なのです。

私は50代後半ですが、まだ麻黄湯が飲めます。

患者さんでも40歳後半で、まだ麻黄湯でカゼを治している方がいます。

無理はいけません。

年齢に合った漢方薬で治してください。

 

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麻黄附子細辛湯を使う

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)という漢方薬があります。

深部体温が低めの方、冷え症、中高年のアレルギー性鼻炎などの使います。

これを飲むとカラダがポッと温まり、免疫能が回復すると考えられます。

深部体温も上がってきます。

褐色脂肪細胞に対するアディポネクチンの刺激が弱いので、これを飲むとアディポネクチン産生促進作用が上がります。

冬の間、これを1日2回、あるいは3回飲んで冷え対策をしている方がおられます。

中高年に限らず、若い方でもアレルギー性鼻炎にちょうどいいとおっしゃる方がいます。

私のような暑がりにはまず不要です。

冷える方が対象です。

カゼをひいても、脈が沈んでいれば葛根湯を使わず、麻黄附子細辛湯を使うと経過良好となります。

 

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